新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.864 実配と定数について教えてください


投稿者 tkah さん  某新聞販売店営業員  投稿日時 2010.3.11 PM 11:36


現在、新聞販売店で営業の仕事をしていますが、実配と定数が解りません!

教えて下さいませんか?


回答者 ゲン


『実配と定数が解りません』ということやが、その言葉だけの説明なら、「定数」というのは新聞販売店が新聞本社に注文する部数のことをそう呼ぶ。

「実配数」というのは、その名のとおり実際に顧客に配達する新聞の部数のことや。

ちなみに、「定数」から「実配数」を差し引いた残りの新聞が「残紙」ということになる。たいていの販売店にはその残紙があるはずや。

その残紙の中身にはいろいろあるがな。

まず、取り扱い部数の2%までを「予備紙」という。これは業界で公認されたもので、配達時の水濡れや破け、汚れ、誤配、不配、あるいは事故などで消失したような場合など、突発的な事態を想定して予備として用意している新聞のことや。

契約で無料期間サービス分とした新聞もある。また同じサービスでも新聞社公認の1週間の試読無料サービス分として「赤紙」と呼ばれるものもある。

もっとも、この「赤紙」というのは新聞社サイドの呼び方で、販売店からすれば単に「試読紙」と言うケースが多いがな。

それらの量は販売店毎でそれぞれやというしかない。

新聞社から注文することを押しつけられる、俗に「押し紙」と呼ばれるものもある。これについては、新聞社とその販売店との関係でそれぞれ違う。決まった割合というものがない。

極端な例で言えば、その取り扱い部数の5割が「押し紙」やという販売店もあれば、まったく存在しない販売店もあるという具合や。

ワシの知る限り、平均して取り扱い部数の2割前後が「押し紙」やという販売店が多いと聞く。但し、その確かなデータは何もないから、それを示すことはできんがな。それぞれやと言うしかない。

「積み紙」というのもある。これは、新聞社から強制的に押しつけられたものやなく、むしろ販売店の方から積極的にそう望んで粉飾して注文する新聞のことをいう。

これも、その販売店毎でいろいろやと言うしかない。

これをする販売店の理由として、業界でのステータスを得るためというのがある。

「万紙」と呼ばれているものがある。

部数1万部以上がそう呼ばれ、その万紙以上を扱う販売店は、業界でも大規模販売店として認められる。

部数至上主義を掲げる新聞社は、当然のようにその大規模販売店を大事にするからその待遇や諸条件もその他の販売店より優遇されるのが普通や。

また、それは業界でのステータスでもあるから、それに手の届くところにある販売店は多少無理をしてその「積み紙」をするケースがあるという。

例えば、公称部数9000部の販売店があったとする。後、1000部あれば、その「万紙販売店」の仲間入りができる。

言えばその見栄のために、敢えて「積み紙」をしてまでその部数を新聞社から買って、あるいは、その分の顧客があるように見せかけて粉飾するケースもあるわけや。

ただ、「押し紙」と「積み紙」の違いは外からでは分かりにくいということがあるから、それと決めつけるのは難しいがな。一番その違いを良く分かっているのは、その販売店の経営者か、それに近い者くらいしかおらんと思う。

あんたが何でこの質問をされたのかが良う分からんが、その定数について知りたければ、経営者か事務員あたりに聞けば教えてくれるのやないかな。

もっとも、その知りたいという理由いかんでは聞きにくいかも知れんがな。その場合は、「定数」と言うのやなく、「店の公売部数」と言うて、その店の取り扱い部数がいくらくらいなのかということを聞けばええ。

それなら比較的簡単に教えてくれるはずや。但し、正確な数字ではないかも知れんがな。たいていは店のプライドもあり多めに言う場合が多いさかいな。

それでも、おおよその数字くらいは分かる。

「実配」も同じように聞くか、もしくはその販売店の従業員に聞けば分かるはずや。

たいていは配達区域というのがあり、従業員の多くはその区域毎の実数を把握しとるはずやから、それを合計すればええ。あるいは販売店内にぶら下がっている順路帳を調べることでも分かるはずや。

但し、この「実配」に関しては、契約切れや新規客の獲得などによって月毎に変化するさかい、正確な数字を知りたいのなら、その都度、調べて計算せなあかんやろうがな。

あんたの質問に対する回答はこんなところや。


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