新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.938 あなたはひっかけと言う、手法をご存知ですか?
投稿者 dokugan さん 投稿日時 2010.09.12 PM 10:03
あなたはひっかけと言う、手法をご存知ですか?
私はその手法で年収で500は軽く稼いでます。
回答者 ゲン
『あなたはひっかけと言う、手法をご存知ですか?』ということやが、ワシはこの業界で15年以上仕事をしとるさかい、拡張についての一通りの手口や手法については熟知しとるつもりや。
また、このサイトをやり始めて6年が経過し、その間、数多くの拡張員の方々から様々な情報を寄せて頂いとるから、「ひっかけ」についても、いろんな方法、やり方があるというのも知っとる。
当然、このサイトにも一度に書き著せんくらい、「ひっかけ」についての記述は多い。
その代表的なものを挙げる。
例えば、ヤフージャパンあたりで、『新聞ひっかけ』のキーワードで検索すれば、このQ&Aの『NO.753 拡張の現実について』 、『NO.405 ひっかけの営業テクニックについて』が、26万件中、第1位、第2位でヒットし、グーグルやと、『NO.635正攻法と、ひっかけについて』 が、172万件中、第1位で表示される。
これが、『新聞ヒッカケ』になると、ヤフージャパンでは同じくこのQ&Aの『NO.112 苦手な正攻法の営業を克服したいのですが』 、旧メルマガ『第46回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員列伝 その3 ヒッカケ病(やまい)のシンジ』
、新メルマガ『第86回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■社会に貢献できる新聞の営業法について』 が、16,500件中、第1〜第3位まで独占し、第9位に『第79回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■『特定商取引に関する法律』改正法は業界にとってのチャンスになる?』 というページが存在する。
グーグルでも同じような結果になっとる。
他にも『ひっかけ営業』、『ヒッカケ営業』、『ひっかけ拡張』、『ヒッカケ拡張』などで検索すれば、そのすべてで複数の当サイトのページが第1位から上位にいくつか表示されとる。
それらのページを見て頂ければ、「ひっかけ」について様々な種類、やり方が存在するというのが分かって貰えるはずや。ひょっとすると、あんたの知らんかったこともあるかも知れん。
『あなたはひっかけと言う、手法をご存知ですか?』というのが、どういう意図で質問されたのかは知らんが、このサイトのことを良く知らずにそう言われとるのなら、違うということや。
もっとも、当サイトには、現在、1500を超えるページが存在するさかい、そのすべてに良う目を通してから質問してくれというような無茶でアホなことは言わんがな。
単に、そこそこのことは知っているというのが分かって貰えればそれでええ。
ただ、それらを見て頂ければ分かると思うが、ワシは、その「ひっかけ」という手法については否定的な見解を持っとる男や。先のないやり方やとも思うとる。
せやから、当然のことながら、その「ひっかけ」について相談されてこられる勧誘員の方々には、総じて止めておいた方がええとは言うとる。
どんなものでも功罪はあるもんやが、事、「ひっかけ」に関しては、騙しを基本としているということで、その「罪」の方のウェートの方が、はるかに大きいと考えるさかいな。
しかし、あんたは『私はその手法で年収で500は軽く稼いでます』ということで、納得されて、それをやられとるようやから、それについては何も言うことはない。
その是非について最終的に判断するのは、その当人しかないというのが、ワシの考えであり、ここでのスタンスやさかいな。質問、あるいは相談されたこと以外の内容に踏み込むつもりもない。
あんたはあんたの信じた道を進めばええ。
ただ、万が一、行き詰まるとか、分からんことが生じた場合、相談、あるいは質問されるのなら、その回答を惜しむつもりはないがな。
どんな質問でも、ワシらの信条に反してない限り、答えるつもりやさかいな。
この回答を送った直後、相談者の方から返信があった。
返信 おおきに
返信日時 2010.9.13 PM 2:26
私のひっかけ方法を一部明かすと、集金鞄ぶら下げていかにも店員風に化けてからひっかけを敢行してます。
私が狙うのは固定客です。固定客は何もサービスを貰ってないのでやりやすいですし、契約が成立すれば八割は当月です。
店も喜ぶし、本社の担当者からも高評価してもらえます。
コメント ゲン
これは質問とは違うようやから、単に、ワシの個人的な意見ということで伝える。
『集金鞄ぶら下げていかにも店員風に化けてから』というのは何も悪いことやないと思う。
この業界の人間にとっては、拡張員であるか、店の従業員であるかの違いは大きいが、客にとっては、どちらであっても一緒や。新聞の勧誘に来た人間に変わりはないさかいな。
普通、「新聞を取ってください」と言う場合、勧誘する側が、その詳しい所属の説明をすることはまずない。そんなことをしても、客には何の関係もない話やさかいな。
また、そんなことを聞いてくる客もいない。せいぜい身分証を見せてくれと言う程度や。たいていの身分証は、その入店した販売店の社員証という形になっとるから、対外的にも販売店の人間ということになる。
まあ、今は一般の拡張員は背広姿というのが主流やさかい、その意味では外形的な違いはあるが、客にとっては、その程度の違いはさしたる問題にはならんと思う。
ワシも団に所属して時分、それに似たようなことはしてたもんや。
今は、ある販売店グループの専拡で肩書きは「営業部長」ということになっていて、販売店の人間そのものやから『化けて』ということやないがな。
問題は『ひっかけを敢行してます』という内容やが、『店も喜ぶし、本社の担当者からも高評価してもらえます』ということからすると、その『ひっかけ』と言われとるやり方で、あまりトラブルにはなってないようやから、それはそれで正当な勧誘なのやないかなという気がする。
それに、『私が狙うのは固定客です。固定客は何もサービスを貰ってないのでやりやすいです』というのも、まともな営業をしていると判断できる。
あんたの言う『固定客』というのは、他紙の長期購読者のことやと思うが、確かに昔からの長期購読者には『何もサービスを貰ってない』というケースは多い。
その他紙の長期購読者を狙うのに、『騙し』と、ほぼ同義語の『ひっかけ』のような手法を使う必要はないと思う。
すべてやないが、他紙の長期購読者の中には、『何もサービスを貰ってない』ということに不満を持つ人も多い。
そういう人と出会ったら、「その他紙でも、現在は、それなりのサービスをしていますよ」、「うちなら、これくらいのサービスは普通にできますよ」、「新聞は適度に短期間でもいいから変えると、それが静かな抗議にもなりますよ」と言えば、比較的簡単に納得する人もおる。
あんたの話やと、そういうことやないのかと思う。
それらのトークは、事実をもとに言うてるわけやから、本当の意味での『ひっかけ』ではないと。
ワシの否定する『ひっかけ』というのは、単に客を玄関口に出すための口実として、「宅急便です」「近所の引っ越しの挨拶に来ました」「古紙回収の者です」、あるいは「町内会の者です」と騙って客を引っ張り出し勧誘するというものや。
また、A新聞の読者に、A新聞の販売店の人間やと騙(かた)って安心させ、止め押し(継続契約) を装って、実際にはY新聞の契約書を差し出し、契約させるというものもある。
さらに、コンビでするというケースもある。
この場合には、Y新聞の読者に、Y新聞の販売店を装って、ワザと気分を害する言動をしてその心証を悪くさせ、その直後に、気のええA新聞の勧誘員を装って訪れた者が、そのY新聞を騙った勧誘員を撃退して、それに喜んだ客から契約を取るというものや。
吉本新喜劇あたりのネタにありそうなチャチっぽい騙しやが、そういうので成功することもあると聞く。
それらの『ひっかけ』と称するやり方は、そのほとんどでトラブルケースが多い。このQ&Aでも、そういった類の事例は腐るほどあるさかいな。
それやと『店も喜ぶし、本社の担当者からも高評価してもらえます』ということにはならんやろうから、あんたの言う『ひっかけ』というのは、それとは違うという気がする。
ワシも良く使う手やが、完全な騙しやなく、相手の誤解、勘違いを利用するという方法がある。
それを『ひっかけ』と呼ばれとるのなら、それは少し違うというのが、ワシの認識や。
せっかくやから、ここで、その類のワシのやり方を少しだけ披露させて貰う。
相手の客が勝手に誤解や勘違いするというのは勧誘員の責任やない。例え、そう思われても仕方のないシチュエーションを演出ていたとしてもな。
例えば「○○新聞です」と言うた場合、新聞本社から来た人間やと思い込む人が、まれにおられるが、それに対しては敢えて否定も説明もせんというのはある。
ワシら拡張員は、その新聞社からお墨付きを貰うて営業しとるわけやから、「新聞社の代表」という風に振る舞っても許されると思うとるさかいな。実際、その「新聞社の代表」というくらいの気概がなかったらあかんとも考えとる。
また『NO.217 苦情聞き取り法について』でも言うたが、ワシは過去に、勧誘の評判の悪い地域で、新聞社から派遣されて、苦情の実態を探っとると言うて、その苦情を聞いて回ったことがあった。
不満を持っとる人間ほど、その不満と苦情を吐き出すと、すっきりする。そして、そのとき辛辣(しんらつ)な言葉や怒鳴り散らしたような客に限って、それをじっと聞いていた人間に対して悪いことしたという気持ちになりやすい。
それが、親近感に変わってくる。そうなれば、後は、ちょっとした心遣いを示すだけで落とせるということがあった。
あるいは、旧メルマガ『第40回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■コーヒーブレイクは歯医者で』 の中で、ええ入れ歯を見つけるために歯科技工士を探す際、相手の錯覚を使う勧誘方法について話したことがある。
その部分を抜粋する。
まず、調べる対象を探す。大抵はハローワークやタウンページで調べたら分かる。この場合は歯科技工所ということやから、それらしい所が分かれば、確認を兼ねてアポを取る。
「もしもし、○○製作所さんでしょうか。こちらは○○新聞のゲンと申します。私どもの方では、歯科医さん向けの歯型を制作されておられる所でお話をお聞きしたいと思っているのですが……」
こう切り出すと、大抵の相手は新聞社の取材と勘違いする。これが錯覚や。せやけど、ワシの言葉には嘘はない。
○○新聞というのも本当や。騙りでも何でもない。ワシらは、団と業務契約書を交わしとる。因みにワシらは社員やなく個人事業者やということになっとる。名目はな。
団も同じく新聞社と同じ内容のものを交わして、○○新聞の商号の使用を許可されとる。せやから、ワシらも同じなんや。その使用目的も最終的には営業のためやから違法行為やない。
相手もまさか、新聞の拡張員がこんな電話をするとは思わんから、ほとんどは、それでその申し入れを受け入れてくれる。
世間は、ワシら拡張員には冷たいが、新聞社に対しては権威のようなものまで感じとる人間が多いからな。そこからの取材やと思うたら喜ぶ者もおる。
このアポを取るというのも、無駄を省く上でも有効や。そこが目的の場所やない場合もあるさかいな。
何でもそうやが、その専門家やなかったら分からんことは多いからな。的外れな所で聞いても無駄や。
それに、予定も立てやすい。但し、入店予定のバンクが予め分からんとあかん。少なくとも前日には分かっとく必要がある。
バンクの範囲を知ることが出来るし、その中の該当場所を探すことも出来る。アポで相手の都合を確かめられるから、時間の設定がしやすい。
そこが、大会社やと言うのならどうか分からんが、中小企業なら、そこのトップか責任者が応対してくれる。
最終的に、新聞の勧誘をする場合でも、相手がトップに近い人間の方が話は早いからな。
ワシはそこに行くとまず名刺を渡す。名刺には『○○新聞 ○○企画販売促進営業部』と書いとる。
知ってる者が見たら一発で拡張員やと分かるが、こういう所の錯覚した相手は、最初の○○新聞というのを見ると、それだけで信用する。疑われることはまずない。
「そちらでお聞きすれば、歯医者さんの腕の善し悪しまで、お分かりになるということですが……」
ここまで、行けば聞きたいことは大抵は教えてくれる。今回の場合で言えば知りたい歯科医の具体名を伝えてそこを知っているかと聞くのもええ。
また、本当にそこが腕のええと思う歯科医がおったら教えてくれる確率は高いと思う。
この時、出来るだけ相手と上手くコミュニケーションを取るようにする。多少の冗談を交えて話が出来たらええ。
知りたいことを聞いたら、相手次第でおもむろに勧誘をはじめる。
「ところで、社長さんのところでは、どこの新聞を購読されていますか?」
と切り出す。勘違いする人間は、とことん勘違いする。取材に協力したのやから新聞を購読せんと悪いかなと思う人間もいとる。それで、簡単に契約することもある。
というものや。
それは騙しやないかと言う者もおるが、ワシはそうは思わん。騙しというのは、あからさまに、それと偽り騙ることで、ワシのように相手の勘違いを誘うのは、むしろテクニックの内やと考えとるさかいな。
それに、あんたは『ひっかけ』だけで稼いでいるようなことを言うておられるが、それだけではコンスタントに契約を取れるもんやないと思う。
それやったら『ひっかけ』をやっとる連中が皆、成功しとるということになるさかいな。そんなことはないはずや。あかん者は何をやってもあかん。
基本的にできる営業マンというのは、人当たりの良さとか、押しの強さ、自信ありげな態度、人に好かれそうな性質、容貌など、必ず、何か突出するものを持っているもんや。
あんたにも、他の人間に持ってない特徴のようなものがあるはずやと思う。
あんたの場合は、それを活かすことを考えれば、別に『ひっかけ』だけに限らず、どんな方法であっても成功すると思うがな。
もちろん、前にも言うたが、どうされ、どう考えるかは、あんた次第や。好きにされたらええ。
ただ、こうして、せっかく知り合いになれたのやから、もし良かったら、あんたの勧誘法について、いろいろ教えて頂けたらと思う。
できる人の話というのは、それだけで意味と値打ちがあるさかいな。多くの人のためにもなる。
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