新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.863 これは、詐欺で無いんですか?
投稿者 daiski さん 投稿日時 2010.3.11 AM 8:03
では以前に新聞の契約していないのに、販売員が違法に他人の住所と指名を使い印鑑を契約されて居たことが有りましたが、 その時に販売店に電話しても止めてもらえず、新聞代金を請求されました。
これは、詐欺で無いんですか?
回答者 ゲン
『これは、詐欺で無いんですか?』ということやが、『以前に新聞の契約していないのに、販売員が違法に他人の住所と指名を使い印鑑を契約されて居たことが有りました』に関しては、詐欺と言うより、刑法第159条の「私文書偽造等の勝手に他人名義の契約書を作ったり、契約書を改竄(かいざん)したりする行為」に抵触する可能性のある犯罪に該当すると思われる。
これが立件されれば、3ヶ月以上5年以下の懲役に処するという規定がある。軽い罪やない。
せやから、その行為があったときに警察に通報すれば、その処罰の対象になるケースがあるということや。
もっとも、それを立件するかどうかは、その警察署毎の裁量次第ということもあり、そのすべてが犯罪に問われるとは限らんがな。
ただ、あんたの場合は『その時に販売店に電話しても止めてもらえず、新聞代金を請求されました』と言われておられるところからすると、嫌々ながらもその新聞の配達を認め、その代金を払ったと思われるから、そう主張するのは難しいのやないかと考える。
特に契約事に関しては、例え不法行為の末に結ばれたものであっても、その契約が履行され期間が経過してしまえば、契約者はそれを容認したと見なされやすいさかいな。
容認された契約の撤回は難しい。それもすべてが終わった後ということになれば尚更やと思う。当然やが、容認されて終わった契約、取引は『詐欺』にはなりにくい。
何でもそうやが、納得のできんことに対しては最初に異議を申し立て、当事者である販売店にそれが聞き入れて貰えん場合は第三者に相談するなりして意見を仰いで対処した方がええ。
何もあきらめる必要はなかったわけや。
その以前というのが、いつのことかは分からんが、当サイトのQ&Aは2004年7月からやっていて、その当時からヤフーやグーグルの検索では常に上位にあったから、今回と同じように調べればヒットしたはずで、その折りに同じ相談があれば間違いなく、「それは違法やから契約を破棄、解除できる」とアドバイスしてはずや。
参考までに『NO.239 契約していないのに新聞が投函されます』 というのがあるから、それを読まれればワシがそのアドバイスをしていたというのが分かって貰えると思う。
また、ワシらのサイトやなくても、そういう相談を受け付けるところ、あるいは法律家のサイトなら、たいていは「そんな契約に従うことはない」と言うはずや。
身近なところだと町内会の会長さん、役員さんあたりでもええ。新聞販売店の多くは、地域の町内会とはなるべく敵対したくないと考えるのが普通やさかい、そういったケースはあんたの意に沿う結果で終わることの方が多かったと思われるしな。
あんたは前回相談された『NO.862 他人の新聞代金をどうして払わないといけないんですか?』で、ワシの回答の中に、そういう販売店なのに、『何の落ち度もないと思われる、責任のまったくない新聞販売店が、一方的に契約解除を通告されるという不利益を受けるいわれはないのと違うやろうか』と言うたことに対して不満があって、この質問をされたのやと思う。
『では』という最初の言葉にそれが表れとると感じるさかいな。
しかし、ワシらには、そのあんたの事情は教えてくれん限りは分からんから、あの質問に対する回答はあれしかなかったと今でも確信しとる。
もっとも、今回その事実を知ったからと言うて、その回答を変更することもできんがな。
事の善悪、正否はその時々の事象で判断するしかないというのがワシの基本的にスタンスでもある。
確かに今回相談された内容が事実なら、その販売店の非は大きかったという気はする。
しかし、前回の相談に関して言えば、その販売店の落ち度が何もないのは歴然や。
一般論やが、容認して済んでしまったこと、終わったことを持ち出して、「そんな販売店だから悪い」という論法には少し無理があると思うよ。
悪いと指摘する場合は、その行為についてのみ言及することが正当な言い分やと考える。
一人の人間でも、ええ行いをすることもあれば、悪いことをする場合もある。要は、その時々の行為で、その善悪の判断をするしかないということや。そう理解してほしい。
ワシらのQ&Aでは『質問や相談は、基本的には相談者様の立場に立ってお答えします』という方針を掲げとるが、『相談者様の立場に立って』というのは何も迎合するという意味とは違うさかいな。
正しくは相談者のために良かれと思うアドバイスをすることやと考えとる。
それから言えば、勘違いされておられる相談者の方には、「そうではありませんよ」と教えてあげることも大事やと思うとるわけや。
もっとも、それが気に入らんと言われて気分を害される人も中にはおられるが、それは仕方ない。本当にその相談者のためを考えるのなら、そうするしかないさかいな。
それが分かるようやったら分かって頂きたいと思う。ワシらは何もケチをつけたくてこんなことを言うてるのやないと。
ただ、安易な迎合は却ってその人のためにはならんと考えとるだけのことやと。
まあ、すべての人に気に入られるために迎合するようなことはできんという因果な性分もあるがな。
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