新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.842 こういうことは後で何かトラブルがあるでしょうか?


投稿者 yko さん  投稿日時 2010.2. 4 PM 8:59


3年前にあまりにしつこい勧誘のため 新聞を半年とって 継続しなかったのですが、それから今までちょくちょく勧誘しにきたり、電話があったりしていました。

しかし、お金もないのでお断りしていました。

すると3ヶ月前に、主人が対応して決定してしまったのですが、「支払いはいらないので 3ヶ月間だけ新聞を配達させてください。上から契約の確認の電話があると思いますが話を合わせてください」とのこと。

私は気持ち悪いので反対したのですが、結局3ヶ月だけだしタダなのでいいかということになりました。

それで 今月で3ヶ月目なので 終了かと思ったら、また家に来て「前回と同じ内容で配達してもいいですよね?」との事。

一応私は、主人がいないとわからないのでと答え、また来ますと言われました。

こういうことは後で何かトラブルがあるでしょうか?

新聞契約の間ではよくある話しなのでしょうか?


回答者 ゲン


『こういうことは後で何かトラブルがあるでしょうか?』というのは、ある例外を除いて、そうなる可能性の方が高いと思う。

ある例外とは、『結局3ヶ月だけだしタダなのでいいかということになりました』と言われた段階で先に、その3ヶ月分の新聞代金をその場で貰った場合だけや。

もし、そうなら、あんたの方には実質的な被害はないから、後で騙されたとか、話が違うという問題にはならんと思う。

それが後で払うとか、毎月持って来るからという話やと、例えそれで前回そのとおりやったとしても、そういうのはいつかは必ず破綻(はたん)する。

たいていは、それで揉めてトラブルになるケースが多い。

『支払いはいらないので 3ヶ月間だけ新聞を配達させてください』というのは、その勧誘員が自腹を切って、そうしとるケースが大半や。

これは業界では堅く禁じられている行為で、それが発覚すれば、その勧誘員はクビ、解雇もあり得る厳しい処分が待っている。それがために『契約の確認の電話があると思いますが話を合わせてください』と言うてるわけや。

当たり前やが、新聞社はタダで新聞を作って印刷できるわけがないし、販売店も店の維持費の他に従業員や配達人などへの給料の支払いが必要になる。

激安ショップあたりやとタダの商品を置いとく、あるいは配ることで客を呼び込み、その他の商品が売れればそれでなんとか商売になるということも考えられるが、新聞の場合、メインで売り込む商品は、ほぼ一点のみなわけや。

新聞の勧誘員の多くは、特定の新聞だけを勧誘するもんや。勧誘員が目の前に数種類の新聞を並べて、「さあ、どの新聞を買ってくださいますか」てな売り込みはせんさかいな。

売り込む商品が一つしかないのにも関わらず、それをタダにして商売が成り立つわけがない。

せやのに、なぜそういうことをするのか。

それは、その勧誘員が「契約ゼロ」で帰るとその所属の拡張団なり販売店にきつく叱責される、あるいは体裁が悪いと考えるからや。それを逃れたい一心でそうする。

バカげた発想やが、残念ながら、そういうしょうもないことをする輩がおるのもまた事実や。早い話が、まともな営業で新聞を売り込む術を知らんわけや。

所属する拡張団、販売店などによって多少は違うが、新聞の売り上げの一部から、その報酬が支払われることに変わりはない。

その新聞を売ることで、新聞社の利益や販売店の利益、配達人の手間賃などの諸々の経費が確保され、その勧誘員の報酬も支払われる。

「拡張員」と呼ばれる専門の勧誘員が得られる一般的な業界の報酬額は3ヶ月契約で4000円程度とされとる。「タダにしますから」という話を持ちかけるのは、その拡張員の場合が多い。

3ヶ月の新聞代は朝夕セット版で3925円×3ヶ月=11775円という計算になる。

その拡張員が自腹を切るということは、3ヶ月分の新聞代11775円−3ヶ月の報奨金4000円=7775円を持ち出し、負担するということになる。

そもそも、営業して契約を上げることができんから、こんな真似をするわけで、そんなやり方が長続きするとは、とてもやないが考えにくい。

最初は約束を守っていたとしても、儲けにならず金にならんから生活もままならんようになるのは目に見えとる。当たり前やが、見ず知らずのあんたに、そういう話を持ちかけとるということは他でも同じようなことを言うてるのは、ほぼ間違いないさかいな。

加えて、そういうことは早かれ遅かれ必ずバレる。バレたら、当然やがそれを続けることはできん。

後で払う、毎月その代金を持って来るという話は、当然のことながら守られんということになる。

それを「話が違う」と、その販売店に文句を言うても『契約の確認の電話があると思いますが話を合わせてください』という拡張員の言葉を真に受けて、そうしていたら責任は、あんたの方にあるということになる。それに対しての抗弁は難しい。

最初に新聞代を貰っていれば別やけどな。それ以外の話を信用すると、いつかは必ずトラブルに巻き込まれることになる。

『新聞契約の間ではよくある話しなのでしょうか?』というのは、一時期に比べれば減ったが、それでも、あんたの例にもあるように、そういう事をする者が後を絶たんのも事実や。

あってはならん事やが、よくある話かと問われれば、それを否定することもできん。

「タダにするから」というのは業界では違反行為、御法度やが、それを受け取る側は法律的には何のお咎めもない。

「タダですから貰ってください」「頂きましょう」というのが罪になることはないさかいな。

ただ、この業界の者として言わせて貰えば、そういう人をお客と呼ぶわけにはいかんという気にはなる。そこまで新聞の値打ちを蔑(さげす)んでほしくない。

例え、それを受け取る人に罪のない事やとしても、新聞は、実に多くの人たちの汗と努力があってこそ出来上がるものなわけで、それが「タダになる」というのが、どれほど異常なことかというのを理解して頂ければと思う。

もちろん、どうされるかは、あんたの判断次第でええわけで、ワシの口からは、それを非難して止めけとまでは言えんさかいな。


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