新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.965 ゲンさんは将来どうされるのでしょうか?
投稿者 1972さん 投稿日時 2010.12. 8 PM 11:21
げんさん、はかせ、ごぶさたしてます、以前bS84で相談にのってもらった者です。
昨年社労士の試験に合格してつかの間の充実感を味わったのですが、すぐに現実に直面しました。
開業しようにも資金はパチンコでためた20万しかありません。理由は簡単です。試験勉強時代から事務系のアルバイトに応募したんですがすべて落ちました。
唯一働いたのは正月の年賀状配達のアルバイトだけです。
でも試験に合格したことで好転するかと思ったんですが、年金事務所の仕事にも採用されませんでした。
理由は私のどうしようもない職歴と40近い年齢にあると思います。社労士事務所の求人も少ないし、採用されませんでした。
ほんとは頭の部分では理解してます。もうネクタイをしめるような仕事、事務系の仕事はむりなんだって。僕が採用されるとしたら飲食やガードマンなど要は人がやりたがらないきつい仕事しかないってこと。
でも今の僕は親の年金があるから現実から目をそむけてまだ甘い生活をしています。
先日ネットカフェにいきました。メニューに年越しそば無料サービスというのがあったんですが、それがあるってことはここで一人で年を越す人もいるってことで、おれもこのままではいずれこの暗い店内で一人そばをすすってるのかと思うととても切なくなりました。
さてこれから強引に開業したとして資金も経験もなければ、いきづまるのは目に見えてます。
そうすると将来は新聞拡張員も本気で検討しなければと考えています。
さてゲンさんは将来どうされるのでしょうか?
たしか新聞拡張員は年金もなかったと思いますが、体が動く限り拡張員を続けられるのでしょうか?
それとも新聞販売店の経営者なんか考えられているんですか。
もし新聞拡張員やるとしたら人情味あふれるゲンさんに仕事教えてもらいたいです。ゲンさんの激辛なアドバイスください。
回答者 ゲン
『ゲンさんは将来どうされるのでしょうか?』ということで、ワシの心配をして頂くのは有り難いが、当面はこの仕事は続けていくつもりや。
『体が動く限り拡張員を続けられるのでしょうか?』と聞かれれば、今は「そうや」と答えるしかない。
もっとも、「人生一寸先は闇」とまでは言わんが、将来どうなっているか、何が起きるかなど誰にも分からんから、あまり固定した考えは持たんようにはしとるがな。
格好よく言えば「臨機応変に対処する」ということになり、ひらたく言えば「なるようにしかならん」ということや。
あんたからの相談は確か3年ほど前やったと思うが、そのときのワシはまだ、東海の拡張団に所属していた。
しかし、その後すぐに辞めて、関西方面の新聞販売店で専拡(専属拡張員)として働き始めた。
その事情は旧メルマガの『第153回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ゲンさんの決断 前編』 および『第154回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ゲンさんの決断 後編』 で話しとるので、まだなら見て貰えば分かると思う。
その話も突然で事前に分かっていたことやない。そして、その決断も比較的早かった。
もっとも、長年勤めていたから急に辞めるということはできんかったから、実際に辞めるまでに2、3ヶ月はかかったがな。
『たしか新聞拡張員は年金もなかったと思います』というのは、昔は社会保険や厚生年金の加入などしてないのが当たり前の世界やったが、今は株式会社組織の所が多く、一般の会社と大差ないさかい、その心配はあまりせんでもええのやないかと思う。
もっとも、離職率の高い業界やから、年金が貰えるまで勤められるのかという問題はあるがな。
ワシの場合は、夜学を出てから大手の建築会社に20年ほど勤務していたので厚生年金には加入していたし、今も新聞販売店とは言うても、そこそこのグループ会社で福利厚生も完備しとるから、このまま後、1、2年もすれば厚生年金の受給資格が得られる。
加えて、会社を経営していた7年と拡張団で拡張員をしていた13年ほどは自分で所得申告して国民年金も払うてたから、年金自体の受給資格なら今もある。
2年ほど前、『ねんきん特別便』とやらがきて、そのとき試算した年金額もそこそこあった。贅沢さえせえへんかったら、最悪でも食うに困ることがない程度にはな。
まあ、あんたは社労士の資格を得られたということやから、それ以上は詳しく説明せんでも分かるはずや。
もっとも、ワシは、そんなものをアテにして、それだけで細々と食いつないで生きていくつもりはないがな。
死ぬまで仕事はしたいと考えとる。それが拡張員かどうかは分からんが、少なくとも営業の仕事から離れることはないやろうと思う。
ワシの唯一の望みは営業の仕事を極めることや。まあ、それはとても無理な話で、見果てぬ夢かも知れんがな。しかし、死ぬまで挑戦し続けたいとは思う。
『それとも新聞販売店の経営者なんか考えられているんですか』というのはない。
ワシは昔、経営していた住宅リフォーム会社を倒産させたことがある。それ以来、ワシは経営者になるという選択肢は捨てた。
経営者としての能力のなさということもあるが、それ以上にあの頃のような金に奔走する日々を送るのは嫌やさかいな。
ワシに関しては、そんな感じやから、それほど心配して貰わんでもええ。
それより問題は、あんたや。
あんたは以前も『そうすると将来は新聞拡張員も本気で検討しなければと考えています』みたいなことを言うておられたが、その3年前の回答でも、
『もし、最終的にそれがかなわなかったら新聞拡張員しかないと思ってます』ということやが、悪いことは言わんから、そんな考えは今のうちに捨てといた方がええ。
あんたの話を聞く限り拡張員になるのは無理や。向いてない。おそらく1日も持たんやろうと思う。
確かに拡張員になるのは、募集さえしてたら入社試験とかもないし、採用基準も緩い所が多いから、比較的簡単やとは思う。年齢や学歴、経験も問わずという団がほとんどやしな。
その意味では気軽に応募はできると思うが、簡単に入社できるのと続けられるのとは違う。
もっとも、どうしても試してみたいというのを止めとけとは言わんが、あんたが思うてるような世界やないことだけは確かやと言うとく。
この世界に10人飛び込んで1年続けられる人間は、ええとこ一人か二人や。ほとんどがケツを割って逃げ出す。たいていは「こんなはずやなかった」と言うてな。
と言うたが、今回も同じことを言わせて貰う。チャレンジするのは自由やが、おそらく長続きはせんやろうと思う。
他にすることがないといった理由で気軽にできる仕事やない。悪いことは言わん。他の道を探した方がええ。
あんたは『僕が採用されるとしたら飲食やガードマンなど要は人がやりたがらないきつい仕事しかないってこと』と言われておられるが、比較論で言わせて貰えば、拡張員を目指すより、そっちの方が、よほどあんたには向いとると思う。
まあ、嫌やと思う仕事に就いても長続きはせんやろうから、どうするかは、あんたの好きにされたらええがな。
ただ、一つ言えることがある。それはどんな仕事でもええから「続ける」という努力をすることや。あんたには、はっきり言うて我慢が足らん。
言うとくけど、世の中の大半の人は、それほど好きでもない仕事を家族のため、生活のために歯を食いしばって頑張ってやってるんやで。
中には好きなことをして稼いどる者もおるが、そういう人かて、その域になるまでは相当な苦労をしとるもんや。
何でもすぐにあきらめる人間に、その域になるのも、その道を探すのも無理やと思う。
騙されたと思うて、あんたがきついと思う仕事、嫌やと考える仕事を続ける努力をしてみたらどうや。何があっても1年、2年と続けるうちに必ず自信が持てるようになるはずや。
あんたの場合は仕事を選ぶより、まず「仕事を続ける」という目標を持った方がええと思うがな。
あんたの望む、『ゲンさんの激辛なアドバイス』ということなら、そういうことや。
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