新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.812 長期新聞契約時のサービスについて
投稿者 匿名の新聞未講読者さん 投稿日時 2009.12. 8 AM 0:38
ゲンさんはじめまして、先日の拡張員さん達とのやりとりの疑問をすっきりさせたく、駄文を送らせていただきます。
しばらく新聞購読から離れておりましたが、再度の長期契約を考えていた矢先でした。
「年末年始からの購読は・・・」との訪問に、年末の半月程度でも無料で配達して貰えるなら1〜2年ほどの契約をしようと話をしたところが「無代紙サービスはできない」との返答でした。
「6ヶ月の購読代金に対する8%以内の景品は〜」とか言う規定らしきものがあるのを聞いた覚えがあったので、契約予定で開始の日付は保留にして、どういったサービスが可能なのか販売店と相談してみてくれと話を切り上げましたところ、しばらく後に販売店と新聞本社の方が「誤解を招きかねない形で拡張に来ていたようで・・・」と再度訪問され、予想に反して「景品はありません、無料配達も一切できません」との説明を受けました。
会社でも拾い読みはできますし、どうしても必要だと言う訳でもなく「半月程のサービスも出来ないのならいらない」と追い返したものの少々疑問が残ります。
何らかのサービスを要求したい訳では無いのですが、今回は年単位の契約に対して景品も無く半月程度の無料購読サービスなど一切が交渉の余地すらありません。
簡単に言いますと「他紙がビール券くれるならそっちをどうぞ、ウチはサービスが一切できません」との形で終了です。
知人に聞いたところ、「その新聞は新聞社本社が景品の無使用を自慢しており、一週間の無代紙ですら販売所に圧力をかけてでも禁止している。本社役員との契約でも、月初めの開始なら前月末に3〜4日くらい無料で配達されるが契約時は1ヶ月契約だろうが5年だろうが景品は一切無い、くれるものは年に一枚のカレンダーと年賀状が関の山だ」との話です。
転居を重ねてきましたが、この地方紙で初めて行き当たり疑問に思いました。
このように「年単位の契約をしても一切の景品サービスは無いですよ」と断言してくる新聞は他にもあるのでしょうか?
新聞社の勝手なのでしょうが、いまだにどうも腑に落ちません。
回答者 ゲン
『景品はありません、無料配達も一切できません』という新聞販売店の方が全国的に見れば圧倒的に少ないが、存在するのは確かや。
基本的に契約者に対してサービスするかどうかは、販売店の判断次第とされとる。
『転居を重ねてきましたが、この地方紙で初めて行き当たり疑問に思いました』というのは、今までは、そのサービスが普通にあったさかい、それを言うただけやのにそっけなく拒否されたことにより、戸惑いと軽い怒りを覚えられたのやと思う。
「他で普通にあるのに何で何もサービスがないんや」と。
『いまだにどうも腑に落ちません』と言われる気持ちも良く分かる。あんたと同じ立場に置かれたら、たいていの人がそう感じられるはずや。無理もない。
『6ヶ月の購読代金に対する8%以内の景品は〜』というのは、景品表示法のことを言うておられるのやと思う。
独占禁止法の補完法という位置づけで、その景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)というのがある。この法律を運用、摘発する機関が公正取引委員会や。
新聞勧誘の景品付与がこの法律の対象になる。
新聞勧誘の場合、景品の上限は業界の自主規制によるものとされとる。新聞業界の自主規制が、公正取引委員会の認定を受けることで法律になっとるということや。
ちなみに、現在の新聞業界の自主規制は、景品の最高額を取引価格の8%又は6ヶ月分の購読料金の8%のいずれか低い金額の範囲内ということになっている。
業界で俗に「6・8ルール」と呼ばれとるものや。
但し、これは、その上限を決めたもので下限については一切触れられていない。
せやから、『景品はありません、無料配達も一切できません』という姿勢の販売店があったとしても何ら法に触れることもなく、問題にはならんということや。
それにより、あんたのように気分を害して講読せんという人が現れやすいから新聞販売店としてはマイナスになるわけやが、それでも『他紙がビール券くれるならそっちをどうぞ、ウチはサービスが一切できません』と言うのなら、それはそれで仕方ない。
それが、新聞社、販売店の経営方針と言うのならな。
ただ、そういう新聞社の中には新聞社主催のイベントに購読者を無料招待するなどということもあるさかい、景品はなくても、それなりにサービスしとるケースもあるとは聞くがな。
それで満足している購読者もおられるとのことや。
しかし、それにしても『その新聞は新聞社本社が景品の無使用を自慢しており、一週間の無代紙ですら販売所に圧力をかけてでも禁止している』という新聞社が存在するというのは俄には信じ難いが、あんたのもとに、
『販売店と新聞本社の方が「誤解を招きかねない形で拡張に来ていたようで・・・」と再度訪問され、予想に反して「景品はありません、無料配達も一切できません」との説明を受けました』というのやから、それに間違いなさそうやな。
地方紙の多くは、景品はなくても無代紙サービスがあるのが普通やと思うてたんやが、あんたのところのような地方紙もあるんやな。
ただ、徹底されとるとは言うてても、どこまでかは分からんがな。抜け駆けしてサービスしとる販売店、もしくは従業員もいとるのやないかと思う。
部数の落ち込んでいる販売店や成績の上がらん従業員の場合、それで拡張しろと言われても辛いやろうからな。
せやからこそ、あんたのところに新聞本社の人間が、やって来たのやと思う。それを確かめるために。
高々、一般購読者が『どういったサービスが可能なのか販売店と相談してみてくれ』と言うたくらいのことで、新聞本社の人間と伴って一緒にやって来るというのは普通では考えられんことやさかいな。
そんなもの「当店では他社のしているようなサービスはありません」と電話1本で断れば終いの話や。
それにも関わらず新聞本社の人間がやって来たというのは、そこの販売店の従業員がサービスするとでも言うたのやないかと邪知したからやと思う。
裏を返せば、それくらいその新聞社の指示に違反する販売店や従業員がいとるという証しやないかと見るがな。
せやから、たまたま、あんたのところに来た人間がそうやったというだけで、他の者やったら隠れてサービスしていた可能性もあったという気がする。
考えすぎかも知れんが。
こう言うと、何かその新聞社や販売店がケチ臭いような印象を与えるかも知れんが、新聞社は新聞社なりに、あるいは販売店なりに、従業員のことを考えてそうしとるという可能性もあるから、それについて一概にどうこうとは言えんと思う。
一般的に、禁じられたサービスをする従業員は自腹を切るというケースが多い。
当然やが、そういう人間の収入は減ることになる。収入が減れば生活が苦しくなるから長続きせず辞める者も出る。どこの販売店でも仕事に慣れた従業員に辞められるのは痛い。
それを未然に防ぎ、その負担をさせんためにも、「過剰なサービスはするな」と、指示していると話す販売店の経営者も実際におられるさかいな。
それなら、良心的な新聞社、販売店やと言える。
『このように「年単位の契約をしても一切の景品サービスは無いですよ」と断言してくる新聞は他にもあるのでしょうか?』というのは、先にも少し触れたが、一般紙でそういうのは少ないと思う。
もっとも、『NO.803 絶対にNo.1になりたく日々頑張っていますが』 のように、タオルのみで拡張されているという地方紙の販売店の従業員さんも実際におられるがな。
他には、九州のO新聞なども景品はないとのことやが、勧誘員により無代紙のサービスはあるというさかい、まったく何もないというわけやない。
それ以外やと、全国紙のN新聞あたりが比較的景品やサービスの少ないことで有名やけど、新聞社の方針としてゼロにしとるということでもないようや。
基本的には販売店任せやと言うさかいな。ただ、N新聞は自前の新聞販売店が極端に少ないため、他紙販売店へ宅配および販売を委託しているという関係でサービス品が一切ないというケースはあるがな。
また、同じような委託のスポーツ紙や業界紙にもサービス品のないケースの方が多い。
さらに言えば、合配店と言うて、すべての新聞を扱うとるような販売店は競争する必要がないさかい、サービス品が一切ないのが普通や。
ただ、それらは新聞業界全体とすれば少ない方やと思う。
現在、業界全体の流れとしては「正常化規制」と称して、景品サービス自粛の方向に向かいつつある。
もっとも、今のところ、それについては、それぞれの現場で混乱もあって徹底しとるとまでは言えんようやけどな。
結論として、現在の宅配制度のもとでは、サービスをするかどうかは、その地域の販売店次第やから、あんたのところのようにサービスが何もないケースはまれであっても、あり得るということや。
そういうところでは、それでも新聞を購読するか、止めるか、二者択一しか一般には選択の余地がないということになる。それについては各自で判断して貰うしかないということや。
以上やが、すっきりして貰えたやろうか。
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