新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.798 もうどうしたらいいのかほとほと困っております…


投稿者 佐藤さん  投稿日時 2009.11. 1 AM 5:53


初めまして夜分遅くにすみません。

二年前の十月一日に二年間契約で一年間無料で一年間は通常通り支払うという形でS新聞を契約させて頂きました。

その時に、ミニ折りたたみ自転車と、お米10`とビール券を頂きました。

一年間は毎月無料で新聞が入りそれも終わって二年目からは毎月通常通り新聞代金を支払っていて9ヶ月程たった時に用事があってS新聞の販売店に電話したら契約は一年無料で四年通常の五年契約になってると言われました。

そんな事は一度も契約する時に言われてないのでどういう事か聞いたのですが…「契約書にはそう書かれておりますので」の一点張りとそれと「あっ、もし解約するのなら解約料は10万はかかりますんで」と言うのみです。

そんな馬鹿なと思って契約書を探したら小さい紙切れで毎月の新聞代の料金が書かれた紙一枚貰っただけだった事を思い出し、その紙も紛失してしまっていたのを思い出し途方にくれていたのですが、契約の時に二年間としか聞いてないのは確かです。

毎月来る集金の方に電話では話にならなかったので直接口で、「私は二年間の契約で納得して新聞を取ってるのでどういう経緯でこうなったのかきちんと話が通じる方を連れて来て下さい」と頼んだのですが、S新聞からはそれから一切返答がなく三ヶ月がたち産経新聞からは無視状態です。

そして昨日で契約も終了なのですが一向に連絡がないのでS新聞にもう一度電話して「明日から新聞いりませんので届けて頂いても払いません。何度もお伝えしてるのに無視するならこちらもしりません」と言って電話を切りました。

そして二年契約が終了しました。がまだ今日新聞が入ってます…。

先程まだ新聞が入ってると電話したら「私はバイトだから知りません。入ってあった新聞は捨てるなり好きにして下さい〜」と半笑いで言われました…。

もうどうしたらいいのかほとほと困っております…。

長文、駄文で申し訳ありませんが何卒よろしくお願いします。


回答者 ゲン


これは、あんたが『二年間契約で一年間無料で一年間は通常通り支払うという形でS新聞を契約させて頂きました』と言われておられることが、客観的な事実として証明されるかどうかで、まったく違った回答になると思う。

『小さい紙切れで毎月の新聞代の料金が書かれた紙一枚貰っただけだった』というのに署名捺印して、その控えを渡されたのなら、それは正規の契約書やったということになる。

この新聞業界の契約書は総じてハガキ大程度のものが多く、一般購読者の多くが「契約書」と認識していなかったというのは良く聞く話やが、売買契約書には書式や体裁についての決まりは特にない。

「売り手と買い手の特定、契約者の署名、契約日と契約期間、契約内容」などの記入欄に記載され、それに契約者の署名捺印があれば、その書式や体裁、大小に関わらず、すべてが契約書ということになり、そこに記載されている事項が効力を発揮し、法律で保護される。

それに、その『小さな紙切れ』とやらにはS新聞なら「新聞購読申込み書」とあったはずや。「申込み書」というのはその語彙(ごい)から拘束力がなさそうに感じられるかも知れんが、これは法律上、立派な契約書として通用するものや。

その場で内容を確認されていたら、すぐそれと分かったと思う。

あんたの言い分は、その契約書に記載されている内容次第で、正しいかどうかが判定されることになる。これは、消費者センター、新聞社の苦情係、その他の法的機関のすべてで同じことを言うはずや。

あんたの言うとおりの事が、その契約書に記載されていれば、その販売店が何と言おうと、その言い分が正当なものになるし、反対に販売店の言うとおりの記載があれば、販売店の言い分が通るということになる。

『契約の時に二年間としか聞いてないのは確かです』というのは、その契約書にそう記載されてない限り、そう主張することは残念ながら無理と言うしかない。その場合は、その販売店の言うとおり後、3年間は講読する義務があんたには残っとることになるさかいな。

『その紙も紛失してしまっていたのを思い出し途方にくれていた』ということなら、その販売店からその契約書のコピーを貰うしかないやろうな。契約者にはその保管義務はないが、販売店にはあるから、それをくれと言えば持ってくるはずや。

今のところ、それを見てからしか判断はできんということになる。

ただ、あんたの話を聞く限り、その販売店の言うとおり『一年無料で四年通常の五年契約になってる』という可能性の方が高いとは思う。

あんたの主張が正しければ、『二年間契約で一年間無料、ミニ折りたたみ自転車と、お米10`とビール券』というサービスを受け取ったということになるが、業界広といえど、こんなサービスを公然としている新聞販売店は、おそらく皆無のはずや。

関東の一部には、ごくまれに拡張員が自腹でそれに近い、もしくは新聞代をタダにしとるというケースもあると聞くが、それにしても、それと発覚すれば、その人間に相応のペナルティが科せられる違反行為なわけや。ヘタをすると解雇まである。

百歩譲って、もし、それが正規の契約やとすれば、『二年間契約で一年間無料』という時点で、実質的に新聞代が半額になるわけやから、その販売店が新聞社に新聞の仕入れ代金を払うだけで赤字になってしまうさかいな。

加えて『ミニ折りたたみ自転車と、お米10`とビール券』を渡してまで契約を取っていたんでは、その販売店の経営など成り立つわけがない。とっくにつぶれとるはずや。

本当に、そんな契約を結んでいたとしたら業界の常識としてもそうやが、一般常識に照らしても異常なことやと思う。

それよりも、その販売店の言う『一年無料で四年通常の五年契約になってる』という方が、業界の人間としては、まだ納得できる。もっとも、それにしても破格のサービスではあるがな。

ただ、その確かな事は何度も言うが、その契約書を確認せんと分からんから、まずは、その契約書のコピーでもええから貰うことや。

本当は、その契約書の控えを持っていれば一番ええのやが、なければそうするしかない。

ただ、その販売店が『「契約書にはそう書かれておりますので」の一点張り』と言うくらいやから、販売店に保管されている契約書には、『一年無料で四年通常の五年契約』と記載されている可能性が高いと思う。

それなら、どうしようもないのかというと、そうとも言い切れん。あんたの言うとおりの事実があった場合、それをひっくり返せる可能性も残されているさかいな。

但し、その場合は、あんたがその契約書に『二年間契約で一年間無料で一年間は通常通り支払う』と記載されていた文言を確かに見たということが前提になる。

しかし、『小さい紙切れで毎月の新聞代の料金が書かれた紙一枚貰っただけだった事を思い出し』と言われておられるところからすると、どうもそこまでは確認してないのやないかなという気がするが、そのあたりはどうなのやろうか。

単に口頭で確認したというだけで、実際の契約書に『一年無料で四年通常の五年契約』と書かれていたというのでは、あんたの確認不足ということになるさかいな。

当然やけど、その勧誘員がそう記載した契約書をその場で渡しとるわけやから、見れば一目瞭然で分かるさかいな。間違っていたら、その場で指摘できたということになる。

今後、あんたがご自身の正当性を主張できるかどうかは、その一点にかかっとると言うても過言やないと思う。

あんたの言うとおりやったとしたら、その販売店に残っている契約書とやらは、当然のことながら偽造されたものやということになる。その瑕疵(かし)を見つけ出すことができれば、あんたの主張が通るのは間違いない。

そのためにも、まずその契約書のコピーを貰うことや。

そのコピーを見るポイントは、『二年間契約で一年間無料』が線引きで消され『一年無料で四年通常の五年契約』に書き直されているか、あんたの署名があんたの自筆であるかどうかを確かめることにある。

そのいずれかが不自然に訂正、書き直しされている、あるいは違うという場合、「私文書偽造」の疑いがあるさかいな。

そういった形跡がどこにもなければ、あんたには酷な話かも知れんが、その契約は『一年無料で四年通常の五年契約』として成立しとることになるから、残り3年間は講読する義務を負わなあかんということや。

参考までに、その契約書が有効と分かり、後、3年間講読しなくてはいけないという状態になった場合、こんな揉め方をすると「もうこんな新聞は読みたくない、解約したい」と言われる人が多い。

もし、あんたもそうなら、参考までにその場合の話をしとく。

あんたは、その販売店の人間が『あっ、もし解約するのなら解約料は10万はかかりますんで』と言うたのを、そんなバカな話と考えられたかも知れんが、あんたの話を聞く限り、あながち無法な言いがかりとも思えんけどな。

残り3年間の購読期間があって解約したいという場合、このケースでは相手に明らかな不法行為があると実証されん限り、それは自己事由での解約ということになる。

自身の都合で契約途中の解約を希望する場合、民法545条の原状回復義務という観点から、契約時に貰ったすべてのサービス品を返還せなあかんことになる。

それらのサービス品は、その契約を全うすることを条件に貰ったものやから、それが守られずに途中解約するのなら、それを返す必要があるということや。その契約が守れないと言う以上、そのサービス品をあんたが受け取り続けられる理由がどこにもないさかいな。

それからすると、『一年間無料』の新聞代金と『ミニ折りたたみ自転車と、お米10`とビール券』のサービス品を返さなあかんことになる。

ここまでは分かると思う。

『ミニ折りたたみ自転車と、お米10`とビール券』がどの程度ものでいくらくらいの金額になるのかでも違うが、便宜的に、それらをざっと2万円程度と見積もる。

『一年間無料』の新聞代金は朝夕セット版で約4万7千円。全国版で3万6千円ほどや。

これに加えて、残り3年契約分に対する解約違約金というのが発生する。その請求額はその販売店次第でも違うが、そのすべてを合わせると10万円近い額になる場合もあり得るということや。

もちろん、それについては交渉の余地もあるし、実際にそういう事態になって、その詳しい状況を教えて貰えれば、それが妥当なものかどうかのアドバイスはするがな。

ただ、その販売店の言い分も、あながち無茶やない可能性があるというのは一応知っておいた方がええと思う。それなりの根拠があると。もっとも、その人間がそこまで考えて言うたのかどうかまでは分からんがな。

しかし、その契約書が例え正規なものであったとしても、聞いた話と違うということで納得できんのなら、『新聞いりませんので届けて頂いても払いません』 と、あくまでも支払いを拒否されるのは、あんたの自由や。

ワシとしては勧められんが、それを止めることもできんさかいな。

支払わんという新聞代金の支払いをその販売店が求めるには「損害賠償訴訟」の民事裁判を起こすしかない。

まあ、新聞販売店が、過去に購読者に対してその手の裁判を起こしたという事例をワシは知らんが、もし、そういうことがあった場合、あんたには不利な決定が下される可能性が高くなるやろうなとは思う。

もちろん、言うまでもないが、それは契約書の内容が、その販売店の言うとおりやったとしての話やで。

違う場合は、当たり前やが、あんたの言い分に分があることになる。

最後にもう一度、とにかく、その契約書の内容を確認されることが先決やと言うとく。それを確かめん事には話が先に進められんさかいな。どこまでいっても仮の話に終始するだけやと思う。


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