新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.929 口約束で合意したサービスを一方的に破棄された契約は解除できますか
投稿者 匿名希望さん 投稿日時 2010.7.29 PM 0:16
はじめまして。新聞の契約解除について教えて下さい。
去年の7月、M新聞の販売店から勧誘があり、今年の8月から2年契約をしてしまいました。
そのときはまだ他紙との契約中だったので、その契約が切れる時期からの契約開始ということで承諾してサインしました。
契約時のサービスは配達の開始前に、洗剤6箱と購読期間中、毎月、映画の無料チケットを2枚ずつ持ってくるということになっていました。
ところが、昨日、その洗剤のサービスは持って来たのですが、映画の無料チケットは渡せないと断られました。
販売店の言い分は、その契約をしに来たのは、その当時の店長で、今は辞めているので、それは店に内緒で勝手にしたことで、そんな話は聞いていないし店とは関係ないと言うのです。
私は、「それでしたら契約内容と違いますから新聞の配達はお断りします」と言いましたが、「クーリング・オフの過ぎた契約は解除できない。新聞は配達する」と、強硬な姿勢で、こちらの言うことは何も聞こうとしません。
因みに、そのサービスの内容については契約書には何も書かれていません。私もまさか後でこんなことになるとは考えもしなかったので、そのときは気にもしていませんでした。
こんな場合、解約することはできないのでしょうか。私としては何かだまされたようで納得できません。
その販売店とは、どう対処すればいいのかアドバイスをお願いします。
回答者 ゲン
『因みに、そのサービスの内容については契約書には何も書かれていません』というのは少し弱いな。それやと、言うた言わんの水掛け論になりやすいさかいな。
第三者としても、どちらの言い分が本当なのか、それだけを聞く限り判断に迷うと思う。
ワシとしては、あんたの言うケースが多いというのはよく知っとるが、契約書に何も書かれていないというのでは全面的に支持することもできん。悪いが。
契約書には約束事項は明記する必要がある。そして、契約書に明記されたものは守る義務が生じる。
それに違反すれば「契約不履行」ということになり、法的にもその契約を解除できる。
しかし、契約書に何も記載されてなければ、形の上では何のサービスもないまま、その契約を承諾したことになる。
『私もまさか後でこんなことになるとは考えもしなかったので、そのときは気にもしていませんでした』と、その人間の言うことを信じたというのは無理もないとは思うがな。
監査というのがある。
普通、勧誘員の取ってきた契約は、その日、もしくは翌日に、その確認の電話を契約者に入れる販売店が大半やと思う。
表向きは、契約して貰うたことに対する「感謝の意」を表するためということやが、実際は後で揉め事を避けるために、その契約の確認、検査をするという意味合いがある。
その販売店からその確認の電話があった際に、その電話で「そのとき、確かにそのサービスの確認をした」というのであれば、それで争える。
『お宅からの電話で、そのサービス分はそのときに確認したではありませんか』と。
しかし、相手が、そのときの店長と言うのなら、それはなかったかも知れんな。
一般的に監査というのは、拡張員や配下の従業員の不正を防ぐという意味を込めてするもんやが、その監査を指示する、もしくはその判定を下す立場でもある店長の取ってきた契約なら、その監査の電話をしてなかった可能性の方が高いと思うさかいな。
ただ、『それは店に内緒で勝手にしたことで、そんな話は聞いていないし店とは関係ない』と言うのは、その事実が他にも多数あったと考えられる。
普通、『映画の無料チケット』というのは「非売品」として新聞社から限られた分しか、その販売店に廻って来ることはない。それも常に一定量あれば、まだマシやが、その都度違うというのは往々にしてあることや。
せやから、それを拡材として使うてた場合、その数量を把握、計算してなかったら、当然のことながら、それが不足して渡そうにも渡せんという事態が起きる。
特に、あんたのように、まだ1年も先の「先付け契約」でそうしてたというのは、実際には、そのときにはその『映画の無料チケット』は必要なかったわけやから、契約を多く確保するために「空手形」を乱発していた可能性もある。
そうなると、いざ、その『映画の無料チケット』渡さなあかんようになっても、それがないということが起きる。ない物は渡せん。「ない袖は振れん」と言うしかない。
そうなると、今回のあんたのように「約束が違う」という事態になって揉めるケースが多くなるわな。
その前任の店長とやらが辞めた理由というのは、それやないかな。店の経営者にそれが発覚したことで、その逆鱗に触れたのやないかと。
そうであれば、『店に内緒で勝手にした』というその販売店の人間の言も、それなりに納得できそうや。
もちろん、そうやからと言うて、そんな話は、あんたには関係のないことやわな。
ただ、それが原因で辞めた、辞めさせられたというのであれば、その販売店では他にもそういうトラブルが数多くあったと考えられる。また、現在もあると。
もし、そうであれば、そういう人を探し出せれば、あんたの言うことの方が信憑性が高いとされ、勧誘時の「不実の告知」に問えるやろうと思う。そうなれば比較的簡単に、その契約を解除することができるものと考える。
もっとも、その販売店の人間が言うた『その契約をしに来たのは、その当時の店長で、今は辞めているので、それは店に内緒で勝手にしたことで、そんな話は聞いていないし店とは関係ない』という言質を録るだけでも有利にはなるがな。
その店長が、そうしたというのを店側は認めとるからこそ、そう言うたという証しにもなるさかいな。
当たり前やが、店長というのは対外的には、その店の代表者や。その代表者の約束したことが守られんというのでは「契約違反」やと言われても仕方ない。
そこを突けば、その販売店も折れるのやないかと思う。また、同じような境遇の人を見つけて共同戦線を張るというのでもええ。
一人よりも二人、三人と数が多くなれば、それだけで直接交渉だけやなく、新聞社の方へも苦情を持って行きやすく有利に事が運びやすいさかいな。
この契約を解約に持っていくのは、そうする方が、可能性としては高そうや。
もちろん、『私としては何かだまされたようで納得できません』と、一人でも、とことん争うことはできる。納得できんものは納得できんと。
まあ、今までの例から言うても、こういう争い事は「契約解除」という結果になって販売店の方が折れるケースが多いさかい、頑張れば何とかなるとは思う。
もっとも、その相手の販売店の出方次第というのもあるから、絶対という保証はできんがな。
上記の方法でも上手くいかんかったら、また相談してくれたらええ。相手次第で、その方法はいくらでもあるさかいな。
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