新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.823 二社の契約がかさなって困っています


投稿者 ゆず さん  投稿日時 2010.1. 7 PM 3:50


相談させていただきます。

二世帯のため、十数年前より新聞販売店の依頼によりY紙とA紙を半年交代で契約しています。

親の世帯の相談なのですが。今年からポストに二社の新聞がはいっており、確認したところA紙を1月〜6月の半年でいいところを一年契約になっていました。しかも、平成26年まで。

それまでは、間違いがなかったため、確かめることなくサインをしてしまったようです。

ちなみに親は80歳をすぎており、いつものだと思いいわれるままサインしたのだとおもいます。

消費者センターに相談しましたが、新聞の契約は解除できないだろう。個人の責任ということでした。

確かに確認せず本人の責任もあるかと思いますが、二社を交代でとってくれというのはあちらの希望からきたのであり、納得がいきません。

読まない新聞を26年までとり続けなければ、ならないのでしょうか?


回答者 ゲン


『消費者センターに相談しましたが、新聞の契約は解除できないだろう。個人の責任ということでした』というのは解せん対応やな。

あんたの話を聞く限り、これは『錯誤の契約』に属することで『勧誘時に不適切行為』があったと考えられる事案や。

消費者契約法に照らせば、このケースでは契約を取り消せる可能性もあるわけやさかい、それを『新聞の契約は解除できないだろう』と一刀両断に切り捨てるというのは、消費者センターの相談員としては考えられんような対応やと思う。

もっとも、今は消費者センターの多くも事案数の割に人手不足で大変やという話を良く聞くから、すべての相談に対して手が回り切らず適切に対処できんというのもあるのかも知れん。

あるいは、たまたま、その相談をした担当者が経験不足で、その能力と知識に欠けていたということも考えられる。

いずれにしても、相談者にとっては迷惑な話やがな。

いかに信用ある消費者センターとはいえ、すべての相談員が優れた能力を有しているわけでもないやろうから、中には質の落ちる人間もいとるということやないかな。

契約書があり、それに明記された契約期間がある以上、その消費者センターの人間の言うとおり、その面だけを捉えた場合、『新聞の契約は解除できないだろう』と言うのは間違いとは言えん。

ただ、あんたが『それまでは、間違いがなかったため、確かめることなくサインをしてしまったようです』と言い、『二世帯のため、十数年前より新聞販売店の依頼によりY紙とA紙を半年交代で契約しています』と、ほぼそのことが慣習になっていたという事実を告げとるわけやから、それを汲み取れんというのでは、消費者センターの相談員としてはどうしようもないわな。

消費者センターという所は法律に照らして消費者である相談者に助言する責務があるわけやから、きついようかも知れんが、その法に触れる可能性のある事案で、そう言い切るのは役務怠慢やと誹(そし)られても仕方ないと思う。

もっとも、あんたのその説明が、その相談員に上手く伝わっておらず、『契約した』という部分だけを聞いて、そういう回答をしたのかも知れんがな。できれば、その相談員の言い分も聞いてみたいもんやと思う。

この錯誤の契約については、契約者が「騙された」と気づいたときから6ヶ月以内に、契約を解除したいという意志を相手側に伝えとかんとその契約の解除が時効のためにできんというのがある。

あんたの場合は、『今年からポストに二社の新聞がはいっており』ということで、それに気づいたのがつい最近ということのようやから、その点では問題はなさそうや。

どこの消費者センターであっても、まさか相談員が一人だけということはないやろうから、もう一度、その消費者センターの違う相談員に『錯誤の契約』を強調して相談すれば適切なアドバイスをしてくれるとは思う。

もっとも、その前に、そのA紙の販売店に掛け合った方が早いような気はするがな。

「十数年前から、お宅たち(新聞販売店)の頼みでY紙とA紙を半年交代で契約していると思えばこそ信用して契約書も確認せず契約を続けていたのに、なぜ今回に限って、そんな騙し討ちみたいな真似をするんですか」と。

「せっかく、これからもそのパターンで長く講読しようと思っていたのに、このままではこちらも収まりませんので、消費者契約法にある錯誤の契約を理由に契約解除の手段を採らせて貰いますよ」と。

今回のような場合、そのA紙販売店の勧誘員が「縛り」と称する長期の契約を勝手に独自の判断で取った可能性がある。ちなみに、新聞販売店の多くは、その「縛り」の契約に対して余分に拡張料を支払うケースが多い。それ狙いやないかと思う。

普通、こういった長い付き合いの交代読者は、どの販売店でも仲良く分け合い、極力、波風は立てんようにするはずや。

何もなければ確実で安心できるお客やさかいな。他の契約者のように取り合いをする必要がないんやからな。断続的とはいえ、今後の契約が約束されとるお客ほど新聞販売店にとって有り難いものはないはずやと思う。

それからすると、そのA紙販売店の責任者である店長や経営者は、そのことを知らんかったケースが考えられる。

知れば素直に謝って、もとの状態に戻すのやないかという気がする。普通の販売店ならそうするはずや。

ただ、それを言うても、そのA紙販売店の責任者が、「契約書どおりにする」と言い張る場合もある。

その場合は、もう一方のY紙の販売店に「こんな状態では、お宅の新聞を契約が切れたら止めるしかありません。もともと、交代で取ることになったのは、あなた方からの希望でしたので、そちらで何とか話をつけてくれませんか」と言うことや。

そうすれば、Y紙の販売店も驚いてA紙の販売店に掛け合いに行くはずや。「話が違うやないか」と。

たいていは、それで元どおりになると思う。よほどアホな販売店でもない限り、こんなことで揉めてせっかくの客をなくすような愚を冒かしたくはないやろうからな。

それでもあかん場合は、本格的に消費者契約法の「錯誤の契約」を理由に契約解除の手段を嵩じる必要があるが、それはその状態になったとき、再度、相談して来られたらええ。

それには、そのA紙販売店の出方次第で、その対応、対処が違うてくるということがあるさかいな。その状況に即したアドバイスをしたいと思う。


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