新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.89 解約時のカードの扱いについて


投稿者 Aさん 投稿日時 2005.4. 6  PM 6:27


初めてメールさせていただく、A(匿名希望)というものです。
一昨日Y新聞の新聞奨学生という方が来て、3ヶ月の契約を結んだのですが、その後で合計1万円近い出費は辛いと思ったので解約の電話を販売店の方に入れたのです。

担当した方はすぐに来てくれたので、景品を引き取ってくれるのだと思っていると「もうコンピュータに入力してしまったので、販売店の管轄になるので解約は出来ない。それに解約されると自分が新聞を買い取ることになり、借金の身としては厳しい」と言われました。

その後で「しかしそちらの言い分も分かるので、費用の一部は負担させていただく」とビール券2000円を渡され、前に渡した洗剤12袋分との合計で4500円くらいになるから、半額であとは折り込み広告などを活用してくれれば損はないと説得されました。

解約をした場合、本当に担当者(新聞奨学生)の買取になってしまうんでしょうか?

そしてもう解約は出来ないのでしょうか?(クーリングオフの期間内なのです)

通う予定の大学の上級生なので、金銭トラブルがあると面倒で嫌なのです。もし穏便な手段があるなら、教えていただきたいのですが。


回答者 ゲン


普通ならクーリング・オフの解約をしたらええと言うところやが、通う予定の大学の上級生ということなら、ちょっと、考えなあかんかな。

その新聞奨学生も、当然、そのことは知ってのことやろうしな。穏便な手段があるのならと言うあんたの気持ちも良う分かる。

その前に、その新聞奨学生の言うことについてワシなりの意見を言う。それから、判断して貰うたらええ。

「もうコンピュータに入力してしまったので、販売店の管轄になるので解約は出来ない」

と言うたとのことやが、これは、意味が良う分からん。その新聞奨学生は、その制度を利用して大学に通っとるというだけで、実質的には、その販売店の従業員なわけや。分かりやすく言えば、期間社員という所かな。

その販売店の従業員が、販売店の管轄やから解約出来んと言うのは、どう考えても変や。そういうことはあり得んと断言出来る。

おそらく、貰った契約をキャンセルされたら、その人間の成績に影響するから、苦し紛れにそう言うたのやろと思う。個人的に解約されたくないわけや。

次に続く「それに解約されると自分が新聞を買い取ることになり、借金の身としては厳しい」と言うてることで分かる。

これも、絶対にないことやと言える。こういうことを押しつける新聞販売店はないはずや。これも、その人間が成績や体裁のために、そう言うてる可能性の方が高い。

普通、客からクーリング・オフを言うてるのに、こういう対応をしたらあかん。何とか翻意させようというのも、ワシも拡張員やから、分からんでもないがな。

しかし、それも限度がある。この人間は、相手のこと、この場合、あんたの立場のことやが、それは何も考えてない。すべてが自分の立場を優先して話をしとる。

まあ、この人間にすれば『その後で「しかしそちらの言い分も分かるので、費用の一部は負担させていただく」とビール券2000円を渡され、前に渡した洗剤12袋分との合計で4500円くらいになるから、半額であとは折り込み広告などを活用してくれれば損はない』ということで、配慮したつもりやろうが、根本的なことが抜けとる。

それは、相手にとって何が必要なのかということや。この場合、あんたにとって必要なのは、金銭や。金を始末しようということは、ええ心がけや。そこには、親への負担を軽減しようという気持ちがあるからな。

その新聞を取ることによるメリット、例えばその新聞の購読が通学予定の大学で何かの役に立つというのなら、金銭を超えた値打ちというのもあるかも知れん。

余談やが、ワシは大学教授にも知人がおるが、その人の話やと、その講義に使うネタをもっぱら新聞から引用しとる教授や講師もおるらしい。そういう所やと、その新聞が、参考書の役目も果たすことになる。単位にも影響する。

それを、苦学生の立場であんたに説明して、あんたのためにやという話なら分からんでもない。

しかし、この奨学生にはそれがない。勝手な金銭的価値を押しつけとるだけや。あんたは、それが納得出来んと言う。自分勝手すぎるという気持ちにもなるやろ。あんたは、先輩にもなる人間やからと配慮しとるのにな。

この人間が、本当に先輩として尊敬するに足る人間なら、自分の立場は捨ててでも、後輩になるあんたのことを考えるはずや。それで、例え、店から叱責されようと、笑うて済ませられると思う。

この人間には、人としてのあり方が分かっておらん。おそらく、その営業も、あんたのような後輩になる手近で断ることも少ないと思う者を中心にしとるのやろ。しかも、今は、時期的に稼ぎ時やとでも思うてるのやないかな。

営業やから、そういうチャンスを生かそうというのは分かる。しかし、それは相手も納得ずくの上でという条件付きでのことや。

自分に有利な、あるいは力関係で上位な状況を利用して、嫌がっとる者に押しつけるような営業をしたらあかん。

穏便な手段というのは相手次第というところがある。これが、その販売店の店主辺りに直接、解約を申し入れれば、おそらく、何の障害もなく認めるはずや。その時には、その人間の言うてたことがほぼ嘘かええ加減やと分かると思う。

万が一、それで、認めんというのは販売店としてのモラルも何もないということやから、クーリング・オフの通知をしたらええ。それで、綺麗に終わる。

その方法は、書面が原則とされとる。内容証明郵便が一番確実やが、はがきでも別に構わん。配達通知したという証明があればええ。こっちの方が安上がりやしな。

念のために簡単に書式を紹介しとく。郵便局の窓口で、配達証明付きと言えばそのようにしてくれる。



                            
                               平成○年○月○日
                  通知書

     私は、平成○年○月○日に貴社のセールスマンと新聞購読契約を           
     結びましたが、特定商取引に関する法律第九条の規定に基づき本        
     書面をもって上記契約を解除致します

    

      新聞販売所の住所(契約書に記載。多くはゴム印が押してある)  
       ○○新聞販売所
       代表者(名前が分かればその名前。分からなくてもいい)殿

                        
               差し出し人の住所
                      氏名        印


しかし、これでは、あんたにとっては、あまり意味がないかも知れん。穏便な手段での解決というのは、その新聞奨学生に対してやからな。

正直言うて、相手のことを考えんと自分の立場でしか話せん人間との交渉は難しいと思う。特に、あんたにとって、その人間が先輩になると思うてたら余計にな。

しかも、穏便な解決というのは、あんたの側にも多少の痛みも伴うということを覚悟しとかなあかん。無条件で穏便にとは、どんな交渉事でも無理や。

具体的に言うと、あんたがこれくらいやったら負担してもええなという金額を、その相手に示すことになる。それで、その相手が難色を見せるようやと、不本意ながら、クーリング・オフをすると言えばええ。

それが、ぎりぎりの譲歩やろけど、それも、その人間がどこまで信用出来るかは疑問や。せやから、例え、その話が上手く行っても口約束だけはせん方がええ。必ず契約書に、その合意した条件を記載しといて貰うことを忘れんようにな。       

あんたは、金銭トラブルを心配しとるようやけど、その人間からの後々の嫌がらせとかということは、よほどでないとないと思う。また、誰かにそのことを吹聴するというのも考え辛い。

そういうことをすれば、その人間があらゆることで不利になるからな。クーリング・オフで解約した人間に直接的な嫌がらせをしたら、その販売所に言うか、そこでも、らちがあかんかったら、新聞社に通報という方法もある。

そうなると、その人間はまずい立場になるから、そういうことも、普通ならまずないことやと思う。もちろん、いろんな人間がおるから絶対とは言えんがな。

それに同じ大学やと言うても、学年も違うしそうそう頻繁に顔も付き合わすことはないやろ。新聞奨学生というのは、結構、大変で忙しく時間の余裕もないから、普通の大学生のように、何かのクラブやサークルに所属もしとらんと思う。

最後にこれだけは、分かっておいて貰いたいのやが、多くの新聞新聞奨学生は真面目な人が多い。働いて自力で大学へ行こうという者ばかりやからな。せやから、この人間を見て、その他の新聞奨学生も同じやとは思わんといて欲しいということや。

このサイトにも、いろいろ協力してくれとる立派な志を持った新聞奨学生も数人おられる。あんたに興味があればやが『新聞勧誘・拡張ショート・ショート・短編集 第5話 新聞奨学生マタやんの憂鬱』を見て貰えば、多少はワシの言いたいことも分かって貰えると思う。

ワシからの情報とアドバイスは、こんなもんやが、どうするかを決めるのはあんたや。自分で決断するしかない。人にアドバイスを聞くというのは、そういうことやからな。言う通りにすることとは違う。

この場合、どちらの決断をしても、それは間違ったことやないとだけは言っておく。但し、のんびりとだけはせん方がええ。

もっとも、その決断でまたトラブルようやったら、その時には、このサイトに再度、相談してくれれば、状況に合わせたアドバイスはするつもりやけどな。


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