新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.874 これって普通ですか?


投稿者 ootoro さん 現役拡張員 北海道在住  投稿日時 2010.3.29 AM 7:09


NO.870でのご返答ありがとうございます。とても参考になりました!

また質問なんですが、うちの団ではどれだけ休みを返上して「まとめ」ようが「まとめ料」が団員に支払われることは一切ありません。

これって普通ですか?


回答者 ゲン


『うちの団ではどれだけ休みを返上して「まとめ」ようが「まとめ料」が団員に支払われることは一切ありません』というのは、どうなんやろう。

普通かどうかというのは別にして、ワシらの方では「まとめ料」というのは、ちゃんと個々に支払われとるがな。

「まとめ料」というのは、新聞販売店と拡張団との間で独自に設定されるもので、その販売店とのノルマがクリアされたときに、そこで上げた契約に対してのみ加算されて支払われるものやと認識しとる。

その加算額は、各拡張団とその販売店毎の取り決めによっても違うが、ワシらの方では1本につき1000円〜2000円程度が、その販売店でその該当の期間に上げた拡張員のみに給料日に加算されて支払われるようになっとる。

それがないというのでは張り合いもなく、拡張員にハッパをかけることができんと思うがな。

この「まとめ料」とか「即入料」、「プレミヤ料」、「懸賞金」などといったものは、すべからく拡張員を鼓舞して尻を叩くためにある「アメ」であり「ニンジン」なわけや。

人間は現金なもので、働けばそれなりの見返りがあると思えば頑張るもんや。

営業の世界では昔から、厳しい「ムチ」ばかりやなく、おいしい「アメ」や「ニンジン」も同時にぶら下げて営業員を操ってきたという歴史がある。

前回の回答で『この業界にはいろんなシステム、やり方がそれぞれにあるから』とは言うたものの、これに関しては、それはないのやないかという気になるな。

それやったら、その「まとめ」という言葉を使わず、単に「ノルマ」と言うた方がええのやないかと思う。

もっとも、その「ノルマ」をクリアすれば、その上げた本数に合わせて「プレミヤ料」や「懸賞金」を加算されるのが普通やから、そちらに重点が置かれとるのなら、それはそれで、その団のやり方ということにもなるがな。

もし、それすらないというのでは、はっきり言うて、その団は話にならん。ナンボでかい(大きい)団か知らんが、それでは先はないと思うで。

あんたに限らず、それを不満に思う人間も多いやろうしな。

ただ、これは、このサイトで時折言うてることやけど、それを不満に思い、改善したいのやったら我慢せず、そこの拡張員が一致団結して立ち上がるしかないと思う。

具体的には「労働組合」のようなものを作って対抗するしかないのやないかと思う。過去、労働者は無法な経営者に対しては、そうして立ち上がり、その権利を獲得してきたという長い歴史があるさかいな。

新聞社には、その労働組合が結成されとるから、経営者の一存で何でも決められるということがないわけや。

それやのに、昔からこの業界だけはなぜか、その労働組合一つない、希有(けう)な仕事場で、皆がそれに甘んじてきたということが長く続いている。

余談やが、ワシはそれを憂いて、2年半ほど前に『第166回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員の労働組合結成は可能か?』 という話をして奮起を促してきたことがあるけど、結局、どこからもその声が上がらんかった。

「笛吹けど踊らず」というやつや。

あんたのように不満に思う元凶は、その団長にもあるやろうが、同時にそこで働いている人間にもあると思う。

あんたらが大人しくすればするほど、その経営者はつけあがり、その思い上がりもエスカレートしていく一方になる。それをする方もやが、許してきた者にも、それなりの責任があると言うしかない。

確かに、それに立ち向かう、反旗を翻(ひるがえ)すというのは並大抵のことやない。それは承知しとる。

しかし、自らの権利は自らの力で勝ち取るという気概(きがい)がないと、いつまで経っても、その環境で我慢するしかないわけや。

これは言うてええもんか、どうかは分からんが、あんたの所属する団の他の地域からも、同様の不満がこのサイトにも届いとる。

幸いというか、あんたの団はでかいから、その気になれば、それなりの規模の労働組合組織を結成することは不可能やないと思う。それができれば、それなりの力にはなるはずや。

まあ、どうするかは、あんたらで決めるしかないがな。このまま、なすがままにされるのも良し、闘って権利を勝ち取るも良しや。

ただ、断っておくが闘うということは、負けることもあり傷つく場合もあるということを意味する。それなりの痛みも伴う。仲間の結束もあれば裏切りも起きる。簡単なことやない。

その気があるのなら、その覚悟を決めておくことや。

そして、その覚悟が決まったら、その方法はいくらでもあるから、またいつでも相談してくれたらええ。そのためのアドバイスなら、ナンボでもするさかい。

但し、これだけは言うとくが、最初に集める同志は慎重に選ばなあかんで。よほど信頼のおける人間以外にはその事は口外せんことやし、仲間にもせん方がええ。

「事は密なるをもって成る」という古(いにしえ)のことわざがある。

物事を成功させようと思えば、人知れず静かに潜行して計画を練り、支配者がそれに気がついたときにはすでに手遅れというくらいの状況を作っておく必要がある。昔の人が血を流して得た教訓なわけや。

まあ、ワシはそうしろと強制するつもりも煽るつもりもないさかい、どうされるかは、あんたの方で考えて決めればええことやけどな。

まあ、ここではそういう方法もあるとだけ知ってくれてたらええ。


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