新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.696 お客さんの見切りについて


投稿者 &nbs p;さん  投稿日時 2009.2.17 PM 3:32


先日は「NO.665 大学生で拡張のアルバイトをしているものです」の質問に答えて頂いてありがとうございました!

あれからゲンさんの絞りかたを参考にしてまわらせて貰い、徐々に成果もでてきました。

さて、今回また違った疑問がでてきたのでメールさせて頂きました。

それは”お客さんの見切り”についてです。まだ少しの間しか働いてはいないものの、この業務はいかに効率的に周るかがとても大事なことだと感じています。

先日、これは契約できるだろうと一人のお客さんに1時間を費やしましたが契約まで到らず、全ての区域を周ることができなくて時間の大切さを痛感しました。

そこで時間を有効に使うためにも、ゲンさんがどのようなお客さんなら粘り、どんなお客さんなら諦めるかを聞いてみたいです。

私はゲンさんの拡張講座の、インターホンからでてこないお客はあまり無理して拡張しないというのを拝見したので、そのような方は諦めて次にいきます。

一応契約の話はしますが、ゲンさんが言う通りとれたことがありません。

判断に困るお客さんの反応としては

@笑顔で話しを聞いてくれるがNOと言う
(理由は過去に嫌なことをされた、サービス品が少ない、固定の拡張員と契約している、交代・縛り読者で拡張にいったがまだ時期が早い、ご主人が新聞を読んでいるがまだ帰宅していない、いつも他紙をとっているが前回だけしょうがなくとった等)

A玄関にでてきてくれるが不機嫌な様子(理由は先日に何度も拡張員がきている、名乗ったら契約はいいですと言われる等)

以上のようなことです。

このようなこと、又はそれ以外の反応でこのお客さんは難しい、もしくは粘れば契約を頂けるといったことはあるでしょうか?

また一人のお客さんの拡張に費やす時間は粘ってどのくらいでしょうか?

読みにくい文章で申し訳ありません。

是非ゲンさんの考えを参考にしたいので、よろしくお願いします!


回答者 ゲン


『お客さんの見切り』というのは、なかなか難しい問題やと思う。

自分で会得する分には感覚として分かるが、それを人に教える、分かって貰うとなると至難なことやとしか言えんしな。

ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』を見てくれているのやったら『第1章 新聞営業の基本的な考え方 人間関係構築編 その1 特定少数に自分を売り込め』 の中で、


相手を見抜くには、相当の経験がいる。見抜いても、必ず落とせるとは限らん。

相性の問題が浮上する。ワシらも客もお互いに人間同士やから、好き嫌い、気が合う合わんということが起きる。

何ぼ、ええ商品やと思えるような物を売り込みに来ても、気にいらんと思うたセールスマンからは買いたくないもんや。

せやから、相性のことも考慮せんとあかん。ということは、相手の性格を知ることが重要になる。相手の性格を知れば、自分と合うかどうか見当つくし、合わせる方法も考えることが出来る。

経験が必要やと言うたが、ただ長くやればええというもんでもない。常にいろんなことを意識せんかったら何も分からん。

例えば、同じ断られるにしても、その人間の人相風体、ちょっとした仕草、ドアホンキックなら言葉遣いや年齢の見当、住まいの状態など、どんな些細なことであろうと、あらゆることを観察しとくことや。

それが、経験とともに生きてくる。不思議なもので、その経験、場数を踏むと条件反射的に、客と僅かな接触をするだけで、この客はいけるか、あかんかという判断がつく。

そして、ワシは自慢するわけやないが、その家の前に立つだけで、その家の住人が客になるかどうかがほぼ分かる。

それは、経験の積み重ねによる勘やと言うてしまえば、それまでのことかも知れんが、ワシは少なくとも、客を知るということを常に心がけて来たからやと思うてる。

どんなことでもそうやけど、知りたいと強く願えば知りたい情報が必ず見えてくるもんなんや。ただ、仕事をこなすだけではあかん。

それと、自分を知るということが大切や。自分のタイプやキャラクターを客観的に見ることや。自分で、客観的に見ることが難しければ他人に聞けばええ。

よいしょする奴はあかん。ええことしか言わんからな。なるべく立場が上の者か、年上の人間に聞く方がええ。何を言われても腹の立たん相手やな。

そうすることで、自分がどういう営業に向いているのかが分かる。

何ぼええ営業方法があっても、自分に向かなんだら大した成果は期待出来ん。人が成功したからというて、同じやり方で自分が成功するとは限らんのや。

当たり前のことやけど、成功した人間と自分とは違うんやからな。


とあるのも見て貰うとるはずやが、それにすべてが集約されとると思う。

要するに、あんたなりの見切りは、あんたなりに会得するしかないわけや。

外の誰かがこうやと言うても、あんたがその人間になれるわけやないから、それがあんたに当て嵌まるとは限らんわけや。

ただ、人から学び取ろうとするその貪欲さと探求心は買うがな。それがあれば、そう遠くない将来、あんた自身の感覚としてそれが掴めるはずやと思う。

『ゲンさんがどのようなお客さんなら粘り、どんなお客さんなら諦めるかを聞いてみたいです』ということやが、簡単な方法としては、雑談やジョークに食いつくかどうかというのを一つの目安にしとる。

ワシは基本的に、雑談や軽いジョークから入る方で、いきなり「うちの新聞を取ってくれたらこんなサービスをしますよ」というような拡材トークはあまり使わん。

その拡材トークを使うとすれば、メルマガの『第9回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■営業の雑談に使えるUSJの話』で言うてたように、そのUSJの中にあるスパイダーマンのアトラクション横の店で「すぱいだぁ麺」という土産物を拡材として使うようなケースくらいなものや。

もっとも、これを見せること自体が雑談やジョークにつながるわけやけどな。

今やったら、「当社の新聞を読めば、漢字の読み間違いをしなくても済みますよ」と、軽いジョークから雑談に入る。

あるいは、「もうすぐ、裁判員制度が始まりますけど、私らもそれに引っ張り出されたらどうしようかと思うてるんですわ」と、水を向ける。

これはそこそこインパクトのある話で、「えっ?」と、意表をつかれたような表情をする人が結構おられる。

それもそやわな。拡張員が裁判員になるというのを想像する人は、おそらく誰もおらんやろうからな。

拡張員が、犯罪者を裁くという意外性が、ちょっとした興味を惹くから、雑談に持ち込むネタにはええと思う。

実は、次回、2月20日発行の当メルマガで『第37回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■もしも、拡張員が裁判員になったら』という話をする予定やから、参考がてら読んで貰うのも面白いのやないかな。

そういった雑談をすることで探りを入れるわけや。

それに食いつくような客は、もっていき方次第で落とせる可能性が高いと思うし、反応の鈍い人間はあまり期待できんと、個人的には考えとる。

敢えて言えば、それがワシ流の見切りかな。というか、ワシがこの仕事をしとる最大の理由は、多くの人といろんな雑談が楽しめるということやから、それに反応がないとこちらとしても意欲が半減するというのもあるんやがな。

『@笑顔で話しを聞いてくれるがNOと言う』というのは、確かに難しい相手かも知れんが、まったく望みがないというほどてもないと思う。

特に『理由は過去に嫌なことをされた、サービス品が少ない、固定の拡張員と契約している、交代・縛り読者で拡張にいったがまだ時期が早い、ご主人が新聞を読んでいるがまだ帰宅していない、いつも他紙をとっているが前回だけしょうがなくとった等』という客は、無理に勧誘するという姿勢やなく、その話を親身になって徹底して聞くというだけでも効果がある。

具体的には、「そうなんですか。私らもそういうのには弱っているんですわ。店の方にも伝えておきますので、どういう状況か良ければ教えて貰えませんか」と言って、その場は話を聞くだけにする。

そして、後日、「その解決策を考えてきました」と言うて再訪するわけや。誰でも自分の苦情を親身に受け取り聞いてくれる人間に対しては好意を持つ可能性が高い。

つまり、再訪の時点で人間関係ができとることが多いわけや。その上に、その解決策が気に入られるようなものなら、なびく可能性もあるということや。

そういう客は「見込み」として残すというのも手やと思う。

『A玄関にでてきてくれるが不機嫌な様子』という客は、その状況にもよるが、敬遠しても構わん。効率を考えるのなら、こういう客に時間をかけてもしんどいやろうからな。

『それ以外の反応でこのお客さんは難しい』というのも、いろいろおるけど、その判断もそれぞれやと思う。

ワシの場合なら、苦情というのやなく、論戦を挑むという者はあまり相手にせんようにしとる。

「インターネットで新聞の内容が分かるから、お金を出して購読する意味がないでしょう」という者や、「○○新聞の論調はおかしいやろ?」と言うような人間やな。

こういうのは、ワシの経験から例え言い負かしても購読する者はおらんと考えとる。

また、自己主張の強い思い込みの激しい人間も避けた方がええやろうな。

『また一人のお客さんの拡張に費やす時間は粘ってどのくらいでしょうか?』というのは悪いが、決まった基準のようなものはないと思う。それこそ、人それぞれや。

ただ、目安として5分程度、様子を見て、いけるかどうかの判断をしたらええのやないかな。

ワシの場合は、その間に雑談話に乗ってくるかどうかで判断しとるがな。

総体的に相手が話し好きなら落とせる可能性は高いのやないかと思う。

もっとも、ワシはあんたやないから、あんたにそれができるかどうかというのはワシには分からんがな。

ただ、ワシを参考にしたいのなら、あんた自身を話し好きの人間にすることや。

そうやないと、ワシの言うことを完全に理解するのはしんどいのやないかと思うさかいな。


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