新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.783 クーリングオフするべきですか?


投稿者 takemura さん  投稿日時 2009.9.20 PM 10:19 


お忙しいところ失礼いたします。

今日、新聞の勧誘が来て「お試しで1年間無料なので読んでください。その後有料で続けるかやめるか決めてください」とのことでした。

特に新聞は必要なかったのですが、1年も無料で頂けるのならとOKしました。

勝手に新聞を郵便受けに入れるわけにはいかないのでサインと、住所・電話番号を書いてくれと言われて契約書に記入しました。去り際に販売店からの確認の電話で5年契約と言うかもしれないが気にしないでください的なことを言われました。

その時、少し疑問に思いましたが、販売店からの電話には「5年契約ですね」と聞かれて「ハイ」と答えました。サービス品の申し出もありましたが無料期間中でやめるのにもらうのは気がひけたのとなんとなく不安を感じたのでお断りしました。

その後、やっぱり不安なので契約書をよく見ると契約期間が5年で1年間無料となっていました。

5年契約になるという説明は一言もありませんでした。

とにかく1年間読んでみてよかったら続けて、無理ならやめていいよという感じでした。

しかし、他の質問者さんのお話を読んでいると信じていいのか怪しくなってきました。

それに以前他社の新聞がお試しでと持ってこられた時はサインなどしませんでした。

1週間と1年間では期間の長さが違いからサインは必要だったのかもしれませんがそれも疑わしく感じます。

他にも、5年契約にしているのはただ単に1年間無料だと契約上なんらかの問題があるからそうしているだけなのか?それとも・・・。

無料でしかも1年後続けるかどうかわからない家にサービス品をあげるのか?

など、悪い方向に考えが浮かびます。

とても感じのいい方だったので疑いたくはないのですが、このまま信じていいのかクーリングオフするべきなのかご意見を聞かせてください。

よろしくお願いします。


回答者 ゲン


結論から先に言うと、あんたはその勧誘員に嵌(は)められた、騙されたということになる。

あんたのは『お試し』などではなく、れっきとした契約が成立しとると考えられる。その契約書に記載されとる『契約期間が5年で1年間無料となっていました』というのが、すべてや。

『お試しで1年間無料なので読んでください。その後有料で続けるかやめるか決めてください』というのはウソや。そんなことはあり得ん。

この業界の試読という『お試し』期間は一週間以内と決められている。それ以外の『お試し』は、すべてウソやと思うてたら、まず間違いない。

『1年間無料』というのはある。その5年間の購読契約をすればな。しかし、契約すれば途中で『その後有料で続けるかやめるか決めてください』というような選択は絶対できん。

そのときになって、間違いなく、その販売店から「契約やから解約などできん」と言われ、その際、どうしても解約したければ『1年間無料』のサービスとしてすでに配達された新聞代プラス解約違約金を支払ってからということになる。

実際にも、それで困って、このQ&Aに相談される方も多い。そのときには、時すでに遅しで、その方々には気の毒やが、それでも良ければ解約するか、あきらめて残りの契約を全うするようにというアドバイスしか、ワシにはできんわけや。

その口頭での証拠が何も残ってなければ、言うた言わんの水掛け論にしかならんから『契約書』の存在が大きくものを言うさかいな。

『他にも、5年契約にしているのはただ単に1年間無料だと契約上なんらかの問題があるからそうしているだけなのか?』というのは何もない。

それは、単にあんたを騙すための口実でしかない事で、それ以外は考えようがない。その勧誘員の本来の目的こそが、あんたから『5年契約』を取る事やさかいな。

それでしか、その勧誘員は拡張報奨金、つまり収入を得られんわけや。普通に考えて『1年間無料』で新聞を配達しても業者に儲けなんかはないわな。

その『1年間無料』で新聞を配達する販売店は、当然やが、その新聞の仕入れ代金を新聞社に支払わなあかん。客に『1年間無料』にするからタダにしてくれとは口が裂けても言えんさかいな。そんなことを言えば大変や。ヘタしたら叱責されるくらいでは済まんかも知れん。

それに何より、営利を目的としている勧誘員が、客の得にしかならんような話を持ちかけるわけがない。

どんなに美味しそうな話でも、そこには必ずその話を持ちかける人間の利益があるからそうするわけで、「利益なんかはない」と考えられる話は、まずウソやと思うてたら間違いない。

『無料でしかも1年後続けるかどうかわからない家にサービス品をあげるのか?』というのも、そんなことは絶対にあり得んわな。そんなことをする理由がないということや。

世の中、美味い話はなんかは絶対にない。そう思うといてほしい。今回の事がその典型的な例やと。

『とても感じのいい方だったので疑いたくはないのですが』という考えは危険やから捨てた方がええよ。人を騙そうとする人間は、たいてい『とても感じのいい方』を演じ装うもんやさかいな。

騙される人間は、それに騙されるわけや。

しかし、こんな事は、あんたも怪しいとすぐに気づいたように、ちょっと考えれば誰にでもそれと分かることや。

契約者がその気になって調べれば簡単にバレるにも関わらず、こういう手口が後を絶たん。そして、こういう事がバレる度毎に、業界の信用が一つずつなくなっていく。

この業界の人間として嘆かわしいとしか言いようがない。まさしく『ゲンさんの嘆き』ということでワシがボヤかなしゃあないことになる。洒落にならんで、ほんま。

あんたの場合の事後処理には、二通りの方法がある。

一つは、その販売店に「やはり気が変わったから解約したい」と申し入れることや。

そうすれば、クーリング・オフの期間内やから、たいていの販売店は、すぐにそれと察知して、その解約に応じるはずや。

但し、その場合も単に口頭で告げるだけで済ませたらあかんで。口約束だけの了解事項は後でひっくり返される恐れがあるさかいな。

「正式に解約したいから自宅まで来てください」と言うか、「こちらから、そちらに伺います」と言うて、その販売店に出向くかのいずれかをする必要がある。

その際、確かにその契約を破棄した証拠として、現在持っている契約書の余白部分に「解約済み」と書いて貰うことや。もちろん、その日付と担当者名を記入して貰うのを忘れたらあかんで。

それができんとか、日延べするような姿勢が垣間見えたら、文書でクーリング・オフの通達を出すしかないと思う。

二つめというのが、その文書でクーリング・オフを出す方法や。もともと、クーリング・オフは文書で出すしか法的効力がないとされとるものやさかいな。先の販売店への通告は認められてそのとおり処理されたとしても「任意での解約」にしかならんわけや。

それについては、念のためサイトの『ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報』に、その詳しい記述があるから、それをしっかり見て対応を間違えんようにして頂きたいと思う。

時折、見落として、後でトラブルになったというケースもあるさかいな。

最も多いのが、簡易書留ハガキで出す場合で、そのコピーを取り忘れたというものや。

簡易書留ハガキの場合は、その文書が届いたという証拠は残るが、その内容までは証明されん。せやから、相手から「何の通知を受け取ったのか分からん」とシラを切られる場合がある。また、「そんなのは知らん」と受け取った事実まで否定する販売店も中にはあるとのことや。

まあ、それでも何とかなるが、そのコピーを残しておけば、より簡単にそれが証明されるさかい、それを忘れんようにしといた方がええ。後で、よけいな手間をかけずに済むさかいな。

新聞契約の場合、契約書を受け取った日から8日間がそのクーリング・オフの有効期間内ということになる。

あんたの場合『今日』と言うておられるから、9月20日に契約したということになる。

それからすると、その期限は9月27日までや。しかし、現在、シルバーウィークの連休中やから、その文書を受け付ける日本郵便(JP)の窓口が開いてるのは限られとるから注意が必要や。

この連休が終わって日本郵便(JP)でその書類を出すには、9月24日(木)と9月25日(金)の2日間しか、その猶予はないさかいな。

もっとも、土日も窓口業務をしとる日本郵便(JP)もあるということやから、『郵便直営店検索』 で検索して調べたらええがな。

あんたの地域にそれがあれば、その猶予はその分、延びる。

ただ、あんたが、その平日に仕事をしててクーリング・オフしようにも時間が取れんというのなら、『電子内容証明郵便』 で出すという方法もある。

それらに関しても、『ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報』 で説明しとるさかい良く見といてほしい。

特に『電子内容証明郵便』の場合は便利やけど、その条件が合わんと結構、難しそうやさかいな。

もっとも、このサイトには有り難いことに親切な読者が多く、それを実践されたという方から寄せられた情報も掲載しとるので参考になると思う。

普通は、まず販売店に言うてから、ラチがあかん場合、文書でのクーリング・オフを勧めるのやが、それが面倒なら直接、先に文書でのクーリング・オフを出すのでも別に構わん。

その勧誘員やその販売店がどういうタイプの人間かは、あんたの相談文からはもう一つ分かりにくいが、その文書でのクーリング・オフを出す場合は、例え「何でクーリング・オフをするんや」と後になって怒鳴り込んでくるような勧誘員や販売店の人間がおったとしても、あまり心配せんでもええから、その点は有利や。

それには法律で、この文書でのクーリング・オフを出した人間へ、その翻意を目的とした販売店および勧誘員の接触が禁じられとるからや。それが許されるのは、受け取ったサービス品を返還するときと限られている。

その翻意を目的として再訪したり、脅かしたりという事実があれば警察に通報することも可能や。実際にその罪名での逮捕者も出とるしな。

まあ、普通の販売店なら、その文書でのクーリング・オフでの通告を受ければ、その事実も知っとるはずやから何もないとは思うがな。

但し、そのクーリング・オフをする場合には多少なりとも金がかかる。販売店が解約に応じれば「任意での解約」となって金はかからんがな。

それらのことを踏まえられた上で、いずれを選択されるかは、あんた次第や。良う考えて決められたらええ。


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