新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.73  拡張員の質について教えてください


投稿者 某全国紙販売店従業員さん 投稿日時 2005.2.17 PM0:40


いつも楽しく読ませてもらっています。
私の地区は地方紙が5割ぐらいの読者層です。
聞いてみたいのは、拡張員の質についてです。

私たちの地区は、よっぽどの事がないかぎり専業の案内がつきます。案内するときは、地図に印をつけたものや、全読台帳をもって一軒一軒まわるのですが・・・

カードがあがる、揚がらないで・・・案内にイライラされて結局いやみったらしい言葉を言われたりするのが、何故か腑に落ちません。

確かに、運もあるだろうし、拡張員にも生活がかかっているのはわかるけれど・・・まじめに案内してるのが馬鹿らしく感じるときがあるのです。

そういう拡張員にかぎって、あげたカードは書き方も乱雑で、不備も多く、トラブルも結構あります。

所長は「あの人は強いから」って感じで話が終わるので・・・仕方ないと諦め半分ですが、そういうのはこの業界日常なんですかね?

過去読や止め押しを半強制的に連れて行かされるし、不在が続くとイライラされ、契約期間が短い家などは「こんなところは俺の行くところじゃない」みたいな感じで言われりゃ、どうすりゃいいんだろうって感じです。

その人は一応、この地区じゃNO.1の拡張員ってことですが・・・私にはそう思えないのです。


回答者 ゲン


このサイトでも、何度も言うてるけど、拡張員にもいろいろいとる。あんたも、案内するのは、その拡張員だけやないはずやから、その辺のことは分かるやろ。

その拡張員の実力のほどは、聞く話だけやと何とも言えんが、程度の悪い男やと言うのは良う分かる。

ワシも、案内付きの拡張は何度も経験あるが、この男は、絶対にやってはならんことをしとる。それは、案内人に嫌われることや。

案内人というのは確かに業務の一つとして、それをやるが、案内した拡張員がカードを上げたからと言うても何も得することはない。自分の営業にもならん。

つまり、自分の拡張のためだけに時間を割いて付き合ってくれとるということを拡張員は認識しとかなあかん。専業は他にも仕事は何ぼでもあるんやからな。

はっきり言うて、案内人に嫌われたら、その拡張は上手く行くことはない。逆に、気に入られたら、人間やから、黙っててても、有利なようにしてくれる。

これは、そこそこ、この世界でめしを食えるようになった者の常識みたいなもんや。どんなに、客に悪態をつく拡張員でも、その販売所の店長や案内人には気に入られようとする。それが、めしの種に結びつくことを知っとる。

しかし、それが出来ん人間も確かにおる。ほとんどは、人間性の問題やから、これと言う理由はない。そういう人に嫌われることを平気で言うたり、態度に出す人間はどこにでもおるからな。

『カードがあがる、揚がらないで・・・案内にイライラされて結局いやみったらしい言葉を言われたりする』

これは、半分は体裁が悪いからその照れ隠しのためもある。ここで、カードが上がらんのは自分のせいやないとアピールするためのな。

その日、成績が悪ければ、ずっとそれを理由にしとるやろ。反対に調子良くカードが上がれば、そういうことはないはずや。

『業界日常なんですかね?』ということやけど、そうでない人間も当然やけどおる。人によるというのが答えやな。

逆に変に、案内人に親しく取り入ろうとする人間もおる。これは、これで危険な人間の場合があるんやがな。下心のある奴がいとる。

案内人を取り込んで、悪さの片棒をかつがそうと画策する輩や。その辺の所は、Q&A NO.13 でも説明しとるから、参考にしてくれたらええ。

また、『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張パターン編 その3 案内拡張についての考え方』でも解説しとる。

ただ、あんたにこういう態度をする人間でも、他では違うということもある。一番、大きな理由は、案内人のあんたを軽く見とるということや。

拡張員の中には、専業に対してそういう見方をしとる人間もおる。専業は専業で、拡張員をクズやと思うてるのと根は同じや。この両者が仲がええという所の方が少ないがな。

その延長が、態度として、あんたに出てるということや。あるいは、あんたの所の店が、その拡張員かその所属団に甘く見られとるということも考えられる。

あんたが、販売店の内情にどこまで詳しいのかは分からんが、販売店と拡張団は、伺い知れん所で繋がっとる場合がある。

『所長は「あの人は強いから」って感じで話が終わるので』でということでも、ある程度、察しがつく。

単に「強い」というのは、性格や性質がということもあるし、ある程度の実力のことを言う場合もある。カードでの店への貢献度やな。

それとは別に、販売店と拡張団との力関係でも違って来る。拡張団の力が上やと、そこの拡張員も当然のように、その店に対してそういう態度をとる奴がいとる。

もちろん、そんなことは、あんたには関係ないから、それでというのは、ええ迷惑やわな。結論として、そういう、拡張員は放っとくしかない。相手にしても、しゃあないし、何とかなる相手でもないということや。

あんたのあきらめというのも、そういうことやと思うが、そんな男のために、貴重な時間を使わされるのは面白くないわな。

こういう場合は、視点を変えて、あんたのプラスになるように考えるんや。何を言われようと、我関せずの気持ちが必要やけど、それが、出来れば、あんたのプラスにもなる。

もちろん、表面的には、今までと同じような態度でええ。腹の底でそう考えとればええんや。

無理難題を言われても、適当にあしらってたらええ。過去読や止め押しを半強制的に連れて行かされるというので、あれば、事前に、所長や店長辺りと相談することやな。

そういう所に、連れてってええのかと。そうしろと言われたら、そうせなしゃあないが、その場合でもなるべく、難しい客を案内する。

それは、嫌がらせでも何でもない。拡張員の存在は、その難しい客を確保するためにあるんやからな。

それで、その人間が文句を言おうが、我関せずと心に決めとるんやから、どうということはないやろ。

その拡張員が拡張に失敗して、その家に悪態をついたとか、極端に悪い印象を与えた家があったら、あんたにはチャンスや。

そういう家をチェックしといて後で行くようにする。

「どうも、先ほどは、大変、失礼なことを申し上げて真に失礼しました」と誠意を持って低姿勢でその客に当たれば、大抵は分かってくれるし、あんたを認めてくれることもある。
上手く行けば、それで、あんたのカードになることもある。

昔は、そういう手法もあったんや。「ひっかけ」と言うて、詐欺みたいなもんやが、二人で組んでそれをやる。

一人が、喝勧のような態度で客に当たる。それで、すぐ客が契約すればそれでええが、失敗しても、次の男がその「ひっかけ」をする。

「先ほどは、うちの勧誘のものが大変、ご迷惑なことを致しまして、真に申し訳ありませんでした」と謝りを入れながら、多めの拡材なんかを並べる。

人間、腹の立てとる時は、例え、その謝っとる相手にでも不満をぶつけるが、黙ってその話を聞いとると、次第に怒りが冷め気が晴れる。そうすると、目の前の人間に、悪いかなと思い出す。謝りに来てるわけやからな。

その心理を上手くついてカードにするというわけや。それは、騙しやけど、あんたの場合は、本当やからな。これは、結構、効果はある。

そういう具合に、その男を利用することを考えるか、冷静に観察して、生きた教材とするかや。そういう人間でも、拡張員やから、専業のあんたでも得る所や勉強になることもあるやろ。

例え、何もなかったとしても、それはそれで反面教師として役立つ。ものは、何でも考えようで、そういう人間も、自分に与えられた勉強のための教材やと思えばええことや。

そう考えたら、腹も立たんやろ。それに、人を観察するという癖をつける訓練にもなる。ワシの経験から言うても、この人を観察するということを常に考えとれば、いろんな面で得することも多いと思う。

ワシが、普段から良う言うことやけど、悪いこと嫌なことが、必ずしも悪いことや損なことにならんし、その逆になることもあるということや。

世の中、何でも、考え方次第で、その状況が良くもなったり悪くもなったりする。今回のことは、正にその典型やと思う。何でも、ええように考えな損やで。


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