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NO.707 違法性が認められるのでしょうか?


投稿者 T.Oさん 新聞販売店専業員  投稿日時 2009.3.25 AM 1:01


先日は私のくだらない質問にご回答ありがとうございました。

さて、又質問したい事が発生いたしましたのでお忙しいかと思いますが、よろしくお願いいたします。

本日相談するのは、労働基準法の事なのですが、よく労基には勤務時間、休日、年次休暇、最低支払い賃金、解雇条件等、色々規定がありますが、先日、Gさんが所長より解雇通知を言い渡されました。

解雇理由は、営業をしないからと言う理由だそうです。

当販売所は経営難により収入が低下し、数人の従業員の給料を支払期日に払えず支払日を待ってもらっている状態なのですが、そのような状態で経費削減として、カード料の減額が行われました。

その事でGさんは納得できず、2ヶ月ほど一切営業業務をしませんでした。営業の閉め日が毎月15日なのですが、今月の閉め日の結果を見て翌日3月16日の朝刊時に所長はGさんに3月末にて、解雇通知を通達しました。

まあ、これだけでも労基を無視した言動なのですが、話はまだ続きまして、昨日今度は私が解雇通知を受けました。

理由は、当初、他に店を出すと言う理由でこちらの店に移って来たのですが、その申請期日が今月末まででした。

所長より提出の催促をされたのですが、私が拒否。店を出さない旨を伝えたのが理由です。

私の返答を聞くと、即解雇通知。退店期日はまだ伺っていませんが、おそらく今月末までの怒りの剣幕でした。

その後、先日解雇通知したGさんに連絡をとり解雇を取り止め、1年後に店を出すと言う条件で又、がんばってくれないか? と相談したそうです。

Gさんは、まだ返答してませんが。おそらくは続けるかと思うのですが。

新聞販売店に来る人は、切羽詰った人が来ますので勤務時間や賃金に少々不満があっても、黙って働きます。

今回の解雇通知には、あきれてしまうばかりなのですが、もし、私が労働基準局に訴えたりしたら、違法性が認められるのでしょうか?

以前A販売店にいたとき、労働基準局に訴えた人がいましたがそのときは、箝口令がしかれて従業員たちは口裏を合わしてました。

そうしないと、今度は自分が解雇されますから。


回答者 ゲン


『もし、私が労働基準局に訴えたりしたら、違法性が認められるのでしょうか?』ということやが、使用者側から解雇ができる条件というのが幾つかある。

1.成績の悪化、業績不良などを理由とする解雇。

他の従業員との著しい成績の悪化、業績不良を示せるデータが必要。また、解雇に至るまで使用者側が雇用維持の方向で、その労働者を指導、教育など、できる限りの対応をしたという客観的な事実も必要になる。

あんたの話やと、それはしてなさそうやけどな。

労働者側の判断で『2ヶ月ほど一切営業業務をしませんでした』というのは、労働契約に営業業務の規定がある限りは、成績の悪化、業績不良などを招いた要因として、正当な解雇理由となりうる可能性がある。

但し、新聞販売店の場合、営業業務や集金業務に関してのみ請負的な報酬体系とされとるから、その点での違法性が問われる可能性はある。それらが時間給の場合は関係ないが、そういう販売店はまずないわな。

2.経営難による事業縮小などの理由による整理解雇。

『当販売所は経営難により収入が低下し、数人の従業員の給料を支払期日に払えず支払日を待ってもらっている状態なのです』というのは、一見すると経営難による整理解雇が可能なように見えるが、具体的な事業縮小などがないと認められる可能性は低い。

3.労働者の職場規律違反、非行、犯罪行為などを理由とする懲戒解雇。

これについては説明はいらんと思う。まあ、あんたの話を聞く限り、それには該当せんから、これを理由にされることはないわな。

4.社会通念上納得できる合理的な理由がある場合。

これについては、そのときどきの事例で判断するしかないが、少なくとも、あんたの言われる『当初、他に店を出すと言う理由でこちらの店に移って来たのですが、その申請期日が今月末まででした。所長より提出の催促をされたのですが、私が拒否。店を出さない旨を伝えたのが理由です』というのは認められることはないと考える。

最初の労働契約の際に就業条件として明記されている場合は、それに応じないという理由での解雇通告は可能かも知れんが、それにしても、あんたのケースが「社会通念上納得できる合理的な理由」に該当するかどうかは、はなはだ疑問やと言うしかないさかいな。

おそらくは、就業条件として明記しとることではないやろうと思うから、それを理由での解雇は無効と判断される確率が高いはずや。

また、経営難のため従業員の給料の遅滞が頻繁にあるような職種の経営者になるのを拒否するというのは普通の感覚や。儲からん実例があるのに誰もそれをしようとは思わんわな。

一般的に、あんたのような条件での就業は、その経営者になるための勉強期間、判断期間と認定されるから、最終的にどうするかは、その就業者の自由意志に委ねられる性質のものや。

それを、一方的な期限を決め、それに応じないからという理由で解雇することは許されんと考える。

よって、あんたのケースは、労働基準法第18条の2項の解雇権濫用に該当する可能性が高いということになる。

例え、以上の条件が満たされ、解雇できる要件が揃うたとしても、

1.解雇30日前までに解雇予告通知を使用者は、労働者に知らせる必要がある。

2.または、解雇予告手当の支給(解雇予告に足りない日数分の平均賃金)をせなあかんとされとる。

3.労働基準法第22条の2項で、「労働者が、第20条第1項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない」と定められている。

この解雇理由証明書は、これから不当解雇を争う場合には必要で、使用者はこれを拒否することはできんとされとるから、ぜひとも請求しとくことや。

ちなみに、争うつもりなら、あんたの方から退職願いは絶対に書かん方がええよ。それを書いてしまえば、それがすべてに優先されるさかいな。

『退店期日はまだ伺っていませんが、おそらく今月末までの怒りの剣幕でした』というのは、実際にその通知を貰ってからの判断になるが、あんたのケースは、限りなく違法性の高い状況になると思われるから、労働基準局に行って相談されたらええと思う。

『以前A販売店にいたとき、労働基準局に訴えた人がいましたがそのときは、箝口令がしかれて従業員たちは口裏を合わしてました』というのは、あんたの場合は、誰かが何かを言うた言わんという話と違うさかい、そんなのは関係ない。

すべては書類で判断できるものばかりやさかいな。

ただ、いずれにしても、そこまで険悪な雰囲気になったら、今後、その販売店で働いたとしても長くは勤められそうにないやろうから、早めに身の振り方は考えられた方がええのと違うかなと思う。

もちろん、納得できるまで争った後でもええがな。


この回答を送付した直後、返礼メールと共にまた相談が寄せられた。


追記 とんだ言いがかりをつけられました

投稿日時 2009.3.25 PM 11:35


早速の返答ありがとうございます。

あれから、解雇通知?を受けた翌日に解雇通知書を請求したら解雇では無く自主退社と言われ、解雇通知書は発行しないと言われました。

常に、言った事が二転三転と変わり、こちらが言ってもいない事を言ったと思い込んでいます。

長い付き合いだけあり、性格を知ってましたから今回は解雇通知の請求時はボイスレコーダーを使い会話の内容を録音したのですが、その中で、「やらないのなら辞めろ」と言っているにもかかわらず、私から「辞めます」と言ったから自主退社だそうです。

ことごとく法律に無知な経営者だと実感しました。

解雇通知? から翌日には解雇? という形になりました。

就業規則も有りませんし、タイムカードも記入させてませんので労働基準局の指導監査が入れば、何も立証出来ないと思うのですが。

又、HPに記載していただけるのでしたら幸いです。


回答者 ゲン


まったく、話にならんな、その販売店の所長とやらは。

正式な辞職願いを書類で出してない限りは、例え「辞めます」と、そのとき腹立ち紛れに言ったとしても、そういうものはいつでも撤回できる。

もっとも、通常、そういう場合、使用者側は必ず、「辞職願いを書け」と言うもんやけどな。それを出して受理されてしまえば何を言うてもあかんがな。

辞職には「解雇予告通知書」および「辞職願い」の書類が法律では必要とされとる。

もっとも、双方が納得してのことやったら、法はそこまで介入することはないが、揉めた場合は、それがないと何も認められんということや。書類のない方が負ける。

それが法というもんや。

せやなかったら、あんたのケースのように言うてもない事で言いがかりをつけられて、一方的に「お前から辞めると言うたやないか」と言うだけで、誰でも自由に辞めさせることが可能になるさかいな。

そんなことが認められるわけがない。

もっとも、その所長にしたら、解雇するのは難しいと判断して、そんなバカげた論法を思いついたのやろうがな。悪あがきと言うしかない。

あんたの場合は、『長い付き合いだけあり、性格を知ってましたから今回は解雇通知の請求時はボイスレコーダーを使い会話の内容を録音したのですが、その中で、「やらないのなら辞めろ」と言っている』という明確な証拠があるのやから、それを持って労働基準局に行けば問題なく、あんたの主張の方が通るはずや。

『就業規則も有りませんし、タイムカードも記入させてません』ということも併せて、後は、その労働基準局の判断に任せたらええのと違うかな。あんたの不利なようにはならんはずや。

よけいな心配かも知れんが、他の人間にも同じようなことをしていたという話やさかい、そんなことばかり繰り返してたら、その販売店には先がなさそうに思うがな。

最後に、疑問が一つ。

その所長とやらは、何でそれほどまでに従業員に店舗を出させることに拘(こだわる)るのやろうか。

そうすることで、その所長に何かええことでもあるんかいな。

現在、この業界は店舗の大型化が進んどるというのが一般的やのに、それと逆行するような昔ながらの時代遅れのやり方のようにしかワシには見えんのやけどな。

そのあたりの最初の事情を、この問題が落ち着いた頃でええさかい聞かせて貰えんやろうか。


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