新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.738 今は団がつぶれる時代では?
投稿者 yama さん 投稿日時 2009.6.11 PM 3:02
今は団がつぶれる時代では?
回答者 ゲン
これは、今までで最もシンプルで短い質問や。
ただ、短いが結構、奥の深い質問やと思う。
新聞拡張団がつぶれるには幾つかのパターンがある。
最も多いのは自主廃業や。現在は世界的な不況ということもあり、特にこの業界だけに限らず、その経営難から廃業する業者は多い。
企業の大型倒産だけでも、不動産・建設関連会社、自動車販売会社、出版社、ゴルフ場関連会社、食品スーパー、IT関連会社、衣料製造関連会社など、今月に入って今日でまだ12日しか経ってないが、すでに30社もの有名大企業が名を連ねている。
当然、その会社の子会社、関連の取引会社などもその煽りを受け、お決まりの連鎖倒産が起こるのは必定ということになる。その実数は3乗、4乗におよぶと予測されとる。
その意味で言えば、すべての業種が『つぶれる時代』と言うてもええやろうと思う。
この時代に生き残ること自体が難しいと。
新聞業界の場合でも、現在のように徐々にではあっても、新聞の購読者が減っているという現状が続いとるのは、確かに危機的状況ではある。
単純に考えて、購読者が減れば、その新聞を扱う新聞販売店の経営が難しくなり廃業する店が増える。
現実に、ここ3年ほどの間に22000店舗ほどあった新聞販売店が、今では20000店舗切る寸前にまで減少しとるさかいな。実に1割も減少しとる。
新聞拡張団は、その新聞販売店に赴いて営業するわけやから、その販売店が減少するということは仕事場が少なくなるということを意味する。
仕事場が少なくなれば、当然のように拡張員の数も制限される。引いては拡張団の減少につながるという理屈になる。
新聞拡張団のつぶれる理由として次に多いのが、強制廃業、つまり新聞社から取引停止を宣告されるというパターンや。
新聞社は新聞販売店と同じく、新聞拡張団とも業務取引契約書というのを交わして、専属の営業会社としている。その業務取引契約を解除するというのが、それに当たる。
拡張団がそう宣告されたら、それで終いや。どの販売店にも入ることはできんから仕事ができんようになって廃団(廃業)するしかなくなる。
その理由としては、購読者の獲得が悪くノルマの達成率が悪いというのが最も多い。
ノルマというのは何も拡張員のみに押しつけられたものではなく、拡張団にも新聞社からかなり厳しい条件のノルマが課されとるというのが実態や。
拡張団は、その成績が芳しくないと常に廃業の憂き目に晒されるから必死にならざるを得ん。配下の拡張員に厳しく接するのは、そういう面もあると理解してほしい。
過酷なのは何も拡張員だけやないというわけや。
ただ、厳しく接しすぎるというのが、拡張員を不正に走らす元凶になるというのはある。
それがもとで、評判の悪さ、不法行為の多さを招き、トラブルが続発するということにつながり、新聞社から切られる(契約解除)ケースもある。
一般には分かりにくいとは思うが、新聞社は何も悪質な拡張員を野放しにしとるわけやない。できれば排除したいというのが本音や。
そのためにいろいろと通達を出して縛りをかけとるのやが、思うようにはいってないというのが実状やろうと思う。
まあ、新聞社と新聞拡張団との長い歴史的な関係を考えれば、それも無理はないやろうがな。
最近では、それに業を煮やした新聞社が、盛んに直轄の子会社、関連会社としての拡張団を結成させとる。
その煽りをくらって廃業を余儀なくされる拡張団があるのも事実や。
結果、拡張団の減少ということが起きていても不思議やないということになる。
ただ、新聞拡張団の実態というのを完全に把握することは不可能に近いさかい、その実数がどの程度なのかというのは調べようもないがな。
公認されとる業種で、唯一と言うてもええくらい、その動向を記録した白書というものが存在せんさかいな。
それでも、サイトに届く情報から、既存の拡張団が減少していると察することはできるがな。
結論として、現在は新聞拡張団の数が減少傾向にあるのは事実やろうが、せやからと言うて『今は団がつぶれる時代』とまでは言えんということや。
新聞社が存在する限り、拡張員は必要な存在なのは間違いないと断言する。
はっきり言うて、新聞は売り込まな売れんものやさかいな。新聞販売店が本屋のように客を待っていても新聞を買いに来るという人は皆無とは言わんが、極端に少ない。
ワシら拡張員がおらんようになったら、おそらく、あっという間に部数は激減するはずや。
そうなれば、新聞社の存在そのものが危うくなる。
そのくらいは新聞社も良う分かっとる。せやからこそ、直轄の拡張団作りに力を入れとるわけやからな。
昔ながらのやり方しかできん既存の拡張団に限っては『つぶれる時代』かも知れんが、新たな営業法を模索し、前向きに考える団なら、これからも十分やっていけるはずやと思う。
世界が続く限り、営業が必要でなくなる時代は絶対に来んと確信しとるさかいな。
感想 参考までに
投稿者 Jさん 投稿日時 2009.6.15 AM 7:34
『世界が続く限り、営業が必要でなくなる時代は絶対に来んと確信しとるさかいな』
これは、いろいろな経済番組や経済記事でも言われていることですが、長寿企業の共通点は、時代の変化に合わせて、自分たちの経営も変えていく(社会に適応するような進化ができる)柔軟性を持ち合わせているところにあります。
たとえば、江戸時代から続く老舗の食品販売店なども、傍目には、何も変わっていないように見えて、実は、常に、その時代にマッチした新商品を開発していたりするものです。
ですから、(過去にも同じような意見を述べたかもしれませんが、)拡張団にも、新聞以外の他の商品も拡張することで生き残りの道を探るという考え方があっていいと思います。
たとえばの話ですが、誰でも知っている「生協」という組織は、全国各地に拠点を置いて、宅配方式で会員に日用品を届ける事業をやっています。
当家もその一つに加入していますが、彼らが自らの会員を増やすためのPR活動のことを考えますと、私の目には消極的に見えます。
現状は、客同士の口コミやポスティング、あとは単発的なテレビCMくらいではないでしょうか。
そういうことしかやれていない業種に、訪問営業を代行する会社が、もしオファーをかけたら、意外と話に乗ってくれるかもしれませんし、実際に好成績を取れるかもしれません。
なぜなら、対面(直に会って説得する)という販売手法は、単に消費者に広告を見せるのとは違って、その場で消費者の不安や誤解を取り除いてあげることができ、かつ、短時間で決断まで導くことができるので、潜在的な需要を掘り起こすにはうってつけであるからです。
「口コミを代行する」と言い換えた方がわかりやすいかもしれませんが、ともかく、新聞拡張団がそういう異業界の営業ビジネスができるような組織にまで脱皮できるのであれば、私は、彼らの未来は悪くはないと思います。
以前、テレビ番組で、営業代行会社に営業を委託する会社が増えているという報告を見ましたので、別に、突飛な話でもないと思います。
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