新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.890 民事訴訟と揉め事の対処法の違い
投稿者 班長さん 投稿日時 2010.4.22 PM 4:00
債務不履行で調べていてこのサイトを知りました。大変興味深いことばかりで、連日バックナンバーを拝見しております。
ここで少し気になった点(悪い意味ではありません)がありましたので(失礼ながら新聞とは離れてしまうのですが)ご意見をお伺いできればと思いメールを出させていただきました。
▼NO.712 この場合は解約できるでしょうか?
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-712.html
こちらの相談で、民事裁判の場合の心構えについて、
ここで、ポイントなのは、相手方に理解を示すような発言をする必要は微塵もないということや。訴えるという行為自体が喧嘩を仕掛けているわけやさかいな。せやから、そんなことまでもと思うような事でも、相手の落ち度は徹底的に言うという姿勢が必要になる。
と述べられておられます。
しかし、以前のどのQ&Aかは失念してしまったのですが「問題があったときは賢い人ほど相手の話に合わせて、納得させたような形にして、実際は自分の求める結果を得る」という文章があったように覚えています。
これは通常の揉め事の場合と、民事訴訟の対応の仕方はまるっきり違うということなのでしょうか?
実は民事訴訟をこの先予定しているのですが、バックナンバーを読んで「そうか、相手の話に終始、合わせたほうが得策なのだな」とこの記事(NO.712)を読むまでは思っていたのですが、ちょっと混乱してきています。
お忙しいこととは思いますしQ&Aの趣旨とも外れてしまうと思うのですが、なにとぞ、民事訴訟の場合の心構えというのでしょうか、大切な点をご教示願えれば助かります。
お時間のある時で構いませんし、趣旨から外れていると思われるなら無視していただいて構いません。どうぞよろしくお願いいたします。
回答者 ゲン
あんたの質問の回答をする前に、はっきりさせとかなあかんことがある。
それは、『しかし、以前のどのQ&Aかは失念してしまったのですが「問題があったときは賢い人ほど相手の話に合わせて、納得させたような形にして、実際は自分の求める結果を得る」という文章があったように覚えています』ということについてや。
Q&Aも、あんたへの回答で890にもなるから、ワシらですら、どこに何が書いてあるか分からんというのは否定するつもりはない。途方もない文書量やさかいな。
最近、二人とも歳のせいか物忘れが一段と激しくなったというのは確かや。耄碌(もうろく)してきたと言われれば返す言葉もない。
それでも、自らが吐いた言葉には、それなりの責任を持っとるつもりやから、それを言うたか、どうかくらいは分かる。あるいは、言いそうなことか、どうかくらいはな。
それからしても、『問題があったときは賢い人ほど相手の話に合わせて、納得させたような形にして、実際は自分の求める結果を得る』というのは、ワシは言うた覚えもないし、言いそうな言葉でもハカセが書きそうな文章でもないと思う。
ハカセも気になり、調べてみたが該当しそうな文章は見当たらんかったという。
もっとも、890もあるQ&Aをすべて確認したわけやないがな。そんなことをすれば、それだけでかなりの日数を要することになる。
そんな面倒なことをせずとも簡単に分かる方法がある。
幸いというか、インターネットというのは良くしたもので、文章そのものをコピーして、それをヤフージャパンなどで検索すれば、その目的のページが表示され、すぐ分かるようになっている。
試しに、サイトのQ&Aのどの部分のどの文章でもええから、そうして調べて頂ければ、たいていはその検索結果のトップ、もしくは上位で、そのページが表示されるというのが分かって貰えるはずや。
長ければ長い文章ほど、それが言える。また、文章そのものが合致していなくとも、類似のキーワードが含まれていれば、それだけでヒットする確率が高くなる。
それで調べても『問題があったときは賢い人ほど相手の話に合わせて、納得させたような形にして、実際は自分の求める結果を得る』という文章そのもの、あるいは類似の文章は当Q&Aのページではヒットせんかった。
自慢するわけやないが、当サイトは、ヤフージャパンでは格別の扱いを受けているさかい、それでヒットせんものは「ない」と断じてええと思う。
ただ、あんたも『以前のどのQ&Aかは失念してしまったのですが』と言われておられるように、うろ覚えで覚えておられ、別の文章を、そう勘違いされて思い込まれた可能性はある。
また、そういったニュアンスで捉えられていたというのも十分考えられる。ただ、そうなると、そのQ&Aのページが分からん限り、あんたの感じられたニュアンスの文章を探すというのは難しいと言うしかない。
別に、これはあんたを責めて言うてるわけやない。数多く読まれていればいるほど、どこに何が書いてあったかというようなことを覚えてないというのは当たり前やさかいな。
ただ、それが分かってないと、その後の『バックナンバーを読んで「そうか、相手の話に終始、合わせたほうが得策なのだな」とこの記事(NO.712)を読むまでは思っていたのですが、ちょっと混乱してきています』ということに対して、適確なアドバイスをができんさかい、正直、ワシらも困っとるわけや。
はっきり言うて、『相手の話に終始、合わせたほうが得策』というようなことを、ワシは考えたことすらないさかい、そんなことを言うはずがないと、よけいそういう気になる。
揉め事で相手のペースに合わせて、最終的にこちらのペースに引きずり込むというような「神業的」なアドバイスをするのはワシには無理やで。
そんな便利な方法があるのなら、ワシが知りたいくらいや。
「相手の話に合わせたフリをして、その裏をかいて主導権を握る」というようなことなら考えつくし、言うかも知れんがな。
ちなみに「相手の話に合わせたフリをして、その裏をかいて主導権を握る」という文章でも検索にはヒットせんから、それもないということになる。
これが、「ああ、それなら、いつも言うてることやから、こうや」と言えるものやったらええのやけど、ワシらにその覚えも、言いそうもないというのでは回答のしようがないわけや。
ただ、そうは言うても、せっかくの相談を、ほっとくこともできんので、ワシらなりに類似した内容の文章というのを探してみた。
近そうなのは、
NO.158 販売店主の事件を故意に隠蔽する行為と不誠実な対応について より
ワシは、その場におったわけやないから、その状況は当事者しか分からんが、トラブルの現場には過去、幾度となく立ち会った経験から言うと、どんな揉め事も、僅かでも相手の立場を考えた言動をすれば、ほとんが避けられるはずやというのが、ワシの持論や。
揉め事というのは、お互いが自分の立場でしか主張せんし、考えんから起きることやと思う。どんなに自分の立場が正当に思えようとも、相手にも一分の理があるのやないかと考えた言動をするのが、大人の対応やと思うし賢い人間のすることやと考える。
NO.258 解約したいので…… より
交渉事は自分の立場だけを主張したら、成るものもならん。相手の立場も考慮し、そして、お互い泣く、損をするということを前提に話し合えば、必ず落としどころというのは見つかるはずやと思う。
NO.636 内覧会での契約です より
どんな揉め事でもそうやが、相手の言い分を一切否定して、こちらの正当性を押し通すだけやと相手は素直に納得できず、話がこじれやすくなるもんや。
ワシの経験から言うて、こういうケースでは相手にどうするか選択させるという方法が一番ええと思う。
と、Q&Aでは、これくらいしか見当たらんかった。他にも、まだまだあるとは思うがな。
ただ、Q&A以外では、
新聞拡張員ゲンさんの裏話 第8回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 より
相手が切れる人間やと分かって、それに対抗しようと意気込むようでは、相手の上を行くことは出来ん。上を行くつもりなら、敢えてアホを演じることや。
自分を切れる賢い人間やと自惚れとる奴は、アホやと思うた者を馬鹿にする癖がある。相手を見下すか馬鹿にしたら必ず隙が出来るもんや。そういうタイプの弱点やな。本当の知恵者はそこをつく。
というのもあった。
この中に、あんたの言われることに近いものがあれば、ええのやが、それ以外で何かあるのなら、やはり、それを教えて貰わんことには、ワシらではこれ以上は思いつかんし、探すことはできん。
あんたが『そうか、相手の話に終始、合わせたほうが得策なのだな』と思われたとすれば、それはワシらの記述のまずさからくる誤解によるもので、その責任が大やとは思うが、ここで改めて、それは違うと言うとく。
そんなことはないと。
ここからは、上記の引用が、あんたの思いどおりのもの、あるいはそれに近いものとして、あんたの質問の続きに答えたいと思う。
これらの引用例は、いずれも、大きな揉め事に発展する前の交渉事を有利に導くための方法論であって、本格的な争いになった場合は、また別の対応が必要になる。
つまり、『これは通常の揉め事の場合と、民事訴訟の対応の仕方はまるっきり違うということなのでしょうか?』というあんたの質問の答えは、「イエス」になるということや。
揉め事なら、まだ話し合いで解決がつく可能性が残されている。しかし、裁判になれば、勝つか負けるかでしか決着のつけようがない。
あんたは、『実は民事訴訟をこの先予定しているのですが』ということで、それがまだ話し合いで解決のつくことなら、そうした方が賢いと言うとく。
裁判に持ち込むというのは、話し合いでは解決のつかん、どうしようもない最後の手段と考えといた方がええと。
それで例え勝ったとしても、民事の場合、得られるものは金銭や名誉といった程度のもので、相手と仲直りができるというようなことは期待するべきやない。お互いの人間関係も確実に悪化する。
勝っても負けても、そこから生まれるのは怨嗟(えんさ)や蟠(わだかま)りでしかないのが普通やさかいな。
裁判は勝つことがすべてで、負けた者には何も残らん。せやから、そのためには、どんなに卑劣と思われる手段であろうと、法律で許される範囲内なら迷わず使うというくらいの覚悟が必要になる。
まさしく、『ここで、ポイントなのは、相手方に理解を示すような発言をする必要は微塵もないということや。訴えるという行為自体が喧嘩を仕掛けているわけやさかいな。せやから、そんなことまでもと思うような事でも、相手の落ち度は徹底的に言うという姿勢が必要になる』とワシが言うてるとおりの心構えが必要になるわけや。
単なる揉め事の延長線上が「裁判」やと軽く考えとると、必ず足下をすくわれる。当たり前やが、訴えられた相手も自身を守るためには必死になって闘うさかいな。
そこに弁護士などが加われば、彼らはそれが仕事やから、それこそ勝つためには何でもしてくる。その覚悟がなかったら裁判なんかは最初(はな)からせんことや。
『なにとぞ、民事訴訟の場合の心構えというのでしょうか、大切な点をご教示願えれば助かります』ということなら、あんたが示した以外にも関連したページあるから、それを紹介しとく。
▼『NO.35 契約内容が新聞販売店から変更されたので解約したい』
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-35.html
▼第113回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■民事裁判への考え方
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-113.html
それらの中に、あんたの望む答えがあるのやないかと思う。
ワシは過去、幾度か、民事裁判の法廷に立った経験があるから、ある程度のことは分かるつもりやさかい、それらを読まれて疑問があれば、また質問されたらええ。答えられる範囲で答えさせて頂くので。
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