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NO.904 販売店が一方的に契約を終了させるなんて許されることなのですか?
投稿者 許せないさん 投稿日時 2010.5.29 PM 8:02
前回、NO.892の相談では書き足りていない部分がありまして申し訳ございません。
今までは契約書も無く何のサービスも無かったので、昨年夏に交渉してからはある程度のサービスを受けられることになったと書きましたが、その時にはキチンと契約書を交わしました。
そこに21年8月から5年契約で、土日スポーツ新聞サービスとか映画チケット年3回(4月、8月、12月)とかハッキリと書かれているのです。
もちろんその時は他の新聞販売店からもサービスの内容を聞き、その上で現在の新聞を継続することに決めた経緯があります。
ところが2月に販売店担当者が家に来た際、「5月からは販促用のスポーツ新聞がほとんど入らなくなる予定だから、5月から土日のスポーツ新聞はもう入れられません」と言われました。
「でも契約書にはハッキリ書かれているし、それを出来ないなんて一方的に言われても困る、だったらそれに代わるサービスをしてもらえるのか?」と告げたところ、「出来ません。でも4月初めにはハッキリとわかるので、その時に必ず説明しに来ます。」と言うのでそれを待っていました。
ここで一つ疑問が湧き、販促用のスポーツ新聞が今は1日80部ほど入ってきて、それをサービスで配っているという話をされたのですが、だったら私が数年前まで10年以上も、毎月毎月スポーツ新聞代として正規の新聞代プラス1000円前後支払っていたお金は一体どこへ入っていたのか? という疑問が湧いたのです。
それも4月初めに家へ来たら説明を聞こうと思っていたのに全く来ず(@)、さらに契約条件だった映画チケットも持って来ず(A)、新聞は雨で水浸しにされ(B)、さらに数ヶ月前にも言っていた朝刊配達のバイクの騒音がひどい(発車時の加速で思い切りフカす)という問題もほとんど改善されていない(C)というクレームが重なり、新聞社本社へこの4点をメールしたわけです。
すると1時間ほどしてから先のメールのとおり「切れって言われたんで切ります〜」と言う男が家に来ました。
その際の男の対応がこちらをバカにした対応であまりにひどすぎるので、再度Y新聞本社へその男の対応のひどさと、こちらには何も落ち度がなく販売店が再三ミスばかりするのを指摘したら「切る」っていうのはどういうことなのか、という内容のクレームメールを入れました。
翌日、Y新聞本社からも、もちろん販売店からも何も連絡はなく、新聞だけはきっちりストップされていたので、母親が販売店に電話したところ「もう切りましたんで」という回答です。
そこでY新聞本社へ電話を入れると、「本日は日曜日で担当社員がみな休みなのですが、明日月曜日に必ず伝えておきます。販売店には2通ともFAXしておきました。」と回答をもらいましたが、基本的には販売店からの対応になるので販売店の責任者から連絡させる、とのことでした。
が、もちろん販売店からは何も連絡はありません。
当然、月曜日も新聞は一方的に停められたままです。先に申しましたようにお金はすでに引き落とされているのですが。
Y新聞本社の人に電話した時「切ってもいいと指示をしたのは本社の人ですか?」と聞いたところ、「本社では絶対にそんなことは言いません。」とも言われました。
余談になりますが、以前から苦情の電話を入れても不在等で通じないことも多かったので、Y新聞社本社へ直接メールで連絡したことが今までに2度あり、その時に販売店担当者から言われたのが「今後こういったことがあったら販売店へ直接電話してください。本社へ連絡されると私が罰金3000円を取られるんです。」という言葉でした。
そんなことを客にお願いするのもどうなのかと思いつつ、私もその担当者個人に恨みは無かったので、「罰金を取られるのは確かに気の毒だし申し訳ない気もするけど、直接販売店に電話をするようにって言う前に、そもそもこんな頻繁にミスをしないようにするのが先なのでは?」と言ったことがありました。
こういった経緯も含めて、私は販売店にとって鬱陶しい客だったのだろうとは思いますが、私の落ち度で販売店に迷惑をかけた訳でもなく、これだけ再三のクレームに至ったのは販売店の不手際によるもので間違いありません。
本来なら私もクレームなんて言いたくないし、双方が同意した契約を契約書の通りに履行してもらって、普通に新聞や広告を毎日読めたらそれで良かったのですが、販売店の度重なるミス(故意の嫌がらせかもしれませんが)で私が渋々その都度クレームを入れ、それが鬱陶(うっとう)しいからと言って一方的に品物の提供を放棄したり、今回のように「切る」とか言われてお金を払っている期間の新聞まで一方的に止められたりするという対応に、さすがに怒りを通り越して呆れてしまっています。
母親は「50年もずっと取り続けてきて、ウチは何も悪いことをしてないのになんでこんな仕打ちを受けないといけないの?」と泣いていました。
長くなりましたがゲンさんに再度相談させてください。
上記のように昨年8月からは契約書も交わして、その中にサービスの条件もハッキリ書かれているのですが、それを一方的に終了させるなんて許されることなのですか?
それに代わるサービスを打診してきたなら話はわかりますが、それも出来ないなどと言われました。
ちなみに先のメールで書いた職場の同僚(昨年引っ越しをした)に聞くと、「今の条件は店にとって厳しいので、残りの契約期間だけはちゃんとサービスするが、それ以降はこの地域の実情にあったサービスに変更させて下さい。」と店から話があったそうです。
契約書を交わしているならその期間内はそれを履行するのが当然ですよね?
バックナンバーで見させていただいた「条件の変更事」については、それに見合う対処をすれば良いとのことなので、スポーツ新聞に代わるサービスを提示すれば良い、ということだと理解しているのですが、それもあっさり「出来ない」なんて回答は通用しないのではないでしょうか?
『契約書のない契約は、どちらか一方だけの意志次第で、いつでも解除できることになっとるさかいな。』というお言葉をいただきましたが、今回は契約書があるということは、解約には双方の同意が必要ということですよね?
「切る」などと言って一方的に新聞を止めたりする権利は店側には無いですよね?
『事、ここに至っては、新聞の購読継続というのはあきらめるしかないと考える。まあ、あんたにもその気は、もうないとは思うがな。』というお言葉は、確かにその通りですね。
こんな仕打ちを受けてまで購読を希望したいなんて思うほど愚かではありませんし、結果としてはそれでいいと考えています。
しかしここまでの嫌がらせを受け続けてきたのも、「切れって言われたんで切ります〜」と言う男を家によこしたのも、こちらがキレて「解約する!」と言わせるためだと思うのです。
だからそれに乗るのは絶対に嫌だという気持ちもあるのですが…。
ちなみに上記の男が家に来た時いきなり「本来だったら違約金を6ヶ月分もらわないといけませんけど、それも今回はサービスしときますんで〜」などとニヤケながら言われました。
男の言ってる意味が全く理解できず、ましてや解約なんて微塵も考えていない私に向かって、一方的に「切る」って言っておきながらそんなことを言われたんです。
だからもし解約するにしても、勝手に新聞を停められた分の新聞代はもちろん請求しますし、本来持ってくるはずの映画チケットも契約どおり持ってこさせようと思っています。
違約金6ヶ月分だなんてバカな話を持ち出されたので、逆にこちらがそれを請求しても良いのではないかとさえ考えています。
まずその前に販売店の責任者からの謝罪が必須なのは言うまでもありませんが…。
度々長文ばかりで申し訳ございません。お時間のある時で結構ですので、アドバイスいただけると幸いです。
回答者 ゲン
『昨年8月からは契約書も交わして、その中にサービスの条件もハッキリ書かれているのですが、それを一方的に終了させるなんて許されることなのですか?』ということなら、『NO.892 販売店の対応について質問があります』 での回答、アドバイスは違うものになる。
それは、『契約書等を一切交わすこともなくずっと取り続け』と言われていたことを前提に回答したものやからな。
『契約書のない契約は、どちらか一方だけの意志次第で、いつでも解除できることになっとるさかいな』と言うたわけやが、裏を返せば、そう簡単には勝手にできんということになる。
『「切る」などと言って一方的に新聞を止めたりする権利は店側には無いですよね?』というのも、当然にない。
少なくとも、それについての話し合いくらいはする必要がある。それをしてないというのは、道理を弁(わきま)えん販売店やと誹(そし)られても仕方ないと思う。
ただ、道理を弁(わきま)えん販売店に、いくらそれを望んでも詮(せん)ない話ではあるがな。
業者である販売店が、自己事由による途中解約を希望する購読者に対して、その後の売り上げの損失を補填するという意味で「解約違約金」を請求するという事例は、このQ&Aでも数多いが、『違約金6ヶ月分だなんてバカな話を持ち出されたので、逆にこちらがそれを請求しても良いのではないかとさえ考えています』とその逆をされたいというのは今回が初めてのケースや。
理論上はできるやろうという思いはあったが、実際にそういうことが可能なのか、この件に関して、サイトの開設当初から法律顧問をして頂いている法律家の今村英治先生に、そのあたりのご意見を伺った。
それを紹介する。
もちろん 双務契約ですから、原則的には対等の立場だとは思いますが、これはあくまでも原則論で、こうした場合に、業者側が「解約違約金」を支払う契約にはなっていないと思います。
従って、契約上当然に違約金を請求できるわけではないでしょう。
債務不履行について、契約上何の取り決めもない場合、民法に従い、履行遅滞となった場合の債権者が取りうる手段は次の通りです。
@現実的履行の強制
A損害賠償請求
B契約解除
現実論から申し上げますと、まずは契約を履行せよと請求しますよね。
でも販売店もへそを曲げていますから、配達はしないと思います。
次のステップとして、損害賠償を請求することになります。その際、購読していない分の支払い済分を返せとは言えるでしょうが、今後、その新聞を読まなかったことによる実損を計算して賠償請求するしかないのですが、これも聊(いささ)か無理があり、現実的ではないですよね。
というものやった。
@現実的履行(配達)の強制は要求できるが、その販売店が嫌と言う以上は難しいやろうし、裏から新聞社をつつくという手もなくはないが、「それは販売店の方とお話ください」と逃げられる可能性が大やと思う。
何より、あんたが『こんな仕打ちを受けてまで購読を希望したいなんて思うほど愚かではありませんし、結果としてはそれでいいと考えています』ということなら、その線は消えるわな。
問題は、A損害賠償請求で、『購読していない分の支払い済分の返却』は当然のこととして認められるやろうが、今村先生の話にもあったように、購読者の側から『今後、その新聞を読まなかったことによる実損』の請求は難しいと思う。
『本来持ってくるはずの映画チケットも契約どおり持ってこさせようと思っています』というのも同様やないやろうか。
正当な請求には違いないが、一方的に契約不履行を通告しとる販売店が、それに応じるとも思えんわな。
それを請求するには、民事での損害賠償訴訟ということになるが、素人さんではその損害賠償訴訟手続きを個人でするのは難しいやろうから、弁護士に依頼することになり、その費用が必要になる。
その弁護士次第でいろいろやが、良心的な弁護士でも民事訴訟費用は30万円程度はかかるというから、費用対効果という面では割に合わんと思う。
裁判費用は負けた方が負担するから、その弁護士費用も含まれると考える人がいると聞くが、それは違う。裁判で言う訴訟費用とは裁判所に申請する費用のことで、相手方の弁護士費用は含まれない。
つまり、勝とうが負けようが、その弁護士費用は必要になるということや。
加えて、今回はその裁判を起こしたとしても、それを勝ち取れるかどうか難しい事案だけに、ワシとすればそれを勧めることはできんな。
ただ、金銭とは関係なく無念な思いを晴らしたいというのなら別や。実際、実利のない損害賠償訴訟を起こすという人の大半はそれやさかいな。
訴えるのは国民の権利でもあるから、それを承知なら、そうされたらええ。止めるつもりはない。
B契約解除は、相手からの強制解除やから、議論の余地はないわな。
あんたが『私の落ち度で販売店に迷惑をかけた訳でもなく、これだけ再三のクレームに至ったのは販売店の不手際によるもので間違いありません』と言われるとおり、誰が見ても今回の非は、その販売店にあるのは歴然や。
『4月初めに家へ来たら説明を聞こうと思っていたのに全く来ず(@)』というのは、『4月初めにはハッキリとわかるので、その時に必ず説明しに来ます』と言いながら、その約束を守らんかったわけやな。
『さらに契約条件だった映画チケットも持って来ず(A)』、『新聞は雨で水浸しにされ(B)』、『さらに数ヶ月前にも言っていた朝刊配達のバイクの騒音がひどい(発車時の加速で思い切りフカす)という問題もほとんど改善されていない(C)』なども、ありがちなクレームや。
『以前から苦情の電話を入れても不在等で通じないことも多かったので、Y新聞社本社へ直接メールで連絡したことが今までに2度あり』ということで、新聞本社にそのクレームのメールを送ったというのも、当然と言えば当然なことや。
その責任の大半が、その販売店にあり、あんたには非がないという前提で言うのやが、世の中には、例え100%相手に非があろうと、それをそのままストレートにぶつける、あるいは指摘して責めると、それに反発する人間もいとるということを知っておいた方がええ。
いくら落ち度があっても、その言われ方に腹を立て喧嘩になるというのは珍しいことやないさかいな。というか、揉め事の大半は、その言い方が気にいらん、お前の態度が悪い、という、直接の原因とはかけ離れた些細なことから起きることが多いもんや。
物には言い方、接し方というのがあり、そのあたりの配慮に幾分かけていたきらいがあったのやないかと、あんたの話からは伺われる。
事実、あんたも、その販売店の人間の『「切れって言われたんで切ります〜」と言う男が家に来ました』、『その際の男の対応がこちらをバカにした対応であまりにひどすぎる』という態度に、腹を立て、ここまで怒っておられるのやと思う。
それと逆のことが、その販売店からするとあったのかも知れんという気はする。それが何かは、その販売店の人間に聞かんことには分からんがな。
クレームをつけるのはええ。そうするのは却って、相手の注意を促すことにもなり、親切にもなると思うとるさかいな。
ただ、あんたのように、それをストレートにぶつけて責めるだけやと、それに素直に従うことのできん人間がおるというのは知っておいてほしい。軋轢(あつれき)が生まれるだけやと。
正当であればあるほど、そのクレームは優しい口調、相手の立場を慮(おもんばか)った態度で接する方が効果的で実のある結果を得やすいと思う。
まあ、そうは言うても、ワシ自身、聖人君子やないから、あんたと同じような状態に置かれてたら怒るやろうし、それ以上のクレームをつけるかも知れんがな。
そんな事例は、このサイトには腐るほどある。せやから、これは多分に自戒の念を込めて言うてることやと理解してほしい。
それでもそうした方が賢いと。
それに、これは、その実際の現場でのやり取りを見ているわけでもなく、あんたの文面から受けるワシの印象にすぎんから、「それは違う」と言われれば、「そうですか」と言うしかないがな。
それにしても、何度も言うが、その販売店の程度が悪いのは否めん事実やと思う。
例え何があろうと、客に対してそういう態度、接し方をするべきやないわな。その点は責められてしかるべきや。
せっかくやから、他の疑問についても言うとく。
『ここで一つ疑問が湧き、販促用のスポーツ新聞が今は1日80部ほど入ってきて、それをサービスで配っているという話をされたのですが、だったら私が数年前まで10年以上も、毎月毎月スポーツ新聞代として正規の新聞代プラス1000円前後支払っていたお金は一体どこへ入っていたのか? という疑問が湧いたのです』
ということやが、『数年前まで10年以上も、毎月毎月スポーツ新聞代として正規の新聞代プラス1000円前後支払っていたお金は一体どこへ入っていたのか?』というのは、単に土日のスポーツ紙の新聞代をそのまま請求していただけで、スポーツ紙130円×土日、9日ないし10日分が1000円やったということでな。
それが今は『販促用のスポーツ新聞が今は1日80部ほど入ってきて、それをサービスで配っている』というだけのことにすぎんのやと思う。
これはこれで別におかしな話やないと考えるがな。特にサービスというのは、新聞に限らず、どんな業種でも、その時々によって違うのは、当たり前と言えば当たり前やさかいな。
『ちなみに先のメールで書いた職場の同僚(昨年引っ越しをした)に聞くと、「今の条件は店にとって厳しいので、残りの契約期間だけはちゃんとサービスするが、それ以降はこの地域の実情にあったサービスに変更させて下さい。」と店から話があったそうです』
これは、現在、全国的に新聞販売店のサービスの縮小、業界では「正常化の流れ」と呼ばれとるものやが、それが声高に叫ばれていて、サービスのしずらい状況になっているのは確かや。
しかし、そうは言うても、その販売店のように、契約途中でいきなり、そのサービスを切るというのは、あんたのようにトラブルを招く元になるということで、たいていはその契約が満了するまでは、そのままのサービスを継続しとるということや。
せやから、同僚の方が講読しとる販売店が一般的で普通の対応とされとるわけや。
しかし、それについては統一された決まりは特に何もないから、その販売店それぞれで独自に判断しとるのやろうと思う。
どんなことでも、そのシステムの変革期、過渡期にはよくあることやが、それは客であるあんたには関係のない話やわな。
あんたには、まことに気の毒な話やが、その販売店次第で対応が普通とは違うということやったわけや。
『まずその前に販売店の責任者からの謝罪が必須なのは言うまでもありませんが…』というのは、それを要求するのはええ。
しかし、それに応じん相手ならどうしようもないというのも、また事実や。
表現が適切かどうかは分からんが、例え凶悪な殺人事件を犯した犯人にさえ、「謝罪しろ」とは、裁判所の裁判官ですら命じることができんわけやしな。
謝罪というのは、あくまでもその相手の気持ち次第で何人(なんびと)も強制のできることやないさかいな。その気のない人間にそれを求めても無駄やということや。
最後に、もし、その販売店の人間が、このページを見ていたら、おそらく自分のこと、自分の店のことを言われとるのが分かるやろうと思う。
同時に、それに対してクレームをつけても、また新聞社に通報されるだけで、ヤブヘビになるということもな。
このワシの回答で、あんたがどういう行動を起こされるかは自由や。それについて、ええとも悪いともワシには言えん。
「許せない」というあんたの無念、思いの深さは想像はできても実感はできんさかいな。
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