新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.854 拡張団の団長との揉め事について


投稿者 katigumi さん 某新聞販売店経営者  投稿日時 2010.2.18 PM 0:46


早々のお返事ありがとうございます。自分の考え方が間違っていなかったと自信が持てお客様に対してもきっちりと対応できる勇気をいただきました。

ゲンさんのサイトを見て拡張員のこといろいろ勉強させてもらっていますが、私の店に来る団の人と先日もめました。(申し遅れましたが私は父のあとをついで経営に携わっています。)

理由はこうです。

不良カードに対してなんですが、もともと成績もよくなく入店してもらっても、てんぷらまたは強引な契約をさせるためキャンセルになることが多いのです。

あまりにもおおいためカードを返却させてもらいました。

そしたらある日突然子分(もちろん拡張員さん)を引きつれ文句を言いはじめ自分に興奮したのか店のいすやら何やらひっくり返す始末。

団長さんの言い分は店の情報が悪いためこういう結果になったと。なにか不備でもありましたか? と冷静に聞いたものの私も内心ドキドキ。

挙句の果ては「カード代全部返したるわ。覚えとけ。殺したる。」とまで。こんど いつくるのかと思うと気が重いです。

最悪警察を呼べばいいのでしょうけど、その団長が言った「わしは店とけんかしたことがない男だ。このわしを怒らせたらどうなるか・・・」、この言葉が妙に耳に残り店側のとった対応に間違いがあったのかと不安になりました。

毎日のようにいろんな団のかたが入店されますが、不良カードについては同じ対応をとっております。

お互いもめないように間を取って問題を解決することもつね日ごろやってはいますが。

今度きたらまたひともめあることでしょう。そのときの心構えはどうしておくべきでしょうか?

また脅しばかりの団長にぎゃふんといわせることはできないものでしょうか?

店員が怖がってやめていきます。


回答者 ゲン


『てんぷらまたは強引な契約をさせるためキャンセルになることが多い』ために、『カードを返却させてもらいました』ということで「不良カード」として処理するのは、この業界では当然の話や。

それに対して『そしたらある日突然子分(もちろん拡張員さん)を引きつれ文句を言いはじめ自分に興奮したのか店のいすやら何やらひっくり返す始末』というのは、とんでもない話や。

『店の情報が悪いためこういう結果になった』と言うに及んでは話にもならん。

店の情報の善し悪しを判断して、それをどう活用するかが拡張員の腕なわけや。

「このお客だったら契約を取れますよ」という情報を与え、お膳立てせな契約が取れんのやったら、わざわざ高い報酬を支払ってまで拡張員に頼む必要なんかない。店の従業員で十分や。

拡張員は、店の従業員が取れん契約を取ってくるからこそ、その存在意義があるわけで、拡張団の団長たる人間がそんな言葉を吐くべきやない。それは、下っ端の契約の取れん拡張員が使う言い訳や。

挙げ句の果てが『覚えとけ。殺したる』という言葉を吐くようでは救い難い男やと言うしかない。

『今度きたらまたひともめあることでしょう。そのときの心構えはどうしておくべきでしょうか?』というのは、何か具体的で危険なことをするようやと『最悪警察を呼べばいいのでしょうけど』で仕方ないが、その前にできることは一応しとくことや。

その団長とやらが、どういう人間なのかは知らんが、一般的に言うて、その言葉には多分にハッタリが含まれとると思う。

それと、あんたの推察しとるように、『自分(の言葉)に興奮した』結果、引っ込みがつかんようになったというのもあると思う。

まあ、その団長にすれば、部下の片を持つことで自分の値打ちを誇示しようとしたのやろうがな。部下を守るというのは団長の努めやという考えが、この業界では昔からある。部下を守れんような団長に人がついてくることはないと。

それを誇示するために、例え黒でも白やと言い張ろうとする人間もいとる。その勢いだけで押し切ろうとするわけや。

それがあんたには通用せんかったので、腹いせにそうしたというところやろうと思う。

そういう人間は過去に何人も見てきたが、たいていは後で「どや、ああ言うたったら、あの所長、ヒビッとったやろ」という風に配下の拡張員たちに自慢する程度で終わっとる。

口で言うほどの事は何もできんはずや。また、そんな事案も実際には、それほどないしな。

当たり前やが、事件を起こせば、その大きさ次第では本人が逮捕されるだけやなく、全国的なニュースになり、団はつぶれ、家族があれば、その家族も路頭に迷うことになる。

もちろん、そこの拡張員たちも例外やない。当たり前やけど、そんな事件を起こした団に所属していた拡張員など、どこも使わんやろうから、この業界での行き場もなくなる恐れがある。

自棄(やけ)になるか、後先考えんようなアホでもない限り、そんな真似ができるわけがない。ワシがハッタリやと言う所以(ゆえん)や。

ただ、その団長もそれなりの意地があるから、そんな事件を起こさんまでも、入店する際には、「構わんから自由にやれ、四の五の言うたら、またワシが出ていったる」くらいのことは言う可能性がある。

それでは、何の解決にもならんし、ヘタしたら以前よりも荒れたバンクになりかねん。

それに対して、どういう姿勢で対処するかは、あんたの考え方次第や。

強気でそういう団を排除するか、折り合いをつけて話し合いで決着するかということになる。

ワシは、後者の「折り合いをつけて話し合いで決着する」という方法がベストやと思う。

ただ、それには、それなりの器量が試されることになるがな。あんたに、ある程度の我慢ができるのなら、容易(たやす)いことやと個人的には考える。

その方法を言う。

まず、今回のことを、その新聞社の販売担当者に正直に話す。

いくら、言葉の弾みやからと言うても『覚えとけ。殺したる』とまで言われたのやから、「このまま入店して貰って問題にでもなったら新聞社にも迷惑をおかけしかねませんので」と言う。

『店員が怖がってやめていきます』という状況があるのなら、それを言うのもええ。

ここで、その団の排除を頼むのやなく、「どうも私の言い方がまずく、団長を怒らせてしまったようで、その点について謝罪したいのでその立会人になって頂けないでしょうか」と持ちかけるわけや。

その団長には、表向き「販売店の所長が謝りたい」ということにするわけや。そうすれば、その団長の顔も立つし、振り上げた拳も下ろしやすい。

あんたの器量が試されると言うたわけがここにある。

人と揉め事の交渉をする場合、一応相手の顔と立場を立てるという風にした方が何事もスムーズにいくことが多い。

その上で、あんたの言い分を通す。言い分というのは強気で押し通した方がええと考える者が多いようやが、それは交渉事のヘタな人間のすることや。

本当に賢い人間は一歩退く。それも有利と思える状況であればあるほど、そうする方が、より効果的になるもんなんや。

『てんぷらまたは強引な契約』というのは、どの新聞社でも御法度や。したらあかんことになっとる。それを「止めてほしい」ということについては、その団長も異存はないはずや。というか、その担当者の前で、それはできんとも不満やとも言えんわな。

担当者も「それはないようにして頂きたい」と言うしかない。

つまり、あんたは謝るという口実で、その団長をその交渉の場に引っ張り出し、それをしないと、その場で約束させることになるわけや。

その上で、「そこで団長にお願いなのですが、てんぷらやお客を脅すような人は、そちらからきつく叱って頂けませんか」と、たたみかける。

その団長も、それに対して「分かった」と言うしかなくなる。

当然の結果として、それでも「てんぷら」や客から「脅された」という苦情の出る拡張員に対して、同じように「不良カード」として返しても文句を言われることもなくなるということや。

表面的には、あんたの謝罪という形やが、実質的にはそれで勝ちになる。

こういう手法を採れば、その団長とやらが、よほどのアホでもない限り、それ以降、あんたに対する見方も変わるはずや。

まあ、それで上手くいくかどうかは、あんたの性格や、相手の団長の性質、担当者の姿勢などにもよるから、絶対の保証はできんが、やってみる価値はあると思う。

いずれにしても、当事者間だけで収めるというのは止めておいた方がええのは確かや。

こういうのは、その団長だけやなく、その取り巻きの拡張員たちも一緒になって図に乗りやすくなっとるから、黙っていればいるほどエスカレートしやすいしな。

火もボヤのうちなら消しやすいが、大火になったら手の施しようがなくなるさかいな。対処するのなら、なるべく早い方がええ。

あるいは、『また脅しばかりの団長にぎゃふんといわせることはできないものでしょうか?』ということを優先され望まれるのなら、その新聞社の担当者に同じように今回のことを報告して、その団の人間を出入り禁止にして貰うよう頼むという手もある。

担当者にもよるが、その事実がある以上、それを嫌とは言えんやろうし、その団長にしてもそうされるのが、一番応えるのやないかと思う。

どうされるかは、あんた次第や。それらの方法で、その揉め事が収まらんようなら、また相談して来られたらええ。他の手を考える。


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