新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.887 魅せる文章を考えてみては如何でしょうか?


投稿者 dec さん  投稿日時 2010.4.12 PM 8:35


はじめまして、decと申します。

HP拝見させていただきました。先ず、大変面白い文章ありがとうございます。

そして、せっかく文章を掲載なさるならば、見せ方を考えた方がよろしいかと思います。

テキストをインデントも無く、つらつらと書くレイアウトは、読む意欲を削ぎます。

一目見てツマラナイと思う方も多いかと思います。

魅せる文章を考えてみては如何でしょうか?


回答者 ハカセ


大変貴重なご意見とご感想、まことにありがとうございました。

正直申しまして、dec さんのようなご指摘をされた方は、このサイトを開設して、もうすぐ6年になりますが、初めてでしたので、少々、戸惑っています。

それは今まで、私の書く文章、およびスタイルについて、批判的な意見が伝わってこなかったというだけのことですが。

私も、サイトへの訪問者の多くが「サイレント・マジョリティ(声なき声)」だとは承知しています。ほとんどの方は、サイトに訪れて面白くないと判断すれば、何も言うこともなくそれっきりになって離れていくだけですからね。

このサイトには、おかげ様で、今までに延べ千人以上の人たちからメールが送られてきていますが、それでもサイトへのアクセス数からすれば、ごく一部の方々ということになります。もちろん、私にとっては十分すぎるほど多く有り難い方々なわけですが。

また、現在は、そういう方たちに支えられているからこそ、このサイトが存続しているとさえ思っていますので。

その寄せられる多くのメールが、サイトに好意的なもので、批判的なものは、ほんの一部しかありません。だからといって、訪れた人のすべてが好意的な人たちばかりとは考えていませんけどね。

『一目見てツマラナイと思う方も多いかと思います』と言われるように、そう感じられた人が多いというのを否定するつもりはありません。また、できません。そうだと言われれば、そうでしょうねと納得するだけです。

dec さんの場合は批判されてのことではなく、心底、私どものためを考えて頂いた上でのアドバイスだというのが良く分かります。本当に有り難いことだと思います。

このご指摘が、サイトの開設当初にあれば、「やはり、そうした方が良かったですね」と考え、ご意見に従ったかも知れません。

私もdec さんの言われるように、『テキストをインデント(書き出しの一字下げ)も無く』という文章を書くというのにはかなり抵抗がありましたので。

dec さんのお仕事が何かは分かりませんが、『インデント』という言葉を使われるというのは、文章を良くお書きになられる方だとお見受け致します。もしくは書物などを読まれる機会の多い方だと。

そういった方からすると、まるで何も知らない素人が書いた作文のように映られたかも知れませんね。

この『インデント(書き出しの一字下げ)』というのは、文章を書く上での決まり事のようなものですから。それすらしてない。できないのかと。

これが、縦書きでしたら、私も迷わず、そうしたでしょう。

実際、私の拙書『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』では縦書きということもありますが、当然のことながら『インデント』も、長くても5行以内に改行を行った上で、その都度、ちゃんとしていますので。

ついでに言えば、その本には文章だけではなく、1コマ、4コマ漫画といったものを随所に挿入して、それなりに見せる工夫もしているつもりです。

それが、なぜこのサイトではそうしていないのか―。

それには、私なりの拘(こだわ)りと理由があります。すべてを承知の上で、敢えて『インデント』のない文章に取り組んだわけが。

ご存知のように、ネット上に存在する多くのHP、ブログというのは横書きです。

私は、このサイトを開設する前に、まず「はじめに」「拡張員とは」「拡張員になる者」「拡張の仕組み」「拡張の歴史」「拡張員の1日」などを、その横書きで書き上げました。それをオープニングとするために。

当初は、ジャーナリストや文筆家の多くの方々が、そうされているように、私も5、6行毎に『インデント』を挿入した文章にしていました。

お気づきののように、私の書く文章には長文が多いという特徴があります。

もっとも、これでも下書きの段階から比べればかなり短くはしているのですが、書いている業界の内容があまり一般的ではないということもあり、初めて読まれる人にも分かって貰える文章にするためには、どうしても説明の部分が長くなる傾向にありますので、ある意味、やむを得ないことだと思っています。

まあ、その辺は、私の筆力のなさ、弱さという点も加わって、そうなっている部分もあるわけですが。

A4サイズで40字×40字の1ページから2ページくらいまでの文書量ですと、『インデント』を挿入した文章でも十分読んで貰えるとは思うのですが、これが、私の場合、悠に5、6ページ、場合によれば10ページを超えるものもザラにありますので、それも難しいのではないかと考えました。

書き上げたものを見ると、それこそ字面で埋まっているという印象しかありませんでしたからね。

これでは、だめだと直感しました。読んで貰えないと。

文章を読み慣れた人なら、その内容次第で読み進めて貰えるでしょうが、私は「文章を読む習慣のない人でも楽しく読んで貰う」ということを目標の一つにしていましたので、見た目にそれでは、面白い、面白くないという以前に、パッと見の第一印象で敬遠されると考えたわけです。

名の売れた流行作家やジャーナリストの書いたものなら、それでも、その内容に期待して読み進めて頂けるでしょうが、私のように無名の一般人の書いたものでは、それを期待するのはとても無理な相談です。

といって、私には文章を書くことしか、これといって取り柄がないと思っていましたので、それで人を惹きつけるしかないと考えました。

そもそも、私がこのサイトを立ち上げることを思いついたのは、病気(心臓病)で他の仕事ができなくなったということと、若い頃、今から30年以上も昔ですが、一時期、小説家を目指していたことがありまして、もう一度、何かを書いてみようと考えていたところに、たまたま「拡張員」をされていた「ゲン」さんという魅力的な人物と知り合ったからでした。

千載一遇のチャンスだと考えて。

その間の事情を話せば長くなりますので、私が拙書『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』 を発行する際の事情については、そのページの「はじめに」、「出版本について Part1 長かった道程(みちのり)」、「出版本について Part 2 厳しい出版業界」、「出版本について Part 3 発売開始」、「出版本について Part4 自費出版の是非」 などにあります。

あるいは、『第191回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■届いた『ねんきん特別便』で甦った記憶』 でも、ある程度、分かって頂けるのではないかと考えます。

今、お話ししているテーマについては、こちらの方が分かりやすいかも知れません。いずれも長文ですので、お時間のあるときにでも読んで頂ければと思います。

文章は人に読んで貰えなくては何の意味もありません。ですから読んで貰うための努力は惜しまず、するべきです。

そうは考えてみたものの、私には、絵や写真といった視覚的なものを用いて訴えるというセンスは持ち合わせていませんので、文章をいかに読ませるかという工夫をするしかありませんでした。

そこで、字面で埋まっているという印象を和らげるために、空行をいくつか挿入する工夫をしました。そうすると、若干、見やすくはなりましたが、読みにくさの解消までには至りませんでした。

次に考えたのが、その『インデント』をなくすということでした。

これは、普段のメールのやり取りがきっかけでした。メール文に『インデント』を使われる方は、ほとんどおられませんからね。

失礼ながら、dec さんからのメールもそうでした。

なぜか。それは、そうする方が読みやすいからだと思うのです。ならば、それを普通の文章に取り入れて書けばいいのではないか―。

そんな単純な発想から、試行錯誤を始めました。

段落のことを気にせず、ただひたすら読みやすさだけを考えて、長くても3行で空行を入れるというスタイルにしたわけです。

ポイントの文は、例え、どんなに短くても1行で済ます。

そうして、空間を保つようにすると、それまでのものと比べて格段に読みやすくなったと感じました。

後は、文そのものの技量が問われるわけですが、こればかりは、ありのままを見て読んで頂くしかありません。

ただ、それについても、ゲンさんと私が普段使っている「関西弁」という、一風変わった文章にしたら、面白いのではないかと考え、それに取り組みました。

しかし、正直、これは当初、考えていたほど簡単なものではありませんでした。

当然ですが、話すことと、書くことは違いますからね。読者の方が、すべて関西圏であれば、通じる文体でも、すべての人に理解して貰える文章にするには、それなりの工夫が必要になります。

ただ、それが上手くいけば、インパクトのある面白いものに仕上がるのではないかとは考えましたが。

話の内容は、当初はゲンさんから聞いたものだけで十分面白いものになるだろうという感触はありましたが、私自身それでは納得できませんでしたので、サイトを立ち上げる前の数ヶ月間、実際に書く業界の内容を知るために「拡張員」になりきって、その仕事をしました。

人に伝えるには、何より書き手がそのことを熟知していなければいけませんからね。聞きかじりの話だけで、多くの人の心を揺さぶり読んで貰えるものは書けませんからね。

『魅せる文章を考えてみては如何でしょうか?』と言われるとおり、それを考えて行き着いた結果が、私にとっては現在のこの形なわけです。

それが『一目見てツマラナイと思う方も多い』ということであれば、それはそれで仕方ないと考えています。所詮は、そこまでのものでしかなかったと。

今回、dec さんから寄せて頂いたメールがあったからこそ、私もここまでのことが言えたわけで、その意味でも大変感謝しています。

正直言いまして、この6年間、私のこのスタイルに対して誰かが指摘してくれないかと、ずっと考え続けていましたから。

ただ、大変申し訳ありませんが、今となっては、このスタイルを変えることは、ほぼ不可能だと考えていますし、そのつもりもありません。

何しろ、このサイトにはページ数にして1500以上もの長文ページが存在しますので、それを今更『インデント』にした文に再構築するには、途方もない時間と労力を要します。

心中。というと少し大袈裟かも知れませんが、サイトとしては、そのくらいのつもりで、このまま続ける覚悟をしています。

他にないものなら、私がそういう先鞭をつける―。これは私なりの挑戦だと思ってください。

つまり、私なりの確固たる信念のもとに、敢えて『インデント』のない文章、段落のない文章を書いているのだと。そうご理解頂ければと思います。

ただ、まことに厚かましいお願いですが、それ以外に、読者の方が面白く楽しめる方法が何かありましたら、それを教えて頂ければ、取り入れるべきものは喜んでそうさせて貰いたいと考えていますので。

最後に、私の試みが功を奏するか、ただの駄文で終わるかは、読者の判断、評価に委ねるしかありませんと言っておきます。

私は、現在でも十分な成果が得られていると考えていますがね。これ以上、特に望むつもりはありません。


書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでも選集』好評販売中


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


Q&A 目次へ                                 ホーム