新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.970 延期の契約書はクーリングオフとかできないのでしょうか?
投稿者 ハルさん 投稿日時 2010.12.30 PM 0:01
新聞契約のことで困っていて質問させていただいてます。
母親が、6か月先からということで新聞の申し込みをしていたみたいなのです。
その母が倒れ入院してしまったあとに「●月から1年間の新聞開始しますが大丈夫ですか?」と新聞屋の人が確認に来ました。
こちらは母も倒れていてお金もないので、もう新聞は断りたいという話をしたのですが「契約をした人が倒れても家の人にとっていただいてる」「お金は少しずつで大丈夫ですから」と言われ、とりあえず6か月様子を見てみるということで延期となりました。
6か月後また同じ人が来て家の様子を伝え本当にお金もないのでと断ったのですが、「上の者に確認してきます」とその時は帰って行ったのですが、今回は「上の者に確認したが契約をなしにすることはできないと言われた。
また6か月延期で良いからここに日付と住所名前を書いて印鑑を・・・」と契約書を書かされてしまったのですが、これってクーリングオフとかできないのでしょうか?
もう、1年間新聞を取るしかないのでしょうか?
回答者 ゲン
『また6か月延期で良いからここに日付と住所名前を書いて印鑑を・・・」と契約書を書かされてしまったのですが、これってクーリングオフとかできないのでしょうか?』ということやが、契約者がお母さんのままの場合は、過去の経緯から見て延長契約と見なされる確率が高いから、クーリングオフをするのは難しいのやないかと思う。
それが新たな契約書で「延長」という文言がなく、あんたの名義になっている場合は新規の契約と見なされるさかい、その契約日から8日間以内なら法律的にはクーリングオフでの解約は可能やろうと考える。
ただ、その場合、クーリングオフは文書での通知と法律で決まっているさかい、その販売店に伝えてそうしようとしてもあかんよ。
具体的には郵便局(JP)の窓口で内容証明郵便や配達証明付きハガキ、簡易書留ハガキのいずれかの方法で送付するのが一般的とされとる。
その方法が分かっておられるのならええが、そうでない場合はサイトの『ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報』 に詳しい解説があるので、それをよく見て確認しておいてほしいと思う。
その契約日がいつの日付なのか分からんが、現在、ほとんどの郵便局の窓口は、2010年12月30日〜2011年1月3日まで正月休みやさかい、2010年12月28以降の契約日でないと、窓口でそのクーリング・オフをすることはできんよ。
クーリング・オフができる期間の8日間をすぎてしまうさかいな。
ただ、その方法でクーリング・オフができたとしても、その販売店が納得せんということも考えられるから、ある程度揉めるのは覚悟しとかなあかんやろうなと思う。
いくら法律上は、それができると言うても、あんた自身、契約の延長ということで納得してその契約書にサインしたわけやから、その責任を追及されることになる。
あんたが、そんなの関係ないと言うて、頑として「法律は法律」やと突っぱねられるのならええが、普通の人は、このケースでそこまで強気になれるもんやない。
その販売店としても、一度その延長をし、再度の延長をすると譲歩しとるという思いもあるから、そう簡単に引き下がるとは考えられんしな。
その販売店次第やが、そのクーリング・オフに対して異議申し立ての裁判を起こす可能性も僅かながら考えられる。
万が一、その審理の過程で、あんたが、その契約が「お母さんの契約の延長だった」と認めれば、残念ながら、その販売店の主張が認められる可能性が高くなる。
その販売店は、このことでは何の落ち度もないさかいな。悪いことは何もしていない。
今回のケースは、あんたにとっては、お母さんが倒れ入院したことで金銭的に困ったことになったのはどうしようもない不幸なことやったかも知れんが、その販売店にしても、それを理由にされても、落ち度もないのに契約をなしにされて損をするいわれは何もないわけや。
きついようやが、自らの不幸を他者になすりつける行為とも受け取れる。
いかなる理由があれ、契約をした限り、その責任があるということは知っておいてほしいと思う。
ただ、そうは言うても事情が事情やからということで、その販売店も再々度の延長をするということで譲歩をしとるわけや。それからすると良心的な販売店やと言える。
そうすると、この場合、どうすればええのかということになるが、一番無難なのは、このまま延長契約を繰り返す、つまりお母さんが治るまで待ってくれということやな。
それなら筋は通るし、その販売店も嫌とは言わんやろうと思う。
その契約をどうしても解約したい場合は、某かのペナルティを支払ってということになる。
その販売店には何の落ち度もないのやから、その契約を解除することで受けるマイナスをいくらか負担すると申し出ることや。
普通は、その契約時に貰ったサービス品はすべて返し、その上でその損害分に相当する「解約違約金」の額をその販売店と話し合いの上で取り決めるということになる。
お互いが納得できる線で折り合えれば、それでええ。
新聞の契約程度のものはいつでも解約できるものと考えとる人は多いが、正当に交わされた契約は法律で保護されるさかい簡単に解約はできん。
もちろん相手が解約に応じれば何の問題もないが、応じない場合は、それなりの対価、ペナルティを覚悟する必要があるということや。
後は、その1年契約を、事情もあることやからと半年に短縮して貰うという手もある。
こういうケースは、なるべく下手に出て情に訴えた方が、相手も折れてええ結果が得られやすいと思う。客やからと言うて上から目線で強気に言うと相手の販売店の態度も硬化するさかいな。
それとも、そんな面倒なことをするくらいなら、お母さんが契約した1年間、その新聞の購読をするかやな。
ワシのアドバイスということなら、以上や。
いずれの方法を選ぶかは、あんたとお母さんとでよく相談して決められたらええと思う。
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