新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.956 これって個人情報保護法に違反していますよね?


投稿者 puku さん  投稿日時 2010.11.11 AM 3:58


今入居しているアパートのことで相談ですが、この不動産会社が私のことを他の部屋の住人に家賃滞納しているだの本当に出ていってもらいたいとか言ったらしいのですが、これって個人情報保護法に違反していますよね?


回答者 ゲン


本来なら、これは新聞に関連した相談やないから他を当たってくれと言うところなんやが、あんたがこの質問をされたのは、おそらく『第81回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■個人情報保護法のその後』 を見られてのことやと思うので、まんざら関係なくもないさかい、答えさせて頂く。

それに、この問題については、『第83回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■『週間ダイヤモンド』誌への掲載で思うこと』で言うてたように、「週間ダイヤモンド」という一流の経済誌から、その個人情報保護法に関して、ワシらに取材依頼があり、特集記事が組まれたことでもあるので無視するわけにもいかんしな。

但し、ワシは法律家でも何でもない、ただの新聞拡張員やさかい、参考意見程度ということで聞いて貰うしかないがな。

『この不動産会社が私のことを他の部屋の住人に家賃滞納しているだの本当に出ていってもらいたいとか言ったらしいのですが、これって個人情報保護法に違反していますよね?』

ということやが、これは言われるとおり、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)の第23条(第三者提供の制限)に、

個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。

というのがあり、それに抵触する可能性がある。

ただ、その罰則としては、同法第34条3項に、

主務大臣は、前二項の規定にかかわらず、個人情報取扱事業者が第十六条、第十七条、第二十条から第二十二条まで又は第二十三条第一項の規定に違反した場合において個人の重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要があると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

とあるだけや。

つまり、それが個人情報の漏洩やと認められたとしても、その不動産会社に対して、できることはと言えば、せいぜい今後は「私のことを他の部屋の住人に家賃滞納している」というのを止めさせられることができるくらいなものやと思う。

しかも、法律の条文というのは、その解釈次第ではどうとでも読み取れるということがあるから、さらにややこしいことになる。

今回の場合、その条文にある『必要な措置をとるべきことを命ずることができる』というのが、それや。この文言を深読みすれば、『必要な措置をとるべきことを命じなくてもいい』という風にもなるわけや。含みを残しとるわけやな。

何でこんな条文になるのかと言えば、それについて何でもかんでも、法律違反やと厳格にしすぎると警察や裁判所などの公的機関が処理しきれずパンクするおそれがあるからやと思う。

せやから、あんたがこのことに我慢できずに、警察に訴えたとしても、それについて取り調べるか、不問に付すか、あるいはその罪で起訴するか、不起訴にするかという判断は、それを取り扱う警察署、および現場の担当警察官委ねられるということや。

その警察署、担当警察官次第ということやな。

また、その罪で訴えるためには、確かな証拠というのが必要になる。

あんたは、その不動産会社が、そう『言ったらしい』と言うておられるが、その確かな証拠というのは何かあるのかな。風聞だけでは無理やで。

この場合、『他の部屋の住人』が、あんたが家賃を滞納していることについて確かに、『その不動産会社が、そう言った』ということを警察に証言して貰えれば、ある程度の証拠価値は認められると思う。

ただ、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)には適用業者の基準というのがあって、その個人情報に関するデータ保有数が5千人を超えるか下回るかでも、その扱いがかなり違うということがある。

5千人を超える業者の個人情報の漏洩は厳しいが、それ以下やとそれほどないということや。

その不動産会社がどの程度の規模なのかは知らんが、それ次第では取り締まる警察の対応も変わってくると思う。

その結果がどうなるかまでは言えんが、その他にもよほどの悪質性でもない限り、予想としては、あんたが望むようにはならん可能性の方が高いやろうと思う。訴えるだけ無駄とまでは言わんがな。結果がどうであろうと訴えるのは個人の自由やさかいな。

ただ、それだけのことをして、良くて、今後はその行為を止めさせられる程度やというのでは、あまり意味がないやろうという気はするがな。

それなら、最初から、そんな煩わしいことをせずに、その不動産会社に直接、「お宅の社員の方が私の情報を他の住人に洩らしているのは、個人情報保護法に抵触するので止めてください」と言えばええだけの話やと思う。

もっとも、その不動産会社が、あんたの情報を近所の住民に洩らしたことで、あんたに何らかの具体的な被害でもあれば、民事で訴えることはできるが、普通はそうしても、この程度の事案では有利な判決を得るのは難しいやろうな。

それに、そんなことをすれば、あんたの家賃の滞納の程度にもよるが、相手は立ち退き訴訟を起こしてくる可能性がある。『本当に出ていってもらいたい』と、その不動産会社の人間が言うとるというのは、その一歩手前とも考えられるしな。

あんたは、今回、どういう意図で『これって個人情報保護法に違反していますよね?』と言うておられるのかが良う分からんが、もし、その立ち退きに対抗するためにそう言うてるのやとしたら、それはほとんど無駄やないかと思う。

問題をこじらせるだけで、あんたにとって得になることはあまりないと考えるさかいな。

ワシにできるアドバイスとしては、ここまでや。

この後、どうされるかは、あんた次第や。良う考えてどうされるか決められたらええ。


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