新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.733 3年契約の新聞購読解約について


投稿者 Wさん  投稿日時 2009.5.27 AM 1:34


いつもホームページを拝見させていただいております。

新聞購読の解約について調べていく中で明解かつ的確なアドバイスをしていただけると思いメールさせていだきました。

お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

平成20年5月3日に来宅した拡張員と、平成21年4月から3年の契約をしました。

契約に間が明くのは、その間違う新聞を取っていたためで、その契約が終わってからという事で了解しました。

契約書には、毎年4・5月分についてはサービスと記載されており、その他には、衣類用液体洗剤1ケース、商品券2万円をいただきました。(契約書には記載無し)

その日の内に3件の契約を取らないといけないという拡張員の内情から、条件は良かったと思っています。

ただ、当方の新聞利用については、スーパーの広告を見る事がほとんどで、当時とっていた新聞が地域では広告量が多く満足していました。

その事を告げると、その新聞はパチンコの広告が多いから量があるように見えるだけで、うちのと比べてもあまり変わりませんと言われ、確かにパチンコ広告は多いと納得してしまいました。

その拡張員曰く、新聞配達員どおしは顔見知りで話しがつきやすいので、現在購読中の新聞については、期間満了の際に解約をしておきますと口約束をして契約となりました。

現在は、口約束していた購読中の新聞解約についてもなされておらず、2紙が入っている状況です。

そのせいか、両紙を比べられる状況にあり広告の差に呆れました。

その旨を嫁から販売店に伝え、解約をしたいと伝えたのですが、そちらの都合での解約を受け付けておりませんの一点張り。

こちらが弱腰に出た拡張員との会話の認識の違いという言葉がマイナスになりました。

それから暫くたち、私から拡張員に連絡をとり、実際に会って話しをしようと電話したところ、そのまま解約に応じる事となりました。

解約条件として、拡材の返還に応じる事になりましたが、商品券については使ってしまったため、別の商品券で立て替える事で了解してもらい、電話を切ったのですが、数分して解約できないとの電話がありました。

内容は販売店社長に確認したら解約はできないと言われた。と言い、先ほど解約に応じましたよねと聞き返すと、そんな話しをしてるんじゃない!こっちは雇われてるんだから、とにかくあなたの言うように会って話しをしようじゃないか!と語気を強め(脅迫と思えるぐらいに)会って話しをする事になり現在に至ります。

今までの記事を読ませていただいて、クーリング・オフが適用できない事、こちらの都合による解約はできない(契約書にも明記されている)事については認識しています。

次回の拡張員との会話について録音をし、当時の経緯について確認した場合、解約する事は可能でしょうか?

私が考える論点としては、当時購読していた新聞広告との差を拡張員が理解していたか?

あまり変わらないと言った事について記憶にあるか? 

について聞き、理解していたのならば、実際の広告量の差を見せ、あまり変わらないと言ったことについて追求する。

理解していないのであれば、契約時に嘘をついた事になる、といった具合に進められたらいいなと思うのですが、客観的にみていただきアドバイスいただけますと幸いです。

よろしくお願いします。


回答者 ゲン


『平成20年5月3日に来宅した拡張員』というのは、その販売店の従業員のようやな。

『その拡張員曰く、新聞配達員どおしは顔見知りで話しがつきやすい』と言うてることでそれが分かる。

一般の人にとっては、拡張員も販売店の従業員も同じという感覚やとは思うが、その責任の重さにはかなりの違いが生じる場合がある。

拡張員というのは、表向き、新聞販売店の要請を受けた新聞営業専門会社である拡張団の社員、もしくは所属員のことを指して言う。

その拡張員には、契約についての責任を問えても、具体的な解約の条件を話し合って決めるほどの権限はない。

普通、拡張員がそういう状況に置かれたら、たいていは「販売店と話をしてくれ」と言うて逃げるはずや。

それに、あんたは現読ということになるから、現読拡張禁止の原則のある拡張員が、あんたの家に自ら赴(おもむ)くというのも考えにくい。

『その旨を嫁から販売店に伝え、解約をしたいと伝えた』ということでやって来た人間やとしたら、新聞販売店の従業員の可能性が高い。

ワシが、「拡張員」か「販売店の従業員」かということに、ここまで拘(こだわ)るには理由がある。

それは、拡張員が言うたことについては、その契約書に記載されてなければ、その販売店の店主は「知らん」で通ると考えるが、販売店の従業員の場合は、そうは言いにくいということがあるからや。

それも解約の話ができる者というのは、そこそこの責任ある立場の者の場合が多いから、よけいや。その販売店の店主が「うちの従業員の言うたことなんか、ワシは知らん」とは言えんやろうからな。

それに、拡張員というのは、その販売店だけの勧誘をしているのやなく、複数、それも数十店舗の販売店に出向いているのが普通やから、一年前の契約のことなんか、覚えておらんやろうと思う。

一般的な拡張員は、日に100軒程度の訪問する。1年にすると3万軒強にも及ぶ。そのほとんどが新規の客や。

その会話を覚えとるというのは、まったく考えられんことはないが、可能性としては限りなく低いと言うしかない。

例え、とぼけて「覚えてない」と言うたとしても、第三者がそれを聞けば無理もないとなる。それに、拡張員の多くは、契約が取れれば、すべて忘れてしまうという笑えん特性を持っとることでもあるしな。

そこへ行くと、販売店の従業員は、範囲や勧誘する人間も限られているから、その会話を覚えている可能性は、拡張員よりかは、ある。

せやから『その新聞はパチンコの広告が多いから量があるように見えるだけで、うちのと比べてもあまり変わりません』と言うたということを認めるというのは十分考えられる。

しかし、それが消費者契約法で言うところの解約事由とされる「不実の告知」に該当するかとなると難しいとは思う。

『あまり変わりません』というのは、ぼやかすには最高の言い方なわけや。そこに具体的な数値がなければ、それが多いか少ないかは、それを言うた人間の主観の問題になってしまうさかいな。

それを「不実の告知」にまで持って行くためには、あんたの言われるとおり『実際の広告量の差を見せ、あまり変わらないと言ったことについて追求する』くらいしかないと思う。

それにより、明らかに以前あんたが購読していた新聞より「折り込みチラシが少ないと承知していた」、あるいは、「ええ加減なことを言うた」、「ウソをついた」と言わせて、それを録音する必要がある。

せやから、『次回の拡張員との会話について録音をし、当時の経緯について確認した場合、解約する事は可能でしょうか?』というのは、可能性としてはあると言える。

しかし、その言質を引き出すのは限りなく難しいと思う。

『その拡張員曰く、新聞配達員どおしは顔見知りで話しがつきやすいので、現在購読中の新聞については、期間満了の際に解約をしておきますと口約束をして契約となりました。

現在は、口約束していた購読中の新聞解約についてもなされておらず、2紙が入っている状況です』

というのも、それを認めれば「不実の告知」に該当する可能性はあるが、これに関しては、あんたの方の落ち度についても咎められる可能性がある。

本来、自分のした契約は、自分で解除すべきもので、いくら代わりに解除するからと言うても任せることやない。また、相手にその権限がないというのも分からなあかん。

これは、一般の会社に置き換えたら分かりやすいと思う。

あんたの会社に商品を納入していた業者のライバル社と新たな契約を交わした際、今まで取引していた業者との契約解除を、その新しいライバル社がするというのを信用して任せるのかというになる。

そんなバカなことをする会社はないわな。理屈はそれと同じことなわけや。

『解約条件として、拡材の返還に応じる事になりましたが、商品券については使ってしまったため、別の商品券で立て替える事で了解してもらい、電話を切ったのですが、数分して解約できないとの電話がありました』というのは、解約に持っていける可能性はあるとは思う。

但し、それはその「拡張員」という人間といくら話し合ってもあかん。その人間は店主にあかんと言われとるわけやから、あんたと喧嘩してでも必死で抵抗するやろうからな。

その話をするのなら、その販売店の店主と直接することや。

これやったら、先に言うたように「うちの従業員の言うたことなんか、ワシは知らん」とは言えんということがあるからな。

そう考える販売店の店主やったら仕方ないと考え、その解約に応じる可能性がある。

しかし、その販売店の店主がとことん争うつもりやったら、それも難しいと言うしかないがな。

この回答では、その新聞社名公表するつもりはないが、あんたが現在、契約しとるその地域のその新聞銘柄の販売店やと、かなりの高確率で解約には応じないと強気に抵抗してくるのやないかという気がする。

例え、揉めてでも、その契約は全うさせると。その後のことはどうでもええと考えてな。

それは、一度解約に応じてしもうたら二度と契約して貰えんと考えるからや。

実際、ワシは過去にその地域のその新聞銘柄の販売店と揉めたことがあるが、建設的な物の考え方はまったくと言うてええほどしてなかったさかいな。所詮は弱小新聞やという変な僻(ひが)み根性だけは旺盛やったと記憶しとる。

もっとも、そうは言うても、その販売店の店主の性格次第では穏便に片付くかも知れんが、今回のケースでは、確率的に揉めることも考えに入れとく必要があると思い、老婆心ながら言うてることや。

こういう解約するかどうかという問題で揉めて、その新聞社に連絡しても、まず取り合うことはないと思う。言うだけ無駄になる可能性の方が高い。

唯一、可能性があるとすれば、「不実の告知」に該当する言葉を吐かせ、それを地域の消費者センターに通報するくらいやが、それでも抵抗はする販売店はある。

地域の消費者センターというのは、直接の管理組織やないと考える販売店もあるさかいな。

結論として、その来るという人間との会話を録音し、それで「不実の告知」に該当する部分を引き出せれば、とことん争う姿勢を示すのも方法やと思う。

しかし、その確証が掴めん場合は、あんたの解約したいという意志は、一方的な自己事由としかならんから、同じ解約にこぎつけることができたとしても、かなり不利な条件を呑む覚悟が必要になる。

具体的には、4・5月分の無料サービス分の新聞代、衣類用液体洗剤1ケース、商品券2万円を返還した上で、残りの契約期間に対する解約違約金を支払うという線での交渉になると思う。

つまり、通常の解約手続きになるということや。それくらい、あんたのケースは難しいということや。

ただ、相手の出方次第ということもあるから、その人間が来たら、その後の経過を知らせて頂けたら、また違ったアドバイスができるかも知れん。

但し、あまり過度な期待はせんといてほしいがな。


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