新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.908 主人の名前でサインした新聞の契約は有効でしょうか?


投稿者 sankiさん  投稿日時 2010.5.31 AM 11:01 


はじめまして。

私が主人の名前でサインした新聞の契約は有効でしょうか?

主人がこの新聞をやめたいというので、景品をお返しして解約できますか?

もうひとつ、契約日は2009年7月なのに期間を書かずに、2年間を丸(○)してあります。

しかし、販売店では2010年の4月からの二年間と書いています。

いくらなんでも9が月以後の契約を結ぶことがなく、あくまで、契約日からの契約の気持ちでしたが。

とっても困っています、

お返信をよろしくお願いいたします!


回答者 ゲン


『私が主人の名前でサインした新聞の契約は有効でしょうか?』ということやが、民法第761条に夫婦相互の代理権(日常の家事に関する債務の連帯責任)というのがある。

夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責に任ずる。

というものや。

つまり、普通の日常生活に関する債務については、夫婦どちらか一方だけが契約したものであっても、夫婦双方にその責任が生じるという法律なわけや。

但し、最高裁の判例において、不動産やアクセサリー類、高級外出服などの贅沢品などの購入に関してはこの法律の適用外とされとるケースは多いがな。

ただ、新聞購読契約の場合、この法律で争われたことがなく、その判例がまだないから確定的なことは言えんが、新聞というのは日常生活の範囲内のものと考えられるので、まず間違いなく、この法律が適用されるものと思われる。

少なくとも、このQ&Aでは、その前提で回答やアドバイスをしとるさかいな。

つまり、奥さんであるあんたが、ご主人の名前で契約した新聞購読契約は有効になる可能性が高いということや。

『契約日は2009年7月なのに期間を書かずに、2年間を丸(○)してあります』というのは、この業界の契約にはありがちなことではある。

『期間を書かず』というのには多少問題はあっても、契約日の『2009年7月』の時点で、4月から2年間を丸(チェック)してあれば、それは翌年の2010年の4月から2年間の契約と解されるから、まず問題なく有効と判断されるはずや。

『期間を書かず』と言うておられながら、『販売店では2010年の4月からの二年間と書いています』という記述をされた意味が、もう一つ分かりにくいが、それが書かれていて普通ということにはなるがな。

これが、あんたが持っている控えの方の契約書には、その契約期間が書かれてなく、販売店の契約書のみに『販売店では2010年の4月からの二年間と書いています』ということなら、問題が生じる場合も考えられるが、普通は、契約の成立した販売店が悪意を持ってそうするというのは考えにくい。

もっとも、例えそうであっても、第三者にその契約が『2010年の4月からの二年間』というのは分かるから、それの記述のあるなし程度のことくらいでは大きな問題にはならんやろうと考える。

それによって契約者に不利に働くということでもないと思うしな。

もっとも、厳密に言えば、その場合でも、その訂正を契約者である、あんたには知らせなあかんとは思うがな。

道義的にはそういうことになるが、法律に照らして不法とまでは言えんやろうと思う。あんたの話からも、その契約時にその販売店の勧誘員による不法行為があったとも思えんさかいな。

『いくらなんでも9が月以後の契約を結ぶことがなく、あくまで、契約日からの契約の気持ちでしたが』というのは、その契約時のやり取りが分からんから何とも言えんが、これもこの業界でよくある「先付け契約」というものや。

もし、あんたが本当に『契約日からの契約』だと思われていたのやったら、そのときには新聞の配達がなかったわけやから、「なぜ新聞を入れないのですか」とクレームをつけてなかったのやろうか。

普通は、そういうことになったら怒ってそう言うてたはずやと思うがな。

また、『2010年の4月からの二年間』という契約どおりに、その販売店がしていたら、新聞の配達は今年の4月から始まっていたはずやから、なぜそのときに、そのクレームを伝えてなかったのやろうか。

申し訳ないが、今回寄せられた、あんたからの相談内容には、かなりの矛盾点があるとしかワシには思えんのやけどな。

少なくとも、その販売店の非が見つかりそうもない。当然やが、非のない相手に、その責任を問うのは難しいと思う。

したがって、その契約は有効なものと判断されるから、『2010年の4月からの二年間』の契約には従うしかないやろうというのが、ワシの回答ということになる。

『主人がこの新聞をやめたいというので、景品をお返しして解約できますか?』ということやが、その販売店の対応次第という側面はあるが、このケースでは、あんたの側の『自己事由』による解約依頼ということで、ペナルティ覚悟であれば不可能なことでもないと思う。

その場合は、その販売店とは話し合って決めるしかないとされとる。

その販売店にその契約の解除を拒否された場合は難しくなるが、こういった場合、貰った景品を返した上で、残りの契約期間に対するペナルティとしての解約違約金を支払って解約になる場合が多く、話し合いによる契約解除を希望するのなら、その線でその販売店の了解を得るしかないやろうと思う。

一般的に新聞の購読契約など契約のうちには入らんと考えておられる、あるいは勘違いされておられる人も多いが、それは違うと言うとく。

新聞の購読契約は法的にも認められ保護されるものやと。その解除には正当な理由がなければ難しいし、解約違約金などの出費を覚悟せなあかんということやと。

これは何も新聞の購読契約だけに限ったことではなく、携帯電話の契約や学習塾の契約、また旅行の契約など、あらゆる契約に共通するものやと理解してほしいと思う。

解約違約金の額については、この業界での決まりというものは一切なく、それは販売店と契約者との間で話し合って決めるしかない。

販売店の中には、その解約違約金を請求せん所もあるから、正しくは「新聞を解約したい」と伝えてからしか、それは分からんと思う。

せやから、まずは、そう伝えて、販売店と交渉するしかないやろうと思う。その交渉に際してのアドバイスなら、その状況を教えて頂ければできるがな。

あんたにとっては、あまり歓迎できる回答やないとは思うが、この相談内容では、こう答えるしかないということや。悪いけど。


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