新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.861 支給されなかった賞与(ボーナス)について
投稿者 yuko さん Y新聞従業員 関西在住 投稿日時 2010.3. 7 AM 9:52
はじめまして、いつも楽しく拝見させて頂いております。
私は関西のY新聞に努めております。関西の中では指折りの大店です。
昨年末に賞与は出さないと明言され結局支給されませんでした。
しかし、他店の方や業界経験の長い方に聞くと、本社登録がAランクだから本社から店にボーナスの補助がかなりついていると聞きました。
本当なんでしょうか?
本当であれば本社からのお金は社長がポケットに…でしょうか?
宜しくお願い致します。
回答者 ゲン
『昨年末に賞与は出さないと明言され結局支給されませんでした』というのは、このご時世ということもあり、仕方ないと言えばそうなるが、複数の新聞販売店関係者の方から同じような話がサイトにも届けられとる。
それについては、あきらめ、落胆、ボヤキと人それぞれやがな。
ただ、あんたの所は『関西の中では指折りの大店(おおだな)』ということでれっきとした株式会社になっていて従業員もそこそこおられるようやが、他がそうであるように、ご多分に洩(も)れず労働組合なんかはないのやろうな。
あれば、もっと違ってたとは思うがな。
新聞販売店業界で働いている人たちは、なぜか昔から「あなた任せ」の体質が強く、経営者のほぼ思いどおりにボーナス(賞与)はおろか給与も決められてきたということがある。
待遇が恵まれとると言うのなら、それでもまだ救われる。しかし、給料を含めた待遇面はすべての業種を総合しても下位の方に属するのは間違いないと思う。少なくとも、その過酷な仕事に見合うものやないという気がする。
それに対して新聞本社はどうか。
軒並み経営難に陥っていて赤字決算が多いという話やが、それでも給料などの待遇面では依然と全業種でもトップクラスやし、去年の冬のボーナスの平均支給額も100万円を超えている新聞社が十脂に余るというデータがある。
もっとも、あんたのところの関西のY新聞本社でのボーナスの平均支給額は60万円を割っていて、新聞社としては下位に属するようやがな。それでも、ゼロということはなく、また世間一般で言えば高水準の方やと言える。
まあ、新聞社と販売店は表面上は別組織、別企業やさかい、比較対象するのはどうかと思わんでもないが、それでも同じ業界としては、給与などの待遇面であまりにも差がありすぎるのは確かや。
なぜ、そういうことになっているのか。それは偏(ひとえ)に労働組合のあるなしの差が大きいと思う。
はっきり言うて働く者の権利は労働者自らが会得する努力をせんかったら、いつまで経っても得られるもんやない。
自らの権利は自らがその運動、労働組合の結成などをして得るしかない。多くの企業の労働者はそうしてその権利を得てきた。もちろん、新聞本社も例外やない。
きついようやが、その努力を何もせず「あなた任せ」にしてたんでは経営者にどんな決定をされても文句の一つも言えんということや。
従業員に配慮せん経営者にも問題はあるが、そこで働く者にもそれなりの責任と落ち度があるということになる。
「あなた任せ」ということは、何をされても「文句を言いません」というとやさかいな。それで良ければ、それでええわけや。
しかし、権利が得たければ、自らで勝ち取るしかない。歴史上、労働者はそうしてきたわけや。それをしろと煽(あお)るつもりは毛頭ないが、その事実は認識しといた方がええ。
もっとも、どうするかは、自分たちで決めるしかないがな。
まあ、現実問題としてそうしたくても、なかなかそうはできんという事情はワシも業界の人間やから良う分かるが、そう考えとる限りは、今のような状態はいつまでも続くと覚悟して我慢せなあかんわな。
ただ、『他店の方や業界経験の長い方に聞くと、本社登録がAランクだから本社から店にボーナスの補助がかなりついていると聞きました。本当なんでしょうか?』という実態は、なかなか分かりにくいことやから、迂闊(うかつ)なことは言えんが、確かに以前はそういうこともあったとは聞く。
この業界には、かつていろいろな名目で新聞社から様々な補助金が毎月支給されていたと。
それには新聞本社からの部数買い取りの押しつけ、俗に言われる「押し紙」を引き受ける代償としてそうされてきた。
それには、経営補助、営業補助(拡張補助)、拡材補助、完納奨励金、販売店親睦会補助、保険・年金補助などがあり、果ては店主、従業員の家賃補助まで新聞社からの補助金として出とるという話まであった。
それからすると、『従業員のボーナス(賞与)補助』という名目の補助金があったたとしても、おかしくはないということになる。
ただ、これらの補助金はすべてで無尽蔵に出とるわけやない。その新聞社と販売店との関係でも違う。ないと否定もできんが、必ずあるとも言えんわけや。それぞれやと言うしかない。
その補助金を出すためには、その新聞社の販売部の担当者と販売店の経営者との間で交わした「協議書(稟議書)」というのを新聞本社に提出して、その決裁を仰ぐ必要がある。
せやから、『本当であれば本社からのお金は社長がポケットに…でしょうか?』というのは、その「協議書(稟議書)」に『従業員のボーナスの補助金を出す』とでも記載してあれば、そうなる。
または、新聞社からの書類にその名目の補助金が支出されたという記載があれば、『社長がポケットに』と思われても仕方ないわな。
それに対しては、実際にはそのボーナスが支給されてないわけやから、「その事実はない」と新聞社に密告(ちく)ることは可能やが、もし、そう考えておられるのなら、いくらその証拠を握ったとしても止めておいた方が無難やと言うとく。
はっきり言うて、補助金の名目など何でもええわけや。その使い道が正しく使われているかどうかなど新聞社が調べるようなことはまずないと思う。例え知っても「それはけしからん」とまではならんのと違うかな。
それを出す口実さえあればええという背景があるさかいな。どんな口実、名目のものでも出せる範囲のものなら出る。所詮、補助金というのは、その程度のものやと思うてた方がええ。
そういうものに「お恐れながら」と新聞社に直訴してもあまり効果がないと思うということや。ヘタをすると、それを直訴した人間の素姓がその販売店に知れ、解雇(クビ)されかねんという危惧すらする。
もっとも、その事実を知って、そこの従業員がどう思うのかということはあるやろうがな。
それは各自で判断して貰うしかない。
ただ、現在は新聞社も経営難から、その補助金の支出を極力抑える方向にあり、そのためには「押し紙」自体も減らす方針を固めたようやさかい、今後はそういうあきらかに誰が考えてもおかしな補助金というのはなくなっていくのやないかな。
それには「押し紙」による部数の水増し効果、いわゆる広告費の増収が期待できんようになったという背景もあると思う。
今や「押し紙」の存在そのものが周知の事実になりつつあり、それがあることで大きく信用を落とし、単に不景気だけの理由やなく、それも新聞広告の落ち込みの大きな要因の一つに数えられとるというさかいな。
読者投稿 応援します
投稿者 tkah さん Y新聞販売店従業員 投稿日時 2010.3.11 PM
3:33
私も同じく関西のY新聞販売店の従業員なんですが、これから先の新聞販売店は拡張員も入れずに店力で顧客アップを計れって、毎日のように言われますが、そのわりに労働に見合った対価としての報酬が成されていません。
それを勝ち取るためには、やはり、みんなで組合いを作って会社と闘う姿勢を見せるべきだと思います!
経営者の為すが儘にされてる時代じゃ在りません。我慢するのみでは何一つ体制は変わらないと思うので一人立つ精神で前向きに戦いたいと思って投稿しました。
新聞販売店の従業員のみなさん、一緒に組合い運動を立ち上げましょう。
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