新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.818 この解約違約金は妥当なのでしょうか?


投稿者 フミさん  投稿日時 2009.12.21 PM 1:22


NO.816での回答、有り難うございました。

契約者は私になっていて、解約を申し出たところ、2年半の契約残りに対して3万円の解約金の支払いを請求されました。

景品に5000〜8000円位の乾燥機を貰いました。(勧誘に来た方が乾燥機を進めたことで)他にサービスは何もありません。

旦那が出て行ったことも金銭的に厳しいことも相手方は知ってます。

ちなみに1ヶ月の購読料金は月額 3190円です。

他の新聞への変更も出来ないそうです。

御指南のほう、よろしくお願いします。


回答者 ゲン


『契約者は私になっていて』ということなら、前回の回答で、


契約書の名義人が、あんたの場合は当事者やから、いくら『N新聞を読む人がいません』と言うても、その新聞販売店には何の関係も落ち度もないことやから、一方的な契約解除はできんということになる。

その場合は、自己都合による契約解除の申し入れをし、その販売店と話し合って合意するしか解約の道はない。

その販売店の様子からすると、なかなかその契約解除には応じんやろうし、応じても違約金を請求される確率が高いと思う。

まあ、そのときはそのときで別途相談されて来られたらええがな。ただ、自己都合による契約解除の申し入れの場合は、相応のペナルティは覚悟されていた方がええとは言うとく。


と言うたとおり、あんたの場合は「自己都合による契約解除の申し入れ」ということになるから、ある程度のペナルティは覚悟せなあかんとは思う。

解約違約金の請求自体は正当なものやが、問題はその請求額ということになる。

前回の回答の最後に、『もっとも、過度な要求に対しては交渉の余地があるから、言われるがままに支払う必要はないがな』と付け加えたが、その3万円の解約違約金というのはこの業界としては高すぎる、過度な請求の部類やと考える。

ただ、それが本当に過度な請求かどうかというのは、この件に関した裁判事例、判決といったものが皆無やさかい断定的なことは言えんがな。

正しくは、前回の回答でも言うたように『その販売店と話し合って合意するしか解約の道はない』わけや。

そうかと言うて、その請求が正当なものかどうかの判断をするのは一般の人では難しいわな。

そこで、一応という但し書きはつくが、こういった問題を専門に扱ってきた当サイトとして容認できる解約違約金の上限額は2万円までと言うとる。それ以上は多いと。

もちろん、これにはそれなりの根拠があってのことや。

当サイトの法律顧問をして頂いている法律家の今村英治先生(株式会社デイリープラン代表取締役)が過去、これと類似した件に関して、


損害賠償の額ですが、特定商取法には継続的役務提供契約の中途解約を認める条文がありまして、これによると例えば、学習塾の契約などは中途解約のペナルティの上限として2万円または1か月分のどちらか少ない方という取り決めがあります。

これを類推適用するのが、いまのところ正当な賠償額かなと個人的に思います。したがって迷惑料として2万円を超える額を請求するのはいくらなんでも高すぎるというゲンさんの回答はまことに的を射たものと私は思います。


という意見、アドバイスを頂いたことがあるのが、それや。

あんたの言われる『3万円の解約違約金の請求』について、N新聞の販売部にハカセがその見解を問い質したという。

「そちらの販売店さんに、残り2年半の契約の解約をお願いしたところ、その解約違約金として3万円を請求された人がおられるのですが、これについてそちらの新聞社として、どう思われますか?」と。

「まことに申し訳ありませんが、販売店との契約に関して私ども(新聞社)がコメントする立場にありませんので」という、半ば予想どおりの返答があった。

基本的に新聞社は、個人客との契約事に対しては一切タッチしないというのが公式な立場、スタンスとしてある。せやから、それを理由にこういった質問に答えない、はぐらかすというのはありがちなことや。

そんなことは百も承知で、敢えてそれについて質問するのはそれなりの意図がある。

「それは分かっています。こちらの一方的な都合で解約を希望する場合、解約違約金を請求されても致し方ないことも。ですが、その3万円の解約違約金というのは、あまりに高くはありませんか。それについて、そちらの新聞社としての見解をお聞きしたいのですが」と、ハカセ。

「それには、それぞれ事情もあることかと……」

「それでは、その事情次第では、その額は仕方ないと?」

「いえ、そうは……、それは一体どこの販売店さんなのでしょうか?」

その明言は避けた格好やが、こういう風に聞き返してくる場合、ハカセの数多い新聞社とのやりとりの経験上、その新聞社の販売部の担当者としては、その販売店の請求額は受け入れ難いと判断したとみて、まず間違いないという。

「こちらは単に、そちらの新聞社さんの見解が知りたかっただけですので、その販売店さん独自の判断ということでしたら、もう一度、交渉するようにその知人には伝えますので。その結果、不調に終わるようでしたら再度、その知人から連絡が入ると思いますので、大変申し訳ありませんが、相談に乗ってあげてくださいませんか」

「分かりました」と、どこか安心したような声のトーンでその担当者が答えたという。

まあ、こういったことを言う人間は文句を言うためにかけてきたと考えるのが普通やから、予想外にあっさりハカセが引き下がったので、その安堵があったのやと思う。

余談やが、新聞社にこういったことで電話をする場合、どうしても苦情を並べたがるというケースが多いが、それは賢いやり方やないと言うとく。

当たり前やが、相手を敵視すれば、その相手はそういう反応しかせんもんやさかいな。

特に販売店と問題を起こした、拗(こじ)れたという場合は、なるべくなら新聞社を味方につけるように接した方が何かと得やと思う。

その短い会話の中で、ハカセは、その新聞社として容認できるような一般的な請求をしたのやないという感触を強めたという。

それがその新聞社として一般的なことなら、そういった狼狽(うろた)え気味な反応やなく、もっと毅然として受け答えるはずやと。

ハカセの話を聞く限り、今回の販売店の請求はかなりの確率で独断的なものやとワシも思う。おそらく、あまり前例のないものと。

せやから、その額の減額には望みは十分あると考える。

具体的には、その販売店には「その請求額は新聞社の販売部の方もご存知なのですか。高すぎることはありませんか」と、再度、確認されることや。

場合によれば「新聞社の方に確認してみますが」と言うのでもええ。

『旦那が出て行ったことも金銭的に厳しいことも相手方は知ってます』ということなら、「私もいくらかの解約違約金をお支払いするのは仕方ないとは考えていますが、その額はとても払えません。何とかなりませんか」と言うのも手や。

「どの程度なら支払えますか?」と聞いてくれば、そこで、あんたの支払える額を伝えればええと思う。

おそらく、その販売店は本気で解約を受け入れるためにそう言うたのやなく、その額を提示することで、あんたがあきらめて講読を続けるやろうと考えてのことやという気がする。

その額を払うことはないやろうと考えてな。

『3万円の解約金の支払いを請求されました』という部分だけを聞くと何かあまりタチの良うない販売店という印象を受けやすいが、そうでもない可能性もある。

そのN新聞は、朝夕刊セット価格が月、3925円と決められている。あんたは『1ヶ月の購読料金は月額 3190円です』と言われておられるところからすると、朝刊のみの講読をされておられるのやと思う。

この業界では基本的に朝夕刊セット版になっている地域で朝刊のみの講読ということになると、その販売店毎にその値段を設定するというのが普通とされとる。

現にそのN新聞WEBサイトでも「朝夕刊セット版での朝刊のみの価格については、後日当該N新聞エリアセンターよりご連絡させていただきます」とだけ記されていることでもあるしな。

それについての詳しいことは『第4回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■消えゆく夕刊……その知られざる裏事情』 を見て貰うたら分かると思う。

その中でも言うてるが、その朝刊のみの代金の設定が『月額 3190円』というのは良心的な部類の販売店やという可能性がある。サイトに届けられる話からすると比較的低い方の金額設定やさかいな。

それから考えると、ひょっとしたら意外に話の分かる販売店かも知れんということや。

『他の新聞への変更も出来ないそうです』というのは、普通、新聞販売店はそういう反応をするもんやというのがある。

そのN新聞に限らず、専属の新聞販売店は、メインの新聞のみを販売する目的で出店を許可されとるわけや。極端なことを言えば、そのN新聞の新聞販売店は、N新聞を売ることだけがすべてとも言えるわけや。

それ以外の新聞はサービス的に扱っているだけにすぎんとなる。

今回、そのN新聞以外の新聞の変更とか解約ということなら、問題なくすんなりといってた可能性の方が高かったやろうが、メインの新聞の解約ということになれば、必死になって阻止したいと考えるのが、この業界としては、むしろ自然なことでもある。

その背景があっての『他の新聞への変更も出来ない』ということやと理解してほしい。そうは言うても一般ではなかなか理解し辛いことやとは思うがな。

普通の感覚やと、「同じ販売店で扱っている新聞の変更がなんでできんのや」、「同じようにそれを売っても利益があるはずや」と考えやすいさかいな。

その3万円の請求の中には『景品に5000〜8000円位の乾燥機を貰いました』という分も含まれてのことやと思うが、その代金は最低でも支払う必要がある。それは分かっておられると思う。

あんたが、その代金として『5000〜8000円位』というのを認められるのなら、実質的な解約違約金は22000円〜25000円の範囲内ということになる。

交渉するのなら、その分の減額ということや。

また、他に交渉する余地のある事として、契約期間の先延ばし、というのと短縮交渉というのがある。

まず、契約期間の先延ばしとは、半年ないし1年ほど先から再配達して貰うという方法や。

その間だけ希望の新聞がほしいというのなら、その交渉の余地はあると思う。

ただ、あんたは比較的安いN新聞を止めて、それよりも高いと思われる英字新聞や経済新聞がほしいと言うておられることからすると、『金銭的に厳しい』というのは理由としては弱いやろうがな。

単に好みの違いということになる。

契約期間の短縮というのは、解約されるくらいならと応じる販売店もある。このサイトでも良くアドバイスする方法の一つで、実際にもそうして貰えるというケースも多いと聞く。

以上やが、あんたがええなと思える方法で、もう一度、その販売店と交渉してみられたらどうかと思う。

それで何か問題があれば、また相談されたらええさかいな。

ただ、契約者の名義があんた自身やというのは立場的には厳しいから、あまり過度な期待をされてもそのアドバイスには限度もあるけどな。


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