新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.788 新聞社の体質変更は不可能では?
投稿者 Jさん 投稿日時 2009.10. 9 PM 11:59
今回のメルマガ『第70回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■その心の叫びを伝えるためにできる事』 からの疑問と質問です。
しかし、そうは言うても、それが分からん新聞社のトップにそれをどうしたら分からせることができるかというのは難しいがな。
手っ取り早いのは、新聞社の内部から不祥事を暴露して経営者を追い込むという手がある。
個人的には、あまり勧められんし、ほめられたやり方やないとは思うがな。
仮に追い込むことができたとしても、現状の社内体質のままでは、全く何も変わらない可能性の方が高いような気がします。
なぜなら、トップの入れ替わりを期待するとき、その椅子には改革派のような人が座ってくれないとダメなわけです。
しかし、そんな小泉元首相のような、今までと趣向が違う人材は、回りから叩かれやすいので、そう簡単には上には上がってこられないんじゃないでしょうか?
また、追い込まれた人自身が改心して、経営方針を改めるというパターンも考えられるかもしれませんが、よほど本人に衝撃を与えるような作戦を用いないと、全く変化は起こらないと思われます。
したがいまして、落ちるところまで落ちなければ、新聞社の体質というものは変わらないのではないでしょうか?
具体的には、会社更生法や民事再生法の適用を申請する事態になるまで、何ともならないというシナリオです。
回答者 ゲン
『仮に追い込むことができたとしても、現状の社内体質のままでは、全く何も変わらない可能性の方が高いような気がします』と、あんたが言われるように、ワシもその意見には同感や。
『なぜなら、トップの入れ替わりを期待するとき、その椅子には改革派のような人が座ってくれないとダメなわけです』というのも、それしか道はないやろうな。
『今までと趣向が違う人材は、回りから叩かれやすいので、そう簡単には上には上がってこられないんじゃないでしょうか?』についても、新聞社のように旧態依然とした体質から脱却できにくいようなところは尚更やと思う。
『また、追い込まれた人自身が改心して、経営方針を改めるというパターンも考えられるかもしれませんが、よほど本人に衝撃を与えるような作戦を用いないと、全く変化は起こらないと思われます』というのも他に何も思いつくものがなかった。
今考えられる策が、『手っ取り早いのは、新聞社の内部から不祥事を暴露して経営者を追い込むという手がある』ということやったわけや。多少なりとも効果が見込めるものとしてな。
『したがいまして、落ちるところまで落ちなければ、新聞社の体質というものは変わらないのではないでしょうか?』というものも、そのメルマガの中で『まあ、一度、そのナイヤガラの滝にでも落ちれば変わるかも知れんが』と言うてるように、とことん落ちた方がええという気もする。
それなら黙って見とればええやないかと言われたら、そのとおりやと答えるしかない。
それにも関わらず、なぜ、そのメルマガでその話を取り上げる必要があったのかというのが疑問になられるやろうと思う。
もちろん、それにはそれなりの理由がある。
ただ、その理由をあのメルマガで話してなかったから、あんたのように鋭い観察眼を持った人にとっては奇異に映り、この質問をされてきたのやろうと思う。
分かり切ったことを今更言うてどうするんや、と。
その理由を説明する。
まず、暴露する事の効果についてからや。
去年、2008年8月1日、メルマガ『第8回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■MDN醜聞の波紋』 でM紙の不祥事について言及したが、これが発覚してM紙は窮地に立たされ、それまでの方針を大きく変更せざるを得ない状況に置かれた。
新聞社としては、不祥事発覚後から1年以上も経過する異例とも言えるほどの長期間に渡って謝罪文書をそのWEBサイト上で未だに公開しとる。
「毎日デイリーニューズ」刷新 改めておわびと決意」 と2008年7月20付けM新聞紙面記事
というのがそれや。
当然の事として、各地でその時期、M紙の部数がかなり減少したということやが、今はその真摯な態度を評価されてか持ち直しつつあるという。回復したとまでは言えんが。
ただ、その未曾有とも言えるM紙の不祥事にしても経営者の交代、トップの人事が刷新されたという事でもない。
ただ、トップが頭を打ったからこそ、そういう対処をしとるのは間違いがな。まさに『追い込まれた人自身が改心して、経営方針を改めるというパターン』ということやないかと思う。
その意味では、その不祥事の発覚は、一時的に部数減になったとしても結果として今後のM紙のためには良かったのやないかという気がする。
実は、その回のメルマガを書き始めたのは、ある新聞社に勤めている方から寄せられた一通のメールがあったためやった。
それには、そのM紙の不祥事と匹敵する驚愕の内容が記されていた。事実なら、また世間を騒がせる事件になるやろうと思われるほどのものや。
当初、ハカセはその人の許可を取って、暴露ではない程度にその新聞社への警告の意味を込めて、その話をするつもりやった。
送って頂いた情報を元にメルマガを執筆した場合、ハカセは事前にその草稿をその情報提供者の方に知らせている。「こういう内容になりますが、掲載しても差し支えありませんか」という確認のために。
もちろん、それにはその情報提供者の身元が発覚するような記述やその関係者に迷惑がかからんように十分配慮した上でな。それでも、ワシらも完璧やないから、どこかに間違いや情報提供者にとって困るような内容のものがないとも限らんさかい、常に確認だけは怠たらんようにしとるわけや。
ワシらのメルマガは新聞や週刊誌のように暴露というか報道が目的やないし、それが例え真実やったとしても、その裏を取るだけの取材力や術がないから、いくらスクープを知ったとしても、寄せられた情報をそのまま公表するわけにはいかんという事情もあるわけや。
ハカセにしてもジャーナリストというわけでもないから、それを知って是非とも記事にせなあかんと血湧き肉躍るというほどでもないという。もっとも、多少は興奮するとは言うてたが、その程度や。
その情報提供者もそれを公にしてええものかどうか迷われていたため、ハカセが「その新聞社への警告の意味を込めて、その内容の触りをメルマガに掲載しましょう」と提案したわけや。
当初、その情報提供者の方もそれで納得されていた。
しかし、メルマガへの掲載日2日前に送った草稿を見られて、「やはり不掲載にしてほしい」と言うて来られた。
ワシらとしては、そう言われれば仕方ない。
そのメルマガの記述がどうのというより、新聞社内部の人間として、その事実を知る立場にある者が限られているということが大きいとのことやった。
ワシはともかく、ハカセは秘密を守るということには異常な拘(こだわ)りを見せる男や。
それには仕事柄、ゴーストライターをしていることが大きいという。
ゴーストライターとは、その名のとおり幽霊作家や。依頼主に代わってその文章を書き、某かの報酬を貰えば、すべてを忘れる。その秘密は墓場まで持っていく。絶対にその内容を他で話すことはない。
それが信義であり誇りであると信じとるという。
せやから、書かんといてくれ、秘密にしてほしいと言われたら、迷わずそうするのやと。
ただし、今回のようにそれでも尚、迷っている人には念のため、それを発表する事の功罪についてアドバイスすることがある。
このQ&Aもそうやが、メルマガにしても、たった一人のためだけに書くということが結構ある。もちろん、読み物にする限りは面白くて他の読者のためになるようにとは心がけとるけどな。
今回のメルマガもそれで、その情報提供者に「こういう方法もありますよ」と、暗に示すためやったということが裏にあったわけや。
それで過去の話をその代用に引用した。そう理解して頂ければ、あんたの疑問もいくらか解消されるのやないかと思う。
こんな裏話をするのはどうかと考えたが、あんたのような人には他の回答ではごまかし切れんと思うたさかい正直に話すことにしたということや。
それがあった故の題名、『その心の叫びを伝えるためにできる事』やったわけや。
その不祥事がとんなものかという思わせぶりに濁した言い方をして申し訳ないが、それをここで話すわけにはいかんさかい、それは分かってほしい。
ただ、近い将来、また新聞業界を大きく揺るがす事件が発覚するかも知れんとは言うとく。
いくらその人やワシらが口をつぐんでいたとしても、その事実がある限り、他からそれが洩れる事も十分考えられるさかいな。
今の時代、誰もこんな事は知らんはずやというのは、事、不祥事や人を泣かす行為については発覚せん方が、むしろ不思議なくらいやと思う。
ワシらのような個人のサイトに新聞社の関係者の方から、こんなアクションがある事など昔やったら絶対に考えられんかったけど、今は、たった一通のメールでそれがいとも簡単にできてしまう。
その辺のことを新聞各社の上層部の方に考えてほしいという警告の意味も、あのメルマガにはあったわけや。ワシらのサイトには新聞社の上層部の方も時折、見ておられると聞くさかいな。
その不祥事の発覚は、その新聞社にとっても大打撃かも知れんが、それに関係する新聞販売店や新聞拡張団にとっては死活問題になりかねんことやさかいな。
何の責任もない者が真っ先に犠牲になる。理不尽やが、世の中の仕組みはそうなっとる。それだけは何としても避けてほしいと願わずにはいられんというのが、ワシらの気持ちや。
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