新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.701 営業のノウハウ教えて下さい!!


投稿者 Iさん  投稿日時 2009.3. 8 PM 8:12


はじめまして。

私は2ヶ月前に転職し、現在照明器具やエアコンなどの卸し業を行なっている小さな会社へ入社しました。

今までは飲食業界でバリバリ店長をしていました。

新しい夢や諸事情で転職したのですが、まったくの未知の世界です。

営業が苦手・・・だけど教わることが多そうだ!と思い自分の苦手分野に敢えて飛び込みました。

人は好きで馴れてはいますが、今までの感覚とは全く違うのでどうしたらいいのかわからず戸惑う毎日です。

人数も少なく、しっかりと指導してくれる頼りになる先輩や上司もいません。

要領が掴めず、馴染みのない家電製品や照明器具を売る営業に手も足も出せません。

あんなに得意だった接客も、商品知識がないため質問されるのが不安で人が怖くなってしまいました。

強く前向きにならなければ営業マンにはなれない・・・頭でわかっていても実践できない自分に段々腹が立ちます。

どうすれば、人が心許せる営業マンになれますか? どうすれば人を感動させることができる営業マンになれますか?

人生をかけた最後のチャンスなんです!! アドバイスを下さい!!

長い文章にお付き合いいただきまして、誠に有難うございます。

お返事お待ち致しております。宜しくお願い申し上げます。


回答者 ゲン


知ってのとおり、ワシは新聞を売る事を生業としとる新聞拡張員や。本来なら、ワシは他分野の営業に対しては、あまり良う分からんからということで、なるべくアドバイスするのは控えるようにしとる。

良う分かりもせんのに「こうしたらええで」とか「ああしたらええで」と無責任なことは言えんからな。

ただ、それを承知で『人生をかけた最後のチャンスなんです!! アドバイスを下さい!!』と、ワシを見込んで是非にと言われるのなら、ワシの分かる範囲内でのアドバイスをしようとは思う。

文面からあんたの真剣さが伝わってくるさかいな。ワラをもすがりつきたいという気持ちも分かる。ただ、そのワラが頼りないとなっても責任は持てんとだけは言うとく。

『現在照明器具やエアコンなどの卸し業を行なっている小さな会社』での営業ということやが、その対象は電気店や量販店ということなのかな。

もし、そうやとしたら、ワシは主に個人客との体面営業が専門やから、あんたの役に立てるアドバイスができるかどうかは難しいかも知れんよ。

企業相手とか組織相手に売り込むというケースもないことはないけど、少ない。その場合でも、その担当者個人を落とすというのが、成否のすべてを握る。

はっきり言うて、新聞は、企業にとっては結構重要視されとるもんやけど、どこの新聞が一番ええと特に決まっているものでもない。また、どの新聞を取るのがその企業にとって利益をより多くもたらすかというものでもない。

言えば、その企業の利益とはあまり関係のない個人的な好みで購読を決定するケースが多いわけや。

もしくは、ホテルや旅館、銀行、コンビニなどのように、ほぼすべての新聞を置くというケースもあるから、そういうところでは一応の営業はかけるが、それほど難しいということはない。

その売りこむ新聞がなければ、日参して条件が折り合えば置いて貰える可能性が高いさかいな。もっとも、営業と名の付くものは、それでも簡単なことやないけどな。

あんたの場合は、おそらく営業先も限定されるやろうから、そこの担当者に気に入られるということをまず考えることやな。

ただ、その前に新聞と違うて、商品の知識はそれなりに必要やと思う。当たり前やが、その道のプロが素人と分かっている者から商品を買いたいとは絶対と言うてええほど思わんもんやさかいな。

『商品知識がないため質問されるのが不安で人が怖くなってしまいました』と言うのでは話にならんわな。まずは、自分の欠点がそれと分かっとるのやったら、その克服のためには日夜勉強するしかないのと違うやろか。

商品知識はパンフレットや専門書を良く読んで覚える。また、業界用語というのも貪欲に覚えることや。その気にさえなれば、そのための参考書や資料はいくらでもあるはずや。

『強く前向きにならなければ営業マンにはなれない・・・頭でわかっていても実践できない自分に段々腹が立ちます』という気持ちがあるのなら、せめて、やれば誰でもできる商品知識くらいは身につけなあかんやろ。

それが、基本と知ることや。それができてないと先には進めんと思うよ。

おそらく、今のあんたには自信もかなり喪失していて、その姿を知る得意先というか相手先でも、あんたを素人扱いしているのやないかなと思う。

それに落ち込んで、くよくよしとると、どんどん悪い方に転がって深みに嵌っていくだけやで。

人はどんなときにでも他人を見返し、認めさせることができる。あんたが、人からダメやと見られていれば見られているほど、それができたときの効果は大きい。

そう信じて勉強することや。

中国三国志の時代の有名な故事に、『復(ま)た呉下の阿蒙(あもう)に非(あら)ざるなり』というのがある。

その三国志の一国、呉の孫権配下に呂蒙(りょもう)将軍という猛将がいてた。

呂蒙は戦いに強いだけの人物だと、重臣である魯粛(ろしゅく)は常々思っていたが、しばらく会わないうちに、すっかり学識と教養が身についていたので驚いて言ったのが先の言葉やとされとる。

呂蒙将軍は、自身のその欠点に気づき発憤して猛勉強を続けた結果、そう言われるまでになった。

このとき、呂蒙将軍が魯粛に言ったとされる『男子三日会わざれば刮目(かつもく)して見よ』という言葉はあまりにも有名や。

男は三日も会わないでいると驚くほど成長しているものだという意味になる。

それくらいの気概を持って頑張って勉強してほしいと思う。

余談やが、「阿蒙(あもう)」というのは、代わり映えのしない呂蒙という意味で言うた呼び名や。

「呉下の阿蒙(あもう)」というのは、それから転じて「いつまでたっても進歩しない人間」を指して言う言葉に使われるようになった。今でも良く使われている。

それが分かって実行できれば、自然に『どうすれば、人が心許せる営業マンになれますか?』というのも分かるのやないかと思う。

あんたが仕事で心を許せる相手というのはどんな人や? 

まず最初に挙げられるのが、できる人というのやないやろうか。それなら、そのできる人になる一歩として、でき得る限りの知識を取得することや。

それができれば、自ずと自信に満ちた対応ができるようになるし、人からの信頼も得やすいと思う。

その先に、その人の人間性がある。いくら気の良い人でも仕事のできん者は、営業の世界では評価されんさかいな。まずは、人から認められることが大事やと思う。

あんたは、接客には自信を持っておられるようやから、自分の欠点を克服さえすれば、他の者より早くできる営業マンになれる可能性は高いと思うがな。

ただ、それでも『どうすれば人を感動させることができる営業マンになれますか?』というレベルになるのは難しいのと違うかな。

少なくとも、ワシ自身にはそんな芸当は無理や。ワシは自分ができもせんことを偉そうに人にアドバイスするほど自信家でも自惚れ屋でもないつもりやさかい、そんなことは期待せんといてほしい。

営業というのは、多くの場合、相手にとっては、それほど必要でない物、ほしくない物を売り込む仕事なわけや。

まあ、それも当たり前で、必要な物は売り込みに来んでも自ら勝手に買いに行くわな。

言えば、それを買って貰ったという感動なり感激は、たいていは売りこむ側が感じるもので、買った側は、単に「買ってやった」という風にしかならんもんやと思う。

あんたも、ワシら拡張員に新聞を勧められて契約したことがあるのやないかと思うが、その契約をしたことで何か感動するようなことがあったかな。

ほとんどは、そんなものはないはずや。それどころか、「あまりにしつこく、かわいそうやったから契約したった」というケースが圧倒的に多いと思う。そんなものや。

営業というのは、確かに奥の深いものやけど、それほど難しく考える必要もない。

手っ取り早いのは、その売りこむ相手に気に入って貰うことや。営業の秘訣と呼べるものがあるとすればそれに尽きると思う。

まあ、あんたは、まだ営業の仕事の入り口に立ったばかりやから、これからいろいろと戸惑うことも多いやろうが、何事も勉強やという姿勢さえ失わずにいたら何とかなるのと違うかな。

最後に一言。

営業の仕事を会得するのなら、小手先の技術より、その考え方をマスターして自分のものとすることやと言うとく。

このサイトに限らず、世の中には営業に関した書き物は多い。皆、それなりにええことを書いとるものばかりやと思う。

しかし、そこにどんなええことが書かれていようと、どんなにええ方法があろうと、それを鵜呑みにしたらあかん。

なぜなら、多くの場合、その方法は、それを書いた著者が成功した実体験によるもので、誰にでも当て嵌まるというものやないからや。

せやから、参考にするのなら、その考え方に止めるべきやと思う。

それを踏まえて貰うた上で、当サイトにあるもので、あんたに役立ちそうな具体例を幾つか示すさかい、それらを参考にして貰うたらええ。

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など、探せばまだ他にもあるかも知れんが、時間があるときにでも、ゆっくりサイトを見て貰うたらええと思う。何かの発見があるかも知れんさかいな。

ただ、ワシは、営業の仕事だけでも、大方、40年近くもやっているけど、それでも、そのすべてを会得したとはとても言えんほど、この世界は奥が深いというのは言うとく。

もっとも、せやからこそ面白いわけやけどな。何でもそうやが、勉強は楽しんでせな損やし、その方が身につくもんやというのも知っておいてほしいと思う。


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