新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.722 間接的な勧誘について
投稿者 SP さん 大学生 投稿日時 2009.5. 2 PM 4:31
今年の4月から大学生で、マンションの一人暮らしで、A新聞の勧誘を断り続けていたのですが、今日、地元の町内会のMと名乗る人がきたのでドアを開けたところ、やくざ風の格好をした男が立っており、「町内会の祭りでA新聞から寄付をもらっている。近所づきあいで周りの人もみんなA紙をとっている。お前も近所づきあいしろ。」と半分脅し口調でいわれました。
なんとか帰ってもらいましたが、「また来る」と言っていました。
この場合どう対処したらよいのでしょうか?
ちなみに同じ階の学生はみんなA新聞をとっています。ですが、私は新聞を読む必要性を感じないので取りたくありません。
どうかよろしくお願いします。
回答者 ゲン
『この場合どう対処したらよいのでしょうか?』というのは、いくらでも対処法はある。これから、幾つか示すから、その中から好きな方法を選んでくれたらええ。
ただ、『また来る」と言っていました』と言うてたとのことやが、その『また』というのは今日の夕方、もしくは夜に来る可能性が考えられる。
せやから、このアドバイスがそれに間に合うかどうかは何とも言えんが、間に合わず無理に契約させられたときの対処も教えるから心配せんでもええ。
その『地元の町内会のMと名乗る人』というのは、間違いなくA新聞の拡張員や。町内会の人間が、特定の新聞を勧めることなど絶対にないと言うてもええさかいな。
ちょっと考えたら分かることやけど、その町内には、当たり前やが、新聞販売店はA新聞だけやないはずや。Y紙、M紙、S紙、その地域の地方紙と最低でも他に4つの新聞販売店が存在するのが普通や。
たいていの販売店は、その町内会に協力していて、祭りの開催などに際しての寄付くらいはどこともしとるはずや。
せやから、その男の言う『町内会の祭りでA新聞から寄付をもらっている』というのは嘘やないとは思うが、そのA新聞の販売店だけがそうしとるわけない。
そういう状況で『近所づきあいで周りの人もみんなA紙をとっている。お前も近所づきあいしろ』というのはあり得ん話や。
それを言うのなら、その他の新聞販売店からも同じようにその寄付を貰っているはずやから、本当に町内会を代表しとるのなら、すべての新聞に対しても同じこと言わなあかんわな。
単に「どこの新聞でもええから取ってくれ」と言うのなら、まだ分かる。それ以外はどう考えても整合性のないことや。
もちろん、それにしたところで、契約書でも出してきたらウソ丸出しということになるがな。
この男がそういう言うてきたのは、おそらく、あんたが『A新聞の勧誘を断り続けていた』という話を聞きつけ、「よし、それならオレが何とか取らしてやる」とええ格好して意気込んでのことやろうと思う。
『半分脅し口調でいわれました』というのは、そのためや。学生は脅すに限るというのは、その手の輩の合い言葉みたいなもんやさかいな。タチが悪い。
ワシの一番嫌いなタイプの男や。同じ拡張員として恥ずかしい。というか、こんな連中と一緒に見られること自体に腹が立つ。
せやから、こういう人間への対処には、ワシは人一倍力を入れてアドバイスすることにしとるわけや。
それを、これから教える。
1.今までどおりに徹底して断ることができれば、それが一番ええ。「何と言われようと、そのつもりはありません」と。
人を脅すという行為は、それが可能な相手には有効やが、それの効かん相手にはいくらそうしても効果はない。それを一番良う知っとるのは、その脅しをかけとるその本人や。
ヘタにそれができんからと暴力でも振るえば、今なら確実に傷害罪で逮捕されるのがオチや。
昔ならいざ知らず、今はそういうことをすれば、すぐ事件化してほぼ確実に新聞ネタになる。結果、その拡張員はクビになり、それを使うてた販売店も相応の処罰を新聞社から受けることになる。
まあ、よほどのアホでもない限り、タカが一本の契約のために、そこまでするアホはおらんはずや。そうは言うても、その男が、そのよほどのアホかも知れんから保証はできんけどな。
言い忘れたが、今度はドアを開けたらあかんで。ドアチェーン越しに対応することや。それを壊そうとしたり大声を張り上げて脅かそうとしたりすれば、警察に通報すればええ。
そういう奴らは、警察が来ても「民事」として済まそうするから、どこか壊すまでその通報を遅らせたるのも手や。その言い訳ができんようになるさかいな。
まあ、そこまでする、あこぎな拡張員はおらんと思うけどな。念のため言うとく。
2.その地域の本当の町内会の会長さんあたりの所在が分かれば、そこに連絡して、その男の存在を確かめる。
もっとも、このケースは九分九厘ウソやと思うから、その必要すらないかも知れんが、これをネタとして相手に言うつもりなら、一応調べておいた方がええ。
確かめる方法、例えば、そこのアパートの大家に連絡を取って、その町内会の会長さんの連絡先でも聞くことやな。
これが、連休中やなかったら、市区町村の役場の市民課に、その地域の町内会長さんの連絡先を問い合わせれば教えてくれるが、今は無理や。
その町内会長さんに問い合わせて、確実にその男の言うようなことがあるのかと聞けば、その真偽のほどが分かるはずや。
それが確定した時点で、「この地域の町内会長さんに、そちらの言われたお話を確かめましたら、そんなことはしてないと仰ってましたよ」と言って拒否すればええ。
これを憶測だけで言うた場合、そういうタチの悪い奴は「お前はウソをついた」「ええ加減なことを言うた」という点だけを突いてくる場合があるから注意しとかなあかんで。
だから取れと。
いくら後で考えたら分かることでも、その場でそう言われると、つい「そうかな」と思うてしまい、相手のペースに嵌りやすくなる。
これは、ヤクザの常套手段、交渉テクニックの一つでもある。
3.親が反対して契約できんと言う。
あんたは、今年から大学一回生とのことやが、現役で入学したのなら、まだ19歳ということになる。
それなら、民法第4条に未成年者と契約するには、原則として法定代理人(親権者)の同意が必要で、同意のない行為は、取り消すことができるというのがあるから、それを使えばええ。
「僕はまだ未成年なんで、親に相談したら、止めておけと言われました。契約しても親の権限で破棄するとも言ってますので」と。
実際、今日のことを親御さんに、そう言うて相談しとく方がええ。そして、それで例え無理矢理に契約させられるようなことがあっても、親御さんがそれを、その販売店にアピールすれば法律的にはその契約を破棄できる。
4.クーリング・オフをする。
あんたが未成年やなく、どうにも抗しきれず契約をした場合、あるいは危険を感じてやむを得ず契約をした場合、嫌なら、クーリング・オフをすればええ。
もっとも、例え未成年でも、この方が手っ取り早いし、確実に契約解除はできるがな。これについては相手側は異議を唱えることすらできん。問答無用の法律や。
但し、クーリング・オフは、そう相手に伝えただけでは効果がない。文書での通知が法律で義務付けられとるさかいな。
本来なら、ワシはまず、契約書にある販売店にその意向を伝えれば、任意解約に応じる可能性が高いと説くのやが、今回は、そのクーリング・オフの期限内の8日以内にJP(日本郵便)の窓口へ行こうにも、そのほとんどが休日で、あんたの場合、5月7日、8日の両日しか余裕がないということがある。
もっとも、地域によれば、休日でも窓口に開いているJP(日本郵便)もあるということやが、それはワシでは分からんから、『郵便直営店検索』で調べて貰うしかない。
また、その販売店と解約の交渉をするにも、過去の事例、パターンから考えて、そんな拡張員を送り込んでくるような店は程度が悪いということも考えられる。
普通の常識ある販売店なら、そんな勧誘の仕方を許すはずはないから、そんな人間が来ること自体もほとんどない。
『ちなみに同じ階の学生はみんなA新聞をとっています』というのも、中には自発的、あるいは納得して購読しとるケースもあるやろうが、あんたの話からは、無理矢理そうなっているという風にも考えられるしな。
それら諸々の状況を考え合わせると、今回はその販売店との交渉は避けた方が無難やという結論になる。
そんな販売店に解約の意志を伝えれば、またその拡張員が訪れ「解約するつもりか」と脅してくるのは目に見えとるさかいな。
ちなみにクーリング・オフについては、サイトの『ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報』 にその詳しいことを掲載しとるさかい、それを良く見ておいてほしい。その方法が分かるはずや。
多少、金はかかるが、これが一番確かな方法や。
このクーリング・オフをしとけば、後で文句を言うてきた場合、それ自体が法律違反に問われることになる。その度がすぎれば逮捕されることすらあるから、クーリング・オフ後に翻意させにやって来ることはまずない。あれば、墓穴を掘るだけやさかいな。
以上の中から、あんたがええと思う方法を採られたらええ。
取り敢えず、急ぎの回答としてこれを送るさかい、また何かあったら遠慮せず相談してほしいと思う。
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