新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.873 洗剤がもらえません
投稿者 匿名希望さん 投稿日時 2010.3.27 PM 9:56
新聞の購読契約したのですが、その時に洗剤をくれると言っていたのにもう4カ月になるのに、洗剤がもらえません。
集金には来られるのですが、洗剤がもらえるまで、払わないと言って断っています。
どうすればいいでしょうか?
回答者 ゲン
『洗剤がもらえません』というのは、その販売店が単に「持ってくるのを忘れている」と言うてるだけなのが、それとも「洗剤を渡すつもりがない」ということなのか、それによって答えが違うてくる。
前者なら新聞代を『洗剤がもらえるまで、払わない』と言うてるにも関わらず、持って来んというのは普通は考えられんことや。
よほど、ルーズな販売店なのか、集金人から話が伝わっていないか、のいずれかやと思うが、それなら、その洗剤を持ってくるまで、そのまま、『洗剤がもらえるまで、払わない』と言い続けるしかないやろうな。
後者の「洗剤を渡すつもりがない」という場合は、これは契約の条件を履行せんわけやから「契約不履行」ということになる。
販売店が「契約不履行」をした場合は、購読者からの一方的な通告で、その契約を解除することができると法律に明記されている。
このケースは後発的不完全履行ということになり、民法543条の「履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者(契約者)は、契約の解除をすることができる」というのが適用される可能性が高い。
その法律に従って契約を解除す場合は、民法541条の履行遅滞による相当期間の催告、つまり約束を履行までの猶予期間を伝えとくことや。
例えば「本日より一週間(○年○月○日まで)以内に、約束の洗剤を持って来ない場合、契約不履行として契約解除する」という具合やな。
そうするのなら、今までのように集金人を介してというのやなく、直接、その販売店の責任者に伝えた方がええ。せやないと、集金人に言うてるくらいやと、「そんな話は聞いてない」と言われ、いらん揉め事になり、よけい嫌な思いをするだけやさかいな。
それでも、音沙汰がなければ、その契約は通告どおり解除するしかない。
ただ、ここで問題になるのが、それまでの『4カ月になる』という新聞代金の未払い分や。
あんたの場合、契約を解除するのは法的にも何ら問題はないと思う。
しかし、契約を解除したからと言うて、その『4カ月になる』という新聞代金の未払い分が帳消しになるわけやない。その支払い義務は残る。
あんたは、その約束を守らん販売店が悪いのやから、その新聞代を払う必要がないと考えられるかも知れんが、法的に言うとそれは通りにくい。
「契約不履行」とは、その契約の解除権を有するだけで、相手方にペナルティを科すことまで認められとるわけやないさかいな。
契約を解除するというのは、あんたの方も「その約束を守るつもりはない」ということになる。その契約の約束そのものがなかったことになるわけや。
そして、受け取り済みの新聞は「対価が必要なもの」「タダのものやない」として、あんたも認識していたはずやから、それに対する支払いはせなあかんことになる。
それを支払わず、その新聞をタダで受け取ったままというのは、その相手方である販売店に「ペナルティを科した」ということになるさかいな。
あんたにとっては不本意なことかも知れんが、いずれにしても法的にはその新聞代は支払う必要があると考えられるということや。
但し、その販売店との話し合いで折り合いがつけば、その限りやないがな。こういった揉め事では、その話し合いによる合意がすべてに優先するさかいな。
万が一、そういう交渉になった場合、その詳しい状況を知らせてくれたら、それに即したアドバイスはするつもりやから、気軽に相談してこられたらええ。
書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』好評販売中