新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.949 バイクの点検は営業と関係ありますか?
投稿者 ともゆじんさん 某全国紙専業 投稿日時 2010.10.21 PM 9:36
前回お世話になりました。ともゆじです。その当時はお世話になりました。
変な事聞きたいのですが。
バイクの点検は営業と関係ありますか?
自分は昔勤めていたA新聞の販売店で、バイクの整備不良が原因で事故が起きました。
それは死亡事故になってしまったので、いまいる新聞販売店の人たちにも自分が見てきた死亡事故を起こさないようにと日々の点検をするよう呼びかけたら、店長から「そんな事しなくてもいい」と言われました。
あげくには「お前のような縛り率の低い奴にそんなことを言う権利なんて無い」、「そんなのバイク屋に見てもらえばいい」「自分達でどこを点検すればいいのか、わからないだろう」「そんなの自分の作り話だろう」と言われました。
自分でも営業が弱いとは思っていますが、そのときはそんな言われ方をされ我慢できませんでした。
自分はただお店の大切な従業員に一人でも死亡者を出さない為に言っているのに。
全然わかってくれない店長です。もう自分は何も言わない事にしました。
一度でも事故を起こしたら気づくのかな。そして後悔するのだろう。
げんさんはどう思いますか。
バイクの点検は営業と同じだと思いますか?
回答者 ゲン
『バイクの点検は営業と関係ありますか?』というのは、『お前のような縛り率の低い奴にそんなことを言う権利なんて無い』と営業成績の悪さを引き合いに出されて言われたことに対する反論が込められとるのやとは思うが、広義の意味では関係があると言える。
それは、その店長とやらが言う事とは逆で、そこまでの気配りが結果として営業に活きるという意味においてや。
その気配りは、顧客との対応にも出るケースが多く、また安全に仕事ができる可能性が高いわけやさかい、営業にプラスになってもマイナスになることは絶対にない。
普通の店長なら、あんたのような人は褒める。
『そんなのバイク屋に見てもらえばいい』とは言うても、それはタダでしてくれるわけやない。業者に任せれば某かの料金を請求される。
日々の点検さえこまめにしとれば、いくらかでも、その経費を押さえることができ、かつ従業員には安全意識を持たせることができるわけやから、一石二鳥になって、こんなええことはない。
それを頭ごなしに怒るという人間の気が知れん。
エンジンの調子やバイクの部品の欠損といったものは業者に任せなしゃあないが、ブレーキの調整とかパンクの有無、オイルの点検程度は、たいていの販売店の従業員なら誰でもしとることや。
また、自分自身の身を守るためにも、人から言われんでも、自ら日課としてやっとかなあかん。
しかし、そうすることが店の方針というのなら、そこで働く以上、ある程度は店長の指示に従わなあかんのも確かや。
まあ、その店長が『自分達でどこを点検すればいいのか、わからないだろう』と言うのなら、僅かでも異変を感じたら、すぐ業者に点検させることやな。
そういう店やと、いくら自分でしっかり点検をしていたとしても業者に見せてないということで、事故が起きたときは、それを理由に当事者が責められるということも十分考えられるしな。
店の方針がそうなら、あんたは経費云々の心配をする必要もないから、せいぜい業者に不具合を言うて直して貰うことやな。
あんたとしては『もう自分は何も言わない事にしました』というのでええから、自分でできる点検は、例え隠れてでも自分でしとくことや。
実際、整備不良が原因で事故が起きた場合、また整備不良で捕まった場合、その罪は運転者自身にかかってくるケースが多いさかいな。
道路交通法第62条の「整備不良車両の運転の禁止等」というのがそれや。
車両等の使用者その他車両等の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、その装置が交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぽすおそれがある車両等を運転させ、又は運転してはならない。
これに違反して摘発されると、3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処せられるとある。また、行政処分としての点数も、その状況により引かれる。
まあ、一般的に事故以外で整備不良として摘発されるのは、「制動装置等(ブレーキ)」と「尾灯等(テールランプ)」くらいなものやとは思うがな。
前者は2点で後者は1点が差し引かれる。罰金の場合は、原付で前者6千円で後者5千円で、それ以上は、それぞれ7千円、6千円ということになっとる。
万が一のとき、それらを店側が持つというのなら、それはそれでええが、たいていは乗っていた者の責任とされる。
そんなバカな話はないが、往々にしてそういうことになるさかい、いくらするなと言われていても、点検くらいは自分でしといた方が無難やということや。
ただ、その店長が言うなということなら、少なくともその店長の知られるところで、それを他の従業員に向かって言うのは止めておいた方がええやろうな。
言うのなら、あんたが信頼できる人間に限定しとくことや。
「死亡事故」の現場を経験したというのは、それなりにインパクトのある話やさかい、やはりそういう話を聞けば、気をつけようと考えるのが普通やからな。それなりに効果があり、有意義やと思う。
その店長とやらの言い分を聞いてみんと何とも言えん部分もあるが、こういう理解のカケラもない人間の言うことは適当に受け流して聞いておくことや。
言うことだけを一々本気で真に受けて鵜呑みにしとったら、えらいめに遭うで。そういう人間は、イザとなれば平気で前言を翻(ひるがえ)し、「そんなことは言うてないで」というのは、よく聞く話やさかいな。
『一度でも事故を起こしたら気づくのかな。そして後悔するのだろう』というのも、そういう人間は、自分自身で事故を起こさん限り、気づくことも後悔することも、ないはずや。
店で誰かが事故を起こしたとしても、事故を起こした人間の責任ということで済ます。そして、自分にはその責任が及ばんように保身に走ると相場が決まっとる。
そういう人間は嫌というほど見てきた。言えば、救い難い人間の典型やな。
別に、あんたに達観しろとは言わんが、これからも、そういう人間と付き合わなあかんのなら、適当に距離をもって、「所詮はその程度の相手」やと考えとくことや。
そうすれば、少々何を言われても剥(む)きにならんでも済むと思うがな。
最後に、あんたは過去、新聞配達の現場で死亡事故に遭遇したことがあるとのことやが、もし、差し支えなかったら、そのときの状況を教えて貰えんやろうか。
話の内容次第では、ハカセがメルマガ誌上で取り上げたいと言うてるさかいな。
ワシも、そうした方が、多くの新聞配達員たちへの警告、教訓になると思う。
その方が、その販売店の中だけで言うよりも、はるかに多くの人のためになるはずやしな。
こういう要望をすると、よく文章を書くのが得意やないと言うて躊躇される方が多いが、事実でありさえすれば、それでええから、この相談文を出されるときのようなつもりで気楽に書いて教えてくれるだけでええ。
後は、読み物としてハカセがそれなりに仕上げるから、大丈夫や。
週一で発行しとるメルマガ『ゲンさんの新聞業界裏話』には、あんたのような体験の持ち主から寄せられた情報を元にしたものが多いさかい、それらを見て貰うたら、どんなものか分かると思う。
それに、あんたの素姓とか関係者などが特定されんような配慮もするさかい、その点でも心配はいらんと言うとく。
念のため、たいていそういったものについては、発行日までに事前に情報提供者だけに、その内容の草稿を先に知らせとるので、そこでチェック、確認もして貰えるしな。
まあ、これは良ければということでええので考えといてほしいと思う。
この場を借りて、これを見ておられる読者の方にも、そういった類の体験、情報というものがあれば是非、教えて頂きたいとお願いしとく。
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