新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.990 これから新聞販売店の成り行きはどうなるのでしょうか


投稿者 jad さん 某新聞販売店専業員  投稿日時 2011.3. 6 PM 9:16 


これから新聞販売店の成り行きはどうなるのでしょうか。

いまは朝刊のバイトがやめて専業が代配してます。

断定できませんが、バイト採用をしないで不足は専業がまかなうと思います。
うちはサービスが厳しく二千部弱の小型店舗なので、いまから新しい職をさがそうかなとも思ってます。

ゲンさんの予想はどうですか。


回答者 ゲン


『これからの新聞販売店の成り行きはどうなるでしょうか』というのは新聞の部数減に伴い、従来からの経営姿勢をあまり変えず経費節減だけに走り経営難に陥って廃業を余儀なくされる販売店と、企業努力を重ね、大きくなっていく販売店とに二分されていくのやないかと予想する。

あんたの言う『朝刊のバイトがやめて専業が代配してます』、『うちはサービスが厳しく』というのは前者の代表的な傾向で、朝刊のバイトを雇うのを控え、その分の配達を専業に負担させ、少しでも人件費を抑えようという考えなのやろうと思う。

現在、多くの販売店が新聞社の指導のもとに行われた『正常化の流れ』とやらで、契約時、および継続契約についてのサービスを急激に低下させている。

それにより、大幅な部数減に陥っていると嘆く業界関係者からの報告が、サイトに数多く届けられている。

ワシは、当初からこの『正常化の流れ』というものには懐疑的やったさかい、経費節減に走ったら先はないと言い続けてきたが、どうやらそれが現実味を帯びてきたようや。

皮肉なことに『正常化の流れ』に乗らず、従来どおりのサービスや顧客サービスに徹しとる販売店が、廃業していった販売店を吸収しながら大きくなっとるという実態がある。

それをどう見るかやな。

新聞販売店は新聞を売らな儲けが出んようなシステムになっている。それは拡張団も同じで部数を獲得できんと経営そのものがやっていけんようになっとるわけや。

当然、そのためにはどうせなあかんかを考える必要がある。

答は一つ。

顧客を増やして、現存の購読者を逃がさんことや。そんな単純なことも分からんと、不況になったら経費節減するしかないという短絡的な考えで商売しとったら、行き詰まるのは、むしろ必然やと思う。

これもワシが日頃から口酸っぱく言うてることやが、「新聞は売り込まな売れんもの」ということを、もっと真剣に捉えるべきやった。そのために、どうするべきかを。

経費節減ためにサービスを落とせば、そのサービスで集まった客は、当然のように逃げる。

それでも、それに変わるものを考える、付加価値をつける企業努力をしとるところは、まだ救われとるようやが、それをせず「新聞社の方針」、「販売店の方針」と言うだけで開き直っとるような販売店には救いがない。

その背景に、サービス品を渡しすぎる不埒な勧誘員の存在があったため、それをなくしたいという業界の思惑も分からんではないが、それにより、急激なサービスの低下に走るというのは頂けん。

視点が我が身のことだけで、肝心の顧客にその思いが向いてない。客のことを考えん商売が上手くいくはずはないわな。

『いまから新しい職をさがそうかなとも思ってます』というのは、沈み行く船に乗ってられんということで、そうされるのなら、それはあんたの自由や。

職業選択の自由は、憲法でも保障されとる基本的人権の一つやさかいな。

それについて、ワシがどうこう言える問題やない。

ただ、あんたの質問にある『バイト採用をしないで不足は専業がまかなう』ということで、仕事がきつくなるからという考えがあるのなら、この業界では現在、どことも個人の配達量が増える傾向にあるから、他の新聞販売店に移っても、そう大差ないと言うとく。

もっとも、この業界に見切りをつけられ、他業種への転向を考えておられるのなら、それは関係のない話やがな。

人生の岐路は誰にも必ず訪れるさかい、その時々でどの道を選択するかは自分で決めるしかない。

『ゲンさんの予想はどうですか』というのは、業界はそれらのことを続ける限りは、もっと部数を減らしていくやろうと思う。それに伴い、新聞販売店の店舗数も減ることが予想される。

それでも消滅するというところまでは考えにくい。いくらかの新聞販売店は残る。ワシの予想やと新聞の購読率60%〜70%あたりが下げ止まりやろうと考える。

つまり、業界としては今より2〜3割程度の新聞販売店とそれに伴う人員が少なくなるということや。

もっとも、それは予想で、業界が今の状態を真剣に打破しようと考えるのなら、そのための効果的な方法は、その気になって探せばいくらでもあるはずやさかい、上昇に転ずる可能性もあるんやがな。

現在、その画期的とも言える方法を考案中で、それがまとまり次第、メルマガあたりで発表するつもりやさかい、この業界に残るつもりなら某かの参考にはなるのやないかと思う。


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