新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.691 断ったはずの新聞が忘れたころに届き始めて困っています


投稿者 ぴーすけさん  投稿日時 2009.2. 8 PM 1:20


はじめまして、ぴーすけと申します。

古い話になるのですが 平成15年当時Y新聞の勧誘をうけ 18年から半年の契約をいったんしました。

しかし別の新聞を契約していることもあり、すぐ(当日から2.3日内)に電話で契約解除を申し出しました。

その後、勧誘員がやってきましたが 口頭で契約は断り景品も返し帰ってもらいました。

そして20年12月30日 なぜかY新聞が届き始めたんです。おかしいと思って販売店に説明を求めたところ「21年から半年契約になっている」というではありませんか。

契約書もあるというので見せて頂いたところ確かに判も押してあるのですが契約期間の日付(18年から半年)の部分だけが訂正線を引かれ書き換えられているのです。

こちらはお断りしたことは覚えているものの契約期間の変更したおぼえは全く無く困っています。

相手は契約書があるので強気な態度です。こちらには15年当時の契約書は残っていません。

このよう場合、半年間、新聞の購読および料金の支払をしなければならないのでしょうか。

よろしくお願いします。


回答者 ゲン


あんたのようなトラブルは、昔からこの業界には結構あって、やっかいなことになるケースが多い。

こういうことを想定して、普段からこのQ&Aでも、解約になった場合は、契約書の余白部分に「解約済み」と書いて貰うようにとアドバイスしとるんやがな。

おそらく今回のように、その販売店が『契約書があるので強気な態度です』という状況なら、あんたの『電話で契約解除を申し出て受理された』という主張は認めんやろうと思う。

そういうことがあった、なかった。あるいは言うた言わんの水掛論に終始することになる。

しかし、それでも、あんた次第やが、『このよう場合、半年間、新聞の購読および料金の支払をしなければならないのでしょうか』とあきらめる必要はないと思う。

ただ、その場合には、あんたの方にも相当強い気持ちが必要にはなるがな。

相手が強気で認めんと言うのなら、あんたも強気で「間違いなく解約になった」と言い張り、「このまま、新聞を勝手に入れ続けても金は一切払わんからな」と宣言して対抗するしかない。

そして、実際にも納得できん新聞代なら払わんという姿勢を貫くことやと思う。

理不尽な要求には、毅然とした態度で接するしかないさかいな。

あんたの方に、その契約書が残っているのなら、その『契約期間の日付(18年から半年)の部分だけが訂正線を引かれ書き換えられている』のは、相手の契約書だけで、あんたのにはないやろうから、双方同じ契約書を持つという原則が崩れ、その契約の無効を法的にも主張できる。

しかし、今回の場合、その契約書も残ってないということのようやから、口頭での約束が正しいと第三者に示すことができん限り、どこまで行っても平行線を辿ることになる。

あんたの姿勢次第では、その販売店もあきらめる場合がある。新聞を入れても金を払わんと言うてるのに、無理をしてもつまらんということでな。

ただ、それとは逆に、それでも強気で入れ続けてくる販売店というのも存在する。

要するに根比べということやな。

金を払う方と払うて貰う方を比較すると、金を払う方が断然強いとワシは思う。

その販売店が、新聞を投函し続けたとして、あんたが、その代金の支払いを拒否した場合、その支払いを受けるには、民事裁判に訴えてその主張が認められるしかないさかいな。

当たり前やが、強制的に金を支払わせることは法律で認められとらんし、そうするために脅せば恐喝罪にも問われ、その販売店は非常に拙い立場に追い込まれるさかいな。

以前、同じような質問で、その支払いの意志がないことを証明するために、内容証明郵便を出すようにとアドバイスしたことがある。

内容は、「その契約は終わったもので、一切認められないから、勝手に新聞を入れても支払いを拒否する」という感じでええと思う。

そういうケースは、ほとんどないとは思うが、万が一、その販売店に支払い請求の民事裁判を起こされた場合、あんたの方に明確な意志が示せていた方が有利やさかいな。

これをほっといて、そのアピールをせず、投函された新聞を受け取り続けた場合、それを容認した、もしくは認めたとされかねんさかいな。

その場合、例えその契約が法的には認められんかったとしても、受け取った新聞の支払い義務というのが発生するおそれがある。

内容証明郵便というのが、面倒やったら、電話でのそのやりとりの中でそれを伝え、その内容を録音して残しておくというのでもええ。それでも、一応の証拠にはなる。

但し、その場合は会話の中に日時が分かる言葉を言うなりして、相手もそれは知っていたと分かる工夫をしとかなあかんで。

具体的には、「なぜ平成20年12月30日から、うちにお宅の Y新聞を入れたんですか。私は平成15年○月○日(これは最も可能性の高い日を限定すること)に確かにお断りの電話を差し上げ、そちらの○○さん(名前が分からなければそれと分かる特徴を言う)に伝え了解して貰って契約は解除されていますので、即刻、本日平成21年2月○日より新聞の投函を止めてください。こちらの意志に反して新聞の投函を続けられても支払いは一切しませんから」という感じやな。

ここでのポイントは、新聞の投函を続けても支払いには応じないという、あんたの意志と伝えた日時を入れるという点や。それが後で生きてくる。

できたら、電話の相手はそこの店長以上の責任者の方がええで。

これを内容証明の文書にするのでももええ。

今後、その販売店と揉めてでも、その新聞を拒否、あるいは新聞代の拒否をするというのなら、これから先のその販売店との会話もすべて録音しといた方がええかも知れんな。

とことん争うつもりなら、今後は言うた言わんという水掛け論になるようなケースは極力避けることや。

ちなみに、裁判というと何か大層なことのように考えがちやが、民事裁判というのは大したことはないから、それほど心配する必要はないと言うとく。

普通、裁判になると、弁護士を雇ったり裁判費用がかかったりすると思われがちやけど、弁護士を雇わんかったら、大した費用はかからん。

民事裁判では絶対に弁護士を雇わんとできんというものでもないさかいな。

裁判所に行くために仕事を休むことになるかも知れんが、訴えられた側の負担は、それと裁判所までの交通費くらいなものや。

まず、裁判所の出頭通知というものが来る。指定された期日と時間には必ず出向く。この場合、絶対に行かなあかんのは、出頭通知にも記載されとる契約人である本人や。

これを無視したら、いくら分のあることでも、民事では一方的に相手側の言い分が認められるからな。

民事の場合、初めは調停から始める。場所もテレビドラマに出て来るような物々しい法廷やない。こじんまりとした会議室みたいな所が多い。中央に大きめなテーブルがあり、その回りに輪になって座る。対面の場合もある。

裁判所の方は、裁判官と書記官が立ち会う。裁判官の服装も普通の役所の人間が着てるスーツ姿や。喋り方も取り立てて変わったところはない。訴えた側は、たいてい弁護士と訴えた人間が来る。弁護士だけの場合もある。

訴状の説明があり、認否を訴えられた人間に聞く。間違いと思うことははっきりとそう言う。こういう、訴えられた側が理不尽と思う場合、普通は争う姿勢を示す。

ここで、ポイントなのは、相手方に理解を示すような発言をする必要は微塵もないということや。訴えるという行為自体が喧嘩を仕掛けているんやからな。

せやから、こんなことまでも思うようなことでも、相手の落ち度となることは徹底的に言うという姿勢でいとることや。

そのためには、証拠となるものはできるだけ多く集めとくことや。今回のようにそれがなくても、そのときの状況を克明記した文書を作成しとくのでもかなり違う。

双方が水掛け論に終始した場合、最後は裁判官の心証というのが物を言うから、そのためにも納得できる事実としての内容を書いておくことや。

民事事件の裁判というのは、ある意味、書類審査という側面もあるさかい、有利と思えることは何でも書いて提出することや。

相手の弁護士も、あんたの不備を突っ込んでくる。

ここで、理不尽やと思って腹を立てん方がええ。裁判とはそうしたもんや。

特に弁護士は依頼人に落ち度が高いと思うても、少しでも有利にすることが仕事やさかいな。そのためには相手の落ち度をつつくしかないということを分かってなあかん。

相手を攻撃し合うのが裁判で、話し合いの場とは違う。この考えが分かっとらんかったら、いくらこちらが正しいと思っていても足下をすくわれる恐れがある。

裁判官はそれらのことが形式通り済むと、どちらか一方を室内に残し、他方を室外で待たす。それぞれと面談する。

裁判官は双方の話しを聞いた上で、助言という形で意見を交え、相手の方針を確かめる。調停にするか本裁判に進むかや。

この場合、訴えられた側は調停を選ばん方がええと思う。この場合の調停は、ほとんどが支払い金額の交渉やからな。一銭も払う気がなかったら、一切の交渉をはねつけた方がええと思う。

参考までに、本裁判に進むと、法廷での争いとなる。これはテレビドラマで見るような物々しさがある。

慣れん者には、この雰囲気自体が強烈なプレッシャーになる。こちらに弁護士がいなければ、相手の弁護士の攻撃を防ぐのは普通はしんどいからな。あんた次第やが、ここに至った段階で初めて弁護士に頼むのならそうすればええ。

因みに、弁護士費用やが、その弁護士によっても事件の程度によっても違いがあるが、民事の場合は一件、30万円程度が一般的や。

しかし、今まで言うたことはあくまでも、参考として考えてくれてたらええ。ワシの知る限り、こういうケースで販売所が、客を訴えることは、ほとんどないはずやと思う。そんな話も聞かんさかいな。

あんたにはしんどい話かも知れんが、証拠の残っていない水掛け論に終始するような揉め事は、ここまで腹をくくってな解決は、し辛いということや。

そして、その裁判の結果は、やってみな分からんというのが正直なところでもあるしな。

特に今回のようなケースやと、ワシには何とも言えん。

ワシら専門家には、客観的に見てあんたの言う事に分があるというのは分かるが、裁判官で、こういう新聞トラブル事案に慣れた人は少ないさかい、どう転ぶかは分からん。

そういう面倒なことが嫌やと言うのなら、争うのをあきらめて『半年間、新聞の購読および料金の支払をする』という選択肢もある。

最後に、『別の新聞を契約している』と言われておられるが、このトラブルが解決つくまで、その購読開始は延期して貰うた方が無難やないかなと思う。

解約するとなると、そちらの販売店とも揉めることになるかも知れんが、延期というのなら応じて貰えやすいさかいな。

目安として、とことん争うのなら一年くらい、あきらめて購読されるのなら、その契約分の半年間というところかな。

いずれにしても、どうされるかは、良う考えて決められたらええと思う。


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