新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.91 新聞の値段について


投稿者 おかたにさん 主婦 関西在住 投稿日時 2005.4.13 PM 1:53


こんにちわ。以前、年末に相談をさせて頂いた「おかたに」です。その節はお世話になりました。今回又気になる点があったので教えて貰ってもいいでしょうか?

新聞の値段の事なのですが、地域によって異なるものなのですか?私は○○新聞の朝刊のみを取っているのですが、この前、隣の市の友人と話をした時に、1ヶ月の値段の落差に驚いてしまって・・・。私は一ヶ月、朝刊のみ3720円お支払いしているのですが、友人は一ヶ月、○○新聞朝刊のみ3100円なのです。(同じ新聞です)

確かに友人は銀行引き落としにしていると言う点で安いと言っていたのですが、それにしても500円位は落差がある気がしてなりません。友人は私の住んでいる市の隣の市に住んでいるのですが二人とも都会の方だと思います。(若干、私の市の方が規模が大きいで
すが・・)

なぜでしょうか?考えられる事はありますか?今度販売員にお伺いしようと思いますが、上手いこと言われそうでなりません。その辺りのからくりを教えて下さい。私は特に○○新聞朝刊以外で(付録冊子やクラブ冊子)とか何も取っていないし、○○新聞友の会の会員とかにもなっていません。

特に景品も頂いてません。集金の際にゴミ袋とよくある薄い月間冊子くらいかな・・。

ただ、何もこちらからは言ってはいないのですが、(サービスの件等)昨年の更新の際に3ヶ月割引して貰っていました。「お宅はこうなります」と言い(3ヶ月割引の領収書?契約書?見たいな物を一方的に渡されました。)

販売員さんは毎年異なります。その度に前回と同じ値段になっています。一年契約更新にしています。ちなみに友人も一年契約更新です。お願いします。


回答者 ゲン


○○新聞の新聞代の基本は、朝夕刊セット価格\3,925円と統合版\3,007円の2種類がある。これは、地域により違う。地方は統合版、大都市とその周辺は朝夕刊セットというのが多い。

統合版というのは、朝刊だけしかない地域やと思えばええ。あんたのところは地域的に朝夕刊セットということになる。

ワシの説明通りなら、朝刊だけやと\3,007円なのかということやが、実際にそうしとる所は少ない。少ないということは例外的にそういう所もあるということや。

それ以下の販売店も現実にある。しかし、それは、他の地域でのことやから、その地域に当て嵌めて論じることは出来ん。これには、地域的なことと販売店自体の姿勢の違いが影響しとるからな。

新聞社は基本的に、セット地域には朝夕刊の販売をということになっとる。夕刊なしというのを嫌がる販売店が多い。それには、新聞社の意向もあってのことやがな。

セット地域で夕刊なしを嫌がる販売店は、その夕刊がいらんと言うてもそれほどの値引きをすることもない。

あんたの所のように200円から500円くらいというのが、ワシの知る限りでは多い。これは、損得で言えば夕刊を取っとる方が得やと思わせ、セットでの購読をして欲しいという気持ちの表れからそうしとるのやと思う。

新聞代の割合で言うと、朝刊1部124円、夕刊1部7円ということになるからな。いくら、新聞自体の厚みが違うというても、実際、これほどの差を付けるというのは異常やわな。しかし、これに関して新聞社は黙認というか、販売店の裁量に任せとるというのが現実や。

ワシも昔、あんた所の近所で勧誘してたこともあるから、良う分かるのやが、客の中にはそれを逆手にとる人間も希にやがいとった。

朝刊はいらんから夕刊だけ200円で配れと言う。言うてることは論理的には正しい。現実には絶対にそういうことはせんがな。

結論から言うと、地域、販売店により、朝刊のみの場合は値段の差があるということや。同じ販売店で値段が違うというのなら、抗議してもええが、そうやなかったらその販売店の姿勢ということやから、今の制度の中では仕方ないということになる。

同じ新聞の場合、客から新聞販売店を選択は出来んからな。従って、隣の市の友人と条件が違っていてもそういうことは普通にある。販売店が違うということでな。

ただ、銀行振り込みの場合は、若干安くするということはある。あんたの所にも集金の人間が来ると思うが、集金にはコストがかかる。販売店は集金人に1軒いくらという歩合で集金業務に対して金を払うてる。

銀行振り込みの場合はそのコストが削減出来る。その分、安くしとるという販売店はある。その額もその販売店次第やが、いくらかは安くなるはずや。

但し、銀行振り込みの場合、自動的に継続契約ということになりやすい。あんたの方で断らん限り新聞の購読が続くということや。

これは、悪い面ばかりやない。今の1年契約後、再契約に来んかった場合、自動継続ということになるのやが、当然のことながら契約書はないわけや。期間の取り決めのない契約は、原則的にいつでも解除出来る。

前回のQ&AのNO.50でのような悩みはなくなることになる。

最後に景品を貰ってないということやが、これは、あんたの勘違いもある。もっとも、そう勘違いさせるような説明しか出来んかった販売店にも責任はありそうやけどな。

『昨年の更新の際に3ヶ月割引して貰っていました』というのは、販売店にとっては、景品を渡すのと同等のサービスなわけや。実質は、なまじの景品を貰うよりも、こっちの方があんたにとっては得な場合が多い。

1年間で3ヶ月間の割引というのは、金額にして\11,775円分のサービスをしとるということになる。月にして、1000円弱や。

現在、毎月3700円払うて3ヶ月無料なわけやから、1ヶ月の新聞代に換算すると2700円ということになる。これは、無料サービスやから出来ることや。

『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第1章 新聞営業の基本的な考え方 法律・規則編 その5 景品表示法についての考え方』を見て貰うたら分かるが、この割引サービスというのは、値引き扱いということになり、この景品表示法は適用されん。

但し、ここが法律のややこしいところやけど、景品と割引サービスの両方を提示して、割引サービスを選んだ場合は法律に触れる。販売店による景品提示のほとんどは、この景品表示法に触れることが多いからな。

新聞業界の自主規制は、景品の最高額を取引価格の8%又は6ヶ月分の購読料金の8%のいずれか低い金額の範囲ということになっとる。この上限を超えるものが摘発の対象になる。

これを、あんたの場合に当て嵌めると、景品提示の上限は1800円弱分程度のものしか出来んということになる。洗剤で言うたら5個分くらいかな。それ以上は、法律に触れるということや。

しかし、現実は、多くの販売店で、それ以上の景品分を提示しとるのが実状や。つまり、違法な景品分と並べて割り引きサービスを提示したら、そのサービスも違法と判断されるということや。

単に金額だけの比較で言うと7倍弱も規定よりオーバーしとるということになるからな。もっとも、それに違反したからと言うて、購読者がその罪に問われることはない。これは、業者を取り締まるための法律やからな。販売店がその対象になる。

最悪、その販売店が公正取引委員会の摘発にあった場合、事情を聞かれるくらいや。と言うても、その担当者は仕事柄、検事や刑事のような雰囲気の人間が多いから、一般人にとっては、警察と実質的には変わらんように思うわな。

これが、単に割り引きサービスのみの提示の場合は、その法律の適用を受けん。これは、値引き扱いになる。値引きは、どんな法律でも規制することは出来んからな。

そんなことになったら大変や。値引きは、商売のすべてにあることやからな。第一、値引きがあかんという法律が出来たら、ワシら関西人は困る。

ワシらは、口癖のように、どこに行っても「これ何ぼになるねん」「もうちょっとまからんか」と普通に言うてるのに、それが言えんようになる。

せやから、ある意味、この販売店のやり方は賢いということになる。あんたに他の景品があることを知らせなんだということでな。

ただ、その説明をちゃんとしとらんから、あんたに誤解されとるのやろと思う。あんたはあんたで景品は別に貰えるもんやと思うてるやろからな。

当然なんやけど、景品のみの場合は、値引きに匹敵するような額のサービスは出来ん。もろに法律に触れる。客はそのことをなかなか納得せんけどな。その値引き分の景品をよこせというのが普通の感覚や。

損得勘定だけで言えば、割引サービスの方が得な場合が多い。法律にも抵触せんから安全やしな。もっとも、新聞社はそれを公にされるのは嫌がる。立場として、値引きは認めとらんからな。

しかし、それも、販売店の裁量内やとは暗黙の了解のようなものがあるがな。そして、本来ならそんな大幅なサービスは損やないかと思うかも知れんが、なぜかこれを喜ぶ販売店が多い。

それがなぜかというのを話すとこれも長くなるから、単にそうやとだけ思うて貰うてたらええ。敢えて一言で言えば、在庫処分的な感覚というところかな。


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