新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.964 無償解約ができると考えていたのですが


投稿者 ちかさん  投稿日時 2010.12. 8 PM 7:24


こんにちは、このたびはHPを拝見しまして、新聞の解約についての質問をさせていただきたいと思います。

9月より一年契約し、中途解約をしようと思っている者です。

理由は仕事で関西と関東を往復することになり、引っ越しはしないものの、家にいない期間が増えてしまうことです。

先月2日、解約をしたいと販売所に電話をかけました。すると、応対された方が、「はい、わかりました。担当者からの連絡をおまちください」と快く対応してくださいました。

でも、まっても、まっても電話なんか来ず、結局一週間まって、もう一度同様に電話したところ、まったく同じ対応でした。

また、しばらく待とうと思い、待ったもののまた一週間音沙汰なし。

ありえない、と思い、電話をかけた日からちょうど三週間目に「至急担当者と話がしたい、2日から電話しても全然連絡はこないし、解約したいのに新聞だけが溜まって迷惑だ」と伝えたところ、すぐに連絡がきましたが、その担当者は「申し訳ないですが、解約はできません。どうしてもしたいなら、販売員と連絡してください。こちらでは関与していませんので」との一言。

そこで、またしばらく連絡をまち、やっと販売員と連絡がついたのは11月末日ごろでした。

販売員も同様に、解約は無理とのことでなにもとりあってくれませんでした。こちらが、3週間も待ったこと、受け取れない状態になることを伝えようやく解約する方向にもっていけました。

また11月は本来解約したかった2日までしか払わなくてよい、と言わせたのですが、後日・・・。

販売員の上司(店長)らしき人物から、「11月分は払ってください」と言われました。

販売員と話がついていることも伝えたのですが、「それとこれとは別で〜」とか「そんな話きいていないので〜」とかさんざん言い訳され、挙句の果てに「そんなの解約するほうが悪い、そもそも一年契約したのはそっちだろう!」と怒り始める始末でした。

「とりあえず、もう一度販売員と話がしたい、それで決着と確認をとる」旨を伝え、電話を切ったのですが、後半から半ば脅しのような言葉の連続で、新聞解約がまるで犯罪のような言われ方までして、正直怖かったです。

私としては、そもそも9月の契約は1日からとっていないが、30日分の料金をとられていた。(たしか、9月の10日くらいからとり始めていました)

その料金と、11月の2日までの料金の相殺、さらに、契約時にもらった品物の返品(食べ物は現金で返金したいのですが、これも9月の料金と相殺したい)

また、店長が言っていた「11月の料金(日割り)」は、23日分までだったのですが、実際ポストに入っていたのは19日分まで(ポストに入らなかったんだろうと思います)だったので、残りの日は支払う義務がないと思っています。

でも、どちらにせよずっと音信不通で待たせられた11月2日以降のは払わなくてもよいのでは?とも思っています。

なので総合的に考えると、無償解約ができると考えていたのですが、これはやはり無理なのでしょうか?

もとから、契約時にもらったものは返すつもりでしたので、無償でなくても大丈夫なのですが・・・


回答者 ゲン


『総合的に考えると、無償解約ができると考えていたのですが、これはやはり無理なのでしょうか?』ということやが、それは無理やとしか言いようがないな。

『仕事で関西と関東を往復することになり、引っ越しはしないものの、家にいない期間が増えてしまうこと』というのは、あんたの一方的な都合による理由で自己事由ということになり、解約をするには、その販売店の了解を得た上、解約違約金などのペナルティを覚悟しておく必要がある。

あんたのようなケースの場合は、『解約はできません』というのが一般的な対応やが、それでも『受け取れない状態になることを伝えようやく解約する方向にもっていけました』ということなら、多少揉めたにせよ物分かりのええ部類の販売店やと思う。

『先月2日、解約をしたい』と、その販売店に連絡したのにも関わらず、一週間後の連絡でも音沙汰なく、結局、連絡がついたのが『11月末日ごろ』というのは、とんでもない対応の販売店やというのは間違いないが、その連絡を怠ったという理由で、すでに受け取ってしまった新聞代金の支払いを拒否することは法律上はできんと考えられる。

なぜなら、あんたが『先月2日、解約をしたいと販売所に電話をかけました。すると、応対された方が、「はい、わかりました。担当者からの連絡をおまちください」と快く対応してくださいました』と主張するのは、あんたの希望を伝えると言うただけで、その販売店の人間が『担当者からの連絡をおまちください』と言うてることからすると、『解約』の合意はその時点では、まだなされてないと解されるからや。

その後、3週間以上、ほっといたというのも道義的には感心せんし、あってはならん怠慢やとは思うが、法的には、あんたの方も手順を踏んでなかったということになる。

この場合は、連絡して数日ほっとかれた段階で、直接、その販売店に行って交渉するなり、文書による解約の意志なりを伝えとくべきやった。

もっとも、ワシ個人の意見で言わせて貰えば、購読者にそこまでの責任を負わせるのは酷やとは思うがな。普通は連絡した段階で、相手を信用するもんやさかいな。

しかし、それにより新聞代金の支払いを拒否するつもりがあったのなら、やはり、あんたの方から積極的に出向く、あるいは解約に向けて働きかけるべきやったということになる。

今回の解約理由については、その販売店には何の落ち度もないのは明らかや。あんたの一方的な事情で、その販売店が本来得られるはずやった利益を無条件に放棄するいわれは何もないわけやさかいな。

それは理解しといてほしいと思う。

解約を拒否されても仕方のないことで、それをどうしても解約したいというのなら、ただ待っているだけではあかんかったということや。

『また11月は本来解約したかった2日までしか払わなくてよい、と言わせたのですが、後日・・・。販売員の上司(店長)らしき人物から、「11月分は払ってください」と言われました』というのも、最終的に責任者からの請求なら、それに従わんと仕方ないやろうと思う。

責任のない人間といくら約束しても、その上司がそれをひっくり返せば、それまでやさかいな。そんなことは新聞販売店に限らず、世の中にはいくらでもあることや。

『販売員の上司(店長)らしき人物』と揉めたということで、あんたはかなり気分を害されたようやが、それでも『解約』を承知したということで『11月分は払ってください』と言うたのなら、その支払いに応じた方が賢いと思うがな。

せやないと、その支払いをしてないということを理由に、その解約話全体を反故(ほご)にされかねんさかいな。

「それなら解約には応じない」と言われれば、あんたには気の毒やが、それまでや。もう一度、一からの交渉に逆戻りになる。

そうなると、あんたには法律に則った解約違約金、契約時に受けたサービスの全額返還、および未払い分の新聞代の請求をされ、それを支払う義務が生じる可能性が高くなる。

『私としては、そもそも9月の契約は1日からとっていないが、30日分の料金をとられていた』というのを勘違いされる人は多いが、新聞社、および新聞販売店の言い分としては、それも止む得ないと考えるケースが多い。

そして、あんたには理解し難いことかも知れんが、それが合法とされる可能性が高いと。

その理由を言う。

新聞の宅配料金というのは、新聞の定価とは違い、あくまでもサービス料金やというのが新聞社の主張としてある。

新聞の定価は新聞によっても違うが、朝刊130円〜150円。夕刊50円ということになっている。駅やコンビニで売っている新聞の代金がそれや。

それでいくと、新聞の正規の定価は、朝夕セットで1ヶ月5400円〜6000円。朝刊のみの地域で3900円〜4500円ということになる。

それを宅配に限り配達サービス込みで、朝夕セット3925円。全国版というて朝刊のみの地域で3007円というのが一般的な料金設定になる。

つまり、朝夕セットで、1475円〜2075円、全国版で893円〜1493円の値引きをしとるというのが新聞社の言い分なわけや。

それを可能にする条件として、1ヶ月の内7日間までは同一の料金にすると決められているということや。23日間の購読料も30日間の購読料も同じという理屈になる。

それからすると、『11月の料金(日割り)」は、23日分までだった』というのは、ちょうど1ヶ月分の宅配料金になるということや。

まあ、これについてはワシもおかしな理屈やと思うがな。新聞全体の売り上げの僅か6%ほどしかない、駅やコンビニ売りの新聞代を堂々と定価やと言うとるわけやさかいな。

もっとも、あくまで新聞1部の定価がそれやと言われたら、どうしようもないのも確かやけどな。新聞販売店ですら1部だけ買いに来る客には、その定価の代金を徴収しとるということでもあるしな。

また、新聞社はこの宅配の新聞価格の設定の件についても公正取引委員会へも当然届けとるやろうから、法律上もそれが認められることになると思う。

つまり、あんたの主張する『残りの日は支払う義務がないと思っています』というのは認められない可能性が高いということや。

ただ、『実際ポストに入っていたのは19日分まで(ポストに入らなかったんだろうと思います)だった』ということが証明されれば、その差額の4日分は日割り計算で差し引いて貰えるかもしれんがな。

同様に、『9月の契約は1日からとっていないが、30日分の料金をとられていた』というのも、それを理由に1ヶ月分の集金を徴収したと思われる。

こちらについても『たしか、9月の10日くらいからとり始めていました』というのなら、その差額の3日分くらいは日割り計算での差し引きを要求できるものと思う。

しかし、先にも言うたように、その両方を合わせて法的に請求可能な一週間分の差し引きを請求した場合、揉めるもとになり、せっかくまとまった『解約』をご破算にされかねんから、ここは不本意でも、販売店の言うように11月分の新聞代をそのまま払うとく方が、結果として得になるということや。

『契約時にもらったものは返すつもりでした』と言うておられるから、それについてはあえて詳しくは説明せんが、これは解約を希望する限りは法律で返還が義務づけられとることや。当然ということになる。

あんたがその11月分の新聞代の支払いに応じんかった場合、あんたは義務を果たしてないと見なされ、その販売店が「それなら解約できん」と言われても、それについて抗することができんようになる。

そして、このケースでもとに戻った場合、解約違約金を請求される可能性もあるということや。その額についての決まりは特にないが、残り9ヶ月分の解約違約金となると、本来、正当に請求できる一週間分の日割り額よりはるかに高額になるのは、ほぼ確実やと思うから、どう考えても11月分は支払っておいた方が得やということや。

今なら、揉めずにそれで解約できそうやさかいな。

以上が、ワシのアドバイスということになる。それをどう考え判断されるかは、あんた次第や。

最後にあんたが、そうなのかどうかまでは分からんが、老婆心ながら言うとくことがある。

たいていの人は新聞の購読契約程度はいつでも解約できると考えておられるようやが、契約と名がつけば、すべて法律で保護されるさかい、一度締結された契約を解除するのは、それほど簡単なことやないと知っておいてほしいと思う。

契約するというのは、それなりの責任も同時に伴うのやと。


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