新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.905 口頭での解約手続きについて


投稿者 A.Sさん  投稿日時 2010.5.28 PM 11:28


去年7月からA新聞を2年間の契約で購読していました。

しかし、雨の日に濡れて読めない新聞が何度か届いて、その旨を販売店に伝えたところ改善されたのですが、ここ2、3カ月の間に何度かポストから新聞が飛び出し落ちていて、雨上がりの時は全く読めたものではありませんでした。

そして2日前に集金の方が来たのでその旨を伝えて、何気に「途中で解約できるんでしょうか?」と尋ねたら「大丈夫です。じゃあ今月末で」と向こうから提案してくれました。

一応景品などもいただいてると伝えたら「それでも大丈夫」と言ってくれました。

その時、特に景品の内容なども聞かれなかったので答えませんでした。

景品の内容は商品券24000円と洗剤、ビールだったと思います。(すみません。話が片付いたと思って契約書は捨ててしまいました。)

そして今日になって別の方が訪問してきて契約が残っているのでなんとか続けてほしいと言ってきました。

でも、うちとしても急に今月末と言われたので昨日に別の新聞業者と契約してしまったので無理だと断りましたが、どうしてもの一点張りでした。

何度か同じような押し問答をしているうちに向こうから契約時に渡した商品券24000円分全額返せと言ってきました。

集金の方に「大丈夫です」と言われている以上、返す必要はないと思っています。(しかもほぼ1年購読してきたし)それに配達時のずさんさも伝えたら「改善させます」とは言ったものの謝罪は一切なかったので余計に腹立たしくなりました。

はっきり集金の方の教育不足だとも言いました。自分で判断できないことなら「販売所に帰って相談します」とでも言えたはずだと思います。

販売店にしてみれば集金の方が勝手に取った行動かもしれませんが、うちにしてみれば関係のないことです。

その販売店の方として集金に来ているのですからたとえ口頭での解約手続きであっても大丈夫だと思っていますが、実際のところはどうなるんでしょうか?


回答者 ゲン


あんたの言われるように『そして2日前に集金の方が来たのでその旨を伝えて、何気に「途中で解約できるんでしょうか?」と尋ねたら「大丈夫です。じゃあ今月末で」と向こうから提案してくれました』、『一応景品などもいただいてると伝えたら「それでも大丈夫」と言ってくれました』といったやり取りがあれば、それですべて成立したと考えられるのも無理はないと思う。

『その販売店の方として集金に来ているのですからたとえ口頭での解約手続きであっても大丈夫だと思っています』というのも、それなりに筋の通った言い分に聞こえる。

しかし、あんたにとっては面白くない話かも知れんが、残念ながら、このケースでは、法律的にはあんたの言い分が通る可能性は極めて低いと思う。

一般的に、商行為としての契約は書面により有効なものになるという大原則がある。となれば、その途中解約も書面でのやり取りがあって初めて成立するものと考えられるという理屈になるわけや。

この場合、「解約済み、サービス品の返還は不要」とでも書いた書面を貰っていれば、あんたの方が圧倒的に有利にはなっていたがな。

あるいは、契約時の景品の返還が終了していれば、その時点を以て、解約が成立したと見なされるということはある。

ワシは、このQ&Aにおいて、このような「任意解約」が成立したと考えられる場合には、必ず、その契約書のどこかに「解約済み」と書いて貰うようにとアドバイスしとるし、貰った景品は返しておいた方がええと常に言うとる。

それでないと、あんたのケースのように「解約にはなっていない」と後で撤回された場合、それに対抗するのが難しくなるケースが多いということでな。

口頭でのそれは形の上では何も決まってないことにされやすいわけや。

ただ、口頭での相手が、その販売店の責任者クラス、地域責任者、店長、経営者というのなら話は違うてくる。責任者の言った言葉は重いさかいな。もっとも、その場合なら、こんな揉め事にはなってないやろうがな。

その集金人が、そのいずれかの人間やと言うのなら、別やが、そうでなければ、あんたの言うように『はっきり集金の方の教育不足だとも言いました。自分で判断できないことなら「販売所に帰って相談します」とでも言えたはずだと思います』ということで、終わってしまう。

権限のない人間との口頭での約束事には何の効力もないというのが、一般的な法律の判断とされやすい。それを確定させとくためには、書面での確認をしとくべきやったということになるわけや。

酷な話かも知れんが、それを怠った責任の一端は、あんたにもあるということになる。

今回の場合、結局、解約自体は、その販売店も認めたと考えられるから、その販売店も折れるところは折れとるということになる。

問題は、景品の返還についてということやな。

途中解約の場合、契約時に貰った景品の返還義務があるということについては、あんたも知っておられたようや。

そのために、『一応景品などもいただいてると伝えた』のやろうしな。それを、その集金人はその景品を返還しなくても『大丈夫』という意味でそう言うたわけや。少なくとも、あんたは、そう受け取った。

しかし、その景品の返還請求権は、その販売店にしかない。その集金人に、その決定権がなければ、『その販売店の方として集金に来ているのですから』という、あんたの言い分がいくら正しく思えても法律上は通用しにくいと考えられる。

法律的には、その景品の返還請求が正式にあれば、それに応じるしかないやろうと思う。

ただ、そんな集金人を寄越したという販売店の落ち度を突くことはできる。

法律云々は別にして、確かにあんたの言うように、その集金人に対してちゃんと教育してなかったという落ち度は販売店にあるわけやさかいな。

あんたの話を聞く限り、その販売店もまったく話の分からん相手でもなさそうやから、そこは交渉次第で決着がつくという気がするけどな。

例えば、その契約時に貰った景品が『商品券24000円と洗剤、ビールだったと思います』ということなら、それを実際に講読した契約期間に応じた配分で返還要求に応じるといった具合やな。

具体的には、ほぼ半分の返還で済ますということになる。落としどころとしては悪くはないと考えるがな。

今回のケースでは、その解約そのものは、景品の返還請求だけで済んどるわけやから、あんたとしても、それほど悪い結果やないと思う。

もっとも、そういうのは納得できんということであれば、とことん争うという手もあるが、出るところへ出た場合は、気の毒やが、あんたの方が弱いやろうと言うとく。

契約事においては口頭のみのやり取り、約束だけでは弱いさかいな。

ワシからのアドバイスとしたら、そんなところやが、どうされるかは、良う考えて決められたらええ。


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