新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.740 この契約をしても大丈夫なのですか?
投稿者 yama さん 投稿日時 2009.6.13 PM7:44
ちょっと前になりますが、知り合いがA新聞のセールスに3か月の新聞代金を置いていくからタダで3か月取ってくれとお願いされたらしいです。
でも他の新聞関係の人には内緒にしてくれと、こんなことってあるのですか?
この契約をしても大丈夫なのですか?
回答者 ゲン
『この契約をしても 大丈夫なのですか?』というのは、短期的にはということで条件付きなら大丈夫というケースはある。
その条件とは『3か月の新聞代金を置いていくからタダで3か月取ってくれとお願いされた』ときに、その場でそれと匹敵する金銭および金券等を置いていった場合や。これは業界では通称「置き勧」と呼ばれとる。
それ以外の「後で持ってくる」「こちらで責任もって払っておく」という話なら、ほとんどの確率でウソやったというケースが多い。
『でも他の新聞関係の人には内緒にしてくれ』というのは、その契約書にある販売店にということやろうと思う。
勧誘員には、新聞販売店の人間だけやなく外部組織の拡張員というのもいとる。その中には、成績を上げるために業界の禁止行為である、その「置き勧」をする者がいとる。
禁止行為やさかい、その販売店に知られるのも、所属の拡張団に知られるのも、まずいわけや。そのために、客に口止めをする。よって、その質問なら、「そういうことはある」ということになる。
あんたの知り合いが、その場で新聞代に匹敵する金銭および金券等を受け取って、それで納得するというのなら、そうしても、その知り合いについては何ら違法性を問われるようなことはない。好きにすればええ。
ただ、それはその場だけのことで、行く行くはえらい目に遭うたというケースが多いから、あんたがその知り合いと友人関係にあるのなら、「それでも止めとけ」と忠告する方が本当の意味での親切にはなると思う。
どういうことかと言うと、人は、一度そういうおいしい体験をすると、次からそのことを疑わんようになる。次も同じように、そうしてしまうということや。
当たり前やが、新聞代相当の金を置いて新聞を取って貰うても儲かるわけがない。しかも、たいていは、その上に何らかのサービス品まで渡すわけやさかいな。
その人間がそうするのは、契約を上げて帰らんと所属の営業会社である拡張団に叱責されると考えるからや。それを逃れるために身銭を切ってでもそうする者がおる。
そんな、儲かりもせんことがいつまでも続くはずがない。いつかはパンクする。また、禁止行為やさかい、どこかでバレる可能性も高い。
その行為がバレると、良くてその販売店に出入り禁止、悪くすると拡張団をクビになることすらある。「内緒にしてくれ」と言うのは、その意味もある。
その知り合いがそれに慣れると、3か月が6か月、1年と契約が大きくなり、最後には「こちらで毎月支払っておくから」と言われ、それを信用して騙されるということにもなりかねん。実際にもそういうケースの相談が、このQ&Aには多いさかいな。
結局、早いか遅いかの違いで「しもうた。えらい目に遭うた」と悔いることになるということや。
そして、こういうケースで騙されたと人に言うても、誰も「気の毒に」とは言わん。「アホやな」と言われ、挙げ句に拡張員に騙されたバカな人間というレッテルを貼られて笑い者にされるのがオチやと思う。
「悪いことは言わんから止めとけ」と、その知り合いに忠告したった方がええというのはそういうことや。
しかし、忠告しても聞き入れんような場合はほっとくことや。
孔子さんの有名な教えに、
忠告してこれを善導し、不可なれば即(すなわ)ち止む。
というのがある。
自分より年長者や立場が上の者に苦言や忠告をして、それが聞き入れられんかった場合、ヘタをするとその人間に恨まれる、反感を買うということにもなりかねん。
それで自身の立場を危うくするというのは、2千数百年の昔から世の中にはいくらでもあったということで、その教えが今に伝わっとるわけや。心しといた方がええ。
せやから、身内やよほどの親友、大事な人間以外は、一度だけ「そうしても、最終的には、あまりいい結果にならないようですよ」と、忠告して、「分かった」と言えばそれで良し。
「心配せんでも大丈夫や」という返事なら、あんたは言うだけのこと言うて注意を喚起したわけやから、後はほっといた方がええということや。
ヘタにそれ以上、諌言して恨まれても損やしな。
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