新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.767 団の募集で素人に限るところが多いようですがなぜですか?


投稿者 yama さん  投稿日時 2009.8.22 AM 4:51


今団の募集では借有りとプロは取らないみたいで素人に限るところが多いようですがなぜですか?

時代の流れですかね。


回答者 ゲン


『今団の募集では借有りとプロは取らないみたいで素人に限るところが多いようですがなぜですか?』というのは、今に始まった事やなく数年前から、すでにその傾向はあった。

それにはいろいろな背景があってのことやが、その一番大きな理由は悪質な勧誘が、いつまで経ってもなくならんかったからやと思う。

従来からの拡張員の中には「喝勧」「置き勧」「ひっかけ」というのが当たり前という風に考えとる者も少なからずいてた。

ワシらは、このサイトを開設した5年も前から、しきりに「そんなことをしていたら、いずれは自分で自分の首を絞めるだけにしかならんから止めとけ」とさかんに言うてきたが、それが現実のものになったわけや。

その頃はまだ、「そんな甘いことを言うてたら拡張なんかできるかい」という拡張員からのメールも数多く来ていたが、今はそれも極端に減っている。その多くがこの業界を去っていったからやと思う。

当たり前やが、こんなことをしていたら、一般だけやなく販売店も嫌がる。店の評判が確実に落ちるさかいな。

評判が落ちれば読者も減る。そんな拡張員には入ってほしくないと考え、実際に入店を拒否するようになった。当たり前の事が当たり前に起きたわけや。

今から3年ほど前の2006年9月24日に届いた相談『NO.303 団を入れない販売店をどう思われますか?』というのに、それが如実に表われていた。

その相談の前年に、拡張員の入店を断ったという、ある新聞販売店の経営者の話をそこに紹介した。


答えは簡単です。3ヶ月で止まるカードを解ってて買う事が出来ない。置勧に近いカードを買っても泡のごとく消えます。

今の団に新勧や他紙をひっくり返す技術などあり得ないと思ってます。極端なこと言えば置勧なら店でもやれます。

そんなバカなカードを買うお店が信じられないです。本当に残るカードが多くあれば勿論買いたいですが、現状では、無理です。

店で死ぬ思いしながら営業を行なった方が連帯感、達成感など味わえますし、そもそも営業自体をアウトソーシングするなど一般企業では、考えられない事を外部に委託していただけで、今が本当の姿ですし、正常な店造りの原点だと考えております。


というものやった。つまり、その販売店の経営者は出入りの拡張員の仕事ぶりに見切りをつけたわけや。そんな連中はいらんと。

それが、それを境に徐々に他店へも拡がりを見せていった。そういう事やと思う。

身から出た錆。一言で言えば、そうなる。そうでない人間には辛い話やが、古くからの拡張員経験者は、そういう無法な勧誘手法に毒されとると思われとるわけや。

そうなれば拡張団も、そのニーズに合わせるしかなくなる。その結果として、何も知らん素人を一から教育して使うた方がええとなり、経験者を排除するようにならざるを得んわけや。

また、その頃から、新聞各社も急激にそういった拡張員の締め出しに力を注ぐようにもなったというのもある。現在、関東方面で、金券全面廃止などの通達が出されるようになったのも、背景としてそれがあるからやと思われる。

当たり前やが、不法行為や無法な事を続ければ、そういう締め付けが厳しくなるだけのことで、結果としてそういう事態になったということやと思う。

『借あり』とは借金のある者のことやが、昔はその借金を肩代わりしてでも、できるという評判の拡張員をほしがっていた拡張団は多かった。

しかし、現在は、その拡張団の多くが一般の会社と大差ない状況になっていて、昔ほど余裕のある所が少なくなっているというのもある。

それに加えて、借金の肩代わりや借金がある者を雇うことで、いらんトラブルを抱え込みたくないという拡張団が激増した。

しかも、これは、いくら面接時にそれを隠していても、以前の拡張団が『新聞セールスインフォメーションセンター(旧・新聞セールス近代化センター)』に、それと登録しとるケースがあり、他団もその情報を見て採用を断ることもあるという。

その典型的な相談も『NO.602 私に働ける拡張団は有るのでしょうか?』にある。

『時代の流れですかね』というのは、そう言えるかも知れんが、ワシはそういう捉え方はしていない。

どんな時代であろうと、したらあかんことはしたらあかんというのは当然のことや。ルール違反に頼って仕事せなあかん仕事なんかする値打ちがないと思うがな。そんなものは仕事でもなんでもない。

そうせなやっていかれんのやったたら、さっさと辞めるべきや。ワシならそうする。

ワシがこの業界に入った15年ほど前は、それはそれは酷い状態やった。「喝勧」「ひっかけ」「てんぷら(架空契約)」「置き勧」というのが当たり前のような風潮にあった時代で、それに対して罪悪感を持っとる人間は少なかったように思う。

そのときのことは随所で言うてるが、『新聞勧誘・拡張ショート・ショート・短編集 第3話 命の笑い』なんかが、その典型的な話やと思う。

そういう時代にあっても、ワシはそういうことを平然とする連中は営業員とは評価してへんかった。違法行為、無法を働くというのは、所詮はならず者にすぎんと考えとったしな。

ワシ自身は、法に則った営業法の考案を心がけた。それが、今では多くの真面目な拡張員の方々の役に立ったと言うて頂いとる。

単に『時代の流れ』で済ませられる問題やないと思う。いつの時代でも、したらあかんことはあかんというのは当たり前で、それを続けとれば、必ず自らに返ってくるのは自明の理という事になる。

今が時代の流れでそうなっているのやなく、その昔が異常やっただけのことやと。しかも、それがあまりにも長く続きすぎたために、現在の変化に戸惑うのやと思う。

人から嫌われる行為、評価されん行いは、いつかその終焉を迎える時が必ず来る。単にそれが今というだけの事やと思う。


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