新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.889 届けられない地区に引っ越す人になぜ契約更新をせまるのか


投稿者 SN さん  投稿日時 2010.4.17 AM 7:19


いつもシビアなメルマガを唸りながら読んでいます。

幸い、私が契約している販売店はサービスが良く不満はありません。

そのサービスとは、販売店が無理をするものでも過剰と感じるものではなく、天候の悪い日はわざわざビニール袋にいれて配達する、朝刊が休みの日は代わりに夕刊を届ける等の気配りのようなもの、配慮を感じ、それが気持ちよいのです。

さて、今回メールを書きました理由は別にあります。

10年程前に他県で契約していた販売店での出来事です。

結果トラブルになったわけでは無いのですが、どのような目的なのか、その理由をご存知、あるいは想定でもかまいませんので教えて頂ければ幸いです。

転勤先のアパートでA新聞と6ヶ月更新の契約を結びました。

1年半ほどして、また転勤が決まり、引越しの予定日はちょうど契約更新月の次の月でした。

それで販売店の方が集金と更新でいらした時に、引越しをするので、今月で新聞契約は打ち切りたい、と伝えました。

そうしましたら、それでも契約更新をしてほしい、と言うのです。

県外だし、そこでA新聞を購読するかどうかわからないですから、と言って帰ってもらったのですが、後日、販売店の店長? と配達員の2名がお願いだから契約更新してほしい、と言います。

理由を聞いてもはっきりしません。

私には購読できないのに契約を結ぶ意味がわからないですし、何のメリットもありません。

契約という重さは多少なりとも知っていますので、義理やお願いされたからといって結ぶことはできません。

数十分やり取りが続き、どうあってもできない、と言い、帰ってもらいました。

それで終わり、その後は何もありません。

しかし、疑問は残ります。

届けられない地区に引っ越す人になぜ契約更新をせまるのか。

もし、それでも契約をした場合、私に何らかのリスクが発生するのか。

どうなのでしょう。

販売店のシステムはメルマガやHPである程度は理解できてきましたが、こうしたケースでの解答には導けないようです。

もし、お答えできるようならお願い致します。


回答者 ゲン


『販売店のシステムはメルマガやHPである程度は理解できてきましたが、こうしたケースでの解答には導けないようです』ということやが、その疑問について調べる方法ならある。

それは、あんたの疑問点をキーワードにして、大手のポータルサイトで検索するだけで、比較的簡単に希望する答えを見つけることが可能やということや。

当サイトは、ヤフー・ジャパンから特に高い評価を受けているから、それを利用する方法で説明する。

例えば、あんたの今回の疑問点が「引っ越し 新聞契約更新」にあったとする。それをヤフー・ジャパンで検索すると、約250万件のページがヒットする。

そのトップに、このQ&Aの『その1.新聞購読契約についてのQ&A』があり、いつくかのページが表示されている。

その中で、『NO.802 引っ越しのための契約解除に応じてくれません』 がリンク表示されているので、それを見る。

すると、そこには、


先ほど、契約事について新聞社は一切タッチせんと言うたが、この「継続契約の斡旋サービス」だけは例外的にしとる。

その趣旨は、その客をそれで「縛る」ためというものやなく、あくまでも顧客サービスの一環として、そのシステムがあるということになっとる。

実際にも、そうすることで顧客に有利になることも多いさかいな。

それを依頼すれば、引っ越し当日からでも講読していた新聞が届くし、契約も以前の店と同じ内容のものが引き継がれるから、その点でも当面の心配はない。

新聞の場合、その引っ越し先次第ではサービスに大きな違いがあるケースもあり、現地で新に契約し直すより有利やというのがある。

また、引っ越しで契約解除を希望するには、その契約時に貰ったサービスを返還せなあかんが、継続するのなら、その必要はないさかいな。

当の新聞販売店にすれば、その顧客を新聞社に伝えることで「転居通信費」を貰えるという事と、「解約された」という汚名を返上できると考えるわけや。

もっとも「転居通信費」と言うても、貰えても1ヶ月の購読料程度のもんやけどな。

損得の面だけやと、それほど必死になる必要もないが、「解約された」という汚名は命取りになりかねんと、長く考え続けられてきた新聞販売店にとっては、どうしても避けたいという気持ちになりやすい。

それについては同業者として分からんでもないがな。

余談やが、部数至上主義の業界にとって部数が減る、成績が落ちるという事になれば、今後の新聞社との「業務委託契約」の更新にも大きく影響する可能性があると、多くの販売店が考えるわけや。

部数減は販売店にその能力なしと評価される要因となり、その契約の解除、つまり実質的な廃業に追い込まれるというケースも、過去にはそれほど珍しい事でもなかったさかいな。

近年、ここ数年の業界全体の部数減が続いているためか、多少はそれも緩やかになっとるとは言うものの、昔からの慣習で、なかなかそうは考えられん新聞販売店も多いのやないかと思う。

新聞販売店には、常にその危惧がつきまとう。その思いが、そうさせたという可能性はある。


というワシの回答がある。

その回答に、今回のあんたの『後日、販売店の店長? と配達員の2名がお願いだから契約更新してほしい、と言います』、『理由を聞いてもはっきりしません』という疑問の答があると思う。

さらに『届けられない地区に引っ越す人になぜ契約更新をせまるのか』という疑問も、ある程度、それで解消されるのやないかな。

あるいは、他のキーワード『引っ越し 新聞継続契約』で検索すると、約80万件のページがヒットする。

そのトップに先の『NO.802 引っ越しのための契約解除に応じてくれません』と、あんたがよく読んでおられるという当メルマガの一つ、『第63回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞トラブルあれこれ その1 それは契約不履行になる?
がリンク表示されている。

それにも、


こういったケースでは、たいていは引っ越し先で継続購読して貰うように客に頼むのが一般的や。

新聞社には、基本的に契約事には一切タッチせんという建前はあるが、この引っ越しによる継続購読に限り、顧客サービスの一環としてその仲介をしている。

継続購読を承諾した引っ越し客を新聞本社に通知すると、その販売店は「転居通報費」というのが貰える。

その客を受け入れる側の販売店が、その「転居通報費」を新聞本社に支払い、報告した販売店は新聞本社から、それを貰う仕組みになっている。

その額は新聞社により、まちまちやが、たいていは1ヶ月分程度のものや。

額は知れているが、それを新聞本社に報告することで減紙扱いというのがなくなる。

つまり、形としてその部数は減るのやが販売店としての成績は落ちることもなく、むしろ、そうすることで評価されるというわけや。

そのため、多くの販売店では、その引っ越し先での継続購読に拘(こだわ)る。

たいていの新聞購読契約書の裏面にある「お知らせ」事項の欄には、「お引っ越しの際」と題し、「お引っ越しの期日、新住所が決まりましたら販売店までご連絡ください。新住所担当の当○○新聞販売店に連絡致します」といった内容の文面が記載されている。

これは、単なるお願い事なんやが、販売店、顧客とも、それに法的拘束力があると勘違いしているケースが多い。

それが故に、販売店がその文面を盾に取られると契約者は仕方ないとあきらめる場合が多いということや。

加えて、それには他の選択肢でもある「引っ越しによる契約解除を希望する場合」という但し書きが、どこにも記載されとらんということも大きい。

新聞購読契約書は、その販売店と契約者との間でのみ有効な契約というのが正しい認識ということになるんやが、その部分の説明がきれいに抜け落ちているわけや。

それがもとでトラブルになるケースが結構多い。


という記述がある。

それらで、おおよその疑問は解けるとは思うが、その中に「転居通信費」、「転居通報費」という一般ではあまり聞き慣れない語句が見つかり、それに疑問を抱いたとする。

そこで、今度は「転居通信費」のキーワードでさらに検索してみる。

すると、2万6千件のヒットページからトップと第3位に、それぞれ『NO.785 引っ越しに伴う解約について』 と『NO.651 県外へ転勤時の解約について』がヒットする。

その『NO.785 引っ越しに伴う解約について』の中に、


この引っ越し先での「継続契約」に拘(こだわ)る販売店は多いがな。

なぜか。

先ほど、新聞社は一般購読者との間の契約には一切関与しないと言うたが、例外的に「読者サービス」の一環として引っ越し先での継続購読の仲介をしとる。

実際、購読者にとっても新たな所でまた同じ新聞を購読するつもりなら、その引っ越し先でその新聞販売店を探す、あるいはそこからの勧誘員が来るまで待つというような面倒なことをせんでも、継続購読の意志を伝えれば引っ越したその日から、その新聞が自動的に配達されるから便利やというのがある。

また、契約解除ということになったら、契約時に貰った物の返還をするといった途中解約に関わる煩わしい事後処理をせなあかん場合もあるが、継続するのならその必要もない。

加えて、現在得られているサービスと同等のサービスが、引っ越し先の販売店でも行われているとは限らんから、継続する方が、その購読者にとっても得になるというのもある。

さらに、このシステムでは、新聞販売店の方でも、その引っ越し客がどこに引っ越すかを新聞社に報告すれば、「転居通信費」という名目の奨励金が貰えるようになっている。

これは、その転居客を受け入れる販売店がその「転居通信費」を新聞社に支払い、報告した販売店がそれを新聞社から受け取るという仕組みになっているためや。新聞社の仲介とはそれを意味する。

その額は新聞社により、それぞれ違うが、たいていは1ヶ月分の購読料程度のものが多いという。

知れてる額やが、それでも引っ越しにより、その後の契約がなくなる損失分を少しでも補填したい販売店にすれば、何もないよりかはマシやということになる。

そして、これが一番大きな理由になるかも知れんが、販売店が新聞社にその転居を報告することで、本来なら部数減として扱われるものが、そう評価されん場合があるという。

つまり、その報告をすることで成績が落ちるという評価を避けられるわけや。多くの販売店は新聞社からの評価を一番気にするさかい、よけいそうなりやすい。

それら諸々の事が重なり、新聞販売店としては顧客に引っ越し先での継続契約を強く望むケースが多くなる。

販売店によれば、契約書の裏面にそれが記載されていることを持って、決まり事のように迫る所もあるという。

ただ、それには法的拘束力は何もないから、嫌やと思えば契約解除できるがな。


というのがある。『NO.651 県外へ転勤時の解約について』でも、ほぼ同様の内容の記述があるから、それで今回の疑問の多くは解消されるのやないかと思う。

「転居通報費」でも、その他の関連ページがトップ表示されとるが、ほぼ同じような内容なので、ここでは割愛させて頂く。

それらと同じ方法で、あんたが疑問に思うキーワードで、いろいろと検索して調べれば、すべてとは言わんが、新聞関係のものやったら、たいていは当サイトのどこかのページが上位表示されるはずや。

それで、その疑問に行き着ける可能性はある。

あんたは、メルマガを良く読んで頂いているそうやから、それぞれの巻末に「参考ページ」として、当サイトのページが数多く表示されているのをご存知やと思う。

舞台裏を明かせば、あれは、この方法を用いて関連した情報について語っているページを探して引用しとるわけや。

当サイトのページ、メルマガは現在、相当な数に上り、ワシらですら、どこに何が書かれとるのか定かやないというのが現状やさかい、それを調べるのに重宝しとる方法ということになる。

ただ、それやから、これからはそれで調べてくれと言うとるのとは違うさかい、勘違いはせんといてな。

単に『こうしたケースでの解答には導けないようです』と言うておられたから、それを調べる方法があると言うてるにすぎんことやさかいな。

ワシは、常々同じ質問でも、それぞれ固有の事情と状況が存在するから、その回答は微妙に違うと言うてる。当然、その対処も。

今回のあんたの質問にしても、『私には購読できないのに契約を結ぶ意味がわからないですし、何のメリットもありません』というのは、他にはない質問や。

『購読できないのに契約』を結ばせる意味は、販売店側の都合やというのは、それらの引用で分かって頂けるとは思うが、『メリット』については、もう一つ理解できんやろうと思う。

これは、あえて言えば『現在得られているサービスと同等のサービスが、引っ越し先の販売店でも行われているとは限らんから、継続する方が、その購読者にとっても得になるというのもある』ということになるが、その販売店の人間は、そこまであんた(客)のことを考えて、その方法を勧めたのやないとは思う。

あくまでも、自店にプラスになる、あるいは勧誘員自身の成績確保のためなのは間違いないやろうしな。

『契約という重さは多少なりとも知っていますので、義理やお願いされたからといって結ぶことはできません』という、あんたの言われることは、もっともや。

それが、正論でそうすべきやと、ワシも思う。

『数十分やり取りが続き、どうあってもできない、と言い、帰ってもらいました』というのも、それでええ。

『もし、それでも契約をした場合、私に何らかのリスクが発生するのか』というのは、その契約をして、引っ越し先で継続する場合は何もない。

ただ、引っ越し先で継続する意志のない契約を、勧誘員に唆(そそのか)されてその販売店に内緒で結んだ場合、それで景品を得て、それを返さず引っ越しをする、あるいは、その勧誘員が本来貰えないはずの報酬を得ているという事実が発覚した場合、法律的には詐欺、詐欺幇助の罪に問われる可能性がある。

まあ、新聞の契約事案程度で、そういった罪に問われたケースはないがな。

それに、あんたの場合は『後日、販売店の店長? と配達員の2名がお願いだから契約更新してほしい、と言います』ということで、販売店に内緒とは思えんから、それに該当する事案やないと思う。

それからすれば、何のリスクも発生せんと考えられる。

何の心配もないが、僅かでも違法な行為に荷担する可能性のあることは、あんたのように毅然とした態度で退けてた方がええ。結果として、それが一番賢い選択やったということになるさかいな。

最後に、一つ。

『天候の悪い日はわざわざビニール袋にいれて配達する』というのは、この業界では当たり前のことで、そうしてない方がおかしいと言えるが、『朝刊が休みの日は代わりに夕刊を届ける』というのをしている販売店は少ないと思う。

確かにそれで『気配りのようなもの、配慮を感じ、それが気持ちよいのです』と顧客に思うて貰えるというのは、素晴らしいことやと思う。

これを見ておられる業界関係者の中には、見倣(みなら)ってみようかと考えられる販売店も現れるのやないかな。

その意味では、示唆に富んだ有り難い情報を寄せて貰ったことになる。

こういったことなんかも、それぞれの質問からでしか分からんことやさかいな。

せやから、ご自分で、疑問について調べられるのもええが、こうして質問されるのも、いろいろな発見があってええのやないかと思う。

どちらかと言えば、そうして貰う方が、ワシらにとってもいろいろ勉強になり有意義で有り難いことやと考えとるがな。

もっと言えば、今回のこの質問と回答自体が将来の引用ページになり、多くの人の役に立つ可能性もあるわけやしな。

今後も何か疑問に思う事、相談したい事、言いたい事があれば、どんな些細な事のように思えるものでも構わんから遠慮せず、どしどし問い合わせてほしいと思う。

すべての質問、相談に対して完璧に答えられるという保証はできんが、少なくとも無視するようなことはせんさかいな。できる限りの回答はさせて頂くつもりや。


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