新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.709 抜かれ不着が多く大変困っています


投稿者 H.Yさん アルバイト配達員  投稿日時 2009.3.29 PM 6:25 


ゲンさん、はじめまして。私は関東の某新聞配達店で配達アルバイトをしている者です。

抜かれ不着についてご相談したくメールいたしました。

私は、アルバイトをはじめて4ヶ月目ですが、配達区域で頻繁に新聞が抜かれる事態が発生しております。

配達の際には、部数を1部余りで持っていって、配達が終わった時点でちょうど1部あまりになっていることがほとんどです。

この時点で、2部あまっていると確実に1件不着を犯していることがわかるのですが。

また中継地点でも、そこまでの配達部数をあらかじめ数えておき、いくら余っているか確認し、前半で不着がないかも確認しております。

さらに前かごに入れている諸誌についても、この家を配った時点でいくつ余っているはずか頭に入っているので、信号待ちの際などこまめに確認しています。

もちろん落とし込みは完璧に行っております。

このようにして、不着にたいして気を配り、完璧に配達をしている自信があります。

今月に関しては新聞が余った日は1日もないのにも関わらず不着が7件ほどになっています。

ほかの区域の場合、抜かれたと配達の人間が騒ぐ件数は1ヶ月に1件、多くても2件ほどです。

最初のころは何度も同じ家で抜かれていて、抜かれている不着だと信じてもらえていました。ただ最近は同じ家で抜かれることはほとんどありません。

何度も同じ家で抜かれた場合、新聞を入れる場所を変えるなどの対策をたてていたのですが、犯人のほうもそのことを察知しているらしく、同じ家で抜くことはしないようにしているようです。

そもそも担当している地域は抜かれることが多いことは店の人は知っており、犯人と噂されている住人もいます。

ただ、抜かれた不着も不着には違いなく、お客様に迷惑をかけるし、なにより私も店の人にその都度弁解するのは、とてもとても精神的につらいです。

このような状態が今後も続くとなると、精神的に耐えられません。

他の区域に移してほしいという希望も受け入れられそうにありません。結局だれかがその区域を配達しなければならないのですから。

他の店に移ることを最近は考えるようになりました。抜かれ不着の件以外については、仕事上での悩みは特にありません。

どうすればいいのか私にはわかりません。ゲンさんご助言をお願い致します。


回答者 ゲン


抜き取りをされとるのが間違いないのやったら、その犯人を特定して捕まえるしか解決策はないやろうな。

このQ&Aの『NO.668 見張って問いただすしかないでしょうか?』でも似たような質問があったが、そこでもそう言うてる。

ただ、そのケースでも特定の人間が怪しいと相談者の方は言うておられたが、思い込みはせん方がええ。

ちなみに、その相談者の方はライバル店の人間が犯人やないかと疑っておられた。

ワシは、その話を聞き、ちょっと腑に落ちんかったので、


単に「お前がやったんやろう」では、「何の証拠もなしに変な言いがかりをつけるな」と一蹴されるのがオチや。ヘタをすると、あんただけやなく、販売店の立場すら拙くしかねんさかいな。

しかも、その犯人とおぼしき人間は『こちらの営業の仕方が卑怯だと電話してきた』ということやから、あんたの販売店に対して恨みに思うとるはずや。

その鬱憤晴らしの確信犯というのも、ほぼ間違いないと思う。

確信犯の場合、何の証拠もない状態では絶対にその罪を認めることはないと考えてなあかん。

ただ、相手を『卑怯だ』と非難しながら、そういう愚劣な仕返しをするというのは多少、引っかからんでもないがな。普通は、そう言う人間はそんなことはせんもんやさかいな。

もし、そうやとしたら、かなり屈折した精神構造の持ち主か、バレても大したことにはならんとタカをくくっとる思慮の足らんアホやと言うしかない。

それも『ここ二週間ほど、ほぼ毎日不着しています』という長期間に渡って連続というのは、偏執的ですらある。もしくは、あんたの販売店を完全に舐めきっとるかやな。


と、回答で言わせて貰った。

そう言うたのは、ワシの中では、その相談者の方が疑っておられた人間が犯人かどうかというのは半信半疑やったからや。違う可能性もあるのやないかと。

結果、その相談者は、店の人と協力して、その犯人を捕まえることができたと後に知らせてくれた。

しかし、捕まえてみると、その犯人は、その相談者が目星をつけたライバル店の人間やなかった。ごく普通の一般人やったという。

その詳しいことは差し障りもあるので省くが、思い込みが危険やということを如実に物語った出来事やったと思う。

つまり、『そもそも担当している地域は抜かれることが多いことは店の人は知っており、犯人と噂されている住人もいます』という思い込みは危険やということや。違うケースも考えられるさかいな。

ただ、捕まえるのがベストやが、実際問題として、個人でそうするのは難しいと思う。

その相談者にも「全店上げて対処するという風に考えとくべきや」と、アドバイスした。

実際、その販売店では複数の従業員さんの協力で犯人を捕まえることができたわけや。

せやから、あんたも販売店全体の問題として、この件を解決して貰うのが一番ええと思う。

この件に関しては、あんた一人で悩んでも難しいと言うしかないさかいな。

もっとも、一人であっても、まったく方法がないということでもないがな。

その一つの方法として、可能であれば、配達順路を日毎にランダムに変更するという方法がある。

そうすれば、その抜き取りをしとる人間と遭遇できる可能性が生まれる。

おそらく、その抜き取りをしとる人間は、あんたの配達時間というのを、ある程度、把握しとるはずや。それに合わせて行動しとると考えられる。その動きを狂わせるわけや。

具体的には、少し面倒な方法やが、配達区域の中でわざと数軒ほど不配をして、他を配っている途中で、引き返してその家を配るということをする。

これをランダムに繰り返すと、かなりの確率で、あんたの後から抜き取っている人間と遭遇できるのやないかと思う。

つまり、何パターンかの自分なりの順路帳を作って配達するわけやな。

これは、以前、あんたと同じアルバイトの配達員さんから、「私は気晴らしを兼ねてランダムに配達する癖があります」とサイトに知らせて頂いたことがあったので、それをヒントに考えた方法や。

もちろん、難しいのは百も承知やが、一人でその犯人を捕まえるとなると、一箇所で待ち構えるというのは無理がありすぎるから、こんな方法くらいしかないのと違うやろか。

『このような状態が今後も続くとなると、精神的に耐えられません』ということで、『他の店に移ることを最近は考えるようになりました』というのも選択肢としてはアリやと思う。

ただ、その前に、その販売店のトップに、その犯人逮捕の依頼をしてみることが先決やがな。

その上で、その販売店が動いてくれんということであれば、先の方法を取り入れてみるのもええし、精神的に耐えられんと言われるのなら、他の販売店のアルバイトを探すのもやむを得んと考える。

はっきり言うて、こういうことは、その販売店が一致団結して当たらんことには、なかなか解決はせんもんやさかいな。孤軍奮闘ではどうしても限界があるとしか言えん。

ただ、どうされるかは、あんた次第やけどな。


この回答の中にある、ランダムに配達する方法を教えて頂いた読者の方から意見が寄せられたので、それを知らせる。


追記 ランダム配りについて

投稿者 Jさん  投稿日時 2009.4. 1 PM 1:10


相談者へのアドバイスとして、ランダム配りを勧めておられますが、犯人捜しの選択肢として提示するのは、私はお勧めしません。

その理由の一つは、ご本人のキャリアが4ヶ月しかないことから、それに起因する不着のリスクが高まるのではないかという点。

私もランダム配りを始めた頃は、予定していた変更経路をやり過ごしてしまうミスを何度か繰り返したことがあります。

それでも、私の場合は、頭の体操のつもりで気楽にやっていたので、徐々にその範囲も広がり、いつしかワザとして確立したようなものです。

具体的には、ほんの数分前までは頭にあった別ルートが、現場の直前に来て、ポッカリと抜け落ちることがあるのです。

しかも今回のような犯人捜しの場合は、それが主目的になってしまいますから、それだけでも大変なプレッシャーになってしまうわけです。

ですから、自発的にやる人以外は、やるべきでない(人に勧めるべきでない)というのが私の持論です。

もう一つは、それをやったからといって、不審人物に出くわす確率が上がるとは思えないという点が挙げられます。

まず、抜かれる時間帯が配達直後とは限りません。抜く行為自体は一瞬で終わることなので、たとえ抜かれるエリアが絞られている場合であったとしても、たった一人で、しかも配達作業をしながら監視をするというのは、やはり不可能に近いと思います。

もっとも、「販売店の全面協力が得られない場合は」と注釈をつけておられるので、”残された方法”という気がしないでもないのですが、正直、思いつき的なアイディアという感じがしました。

もし、今回の犯人が愉快犯だとすると、ランダム配りが、却って犯人の楽しみを倍増させてしまうかもしれないというリスクがあります。

以上が、ランダム配りをやっていた人間としての感想です。今後のご参考になれば幸いです。


このJさんさんのアドバイスを送った翌日、相談者の方から、ワシらにもとても参考になる素晴らしい方法が寄せられてきた。

それを紹介する。


その後 今自分ができると思われる唯一の方法を思いつきました

投稿者 H.Yさん アルバイト配達員  投稿日時 2009.4. 2 PM 7:00


ゲンさんご助言ありがとうございました。一人で悩んでいたので、ご助言をいただき気が楽になりました。

ただランダム配りについてですが、Jさんが言われるように、まだ自分にとっては純粋な不着を発生させる恐れがあると思います。なので、実行はしておりません。

また、所長に犯人逮捕の依頼はしておりません。

以前、抜き取られたことが確実な不着が発生した際、その旨説明したところ、「抜かれないように入れればいいでしょ、聞きたくない。」と一蹴されてしまった経緯がありました。

所長としては、落とし込みがしっかりされていれば、抜き取りはされないと考えているようです。

とはいえ、所長も最近はパトロールの必要性を感じているようです。そのような話を店員が話しているのが耳に入りました。

私の担当している区域と隣接している区域でも抜き取りによると思われる不着が少し多くなってきたことからだと思います。

私はゲンさんから、ご助言をいただいたのち、とりあえず自分でやれることはないかと真剣に考えました。

その結果、今自分ができると思われる唯一の方法を思いつき、とりあえず実行してみました。

それは次のような方法です。

まず、犯人と噂される住人(以後Kと呼ぶ)とお話しました。

Kは今もよく私の担当区域を歩いています。彼を見かけたときに抜き取りが発生することが多いです。

彼が今も抜き取りをしているかはわかりません。

もし抜き取りをしているのが確実ならば、他店の配達員のように抜き取りの現場を押さえるのも解決方法のひとつかと思います。

ただ、根本的な問題はKの心に問題があるのではないかと。

私は意を決してKと接触をもつことにしてみました。少し勇気がいりましたが、次のように話しかけてみました。

「おはようございます。最近このあたりで新聞の抜き取りによる不着が多く大変困っています。不審な行動をしている方がおられたら教えてもらってよいでしょうか? よろしくお願いします。」

そして、近くの自動販売機で買っていた缶コーヒーを手渡しました。

Kは「いいよ・・」といいながらも、受け取ってくれました。

以後2日間は不着がありません。

今後は不審な人を見かけたら積極的に挨拶をして、話しかけられそうならば不審者の情報収集をお願いしたいと思います。

また、不審者でなくても毎日のように散歩しているような人には、同じようなお願いをしたいと考えています。

これを実行することによって、

@その地域で不審者に対する包囲網がしかれていることが、真犯人に伝わること。

A真犯人につながる情報が得られる可能性がある。

この二つの効果あると思います。


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