新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.695 良いカードとは?


投稿者 pa さん  投稿日時 2009.2.17 AM 5:30


初めてお便りさせて頂きます。業界二年の若輩者です。

縛りが出来るカードは良いカードと評価されますが、廻す方が得なのではないでしょうか。

でも廻らないですよね。

縛る為の拡材と、起こす為の拡材は契約月数では、同じですよね・・・


回答者 ゲン


この業界で良いカード(契約)とは、不法行為のないものと、その新聞販売店にとって都合のええものをそう呼ぶことが多い。

「縛り」というのは、通常、長期契約のことを指すが、これは販売店にとっては長期間に渡り約束された収益が上がるわけやから、最も望まれるカードということになる。

当然、そういう契約を上げる拡張員の評価が高くなるというのは良く分かる。

ただ、すべての客がそうなると、拡張員からすれば、そこでの仕事量が確実に減ることになる。

当たり前やが、新聞販売店のバンク(営業エリア)は限定された範囲しかないから、そこの客も当然ながら限られた人間しかおらんわけや。

長期間の契約を結べば、その間、その客は現読ということになり、ワシら拡張員は現読拡張禁止の制約があるから、その客とはその間、契約できんことになる。

そういうカードを上げれば上げるほど、拡張員の稼げる市場が減るのは理の当然ということになる。

これが、1年契約、2年契約、3年契約と年数が多くなるに比例して、その拡張料が2倍、3倍となるのなら問題も少ないが、そうならん場合の方が多いさかい、拡張員の立場からすれば長期間の縛りをしても得るものは少ないと言うしかない。

特にワシらの方やと、3ヶ月契約4000円、6ヶ月契約6000円、1年契約8000円とそれなりに拡張料も増えるが、1年以上はすべて同じというのが大半やさかいよけいそういう気持ちになる。

せやから、1年以上の契約を取るような拡張員は、ワシらの方ではまずおらん。

それよりも、一旦、その新聞の購読から離れることにより、その客が交代読者になることの方を望む。

そうすれば、お越しと言うて、拡張員はその客からの再契約が可能となるさかいな。

一度契約を貰うた客からは再度の契約も貰えやすい。つまり、一人の交代読者との人間関係さえちゃんと築きさえすれば、それは拡張員としての固定客になるわけや。

それが、あんたの言う『廻す方が得なのではないでしょうか』ということになる。

販売店からしたら、とんでもないことかも知れんが、ワシら拡張員にすれば生活防衛上、やむを得んとしか言えんことや。

これが、先にも言うたように、契約期間に比例して拡張料が増えるシステムなら、その縛りをしてもええが、この業界のシステムはそうはなってないケースの方が多いから、拡張員の側からすれば、どうしてもそうなる。

リンゴやミカンと同じで、果実だけを取れば、翌年もまた実はなるが、枝ごとあるいは樹ごと切り取ると、その枝や樹が成長するまで果実の収穫はできんということになる。

その果実の収穫で生活しとる者が、そんな愚を冒すことはないわな。変な喩えかも知れんが、分かりやすく言うとそういうことや。

それに、元来、この「縛り」という行為は、新聞販売店の従業員がするもので、ワシら拡張員のすることやないとも思う。

せやから、拡張員の側からの良いカードというのは、崩れがなく、トラブルのないものを指すという認識や。

販売店のことを考えるのなら、その拡材を低く抑えるくらいや。それも、販売店からすれば良いカードのうちということになるはずやしな。

『でも廻らないですよね』というのは、縛りの期間が長ければ長いほど、そう言えるやろうな。

『縛る為の拡材と、起こす為の拡材は契約月数では、同じですよね・・・』というのも、 たいていは差がないのが普通や。

何でもそうやが評価というのは、その立場の違いによって決まるものやと思う。その立場の違いによって、良いものの捉え方も違うてくるということや。

相手の立場に合わせるか、自分の立場を優先するか、それはそれぞれで判断して貰うしかない。


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