新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.985 新築のお客様について何かアドバイスください


投稿者 jad さん 某新聞販売店専業員  投稿日時 2011.2.20 AM 0:51 


いつもありがとうございます。

回答ください。いま27才ですが、先輩よりも成績をあげたく腕を磨いてます。

素人から徐々に登っている感じです。お客さんで馴染みさんもできて楽しくなってます。これから30才にかけて大きな成果をあげたく思います。

新築のお客様に持って行くと喜ばれるものであったり、気配りの工夫について何かアドバイスください。

僕もされたら嬉しい事は考えてしています。

基本的に言葉使いに気をつける。一方的に話さない。会釈する。イメージをよくするとかしてます。


回答者 ゲン


『新築のお客様に持って行くと喜ばれるもの』というのは、一戸建ての家か、分譲マンションかというのでも若干違うし、引っ越し時かそうでないかによっても違う。

しかし、あんたの言う『新築のお客様』とは、引っ越し予定か、引っ越し後間もない客のことやと思う。せやないと、それを知る意味はないやろうからな。

一戸建ての家の引っ越し客の場合、無難なのは、その日のチラシ入りの新聞、大型のゴミ袋、箒(ほうき)やちり取りといった清掃用具、台所洗剤なんかやな。

またスーパー、病院、学校、駅などを載せた販売店オリジナルの地域情報マップを作って渡すという手もある。なければ、地域の商店街で作っているマップを利用するのもええ。

そういうものは結構重宝されるし、新聞の購読契約を迷っている人には好印象を与えるので、それに販売店名と担当者の名前(あんたの名前)があれば、引っ越しが片付いてから電話してくることもある。

ちょっとした規模の分譲マンションの場合は、入居前に「内覧会」と言うて、業者が物件を引き渡す前に入居者を一堂に会したデモンストレーションすることが多い。

たいていの販売店は、そのときを狙うから、それで勝負がついてしまうことも多い。分譲マンションの場合は、入居が始まってからでは遅いケースがあるから注意せなあかん。

まあ、「内覧会」については、その地域毎の販売店の方が、その情報には詳しいやろうがな。

その際に客に用意する物は『新築のお客様』に用意する物の他に、使い捨てスリッパ、雑巾、タオルというのが結構、喜ばれる。

その中でも特に「使い捨てスリッパ」は必需品で、結構、重宝される一品や。

内覧会で入室する際に、スリッパを履いていれば自分の靴下を汚さずに済む。

内覧時というのは、引き渡しとは少し違うから、それほど清掃はされてない現場の方が多い。

言えば、入居前の検査的な意味合いを含むものやさかいな。販売業者は、この「内覧会」で、入居者からのクレームに答えて直す。

あまり大きな声では言えんが、わざとその清掃の手抜きをしとる業者も多い。

一般には、客にその部屋の仕上がり具合を見せるためにその内覧会をするわけやから、徹底した清掃をしてるものやと思われがちやがな。

もちろん、そうするにはするなりの理由がある。

ワシも昔、大手の建築屋で長くそれに携わっていたから、その内幕はいやというほど知り尽くしとる。

清掃を手抜きしとる大きな理由は、そこに注意を向けさせるためや。

どこか汚れている箇所があれば、入居者は必ずそれを指摘する。そして、多くの場合、そうしたことで満足する。

業者は、待ってましたとばかり「さすが○○様はきびしい目をお持ちですね」と言ってヨイショするわけや。

言うとくけど、その場におる業者の人間は、すべてが営業員やから、その程度のことはお手のものということになる。

入居者は、それで悦(えつ)に入る。そして、肝心な欠陥部分を見逃す。そういうのが多い。

当たり前やが、汚れた所なんかは掃除したら終いや。

実際、その内覧が終わると、専門業者に清掃を徹底させるさかい、入居時には見違えるようにきれいになっているケースが大半や。

入居者は、そのギャップに大喜びするという構図になる。

言えば、業者に嵌(は)められとることになるのやが、これが結構、効果的なわけや。それと見破る客は、まずおらんさかいな。

雑巾やタオルというのは、そういった汚れを拭き取る、あるいは汚れた手を拭くのに役に立つということや。

できれば、それをひとまとめにして入れる紙袋も用意する。もちろん販売店名も入れてな。

販売業者によれば、そのスリッパを当日用意しているケースも多いが、例えそうやとしても、その後入居までに何度か足を運ぶわけやから役に立つことには変わりない。

要するに、紙袋の中身に入っている物は「お客様のために、当店は、ここまで考えているのですよ」ということをアピールするための物やなかったらあかんということや。

『気配りの工夫について何かアドバイスください』というのは、一言で言えば、相手の立場、身になって物事を考えるということに尽きるやろうと思う。

これは、口で言うほど簡単なことやない。『先輩よりも成績をあげたく腕を磨いてます』ということばかりが優先しすぎると、契約を上げるためだけの方策、手段に走りがちになる。

そういう状態では、我が身だけという考えになりやすい。それでは相手の立場に立った見方などできんわな。

気配りに工夫というものはない。他人に気配りができるというのは多分にその人の持って生まれた性質的なものやと思う。

人に優しく親切にできるか、どうかというのは、小手先の技術やテクニックでどうにかなるもんとは違うさかいな。

また、工夫した気配りでは、すぐにメッキが剥がれ、相手にもそれと見透かされるだけや。

本当に『気配り」のある人間になりたいのなら、そんな小手先の技術やテクニックに走ろうとせず、一日に例え一つでもええから、心から他人のために親切にする、いいことをするということを心掛け、実践するようにした方がええ。

その積み重ねが、必ずあんたを気配りのある人間に育てるはずや。

あんたには少なくとも気配りしたいという気持ちがあると感じられるさかい、その気になってやればできるものと思う。


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