新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.814 一定の営業手当てなど支給してもらえないか交渉してみるつもりです


投稿者 たか坊さん 某新聞販売店従業員  投稿日時 2009.12.14 AM 5:43


先日はありがとうございました。

今月初めから仕事を開始して頑張っているのですが、ちょっと問題がありましたのでメールしました。

代配も経験してるので、配達は問題無いのですが、営業でかなり困っております。

今まで色々な場所で営業しましたが、新聞営業に対する警戒心が強すぎて、正直仕事になりません。

原因は相手紙の、騙し、引っ掛け、過剰サービス、それに対して悪質セールス注意のチラシを配布したのが原因だと思います。

さらに前任者が、店の規定以上のサービスをしていたので、さらに状況が悪いです。

この区域を正常化するには、おそらく半年〜一年、もしくはもっとかかるかもしれません。

そうなると直ぐ結果でないので、カード料も稼げません。店からもカード料で稼がないと、給料が安いからと言われました。

顧客データが順路どうりになっていないので、営業廻るのも効率が悪いです。因みに配達区域と管理区域は違う区域です。

いくら経験者でも、この劣悪な状況で、直ぐに結果を出してくれと言われても、正直無理です。

現在の区域を管理する条件として、一定の営業手当てなど支給してもらえないか交渉してみるつもりです。

ゲンさんはどう思われるでしょうか?

長々とすいません、返信お待ちしております。


回答者 ゲン


『現在の区域を管理する条件として、一定の営業手当てなど支給してもらえないか交渉してみるつもりです』というのは止めはせんけど、アドバイスをする立場の人間から言わせて貰えれば、もう少し様子を見てからの方がええのやないかと思う。

あんたは今年の春まで他店で仕事をされていたから、ある程度、現在の業界の厳しい状況というのは知っておられるとは思うが、今は経営状況のあまり芳しくない販売店が多いのが普通や。

あんたの話やと、その販売店の経営者の方はとても良さそうな人とのことやが、例え、どんなに物分かりのええ経営者であっても、なかなかそれができんというケースもある。

従業員があんた1人というのならまだしも他にも大勢いとれば、当然やが他も同じように遇せなあかんことになる。現在の経営状況がきついと感じていれば、心を鬼にしてでもそういう要求は、はねつけるしかないと考える経営者もおるわけや。

『店からもカード料で稼がないと、給料が安いからと言われました』というのは事実やろうが、同時に給料は上げられんという経営者の思いも、そこに込められとる言い方やと思う。

そんな状況では、いくら正当な要求をしたつもりでも、その経営者から冷たく拒否されるということもあり得る話や。

そうなると、その経営者との関係がギクシャクしたものになりかねん。それで、またぞろそこに居づらくなって辞めなあかんような状況にでもなったら、つまらんやろうと思う。

特にあんたは『NO.804何故でしょうか?』で相談された際、何箇所も面接して、やっとその販売店に就職できたと言われていたからよけいやないかな。

せやからと言うて、何も無理に我慢して勤めろと言うてるわけやないけど、『今月初めから仕事を開始して』というのなら、まだ半月ほどしか、その販売店で仕事をしてないということになる。

あんたには今更な話やろうが、この業界はいろんな所があるのが普通やと思う。あんたが過去にどれだけ経験があったとしても、それらがすべてその店に当て嵌まるとは限らんわけや。

ワシも過去にそれこそ数え切れんほどの新聞販売店に出入りしてきた経験があるけど、その店毎に考え方やシステムが違うというのは普通にあった。まさに千差万別や。

言うて悪いが、まだほんの半月程度の経験しかない状態では、その販売店やそのバンクの状況を完全に把握するのは無理やと思うがな。少なくとも、ワシにはその自信はない。

ワシはどんなバンク(販売店の営業エリア内)に入っても、しばらくの期間は様子を見ることに徹していた。また、勧誘するにしても、その地域の事情を探ることを優先して契約を上げることにはあまり拘(こだわ)らんかった。

『今まで色々な場所で営業しましたが、新聞営業に対する警戒心が強すぎて、正直仕事になりません』というのは、それなりにそこの客に当たった結果で、以前の店と比較してという、あんたなり感覚なのやろうが、現時点でその判断を下すのはまだ早計やないかと思う。

たまたまそういう客ばかりに当たったとも考えられるさかいな。この仕事では良くあることや。それもある一箇所を集中して廻っていると特にそういうケースが目立つことがある。

『そうなると直ぐ結果でないので、カード料も稼げません』、『いくら経験者でも、この劣悪な状況で、直ぐに結果を出してくれと言われても、正直無理です』と言いたい気持ちも分からんではないが、それを嘆くだけで何もせず、『一定の営業手当てなど支給してもらえないか』とその経営者に要望を突きつけても、おそらくあんたの望むような結果にはならんやろうと思う。

経営者がその従業員の要求、要望を受け入れる気になるのは、その従業員の実績に裏打ちされたものか、その努力に対してや。その要望を受け入れれば将来、店のためになる、あるいはそれで優秀な人材をつなぎ止められると考えるのなら、そうせざるを得んさかいな。

働く側が陥りやすい間違いに、すべてを経営者が考えてお膳立てするべきやというのがある。働きやすい状況にしろ、稼げるようにしろと。それをするのが経営者の努めで責任やと。

その考えで何を要求しても相手の経営者にその気持ちが届くことはないと言うとく。反感を買いやすく亀裂が生じるだけやと。

それでは上手くいくことがないというのは分かるはずや。

それよりもまず、『原因は相手紙の、騙し、引っ掛け、過剰サービス、それに対して悪質セールス注意のチラシを配布したのが原因だと思います』と分かっているのなら、その分析をし、どうすればええかを提案して、少しでもその現状を改善しようと経営者に持ちかけることやと思う。

その『悪質セールス注意のチラシを配布した』というのがどんなものかは分からんが、それについてのヒントなら、旧メルマガに『第161回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■勧誘批判合戦の果てにあるもの』というのがあるから、その事案とそちらの販売店の状況とを見比べられたら、その対処法も見えてくるのやないやろうか。

もっとも、あんた自身はそれを良く分かっているからこそ、それが原因やと言うておられるのやろうがな。そうなら、その愚を冒すのをそれとなく止めるよう、その経営者に提言することや。

その方法で相手を非難中傷するのは却って新聞勧誘そのものの信用を失いかねんと。

『さらに前任者が、店の規定以上のサービスをしていたので、さらに状況が悪いです』というのも、それやから仕方ないと考えてたら、それまでや。

確かに、その客にしたら『店の規定以上のサービス』をして貰ったという意識はないやろうから、「何で次の契約にも同じことができんのか」と言うのは無理からぬことや。

それに対して、その客に「前任者が勝手にそんなサービスをしたのでこれからはできません」と、その前任者のせいにして逃げてたら、営業はそこで終わる。

それやとピンチが、ただのピンチにしかならん。ピンチはチャンスに変えてやるというくらいの気概がないと、この新聞営業は難しいと知っておいてほしい。

具体的には、それを前任者のせいにせず、同じできないと言うにしても、まず徹底して謝ることや。「前任者のしたことは私どもの不手際でした」と。「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と。

客にすれば、前任者であろうが新任者であろうがそんなものは関係ない、同じ新聞販売店の人間やないかという見方をするのが普通やさかいな。それを理由に言い訳されたら、たいていの人は怒り出す。

その前に謝れば、その矛先は緩む。

その上で「まことに申し訳ありませんが、今後はそのようなことは禁止されましたので、私に免じてどうかご理解ください」と言えば、また違った結果になることも十分考えられる。

すべての客がそうやとは言わんが、そうすることで、あんたの姿勢を買ってくれる人も現れると思う。それが分かってくれる人は、今後は必ず、あんた特有のお客さんになって貰える可能性が高くなるわけや。

ピンチをチャンスに変えるというのは、そういうことやと理解してほしい。逃げることやないと。

『この区域を正常化するには、おそらく半年〜一年、もしくはもっとかかるかもしれません』というのも、何もそういった行動、対策をせずにいたら、半年経とうが一年経過しようが、いつまで経っても同じで変わることはないと言うとく。

ただ、いろいろな対策を採ったとしても時間のかかることには違いないとは思うがな。

時間のかかることに対して、性急な要求はせん方がええ。まずは、その努力をすることや。

心配せんでも分かる経営者には、その努力は分かるはずや。ほっとくことはない。また、それが分からん経営者に何を要求しても無駄やけどな。

それと同時に、あんたの意識も変える努力をした方がええ。最初から何でもあかんと思い込めばそれまでや。何もできるわけがない。

「あかんものなら、変えてやる」というくらいの気概がほしいと思う。

何度も面接にトライしたあんたには、それができると思うからこそ、敢えて言うてるわけや。

悪いことは言わん。その『一定の営業手当てなど支給」を言い出すのは、あんたがいろんな努力した後、しばらく様子を見てからにした方がええ。それがワシの思い、アドバイスということになる。

ただ、冒頭でも言うたように、止めとけとまでは言うつもりはないから、どうされるかは、あんたの判断次第やけどな。


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