メールマガジン 新聞拡張員ゲンさんの裏話

第119回 新聞拡張員ゲンさんの裏話     

発行日 2006.11.17


■新聞配達は危険がいっぱい……その安全対策への考え方


前回のメルマガで約束した通り、今回は新聞配達時に潜む危険とその安全対策についての話をしようと思う。

今さらやが、現在の日本には安全が当たり前やという神話は崩れ去ったと言うしかない。

ニュース報道を見る限り、昔では考えられんかったような凶悪事件が日常茶飯事になっとるいう感さえあるからな。凶悪事件が凶悪と映らん怖さがある。

自分の身や家族、また守るべき対象のために危険について真剣に考えて取り組まなあかん時代になったのは確かや。

平和を貪っていた時代は過ぎた。そう、はっきりと認識しといた方がええと思う。

今回の事件を知った読者の方々から、新聞配達の危険について、多くの意見を寄せて頂いた。

危険を回避するためには、そこに潜む危険そのものを知る必要がある。どういう危険があるのか、知らんことには対処のしようがないからな。

これから、実際に配達されていた方々が危険に思われたり遭遇されたりされた事例を紹介しようと思う。それぞれのその部分だけを抜粋してみた。


事例その1

自分も、配達中に酔った男に絡まれたことがあります。営業でお客様には自分が悪くなくても、ペコペコ頭を下げる習慣がついてるせいか、ペコペコ頭を下げてその場をやりすごしました。

でも、自分も一つ間違えたら、今回と同じようになると思うと、ぞっとしますね。対策は、正直、難しいと思います。

配達中は、常に一人ですからね。実際、配達時間中は、人通りもないし。特に山とか、田舎の区域などでは、思いきり叫んだところで、誰にも気づかれない事も十分考えられます。


事例その2

私の配達仲間の一人は、過去に、不用意に相手と言葉を交したがために、あやうくケンカに発展する一歩手前の状況になったことがありました。

また、私の身にも起こったことがあります。それは、私が集合住宅に配達中のできごとです。

私がバイクから離れたとき、たまたまそこを通りかかった酒に酔っていたと思われる男がバイクを触り、私がそれを注意したことから、ケンカになりかけたというものです。


事例その3

配達時ではないのですが、営業中、お客に部屋の中に引き込まれて暴行を受けるという事件がありました。

顔は腫れて、包丁を持ち出されて、下手をすると全国ニュースものでした。そのときは連勧でしたし、案内もいたのですぐに110番することができ、とりあえずは無事でした。


事例その4

私の勤務している販売所のケースでは、そういった人にからまれて殴られて怪我をした、というのは今のところありません。
 
ただ今までに直接「配達員がからまれて怪我をした」というのはないというだけで、販売所のエリア内で女子高校生が犯罪に巻き込まれる事件は実際に起きています。

実際、女の子が怪しい車につけられて販売所に逃げ込んできたという事が先日ありました。


事例その5

女性は特に危険が多いと思います。私は、従業員時代、拡張先で痴漢にあいました。

その後は怖かったので防犯ベルを首にかけて拡張してました。昼間といえども、どこに、どんな人がいるかわからないので。

しかも、そこの社宅は2度危ない目にあっています。

別の店では若い娘さんが配達していたら男が待ち伏せしてずっと配達中、車でつけてきたということがあったみたいです。


事例その6

僕の配達区域にヤクザの人が住んでいるマンションがあります。そこは、いつも明け方5時くらいの配達でほとんど人には会わないのですが、たまに怖そうな人と会うことがあります。

文句を言われたりとか脅かされたりとかはないのですが、先入観があるからかも知れませんが、やはり怖いです。


事例その7

私も自転車で配達しています。配達区域にコンビニエンスストアがあり、そこへも本紙とスポーツ紙を配達しているのですが、早朝4時くらいという時間にも関わらず、まだ十代後半くらいの若い連中が5,6人たむろしているときがあります。

一度だけですが「おじさん、大変だね」と、にやにや笑いながら話しかけられたことがあります。

どこか人を小馬鹿にした感じがあり、とても不愉快でしたが相手にするのはよそうと、その場は愛想笑いをして誤魔化しました。これなども、ひとつ間違えると危なかったかも知れないですね。


事例その8

もう一年ほど前ですが、配達員同士で、ちょっとした小競り合いの喧嘩になったことがありました。

新聞を二部取っている家があるのですが、その相手の他紙配達員が、私の入れた新聞をボストから抜き取り地面に落として、自分の新聞をそのポストに差し込もうとしている現場を見つけ文句を言いました。

相手はそのとき謝罪するどころか反論してきたので、双方とも大声で揉めることになり、つかみ合い寸前になりました。そのとき、その家の人が出てきて、その場は収まりましたけど。


事例その9

僕もこの被害者の方と同じく繁華街の配達があり、怖い思いもしたことがあります。

酔ったお客同士だと思うのですが、狭い路地で喧嘩を始めたのを目撃したことがあります。

誰かの「警察を呼べ」という声が聞こえ、僕も怖くなったのと他へ急いで配達に行かなければならないと思い、その場を離れました。


事例その10

あるアパートでのことですが、配達員がバイクのエンジンをかけたまま、そのアパートの配達に行きました。これは、よくあることです。

ところが、配達員がバイクの所まで配達から帰ってきたとき、そのアパートの一階の住人が「うるさい」と喚きながら、木刀のようなものを取り出して襲いかかって来たという事件がありました。

その木刀は荷台の新聞を叩いただけで、運良くその配達員はその場から逃げ出すことができました。


事例その11

そこは、一方通行だったのですが、その一方通行を逆走してくる乗用車と危うく接触しそうになったことがあります。

どうやら、その乗用車はパトカーに追いかけられていたようで、そのすぐ後をバトカーも同じように走り抜けて行きました。

その時は、遠くでパトカーのサイレンがしていて何だろうなと注意していたのと、その乗用車が狭い道でスピードを上げていたので、おかしいなと思いましたから、とっさにかわせたと思います。


以上が、この10日あまりで寄せられた危険に関連した主なものや。

これに加えて、事件の感想や、これからの対策などについても意見を頂いている。

そのすべてをここに掲載するのは、とても無理やから、それらは『ゲンさんのお役立ち情報 その6 新聞配達員の危険情報』に掲載しとるので、そちらを参考にしてほしいと思う。

また、寄せられた意見には、特に今まで何もなかったという意見も多数あった。普通はそうやろうと思う。

ただ、皆さん、安全ということには関心が深いようで、その安全対策のマニュアルのようなものがあれば、ぜひ知りたいということやった。

これから、寄せられた方々のご意見も参考に、その安全対策についての考え方を話していきたいと思う。

前回のメルマガの最後の方でも少し触れたが、KYTという考え方がある。危険(K)予知(Y)訓練(T・トレーニング)のことをそう呼ぶ。

危険を知り、それを予知、想像し、さらにそれらを繰り返し覚え込む訓練をすることで危険回避につなげようという考え方や。

これは、もともと、工場などでの事故防止の考えから広まったものや。たいていの事故原因は人為的なものが多いということで、その重要性が高まってきた。

その主な要因として、危険を危険と気付かない(感受性の欠如)、つい、うっかり、ぼんやり(注意力の欠如)というのが大半を占めるとされとる。

加えて、危険を避けることへの意欲に欠けるということも重要な要因となる。つまり、注意する気持ちがなければ、危険が増大するということや。

当たり前と言えば当たり前なんやが、多くの人は、そのことをあまり気にも止めてないのが普通や。

すべてとは言い切れんかも知れんが、どんな危険にも、その兆候というのがある。

それを察知できるかどうかで生死を分けたということは世の中にはいくらでもあるからな。

例えば、同じ新聞配達をするにしても、常に「安全に」を頭に入れとる人と「いつものことやから大丈夫や」と安易に考えとる人とでは、事故や危険に遭遇する確率は段違いということになる。

人生に於いて同じ日というのは二度とない。同じような日があると錯覚するだけや。昨日、安全やったから、今日も大丈夫やという保証はどこにもない。

こんなバカみたいな話は言われなくとも誰にでも分かる。

ところが、たいていの人はいつものことやから大丈夫と考える。毎日が同じことの繰り返しやと思うわけや。

昨日まで安全やったから、今日も明日も安全やと考え、それに疑いを挟むことも少ない。

ところが、何でもそうやが、世の中には100%安全というのは絶対にないし考えられんことや。

人は90%以上、安全ならほぼ大丈夫やと思い込みやすい。

しかし、その積み重ねの結果は、安全とはとても言えん確率を弾き出す。

昨日は90%の安全が確保されとったが、今日は90%×90%=81%の安全になる。明日は81%×90%=72.9%にまで落ちる。

そして、10日後には約35%の確率になり、30日後には実に約4%という数値になる。

もちろん、これは机上の計算にすぎんから、この通り危険に遭遇するということではないかも知れん。

ただ、今までが安全やったから未来も大丈夫やということにはならんということが言いたかったわけや。

むしろ、今までが安全やった分、これからは、その危険が増大しとる可能性の方が強いということもな。

これをもとの90%まで戻すためには「安全に」という意識を持つこと以外にないやろと思う。

その意識さえあれば、自然にあらゆることに注意を向けるはずやから、危険を避けられる確率が上がるということになる。

そして、この考えは、人から言われたり指示されたりすることだけでは身に付きにくい。

各個人で自分の身は自分ので守るという強い信念の持続がなかったら意味がない。

そこで、その持続力を持たせるためにも繰り返しの訓練(トレーニング)というのが必要になる。常に意識するということやな。

危険に対処するには、大きく分けて、個人でするのと、組織でするのとがある。

新聞配達は、一人で配るのが原則やから、まず個人で、その気構えができてな話にならん。

もちろん、今回の事件は業界としても教訓にして、安全対策を充実させるすべきやと思う。配達員なくして、販売店は存在できんのやさかいな。

しかし、残念ながら、配達員への安全対策という面で、配慮に欠ける販売店もあるのは確かなようや。

そういう報告も結構多い。というより、寄せられた意見で圧倒的に多かったのは、今回の事件についても特に注意もされてないし、その対策もないということやった。

これを見て、そら考え直さなあかんなという販売店が現れたらそれに越したことはないが、まずは、配達員自身で、自分の身は自分で守るという意識を強く持ってほしいと願う。

それらを考慮し、その対処法については、個人、販売店、両方の対策ということで提案したいと思う。


新聞配達時の危険についての考え方と対処法


1.配達区域に潜む危険を洗い出す。

これについては、ほとんどの配達員の方が経験的に分かっとることやと思う。

また、それだけやなしに、今までは安全やったが「ひょっとしたら、ここにはこんな危険も考えられるな」という想像力を働かせるのと、情報を集めることが重要なポインになる。

配達員同士でこのことについて日頃から話し合えるようにしとくことやな。そうすれば見つけやすいと思う。

一般的に危険個所としては、今回の事件の舞台となった深夜営業の飲食店の多い繁華街、コンビニ及びその駐車場、駅前、公園、民家の少ない寂しい地域などが挙げられる。

もっとも、これらは季節、曜日、時間帯と様々な要素が絡み、その時々によって事情が変わると思われるから、そのことも当然、留意し、検討する必要がある。


2.配達地域の人員変更を考える。

女性や年輩といった社会的弱者と思える人に、危険と思われる地域の配達から除外する方向に持って行くように販売店は配慮せなあかん。

また、販売店にそれを配慮して貰えん場合は、自ら積極的に進言することや。

言いづらい面もあるやろうが、危険を回避する一番の有効な手段は、その危険に近づかんことやさかいな。

特に今回の件で、その危険がある程度、立証されたわけやから、それを言うには、今がそのチャンスやと思えばええ。

ただ、気の利いた販売店なら、昔からやっとることではあるがな。たいていは、店長、主任クラスやベテランがそういう地域を受け持っとる。

当たり前やが、そういう販売店やとその危険に遭遇する確率は少ない。

凶悪事件の犯人たちが共通して狙う相手の大半が、その社会的弱者や。自分より明らかに弱いと思える人間にしか、その牙は向けんもんや。

せやから、狙われる危険があると判断される地域に、屈強な男を配置するだけでも、今回のような危険の大半は回避できるはずや。


3.配達順路の変更を検討してみる。

販売店の事情により配達人員の変更が難しい場合は、順路の変更も効果的やと思う。

突発性の事件には難しいかも知れんが、危険がある、狙われる畏れがあると感じた場合は、なるべく同じ時間帯での配達は避けた方がええ。

最低でも、そのコースに対して3、4通り程度の順路を設定する。順路帳を作るのが手間かも知れんが、安全のためには重要なことや。

その分、狙われにくくなる。自らの身体生命に関わることやから、用心に越したことはないと思う。


4.配達の時間帯を変える。

事件のあったような繁華街があるコースなら、危険と思われる曜日や時間帯をなるべく避けるようにする。

例えば、今回のように午前4時、5時に終了する飲食店が近くにある場合は、その時間帯でのその地域の配達は避けることやと思う。

実は、これはすでに実行されておられる人がいる。その人は、その区域だけを6時以降の最後の方で配っておられるということや。


5.若者の集団と関わらない。

コンビニ前や公園周辺などに、たむろしている若者と出会うことのある地域を受け持っている場合は、その姿を見かけたら、なるべく避けるようにする。

もちろん、すべてのそういう若者が危険であり問題があるというわけやないが、集団でいとる場合、ちょっとしたことで暴発しやすいことは確かや。

それに、ここでは、彼らの是非を問うということより、危険回避に重きを置いて考えとるわけやから、避けることがベストということになる。

ただ、公園周辺はそれでもええが、コンビニへの配達がある場合は、そうもいかん。そういう所は、たいてい配達時間の制限があるはずやからな。

その場合は、なるべく関わり合いを持たんという姿勢で、少々何を言われても逆らわずその場をなるべく早く立ち去ることやな。


6.防犯ブザーの携帯。

防犯ブザーの携帯はしておいた方がええ。特に女性の配達員は必需品やろと思う。たいていの人間は、その音で逃げ出すというデータがある。


6.効果的な助けの呼び方

ただ、中には、執拗な人間もおる。特に今回のように、追いかけ廻して暴行するような輩には、防犯ブザー程度では効果は期待できんと思う。

さらには、今回のように「助けてくれ」と被害者が大声を出しとるにも関わらず、周辺の住民もそれを聞きながら、警察にすら通報してなかったという事実もある。

後で、そんなことがあったと証言しとることでも、それが分かる。

残念やが、そういう揉め事を聞いても、関わり合いになりたくないという人が、今の世の中には圧倒的に多い。

もっとも、それを責めるわけにはいかんがな。誰でも我が身は可愛いもんやさかいにな。

つまり、そういう事態になっても、普通に助けを呼ぶくらいではあかんと考えとく必要があるということや。

こういう場合、命の危険を感じたら「助けてくれ」と言うよりも「火事や」と大声で叫ぶ方が、よほど効果があると思う。

これなら、たいていの人間が表に飛び出して来るはずや。そして、その現場を目撃したら警察に通報するくらいのことは期待できる。

これも、とっさに機転を利かせて言うというのも難しいと思うから、日頃からその心づもりをしとく必要がある。これが、訓練ということにつながる。

何か笑い話のネタのようで恥ずかしいと考える向きや、それは嘘やないかという批判があるかも知れんが、命がかかっとる場合はそんなことも言うてられんやろと思う。

また、そういう切羽詰まったケースでそれを咎め立てる人もおらんはずや。

余談やが、ワシの知っとる仲間の拡張員が、あることで数人のヤクザ紛いの人間に取り囲まれたことがあった。絶体絶命や。

そのとき、その男は、とっさに「火事や」と大声で喚いて難を逃れたということが実際にあった。効果はかなり期待できるはずや。


7.防犯グッズの携帯。

催涙スプレーなどの防犯グッズを購入して持っとくという意見もある。

ただ、それらのグッズは、状況により所持しとるだけで違法行為になる場合もあるようやから注意が必要やと思う。

軽犯罪法というのがある。この中の第1条2項に、人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯する事を禁じるという項目がある。

基本的には、自己防衛のためとはっきり言える状況があればええということになるが、状況次第では、その解釈が難しい。

仕事で使用する場合は、襲われることが想定される現金輸送車などの運搬業務やと問題ないが、新聞配達となると微妙やという。

これについては、ハカセが、ある警察署に行って聞いたことがある。というても、警察サイドも一般論でしか言えんようやがな。

その話を総合すると、女性の場合は概ね認められやすいということや。

深夜、人通りの少ない地域を通る場合、催涙スプレーやスタンガンといった防犯グッズの所持は、まずお咎めなしやということになるようや。

これが、屈強な男が携帯してたという場合は、いくら護身のためと言うても微妙なところらしい。

実際、検問なんかで車内にそれがあった場合、軽犯罪法違反容疑で、警察署で事情を聞くということもあるとのことや。

今回のような事件が頻繁におき、社会問題化するようなら、新聞配達員にも、その携帯が認められるかも知れんが、今のところ、まだそこまでには至っていない。

自己判断、自己責任でと言うしかない。

ただ、それを使用することにより、必要以上に相手に怪我を負わせた場合、その状況、程度により、過剰防衛ということになりかねんというのは知っておいた方がええ。


8.携帯電話の活用を考える。

携帯電話は常に持っていた方がええ。不審な人間がいて危険を感じたら、携帯電話を持って話す真似をするだけでも効果があるという。

また、万が一のときのために、販売店や近くの警察署の電話番号を短縮番号で登録し、素早く押せるようにしとくことや。

販売店毎に責任者を決め、通報の場所にいち早く駆けつける体制があれば、申し分ない。

電話をかける余裕がない場合でも、販売店、仲間にあらかじめメール文を作成しといてメールでSOSを送れるようにしとく。それも、単純なボタン操作に限る。


9.巡回パトロール、及び重点地区の専属配達を考える。

これは、個人ではできんことや。販売店単位で考えなあかん。提言は個人でもできるやろうがな。

駅やコンビニへの専属の配達員を作り、その配達の途中、それらを兼ねて巡回パトロールをする。

これは、実際、長年に渡り実行しとる販売店がある。

その配達エリア内には、コンビニが12軒、駅が2カ所あり、その部数だけでもかなりあるから、配達員の負担を軽減しようということで、その店の店長が考えたことや。

その店では、その配達を軽のライトバンでしとるという。件数が少なく時間的な余裕もあるから、巡回パトロールにもええ方法やと思う。

そのコンビニや駅のある場所が、適度にそのエリア内に散在しとるということもあるようや。

余談やが、特定のマンションや公営団地の中には、その住人にそこでの配達を依頼しとる所もあるというから、そのための新聞もまとめて配達しとるという。

それが3カ所で、850部。コンビニ、駅と合わせると、1000部を超すというから、その意味でも軽のライトバンでないとあかんということのようや。


10.地域での防犯体制を確立する。

これは、寄せられた意見にもあったが、地域の販売店及び牛乳配達店などで連携するということも、考慮してもええのやないかと思う。

警察とも協力して、その時間帯のパトロールを強化すれば、効果は望めるはずや。


11.傷害保険などに加入する。

直接の危険回避の考え方からは外れるかも知れんが、万が一の準備は必要や。

これは、本来は販売店が考えるべきことやとは思うが、個人でも加入しといた方がええ。

酷なことを言うようやが、暴漢に襲われて怪我をしたからというて、その販売店に治療費をどうにかしてくれと請求しても難しいやろからな。

本来は、その加害者に負担させなあかんことや。

しかし、こういう暴漢の多くは金目当てに事件を起こすと相場が決まっとる。そんな輩にそれを期待しても無理やわな。

もっとも、仕事中なら、労災の適用があるかも知れん。犬に噛まれても適用されるというからな。

ただ、それも状況次第では適用されん場合も考えられるから、やはり、個人的に傷害保険に加入しとく方が無難やろとは思う。

そうなってから悔やんでも遅いさかいな。


以上が、今のところ考えられる提言や。

それぞれの販売店や個人的な事情、また、配達区域などの状況で、すべてに役立つかどうかは分からん。

せやから、実際の対策は、各個人、各販売店に即したものにせなあかんと思う。それぞれで考えて貰うしかない。

最後にくどいようやが、危険を回避しようという強い意識だけは持ってほしいと切に願う。

それが、間違いなく自分の身を守り、家族、仲間の命をも守ることにつながると信じとるからな。


ある販売店の責任者の方から、安全対策のマニュアルへの提言があったので、それを紹介しとく。


追記  安全対策マニュアルへの提言  2006.12.18 PM 2:33


早速ですが、配達員の安全マニュアルについてです。防御策は、結構似たり寄ったりな部分で落ち着きました。防犯ブザーだったり、時間をずらしたり、ですが。

しかし、ここから管理者が考えないといけない部分に手をつけました。というのも、ズサンだと感じたからです。

配達員の順路帳と、配達員のタイムカードのCHECKの徹底です。順路帳どおりと言うのは、こちら側がいうことであって、よく考えれば、対応した順路は配達が設定してるんだったと。

悪天候や、寝坊した時などに、手伝うにしても、探しまわったことが何回もあります。

もちろん、コンピューターに入れる順路は、一定の基準で入れます。というのも、労災などの関係上、配達中の事故などは、順路帳を提出させられる事もあり、逆走などの交通違反があると、何かと面倒くさいからです。しかし、この基準では仕事上どうしようもないですから、順路は組み替えます。

これが、配達員によってまちまちなわけで、これでは管理できてないだろうと。配達員が自分の順路帳を手書きで作り、これを1ヶ月に1度作りなおし、これを、コンピューター管理する。今の最新ソフトは、これが出来るようになってます。

こうすることによって、配達がどの時間帯にどの場所にいるか把握できるようにし、少しでも不審情報があれば、配達のない従業員が、パトロールする事もできる。案外、これはどこのお店も出来てないのではと考えますから。

そして、赤色燈などを車につけるとの案も出ましたが、許可が必要な場合もあり、却下。

あとは、集金人にお願いして、読者にSOSのお願いプリントを試験的に出してみまた。(400件)

「配達中に不慮の事故、事件に巻き込まれそうになった時、非難場所としてご協力いただけませんか?」 こんな感じでしょうか。

案外、協力してくださる家も多く、逆にお客さんとのコミュニケーションにもなりました。このSOS協力の家には、粗品ですけど、年2回ほどのお礼をしようということに。

出費として考えれば、確かに出費かも知れませんが、これが逆に、新聞屋が区域のパトロールでもあるわけなので、定着すれば、新規のお客さんにもアピールにもなりますし。

どちらにしても、配達員の作業把握を徹底することの大事さを痛感しました。


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