新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.816 今契約している新聞を別の新聞に変えられますか?
投稿者 フミさん 投稿日時 2009.12.19 PM 8:21
初めまして、今新聞の契約で困っています。
現在N新聞を契約していますが、元旦那が読むために取っていました。
しかし、離婚して旦那は出て行ったのでN新聞を読む人がいません。
私はN新聞より英字新聞か経済新聞を読みたいのですが、販売店は取り合ってはくれません。
因みにどちらも同じ販売店で取り扱っていて、今のN新聞より月額が高いです。
今のN新聞は3年間契約で残り2年半あり、景品ももらってます。
どうか御指南のほどを。
回答者 ゲン
『今契約している新聞を別の新聞に変えられますか?』ということについてやが、『販売店は取り合ってはくれません』と言うのでは難しいわな。
ただ、ある条件が整ってさえいれば、持って行き方次第で、あんたの要望を受け入れて貰える可能性は高いと思う。
もっとも、それには、その交渉がうまくいかんかった場合、そのN新聞を止める、その販売店とは今後付き合いはしないというくらいの強い気持ちが必要になるがな。
その条件とは、その契約書の名義人が離婚された元ご主人やった場合に限られる。
民法第761条「日常の家事に関する債務の連帯責任」に、
夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責に任ずる。
とある。
日常の生活に関する債務においては夫婦のどちらか一方だけの名義で契約されていても、もう一方も同等の責任があると規定された法律や。
但し、新聞購読費については今のところ、その判例がないので確定的なことは言えんが、当サイトでは法律顧問をして頂いている法律家の今村英治先生(株式会社デイリープラン代表取締役) のご助言もあり、「日常の家事に関する債務の扱い」として相談者の方にはアドバイスするようにはしとるがな。
つまり、正常なご夫婦としてその関係を維持されておられる限り、その販売店の同意なくしては新聞の購読変更は難しいとワシとしては言わざるを得んわけや。
しかし、『離婚して旦那は出て行った』という状況なら話は違ってくる。
あんたとしては「その新聞の契約者は引っ越して行ったから、その新聞代の支払いは私には関係ない」と言える。
その販売店の人間が『民法第761条』を持ち出してきても「今は離婚して関係ないから、それについては元主人に言ってほしい」と突っぱねたらええわけや。
その前に、元ご主人には、そのN新聞をどうするのかと聞いておいた方がええとは思うがな。
元ご主人が、「そのN新聞は必要ない」ということなら、「貴方の方から、その新聞販売店に引っ越ししたからと連絡しておいてね」と言えばええ。
せやないと、「契約者である貴方に新聞代を払って貰いますから」と。あるいは「そちらの住所まで集金に行って貰うように、その販売店の人に伝えますから」と。
その新聞販売店の営業エリア外へ引っ越しをされたのなら、ご主人がそう伝えることで、その新聞の購読契約は自動的に解除されるさかい、以後、そのN新聞の配達は拒否できるわけや。
例え、それを伝えたのにも関わらず配達を続け集金に来たとしても、そんな代金は支払う必要はない。
新聞購読契約とは、あくまでもその新聞販売店と契約者の間のみに有効な契約と法律で決められている。
販売店の中には、その家との契約やから家人が住んでいれば、その新聞代を請求できるというバカな論法を持ち出す人間がおるが、法律上、それは間違っているとはっきり言えばええ。そんなアホな法律はどこにもないと。
まあ、それには新聞販売店というのは、新聞はその家に配達するもので人間に対して配達しとるわけやないと考えるということがあるんやけどな。その辺は一般とは違う感覚がある。
夫婦関係が持続していれば『民法第761条』の規定により、あんたにもその新聞代の支払い義務が生じると考えられるが、離婚すれば、法律的にも「赤の他人」になるわけやさかい、その「赤の他人」の契約のつけを今後『残り2年半』の長きに渡り、あんたが背負って支払う理由はないわけや。
契約者であるご主人が「今住んでいる所でN新聞を続けて講読する」と伝えるか「引っ越したから、その契約はないものとしてくれ」と言えばええ。
新聞には宅配制度というものがあって、新聞販売店はその許された営業エリア内でしか配達することは認められていない。
つまり、それ以外の地域には新聞を配達することは不可能となるということや。
配達ができんということは、新聞購読契約の根幹である、「契約者はその新聞代の支払い義務が生じ、新聞販売店は遅滞なく新聞を配達する責務」というのが崩れることになる。
そういう事態になった場合を「契約不履行」と呼ぶ。そして、「契約不履行」となれば無条件に契約解除できるという理屈になるわけや。
その場合、『景品ももらってます』ということなら、その景品を返却すると、その販売店に伝えればそれで終わる。
この返却については、その元ご主人と相談されて決められたらええ。まあ、折半するというのが一番ええやろうと思うがな。
そのN新聞の契約解除ができた上で、新に『英字新聞か経済新聞を読みたい』と申し込めば嫌がる販売店は、まずないはずや。
もし、その交渉の段階で揉めて、その販売店から新聞を購読するのが嫌やという場合でも『英字新聞か経済新聞』なら、他紙の新聞販売店でも扱うとるはずやから、そこで頼めばええと思う。
しかし、契約書の名義人が、あんたの場合は当事者やから、いくら『N新聞を読む人がいません』と言うても、その新聞販売店には何の関係も落ち度もないことやから、一方的な契約解除はできんということになる。
その場合は、自己都合による契約解除の申し入れをし、その販売店と話し合って合意するしか解約の道はない。
その販売店の様子からすると、なかなかその契約解除には応じんやろうし、応じても違約金を請求される確率が高いと思う。
まあ、そのときはそのときで別途相談されて来られたらええがな。ただ、自己都合による契約解除の申し入れの場合は、相応のペナルティは覚悟されていた方がええとは言うとく。
もっとも、過度な要求に対しては交渉の余地があるから、言われるがままに支払う必要はないがな。
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