新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.897 まだ契約期間が何年もあるのですが、すんなり解約してもらえるでしょうか?


投稿者 himawari さん  投稿日時 2010.5.16 PM 0:13


はじめまして。よろしくお願いします。

我が家は、もう30年近くA新聞を購読してきました。

時々、他新聞を購読したことがあったのですが、他新聞の購読の契約をすると、情報が入るのか、すぐ我が家にきて、他新聞の契約期間の後にA新聞の契約を入れてしまい、「そんな先まで契約できない」と言っても、「大丈夫、もし他の新聞とダブったり、困ることがあれば、すぐ変更できるから・・・」とか「我が家がずっと取れるか分からない」と言っても、「その時はあきらめるから・・・」と言って勝手に契約書の期間に丸をつけていました。

私も、ずっと新聞を読むのが当たり前のように思っていたので、納得してなくても仕方なく契約を承諾していました。が、今年、主人が定年になり、お給料がいきなり減ってしまい生活が苦しくなり、主人に、もう新聞を取らなくていいよ、と言われました。

まだ契約期間が何年もあるのですが、すんなり解約してもらえるでしょうか?


回答者 ゲン


『今年、主人が定年になり、お給料がいきなり減ってしまい生活が苦しくなり』という、ご事情はよく分かるし気の毒やとは思うが、残念ながら、それは、そちら側の都合、自己事由ということになり、法的な契約の解除理由にはなりにくいと知っておいてほしい。

普通に考えて『主人が定年になり、お給料がいきなり減ってしまい生活が苦しくなり』といったようなことは相当前から、少なくとも契約時には予見できたと考えられることやさかいな。

突発的に、そうなったということではないと。

したがって、『まだ契約期間が何年もあるのですが、すんなり解約してもらえるでしょうか?』というのは、普通では難しいケースが多いと覚悟されておいた方がええ。

ただ、あんたの場合は、その契約時、「我が家がずっと取れるか分からない」と伝えていて、その販売店の人間が「その時はあきらめるから・・・」と言うたというのであれば、そのことを突きつけれたら、あるいはその販売店次第では簡単に解約に応じるかも知れん。

まあ、たいていの場合、特にここに届く似たような相談では、そう言うたというのを認める販売店の方が少ないがな。「そんなことは言うた覚えはない」とシラを切るケースが大半や。

それで揉める。

そうなると、水掛け論になり、とことん争ってでも解約を勝ち取るか、解約違約金などを支払って和解した上で契約解除をするか、あきらめてそのまま、その講読を続けるということになる。

ただ、それらのことを決める前に、まず、あんたの意向をその販売店に伝えて、どういう反応があるか確かめる必要があると思う。

その販売店が、どう出るかで、その対処が大きく違うてくるさかいな。

その前に、何らかの情報がほしいと言うのなら、『まだ契約期間が何年もあるのです』というのが、どういった内容のものか、その際、貰ったサービス品などにはどんなものがあったのかという詳しい情報を教えてほしい。

せやないと、どうアドバイスしてええのか困るさかいな。

また、単に解約したいと言うても、あんたがどの程度のリスクを考えておられるかというのもある。

今の状態で一つ確かなことは、解約する際には、どういった決着がつこうと、その契約時に貰った品物、あるいは受けたサービスはすべて返還せなあかんということや。

これは、民法545条の原状回復義務でそう規定されている。

よく問題になるのが、長期契約の場合、半年とか1年くらい「無料サービス期間」で新聞代がタダになっとるというケースやが、その場合、あんたの方から契約解除を申し入れるのなら、通常はその分の新聞代の支払いが発生するということになる。

また、一般的に長期間の契約に対しては、かなり高価なサービス品を貰っとるのが普通やから、その返還分というのもある。

計算されたらすぐ分かるが、それらは結構な金額になる場合が多い。

その「無料サービス期間」分の新聞、またはサービス品は、その契約を全うすることによるサービスなわけで、その契約、つまり約束が守れないわけやから、それらはすべてを返さなあかんという理屈になり、それから逃れるのは難しいということや。

さらに、その上で、確約違約金が別途必要になる場合もあるから、相当な出費を覚悟せなあかんケースも考えられる。

もっとも、それらは、その相手の販売店の出方次第でも大きく違うてはくるがな。

事前に予備知識として知りたいのなら、その残りの契約期間とすでに受け取ったサービスの内容を教えて頂ければ、それに沿った予測の回答はできると思う。

あるいは、解約の意志を伝えて、その販売店の出方を教えて頂いても、その対処法をアドバイスすることは可能や。

ただ、いずれにしても、何のリスクもなく解約することは無理やと言うとく。それなりの出費が伴うと。

これは、あんたの方が苦しいのと同じように、相手の販売店もその契約を打ち切られることで、すでに渡したサービス品を回収できなければ大損になるし、その契約期間に得られたはずの利益もフイになり困ると考えれば理解して頂けるものと思う。

そのあたりのことを良う考えて、どうされるか判断してほしい。その上で詳しい契約内容と共に再度、相談してこられたら、それに沿ったアドバイスができるものと思う。


書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでも選集』好評販売中


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


Q&A 目次へ                                 ホーム