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NO.808 マスコミの支持率操作、偏向報道について


投稿者 K.Kさん  投稿日時 2009.11.27 PM 10:21


いつも、楽しみに拝見させてもらっています。

ところで、今ヤフーニュースの掲示板の書き込みを見ていたら、こんな書き込みがありました。


献金偽装、会計責任者の判断=鳩山首相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091127-00000159-jij-pol より引用


テレビ朝日の番組内で「鳩山首相が本会議中に扇子にサインしていた」というニュースが報じられた。

その中で、コメンテーターの吉永みち子氏が以下のように発言した。

「こういうことをしたら映るかもしれないという、そういう予測がつかないもんかなと。
手先のことしか考えなくなっちゃうのかと思うと、やはりね。
ささいなことなんだけども、こういう姿勢がね、この大変なときにね、一生懸命、
我々も支持率を下げないでね、辛抱して支えてるのに、何なんだよと」

ついにマス.ゴミが口を滑らせました。
支持率操作、偏向報道をしていることを認めました。
第二の椿事件。
とんでもない事件です!

この動画はニコニコ動画およびyoutubeで見られます。
ぜひ自分の目で報道の現実をお確かめください!


これについて、ゲンさん、ハカセさんのお二人のご意見をぜひ聞かせてください。

ちなみに、この書き込みの根拠となるのは、youtubeの吉永みち子 「我々も支持率を下げないで辛抱して支えている」
です。

私は、お二人のご回答にはとても興味を持っています。

それではよろしくお願いします。


回答者 ゲン


まず、ワシから言わせて貰う。

人の思い込み、物の見方、捉え方というのは実に恐ろしいもんやというのが、この書き込みから良く伝わってくる。

本人としては、その意図とは違う意味で発した言葉でも、真逆に受け取られることがある。

この書き込みをされたマスコミ憎しで凝り固まっているような人は、ちょっとした発言を拡大解釈して攻撃するケースが多いが、まさにこれはその典型のようなものやと思う。

そのyoutubeとやらの動画にこれをアップした者もそうやが、恐ろしいまでの悪意と見識のなさを感じる。

僅かでも、その言葉の意味を、その人間の立場に立って考えれば簡単に分かることやけど、それができんのやろうな。かわいそうな人たちやと言うしかない。

まあ、事あればマスコミの欠点を突きたがる人間には、今回のような発言は鬼の首を取ったほど誇らしいことなんやろうが、それは逆にそういう行動を取った人間の浅はかさを暴露しただけのことやとワシは思う。

今回、この吉永みち子氏の『我々も支持率を下げないでね、辛抱して支えてるのに、何なんだよと』というのを、問題にしとるようやが、これはその言葉の捉え方次第でまったく真逆の意味になる。

この書き込み者は『我々も』というのを『テレビ朝日』の事と思い込んでいるようやが、そのテレビ朝日から招かれたコメンテーターとはいえ、吉永みち子氏自身のスタンスは『国民の立場』として『我々も』と言うた言葉やと、ワシは理解しとる。

それについては、日頃のニュース番組に登場する吉永みち子氏の発言を聞いていれば分かりそうなもんや。氏は常に『国民目線』を強調されておられるから、その立場で発言されたと考えるのが自然やと思う。

つまり、この発言の趣旨を分かりやすく言うと『一生懸命、我々(国民)も支持率を下げないでね、辛抱して(多くの国民が)支えてるのに』ということになるわけや。

先の総選挙で多くの国民は民主党に票を入れ、政権交代を望み日本の政治を付託した。そして、最新の支持率調査でもあらゆる調査機関が60%超の高支持率という数字を発表をしている。

それだけ多くの国民に期待されとるのは間違いない。

吉永みち子氏自身が『国民の一人』としてテレビの前で話しているとすれば、その国民が選択した民主党政権の側に立って応援したくなる気持ちは自然やと思う。

それにコメンテーターは、基本的に自分の意見、考えを率直に述べればいいわけで、放送局側の人間が守らなあかん公平性を担保するという放送倫理は適用されんはずや。

もちろん、人を傷つけるような発言はしたらあかんが、あの発言はそれとはまったく違う。

そして、その立場からすれば、今回の総理大臣の「いくら支援者に頼まれたにせよ、国会の審議中に扇子にサインしている」というような場面を見せられると「民主党が問題山積でこの大変なときに、私たち国民がその支持率で持って支えているのに、もう少し考えて行動してよ」と言いたくもなるわな。

本人の言を確認したわけやないけど、それにほぼ間違いないと思う。

それを、『我々も』というのを『テレビ朝日』と置き換えたら、マスコミの発言ということになる。

しかし、その可能性はほとんどないと確信する。失言というのは多くは普段自分が思っていることがポロっと口を突いて出るもんや。

その点、吉永みち子氏自身、頼まれコメンテーターという立場を自覚しとるはずやから、テレビ局を代表してという意識なんかほとんどないと考えた方が自然や。

そのテレビ局の役職に就いとるというのと違うねんからな。そんな尊大な気持ちになれという方が無理やろうと思う。

また、一人のコメンテーターの言葉を、マスコミ、テレビ局の失言とするのも、少し強引すぎるやろうと思う。吉永みち子氏の本職は作家やさかいな。

これが、テレビ局のアナウンサー、司会者あたりが同じ事を言うたというのなら、また話は違うてくる。

まあ、この発言者や動画をアップした人間の狙いは、どうでもそのすり替えをしたいのやろうな。それができると判断して、その動画のアップをし、書き込みをしたのやろうと思う。

ワシが先に「恐ろしいまでの悪意と見識のなさを感じる」と言うたのは、この事でネットの世論を動かそうという意図が見え見えやからや。

彼らは総じて世論は愚かやと考えとるフシがあるように思えてならん。賢いのは自分たちだけやと。

彼らは常に、マスコミによる偏向報道があると言うとる。一般世論は、そのマスコミに煽動されとると。せやからマスコミは悪の権化やと。

それを彼らは『マス.ゴミ』と揶揄して笑い、軽蔑する。

何のことはない。その煽動を彼ら自身が今やっとるわけや。他人のやり方にケチをつけて同じことをする輩は、どう転んでも、その相手以上になれるわけがない。良くて、同じ穴のムジナや。

それが分かっていない。

日本の世論をバカにするのも、ほどがある。ワシも拡張員ではあっても、一人の日本国民やさかい、ふざけるなという気にもなる。

もっとも、その吉永みち子氏の言葉の背景も分からず、分かろうとせず、そういう行動をしとるだけなら、単に思慮の足らん人間の愚挙という事で、悪意があるとまでは言えんのかも知れんがな。

誰しも誤解や勘違いで突っ走るというのは、ありがちな事やさかいな。

ただ、ワシもマスコミの偏向報道が全くないとは言わん。公平であるべきとは言うものの、ある一方に傾いた論調なり報道を見受ける事も多いさかいな。

それを批判するのならええ。批判というのは、批判される側も襟を正す必要に迫られるわけやから、それなりになくてはならんものやと思う。

しかし、その言葉の一部分だけを都合のええように拡大解釈して、世論をその自分たちの考える方向に引っ張ろうとするのは頂けん。

もっとも、そんなことをしても、すぐに見抜かれるがな。

世間、世論をバカやと思うて、こんな浅はかな揚げ足を取り続けとったら、いつか、それが我が身に跳ね返ってくると言うとく。

ワシの結論としては、今回の件は、彼らの完全な早とちりによる先走りやないかと考えるがな。少なくとも、大きな問題やと考える必要はないと思う。


回答者 ハカセ


私もゲンさんと同じく、この書き込みやyoutubeの動画にはマスコミを貶(おとし)めようという意図が、ありありと見えると思いますね。

ただ、この書き込みをされている方が『第二の椿事件』と言われている点で、それと同じだと思い込まれたという可能性はあると思います。

ここで、椿事件について簡単に説明しておきます。

1993年の7月18日。第40回衆議院議員総選挙が行われ、結果として非自民の細川連立政権が誕生して、自民党は結党以来初めて野党に転落したということがありました。

その後、民間放送連盟の放送番組調査会の会合が開かれ、その中で当時のテレビ朝日報道局長の椿氏が局の報道姿勢として、

「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」

「共産党に意見表明の機会を与えることは、かえってフェアネスではない」 との方針で局内をまとめた、という趣旨の発言を行ったということです。

これが大きな問題となり、椿氏は軽率な発言だったと陳謝し、当時の郵政省から行政指導で厳重注意を受けて、一応の幕引きとなりました。

その際、報道内容の具体的な指示については否定し、その一方で放送法で禁止されている偏向報道を行った事実は認めたというものです。

当時、この問題が新聞などで詳しく報道されていましたから、私もテレビ局に対してある種の不信感を覚えたのは確かです。

いくら昔から、左翼寄りで政府に対する批判的論調が多いテレビ局と承知はしていても、それはやはりやりすぎだったと思います。その発言は、どうひいき目に見ても「世論を煽動しよう」という風にしか受け取られませんからね。

それ以降、現在に至るまで自民党とテレビ朝日との間で衝突が度々起きていることから推察するに、ある種の確執、敵対関係にあったと思われます。

そのヤフーへの書き込みをされた方は、その通称『椿事件』と呼ばれているものと今回の発言をダブらせたのでしょうが、それと結びつけるのは、私もゲンさん同様、少々無理があると思いますね。

その『椿事件』の発言者は報道局長という要職にある立場の方で、報道を見る限りストレートに発言されていますから、これは弁解できないと考えます。事実、その方も陳謝しているということですからね。

それに対して、吉永みち子氏はテレビ朝日に招かれただけのコメンテーターで、テレビ局側と一体と考えるのはどうでしょうか。私は違うと思いますね。

しかし、それを書き込む人たちにすれば、そのコメンテーターの方たちはテレビ局の立場に立っての発言を強要されて、あるいはおもねっての発言だと考えているようですね。そういった書き込みが目立ちます。

はっきり言って、そこまで邪知してしまえば終わりです。議論の余地などありません。どんなことでも悪く捉えればいくらでも悪く見えてしまいますからね。どんな妄想も真実と思えば、その人にとっての真実になるというところでしょうか。

それが、一方通行の見方ばかりする人の陥りやすい間違いだと思うのですが、残念ながらそれに気づいてない方もおられるということなのでしょう。思い込みの激しさというやつですね。

ただ、「李下に冠を正さず」という故事があるように、自分としては頭の冠、帽子を直していただけでも、それを桃の木の下ですると両手を上げている仕草が、その桃を盗もうと疑われることもあるから、その行動、言動には気をつけた方がいいのかも知れませんがね。

私個人としては、そこまで気を遣って話すのは如何にも辛いという気はしますね。それでは自由な発言など、まったくできなくなってしまいそうな気がします。

話が少し逸(そ)れますが、現在のネット社会では一見自由な発言ができるようでいて、実は言論が一部の人間によって制限される危険な世の中になりつつあるのではないかと危惧しています。

良くブログ炎上などという話を聞きますが、例え、その発信者に落ち度のある文章、文言があったとしても、それを寄ってたかって攻撃するというのは、私には異常な事のように思えます。

魔女狩りに似た群衆心理ではないかと。

そんなことまでしなくても、自分の気に入らない意見は無視すればいいだけの話ですし、それに対して抗議するにしても「その表現はあまり良くないと思いますよ」という程度の、たしなめたものに止めるべきだと考えます。

それを、そのブログを閉鎖に追い込むほど一斉に攻撃するというのはどうかと思います。それでは、萎縮して何も話せない、書けないということになるのではないでしょうか。

それこそが言論の自由を脅かす、実に怖い行為だと考えます。

なぜ、人の意見をそれほどまでして攻撃したがるのか私には理解できません。それが嫌なら見ない、相手にしないでいいと思うのですがね。

もっとも、ネットでは文章を書くための基本的なルールといったものを身につけている人が少なく、あまりにも身勝手な論理で書いているというのもあるとは思いますがね。

私も「売れない物書き」を自称しているくらいですから、書いて良い事と書いてはいけない事くらいの分別は持っているつもりですが、それでも間違い、勘違いで書いてしまうということは往々にしてあります。

もっとも、私の場合は、有り難いことに、それをたしなめて間違いは間違いと指摘して頂く読者の方たちがおられるので救われていますがね。

人は完璧ではないのです。間違いは誰にでもあります。それが許されない世界というのは怖いとしか言いようがありません。

今回の問題がどこまで拡がりを見せるのかは定かではありませんが、今の状況ですと、その吉永みち子氏に対する攻撃的な論調ばかりがネット上に溢れると予想されます。

その中で、私たちのような意見もあれば分かって頂ける人も多いのではないかと考えます。

幸か不幸か、当サイトのページは多くの検索サイトで上位に表示されるケースが多いですから、多勢に無勢であっても、それなりに目立つでしょうからね。

但し、それが気に入らない人たちからは格好の攻撃目標にされるかも知れませんが。

もっとも、当サイトには掲示板などの書き込み欄がありませんから、炎上という心配はありませんけどね。

以上が、この件で感じた私の率直な思いです。


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