新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.711 入社一年でイマイチ結果が出ません


投稿者 Love さん  投稿日時 2009.4. 4 AM 0:22


初めまして。地方紙の販売店の所員をしています。

営業が主の販売店なのですが入社一年でイマイチ結果が出ません。

1日200件位の訪問で月カードが6枚位です。営業の仕方は直球でいってます。

「○○新聞お読みになるご予定ありませんか?」とそれと今転入時期で転入者から一件もカードが上がりません。

何か良いアドバイスお願いします。


回答者 ゲン


『1日200件位の訪問』と、頑張っておられるところを水を差すようで悪いが、『○○新聞お読みになるご予定ありませんか?』という営業トークは、あまり感心できんな。

そういうのは、「ご用聞きトーク」「アンサートーク」と言うてるものや。最悪とまでは言わんが、褒められたもんやない。

厳しい言い方かも知れんが、営業というのは、言うまでもなく「売り込み」をすることで、お伺いを立てるものやない。

「ご用聞き」というのは、今はすっかり蔭を潜めた感があるが、昔は、八百屋や魚屋などが、ほぼ毎日のように「何か必要なものはおまへんか」と各家庭に回りながら注文を取っていた営業方法や。

「ご用聞きトーク」というのは、それと類似したトークという意味で、新聞のような飛び込み営業では、やっても無駄とされとるものや。

先方が、それを望んでいてその注文の取れる可能性のある場合には有効な手段やが、新聞営業のように大多数の人にとって迷惑やと思われとるような押しかけの営業には不向きやし、それで契約が取れると考えるのは甘すぎると言うしかない。

「アンサートーク」というのは質問形式のトークで、あんたのように『お読みになるご予定ありませんか?』と言えば、即座に「ないな」と返しやすいものを、そう呼ぶ。まるで、その答えを引き出すかのようなトークやさかいな。

おそらく、あんたは客からそう言われれば、それ以上は突っ込めんのやろうと思う。

それでは契約を上げるのは難しいわな。そのやり方で『月カードが6枚位』上がっているというのが、むしろ驚異的であるとすら言える。

『今転入時期で転入者から一件もカードが上がりません』というのも頷ける。

本来、転入者からの契約というのは、この業界ではもっとも上げやすいと言われとるものや。それがために、この時期、重点的にそのキャンペーンを張って力を入れとる販売店が多いわけやさかいな。

その比較的簡単な転入者でも、そういう「ご用聞きトーク」「アンサートーク」やと、断りを入れるケースが多いというのは想像に難くないわな。

あんたのやってるのは、そういう営業なわけや。

確かに、今は新聞営業にとっては冬の時代、もっと言えば氷河期の時代を迎えとるかも知れんと思われるくらい厳しい状況にあると言える。

根本的に契約が上げにくくなっとるというのも良う分かる。

しかし、例えその氷河期の時代であろうと人類は生き抜いてきたわけや。

新聞営業もそれと同じで、その母体となる新聞がなくならん限り、生き残る術はいくらでもあると、ワシは考えとる。

ただ、それは、しっかりとした営業方法を身につけた上でそう言えることやけどな。

あんたは、そのやり方が、客に迷惑をかけず、嫌がられない最良の方法と思われて、断られても断られてもコツコツ真面目にやってこられたのやと思う。

その気持ちには敬意を表するが、人間的にはそれで良くても、事、営業マンとしたら悪いが失格やと言わざるを得ん。また、それしかできんと言うのであれば、あんたはこの仕事に不向きやということになる。

それでも、あんたが配達もやっている『販売店の所員』ということなら仕方ないとは思う。

新聞販売店の従業員で、配達や集金の片手間で月6本の新規の契約を上げとるというのは、ええ方やないやろうが、それほど悪いと評価されることでもないしな。

得手不得手で片付く問題でもある。

あんたは『営業が主の販売店』と言うておられることからすると、そこは新聞の営業会社、俗に言う新聞拡張団か、もしくは、拡張団組織を有する巨大販売店に所属しとる拡張員なのやろうと思う。

あるいは、地方紙特有の新聞社直轄の販売組織会社かも知れんがな。

ただ、いずれにしても、営業を主体とする仕事をしとる限りは、その契約を上げんことには生活も成り立たんはずや。営業員はそれでしか稼ぐ方法はないさかいな。

もっとも、評判を上げることで某かの手当や基本給を貰うとるというのなら、そういう営業でもええやろうが、この業界にそういうのは考えにくいわな。

『何か良いアドバイスお願いします』というのを望むのなら、その営業に対する基本的な考えを改めるところから始めなあかんやろうと思う。

まずは、その『○○新聞お読みになるご予定ありませんか?』というのを止めて、『ぜひ当店(当社)の新聞を購読してください』というトークに切り替えるだけでも、かなり変わると考える。

押しの営業と強引な営業は似ているようやが、まったく違う。

押しの営業というのは、購読する可能性のある人間をその気にさせるように誘導することで、本来、物品販売営業の基本となるものや。営業する人間には不可欠なものやと言うてもええ。

対して、強引な営業というのは、客が嫌がっているのにも関わらず、是が非でも購読させようと、脅したりすかしたり、契約するまで帰らんと居座ったりするもので、これはヘタしたら違法行為に属することやからしたらあかん。

その辺の区別は必要になるが、それでも「購読してください」という強い気持ちがなかったら、新聞営業はできん。それが基本やと知ることが、その第一歩やと思う。

「是非とも購読してください」という気持ちになれば、どうすれば、その客を説得すればええのかが見えてくるはずや。また、そうでなかったらあかん。

そのための方法は無限にある。

それは、売り込む客の数だけ、また、それを売り込む営業員の数だけ、その営業法があるわけやさかいな。

それについては、当サイトの『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』や、このQ&Aの『その2.勧誘・拡張の営業についてのQ&A』 なんかが、その参考になるのやないかと思う。

また、メルマガ『新聞拡張員ゲンさんの裏話・バックナンバー』および『ゲンさんの新聞業界裏話バックナンバー』などにも、そのヒントになる話を数多くしとるという自負もある。

但し、それは、あくまでもあんたが、それと納得して取り入れんことには、意味はないがな。

そこに、どんなええ方法が書かれていようと、どれほど素晴らしい考え方が示されていようと、それを見る人間が、そう思えなんだら、それは、ただの戯言(たわごと)にしかすぎんものやさかいな。

ワシなりの営業トークで、あんたを説得するとしたら、「それらは、あなたの人生、考え方にとって大変大きなプラスになりますから、是非読んでみてください」と言うやろうな。

それを、新聞に置き換えて考えれば、ワシの言わんとすることが見えてくるのと違うやろかと思う。


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