新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.918 どう説得すればいいのでしょうか?
投稿者 start さん 某新聞拡張員 投稿日時 2010.6.14 PM 9:24
お久しぶりです。いつも明確な回答本当にありがとうございます。
少し伝えるのが難しい質問ですが、お答え頂けたら嬉しく思います。
私の所属する団長(有限会社社長)の事ですが。最近育つ前の新人拡さんへの貸し渋り及び言動が冷酷そのもので「交通費は貸せないから歩いて現場まで行け」「ガス止められても今の時期水で充分」等。
私の心酔してた昔の面影はありません。
私(短期教育係)が「この人間は伸びるし物になる!」と言ってもその素人新人対して何やら団長の財産を狙う敵のごとく罵声を浴びせ、金にならない雑務(一日中事務所掃除)をヤラセ一円も渡していません。
団長に「新人はイラナイの?」と聞くと「そんな事は無い全部お前らの為」だと。
「バンクが狭くなるから? 小数精鋭で行くの?」
「全世帯回り切れる訳ないからまだ募集するし知ってる人間がいれば、うちに連れてこい」
「登録だけさせても育てないとチームの利益にならないでしょ?」
「…まぁな」と言うだけで真意がわかりません。
解りにくく色んな立場や状況で違ってくる話かと思いますが、ゲンさんの中で考えられる事や改善出来る様な伝え方ある様でしたらアドバイスお願いいたします。
回答者 ゲン
これは難しい依頼というか相談やな。
身近で接しとるあんたが『真意がわかりません』と言うてるものを、その団長の性質や性格がさっばり分からんワシには尚更、分かるわけがないわな。
『最近育つ前の新人拡さんへの貸し渋り及び言動が冷酷そのもので「交通費は貸せないから歩いて現場まで行け」「ガス止められても今の時期水で充分」等』というのが、特定の人間に対してそう言うとるのなら、単にウマが合わんとか、気に入らん、あるいはその新人が、その団長の琴線(きんせん)や逆鱗(げきりん)に触れるような言動があったと考えられんでもない。
もし、そうなら、その新人を追い出そうとして、そういう仕打ち、態度を取っているのやないかな。
『財産を狙う敵のごとく罵声を浴びせ』というのも、そのためやと考えれば、それなりに納得いくのやないかと思う。
その場合は、あんたが、どちらの立ち位置で物事を考えるかで、どうすればええかというのが自ずと決まるはずや。
これが、特定の新人やなく誰にでも言うてるのやとしたら、事は深刻や。
『私の心酔してた昔の面影はありません』と、あんたが言うておられるところを見ると、以前はそんな人やなかったということになる。
それが、今、なぜ、そんなことになったのやろうか。
それなりの理由が何かあるはずやから、それを探らんことには、この問題は解決せんと思う。
最も考えられるのは、今まで募集でやって来る新人に団長の望むような人材がおらず期待が持てないために絶望したということやないのかな。
そのため契約が思うように上がらず、団の経営も苦しくなり、焦ってそういう一面を見せてしまっとるのやと。
あんたが、この先、その団でどうしたいのかにもよるが、その団長を支えたいという気があるのなら、今まで以上に、その団長と話し合うことやと思う。
人を使うということは難しい。特に営業はそうや。
こうすれば、こう教えれば、絶対に契約が取れるようになるとは限らん仕事やさかいな。
ただ、これだけは絶対にやったらあかんと言えることがある。
それは、その営業員を罵倒して、そのやる気を削ぐことや。まさに、今、その団長がしとることやな。
営業の仕事というのは甘いもんやないというは、ワシもいやというほど知っとる。
「まあ、そう腐らず頑張れ」と温情を見せる程度では大した効果が望めんというのも百も承知や。ときには厳しく指導せなあかん。
しかし、それでも指導で厳しく言うのと、人を罵倒するのとは違う。
その新人のためを考えて厳しく言うてるのやったら、その相手にもよるが、それと気づいて発憤することもある。
しかし、罵倒されるだけやったら、その立場に自身の身をおけば分かると思うが、そんな団長のために一生懸命やろうとは誰も考えん。
それどころか、恨みが裡(うち)に蓄積される分、いろんな面でマイナスにしかならんのやないかと思う。
その団長が、その姿勢を改めん限り、いくら新人を募集しても無駄で、却って状況が悪化するだけにしかならんという気がするがな。
あんたを含めて、今在籍しとるベテランにも、その悪影響が出る。それで分裂、崩壊していったという団は枚挙に暇(いとま)がないほど多いさかいな。
当たり前やが、どんなに心酔しているトップであっても、毎日毎日、そんな面白くもない態度を見せられ続けたら、誰でも嫌気が差してくるさかいな。ロクなことにはならんと。
そう言うて諭してみられたらどうかと思う。
それで、その団長が気づけばええし、気づかんようなら、その団長に同調するような物言いで「もう、これ以上、しょうもない新人をアテにするのは止めましょう」と、一旦、その募集を打ち切るように進言するという手もある。
「ここらで、一度、体勢立て直しましょう」と。
そこまで言えば、たいていの団長なら「このままやとあかんな」と気づくはずや。そう気づけば、今の状況が変わる可能性もある。
それでも尚、変わらず、またあんたを含めたベテランの意見を聞かんようなら、それ以上は何も言わん方がええ。
言うても無駄や。というより、ヘタに諌言、苦言の類を呈すれば却って、あんたの立場が危うくなりかねんさかいな。
ワシがよく引用する教えに、『忠告して善道し、不可なれば即(すなわ)ち止む。自らを辱めらるるなかれ』というのがある。
忠告してそれを聞いて貰え、ええように導くことができれば、それでええが、聞いて貰えんようなら、それ以上は何も言わん方がええ。自分が辱められる、つまり立場を悪くするだけにしかならんという論語にある古(いにしえ)からの教えや。
これは、特に目上の人間に対して苦言や諌言をする際の戒(いまし)めやと考えとくことや。
今のところ、ワシには、これくらいのことしか言えん。悪いが。
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