新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.974 新聞の月額払いを理解していただけない方に


投稿者 あーさん 某地方紙新聞販売店勤務  投稿日時 2011.1.30 PM 6:16


はじめまして。

いつも自動配信で勉強させていただいております。

今回、新聞購読料について、質問がありメールさせていただきます。

ある方のあまりにも、素朴すぎる質問に、納得していただける、言葉が見つかりません。

その方は、「新聞代が何故月額なのだ?誰が決めた?」と始まり「2月は日数が少ないので、当然安くなって当り前だろう」と続きます。

「月単位で決められている」と、話しても納得していただけません。

わかりやすい、コメントをお持ちであれば、どうか教えてください。


回答者 ゲン


『新聞代が何故月額なのだ?誰が決めた?』ということについては、あんた自身が熟知して理解しとかなあかんことやと思う。せやないと、客に的確な説明ができんさかいな。

宅配の新聞購読料金を決めるのは新聞社。それを承認しているのが、国の行政機関、内閣府の外局という位置づけになる公正取引委員会というのが一般的とされとる。

ただ、あんたのところの新聞社は例外的に特例社団法人という特殊な形態やさかい、県教育委員会が監督官庁になっていて、その教育総務課の承認を得ているということやがな。

新聞1部売りの定価は、朝刊130円、夕刊50円と決められとる。駅売りやコンビニ販売がそうや。

それからすると、朝夕セット版の地域の場合、180円×30日×=5400円というのが本来の定価ということになるが、宅配の月決め契約者に限り、それを、特別に3925円でサービスしとるというのが、新聞社のスタンスなわけや。実に1475円もの値引きをしているということになる。

これが朝刊のみの地域(全国版)になると、1ヶ月の定価は130円×30日×=3900円となり、宅配の月決め契約が3007円やさかい、893円の値引きになる。

これに消費税などの計算も加わり多少はその差に違いが出るケースもあるが、それはややこしいさかい、客に説明するにはこの程度のことが分かっとればええと思う。

但し、このサービスの条件として、1週間以内は同一価格にするという取り決めがある。

つまり、その月の23日から30日までの購読期間の範囲においては、値段が一緒になるという理屈や。

なぜこんなことをするのかと言えば、1ヶ月というても30日の場合もあれば、31日の場合もある。今回、その客が言う『2月は日数が少ない』という場合も当然ある。

それを厳密に計算していたのでは毎月の経理上、面倒なということもあるし、そもそも、それでは月決め価格というのが成立せんということがある。

それには、駅売りやコンビニ販売での1部売り定価は決められとるが、宅配での1部売り定価自体が決められとらんということがあるからや。

駅売りやコンビニ販売の定価で計算した場合、23日分でも朝夕セット版で180円×23=4140円ということになり、月決め定価の3925円の方が安いという理屈もある。

ただ、全国版の場合は、130円×23=2990円ということになるから、その説明では若干苦しいかも知れんがな。

その場合も含めて、「これにプラス、宅配サービスした上に、景品サービスも加わりますので、宅配契約で購読する方が得になりますよ」と説得すれば分かって貰えやすい。

たいていの新聞社もそう説明するはずや。これはハカセが全国紙や地方紙の主な新聞社に問い合わせて確認したことやから、ほぼ間違いない。

余談やが、全国紙の販売店の中には、この理屈を盾に、1ヶ月のうち7日以内の休止依頼があった場合は新聞社の指示どおり月決め定価での料金を一律に徴収しとるという。

ただ、ここまでのことが理解できたからというても、これをそのまま説明しても相手の客次第では理解して貰えんということがあるから注意しといた方がええと言うとく。

「決まり事や」からと押しつけると反発する人間もいとると。

特に、『「月単位で決められている」と、話しても納得していただけません』という客の場合は、「そんなことは、そっちの勝手やろ」と言い出すケースが多いさかいな。

その場合は、「私ども販売店は、新聞社や国(県)の決めたことには逆らえませんので」と言うて立場が弱いということを強調してから、その説明に入った方がええと思う。

「こちらも本当はお客の希望どおりにする方がいいと思うのですが、それをすると規則違反になり拙い立場になりますので」と。

心配せんでも、あんたのところの新聞は、その地域では9割近いシェアと人気を誇っとるさかい、そう簡単に「それなら他の新聞に替える」ということにはならんやろうと思う。

ただ、全国的にはそのことに疑問を感じる販売店の経営者もいて、独断で休止分は朝夕セット版の場合、1日を130円、朝刊のみの全国版の場合は1日分100円として、その休止分を差し引いとるというケースもあるとのことや。

そうすれば、客とのイザコザが避けられるということでな。

その場合でも、新聞社には同じように1ヶ月分の仕入れとして、その代金は納付せなあかんということやけどな。

そこまで説明して納得して貰えん場合は、その客の言い分、望みを聞いて帰り、それをどうするかというのは経営者の判断に委ねたらええことやと思う。


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